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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 富田美憂。「ミユ」の「ユ」の字は「優しい」じゃなくて「憂鬱」の憂。間違いやすいので要注意。どういう意味があるかは知らん。せっかくなので「ミユ」と呼んでみたいところだが、あんまりそういうチャンスもないので普段はフルネームで「富田美憂」としか書いてなかったりする。「富田」だけだと特定できなそうな気がするのだが……まぁ、声優業界では富田耕生氏(故人)がパッと思い浮かぶくらいで、他には声優としては天堂真矢専属(?)の真帆姉がいるくらいなので「富田」でも大丈夫かもしれない。呼び慣れてないのは、若手声優はもはやアニメ以外で触れる機会が少ないせいだ。

 ちなみに当企画においては惜しくも数ヶ月差で羊宮妃那に競り負けたが2番手の若手だったりする。……え? この子まだ26なの? なんなのその貫禄。

 




 

・馴れ初め

 まぁ、若手で「らしからぬ」印象を持ってる子ってのは当然早咲きになるわけで。富田の来歴を調べてみるとWikiには2015年時点で女子高生声優としてデビューしており、いきなり「アイカツ」関連でメインを張っていたという。残念ながらアイカツはフォロー外なので私はその華々しい登場時期を見逃してしまっていることになるが、同年には「おしえて!ギャル子ちゃん」でトリオの一角であるオタ子役に抜擢されており、この時点で一応名前は認識していた(例によって、名前の漢字が珍しくて印象に残っていたためだ)。今になって思うと、「ギャル子ちゃん」はメインの和氣ちゃんが出てくるきっかけにもなっていたし、残る1人はたかみなが務めているので相当にゴリゴリのキャスティングだったと言えなくもない作品である。

 とはいえ、オタ子は好きなキャラではあったが「ギャル子ちゃん」自体が10分のショートアニメだったのでそこまで注目されるものではなかったし、なんとなく名前だけ認知する程度でそこは終了。はっきりと富田節を叩き込まれたのは翌年、「ガヴリールドロップアウト」で主役のガヴリールとして世に出たタイミングである。アニメ自体の成果はもしかしたら「それなり」レベルだったかもしれないが、今作で話題をさらった一番のポイントはなんといってもオープンエンドを飾った楽曲である。いかにも太田雅彦作品らしいゴリゴリにキャラに寄せた賑やかなキャラソン。メインキャストは4人だが他の布陣が大西くん、そらそら、そして花澤香菜というメガトン級のラインナップとなっており、この悪鬼羅刹の中に放り込まれたのが、デビュー1年目にして未だ女子高生だった富田美憂。下手したらテクニカルすぎるいじめやないかい、と思いきや……なんだそのJK。あまりに堂々としすぎている。もはやアイドル声優を4〜5年こなしてきたかのような貫禄がある。歌詞の中で「とりまJKだし」とか歌ってるのが凄まじいよな。

 そしてこの年は更なる追撃、「メイドインアビス」も放送を開始する。リコですわよ。デビュー直後からいきなり主役を2つもかっさらう若手なんて、だいたいは特級呪物ですよ。いや、ひと昔前だったら「なんでこんな棒を起用しまくってるんや。コネ以外に考えられないやんけ」みたいな事例もあったけども……現代ではもはやそれは通じない。アビスみたいなガチ作品に女子高生声優が起用される。それはもはや、深淵に魂が引き摺り込まれたが故の出来事だったのかもしれない。この時点で業界は確信していたのだ。「富田になら、何をさせてもいいのだ」と……。おやおやおやおや。

 

 

・良きところ

 何をさせてもいいところですね。

 いや、割とマジで。「CV富田美憂」は業界的に最大の免罪符となっており、キャラに何をさせても、何を喋らせても許されると、そんな特権を確立しているような気がしてくる。まぁ、回ってきた役がたまたま「そういう」連中ばかりだったって話ではあるのだが……それって絶対に富田本人が「引き寄せ」た結果だと思うんだよなぁ。

 声質は割と真っ当にアイドル路線が狙える、高めで通りやすい音質。ただ、真っ直ぐに飛ばせる声の裏にちょっとした「こもり」みたいなニュアンスがあるのが特徴で、もしかしたらこの小さな要素が種々の闇を引き込む原因になっているのかもしれない。富田ボイスで真っ直ぐキラキラな美少女って意外と少ないんじゃなかろうか。

 言葉のチョイスを恐れずに富田ボイスを一言で表すなら「名誉メスガキボイス」である。ほんとに神経を逆撫いでするのが上手く、生意気なことを喋り出した時に一際輝く「こまっしゃくれ」感が実に良い。ただ、これまでも何人か「イラッとさせる声」みたいなカテゴリでピックアップした声はあったが、キンキンと高い音域を狙う佐倉さん、突出した馬鹿っぽさが空気の読めない苛立ちを生み出す赤崎ボイスなんかとは違って、富田ボイスから生まれる「逆撫で」はどこかで絶対に「可愛い」に紐づいている。突き抜けたイラッとがキャラを吹き飛ばしてしまわないように、「でもまぁ、まだ幼くて分かってないところもありますので……」みたいな免罪符を懐に隠し持っているような、ギリギリのラインで「美少女」に踏みとどまれる限界を狙っているかのようである。最初にそれが出てきたのがガヴリールだったというのもなんだか出来すぎた話だが、その後の富田ヒストリーには「美少女……ではあるのだが……いや、可愛いは可愛いんだ。それは間違いない」みたいな境界ギリギリ面子が居並ぶことになる。いや、たまにちょっと越境してる奴もいるかもしれないが。

 このメスガキ的な「小さなどす黒さ」は当然富田本人の意思で自在に出し入れできる。思い切りイライラさせたければこのボリュームをひねって大きくしてやるだけだし、余計なニュアンスが求められない役どころならオフにすることだって出来るだろう。ただ、業界的には初期も初期に「メスガキ富田」の味を知ってしまったがために、これを完全にゼロにすることはあまり求められてこなかったのである。

 メスガキはギャルになり人懐こい後輩になり、時に厭世的な物言いのオタクにもなる。この音域にも関わらず性別を飛び越えることもあり、時には「生えてる」ことをネタにされたりなんかして……。ほんと、なんでもありだよな。

 繰り返しになるが、まだ彼女は二十代も半ば。10年のキャリアを持ちながらしれっと「若手」のツラしてそこにいる。これから先の声優ウォッチでも、まだまだお世話になることだろうよ。

 

 

・お勧めキャラ3選(ものの見事に面倒臭いキャラしかいない)

 

・「ガヴリールドロップアウト」より「ガヴリール」

 せっかくなのでエンディングのリンクも貼っときますね。ガヴって基本的にダウナーな役だからそこまで巧拙が出ないような印象もあるんだけど、やっぱ出た直後から腕があるのは分かるんだよ。どこで鍛えてきたんだよ。

 

・「メイドインアビス」より「リコ」

 そういやこっちもオープニングエンディングの歌唱担当してるのか。伊瀬ちゃんとのデュエットではあるが、しっかりリコでの歌唱を作った上での素朴な魅惑が抗いがたく。そしてリコさんはその後の重責は全部分かった上での起用なわけだが、何一つ怖気付くこともなく劇場版、2期まで走りきってますんでね。

 

・「となりの吸血鬼さん」より「ソフィー・トワイライト」

 「ガヴリールもやったんだから、こっちもついでに」みたいな起用。家から出ないでダラダラしてるだけの厄介がやけに似合うの、当人のキャラを知ってると納得というか、よく分からんというか……。

 

・「ぼくたちは勉強ができない」より「緒方理珠」

 まさかの理系富田。まぁ、「空気を読まない」という声の特性をそのまま活用した分かりやすい例ではある。ここまでオタクキャラがやたらと並んでいるが(理珠はオタクではないやろ)、なんかこう、陰にこもった雰囲気がやっぱり声に融和してる証拠なんでしょうね。

 

・「放課後さいころクラブ」より「大野翠」

 この「緒方・大野」の並びが同年同時期に放送されてたのがすごく好きな富田フィールドで、2キャラとも「空気を読まないクソメガネで、どっちもボドゲが大好き」という謎の共通点を持っていた。いや、大野さんは決して悪い子じゃないし、最終的にはすげぇまっすぐな主人公気質になるんだけども(主人公じゃないんだけども)。

 

・「とある科学の超電磁砲」シリーズより「警策看取」

 「みどり」ちゃんの後には「みとり」ちゃんが登場。この警策も実に富田らしいすげぇいいキャラでね……まぁ、超電磁砲はほんといいキャラ多いんだけども……。途中までのクッソ生意気な敵キャラとしての立ち回りも憎らしくて勇ましいし、いざことが終わってからの和解後の立ち位置もとても健気で素敵。この「はすっぱな人情味」みたいな味わいが富田ボイスに真骨頂よねぇ。

 

・「かぐや様は告らせたい」シリーズより「伊井野ミコ」

 こちらも絶妙にイラッとさせる立ち位置の後輩ポジ。いや、でも流石にミコちゃんは被害者側のスタンスか……。富田ボイスVS小原ボイス、世紀の舐め腐り対決。

 

・「無能なナナ」より「佐々木ユウカ」

 キャラとしてはかなりトリッキーな部類だが、表面的な顔とその裏の真実のどろりとしたギャップもたまらない。加えて、今作についても富田ボイスはアニソンに活用されている。上述の作品と違って個人名義のアーティスト活動。こちらの富田も良い。

 

・「機動戦士ガンダム 水星の魔女」より「チュアチュリー・パンランチ(チュチュ)」

 キーキーうるさいメスガキ富田の真骨頂。シリーズを通して延々アーシアンに文句言ってただけの毛玉のくせして、なんか最終的に好感度は上がってるという。最初にキャラデザが公表された時は「なんだこの髪型www」ってネタ扱いだったくせして……。ピーピー泣かせたい富田キャラナンバーワンである。

 

・「あやかしトライアングル」より「風巻祭里」

 性別を超越する富田概念。まぁ、女らんまみたいなもんだけど。この作品を介して「富田×市ノ瀬」という通好みのカップリングを擬似的に楽しむことが可能になる。「生えててもいい声優」は伊達ではない。

 

・「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」より「シュイ」

 まっすぐな生意気っ子。語尾に「っス」がよく似合う声である。富田キャラにしては珍しく、余計なことを考えずに可愛がれるポジションだが、残念ながら主人公がそれどころではない。

 

・「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」より「院田唐音

 普段の富田キャラの罪業が全てに詰められて返ってきたかのように全力でツッコミに回らねばならない厄介なツンデレさん。この世界をぶち立てた2柱の礎の1人であり、その重要性は1/2であろうが1/100であろうが霞むことはない。富田ツンデレはずっと聴いてられる中毒性があるな。あ、3期おめでとうございます。

 

・「夜のクラゲは泳げない」より「渡瀬キウイ」

 キウイちゃんもほんといい女だったな……そのくせ、心の根っこの部分には富田キャラらしい厄介な「小さな闇」もちゃんと抱えてるし。まぁ、キウイちゃんの実情を「闇」と言っていいのかどうかは議論の分かれるところだが。作中で一番ことを成したのって、実はキウイちゃんなんだよな。

 

・「好きでも嫌いなあまのじゃく」より「ツムギ」

 劇場作品のメインヒロインもここでピックアップ。作品自体は微妙なものだったが、「あまのじゃく」という性格の少女に富田ボイスという選択だけは間違ってなかった部分です。そうか、鬼なのだ、この子は。

 

・「永久のユウグレ」より「アモル」

 富田キャラのくせに乳がでかいという、けしからん現在進行形のメスガキ。いや、彼女はガキ要素があんまりないのだけど。ちなみに今期(25年秋クール)の富田はメスガキ、メス機械(?)、ケモショタと、何回輪廻したらそんな姿になってしまうのかと思わせるような節操のなさである。

 

・「異種族レビュアーズ」より「クリムヴェール」

 よりによってトリを任せるのがそこかよ! そうだよ! 「富田なら許される」の限界に挑戦した最終兵器だ。単なるエロじゃねぇんだよ、もはや尊厳の勝負なんだよ。この役を任されて、何一つ煤けていない富田美憂という1人の声優のキャリア。もはや泥にまみれるなんてことは瑣末な問題なんですよ。……このアニメもオープニング・エンディング歌唱担当だな!(リンクは自粛)

 

 

 改めて、前途ある富田美憂の今後の声優人生を楽しみにしています。歳を重ねてどんな化け方するのか、ほんと想像がつかないぞ。

 

 

・関連リンク集

新番チェック・ガヴリールドロップアウト

新番チェック・メイドインアビス

番組感想・異種族レビュアーズ

2019年度・俺的アニメグランプリ(声優部門)

無能なナナ 第6話 「ネクロマンサー PART2

新番チェック・この素晴らしい世界に爆焔を!

新番チェック・君のことが大大大大大好きな100人の彼女

夜のクラゲは泳げない 第3話 「渡瀬キウイ」

○映画「好きでも嫌いなあまのじゃく」

新番チェック・ダンダダン

 

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