○「あかね噺」 6
さぁスタートしました。今期アニメとしては私は注目していきたいタイトルです。
先に自分語りから入っておくと、珍しく原作既読。個人的に「落語」という題材は常に興味があるのでジャンプでこの漫画がスタートしたという話を聞いた時には興味は湧いたが、すでにジャンプから離れてしまった後だったのでその時はスルー。しばらくして(コミックが6〜7巻くらいまで進んだくらいかな)例によって漫画喫茶でなんとなく手に取り、「えっ、ちゃんと面白いんじゃない!?」と衝撃を受け、珍しくそのまま紙の本でも買いはじめたのである。今や紙で買ってるジャンプコミックは(ジョジョとキン肉マンを除くと)この1作だけである。
原作を読んだ時に感じたのは、「落語という題材を上手いことジャンプ漫画にしてるじゃん」ということ。落語のスキルをパラメーター表示のステータスにしてみたり、ライバルキャラとのバトルの構図をはっきりさせたり、ターゲット層を子供にしてもある程度受け入れられるようになっている。まぁ、ほんとのお子さんたちに刺さってるかどうかは知らんのだが、この「ジャンプ的落語の翻案」が実に綺麗に決まっていて、しっかり落語のエッセンスは詰まってるな、と感心したのである。現代ジャンプアニメには珍しく現代日本の下町が舞台で、人情ものとしての機能もこなしているし、絵もパリッとしてて読みやすかった。トータルで、私はこの漫画が好きになったのだ。
さて、転じてアニメの話。「落語とアニメ」もなかなか食い合わせが難しい題材であり、これまで挑戦した事例は多くない。そしてその貴重な事例の中にあの大々傑作・「昭和元禄落語心中」があるというのがまた難しい。もうあの作品はアニメやら漫画云々を飛び越えて1つの芸術として昇華してしまっている感があり、「落語アニメ」というだけであれと比較されるとしたらたまったもんじゃない。変な言い方になるが、今作には「あれ」は全く望んじゃいない。それこそ原作と同様の適材適所。もっと手軽に、「ジャンプアニメとして」落語を楽しんでほしいというそのままのデザインで下ろしてきた形になっていると思う。どんな声優が束になったところで石田彰・山寺宏一・関智一・小林ゆう(・林原めぐみ)が作り上げたあの牙城を崩せるわけもなく、別路線でもっと輝くものが提供できればそれでいい。
製作陣も構造美の天才・畠山守に対抗する監督として平均打点の高い安定感の渡辺歩が起用され、スタジオはあんまりジャンプアニメのイメージがないZEXCSという布陣。なんだか今までのジャンプ漫画とは違うものも出てきそうだが、少なくとも1話目の演出のピントはずれていない。高座での見せ方はやはりどこか安っぽいというか、勢い任せなところはあるのだが、今後の若手勢の落語を見せる都合上、こういう演出の方が作りやすいだろう。1枚絵のインパクトは悪くない水準に達しており、今回は見取りの時のあかねの表情なんかが素晴らしいものに仕上がっていた。是非とも、この魅力をさらに広く知られてほしいところ。
中の人に関しては、重責を任されたのは今や安定の請負人となりつつある永瀬アンナ。声質的にも文句のないところだし、精一杯この難題に取り組んでいただきたい。おっとうが福山潤というのはちょっとイメージからずれてたんだけど、手っ取り早く噺家役を任せるにあたって、素地がある人にお願いするのは理にかなっていた。そして面白かったのは師匠方のキャスティング。もはや事前に知らされてなくても「まぁ、一生はどっちかの大塚(明夫or芳忠)だろ……」と想像してたら案の定明夫だった。志ぐまがてらそまさんなのもいい具合だし、一剣役の平田さんもぴったり。まさかの全生に立木さんは笑っちゃったけど今後が楽しみ。あと、個人的にキュンときたのがおっかあが御前だったことですかね。この夫婦、なんかすげぇしっくりくるんですよ。志ぐま一門がどんなラインナップで出てくるのか、楽しみに待ってます。
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