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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「違国日記」 7→8

 総括するにあたって言語化が難しく、なかなか筆が取れなかった作品。しばらくクールダウンしてみたが、やはり今作の核心に迫るのは難しい。

 アニメーションとしては相当に平坦な作品である。事件らしい事件も起こらないし、凄まじい動画を振り回す活劇シーンなんてもってのほか。淡々と進む小難しい人生論は、アニメとして退屈に感じる人もいるだろう。しかし、腰を据えて正面から相対した時、いちいちその言葉の1つ1つが刺さってしまい、どうにも目が離せなくなってしまった。アニメを観るというよりも、小説を読んで引き込まれていく感覚に近い。

 何故今作がこんなにも刺さってしまったのかを考えるに、普段から私があんまり自分の人生について真面目に考えようとしていないせいなのかもしれないというヤな結論に行き当たった。昨年のM-1のドンデコルテじゃないが、現実を見るのが怖いんです。霧に包まれていたいんです。もはやその生き方が固まってしまい、日常を彩る刺激なんてものはアニメからもらえるあれこれだけ。そんな変わり映えのしない人生でも、私は今が幸せなので構わないと思っている。

 世間一般に、私はクズである。こんな生き方が肯定されるはずがないと思っているし、世の創作物はキラキラ輝く人生へと鞭撻して青春の素晴らしさを訴えている。そりゃまぁ、そっち方面の作品だって私は素晴らしいと思いはするが、あまりに自身とのギャップが大きすぎて完全に「創作物」、フィクションとしか思えなくなってしまうのである。

 対して今作である。最終的には朝ちゃんのキラキラ輝く青春にたどり着くことができたが、その間に彼女の周りにあった刺激は、決して青春キラキラ応援団ばかりではなかった。槙生は自堕落な生活を隠そうともしないし、大人として教え導くことは常に意識していたが、コミュニケーション不全もあってあけすけな物言いは決して「賢い大人」のそれではなかった。槙生の言動に共通する思想は「てめぇで考えろよ」であり、「考えること」をひたすらに求めるものだった。その裏には、槙生自身が、そして周りの大人たちが精一杯考えて生きて、それでもまだ悩み続ける現実があるのだ。

 そうして「悩むこと」そのものがテーマの片輪であり、もう1つの要素には「家族」があった。これまた私は弱いテーマであり、こと「母親」との関係性はいちいち身につまされるものが多くて苦しくもなった。特に悔やんでも悔やみきれない実里の生涯を思うと本当に辛くて、彼女が生きた証がそこかしこになんてことない形で残されていると感じるだけで、救われたり、余計に悲しくなったりしたのだ。大人たちは子供に何が残せるか分からないが、1人の人間として、何が残せるかは考えるべきなのだろう。「繋がること」「繋がれないこと」「切れてしまうこと」、そんな諸々を表してまとめて「違国」という言葉を使った今作の姿勢は、本当に私にとってはかけがえのないものとなった。

 そうして紡がれた脚本を、アニメスタッフもきちんと咀嚼して再構築してくれている。本作に象徴的だった「時空間の混在」演出は尺を詰めて表現するのにも便利な技法だったが、端的に人の交わりや断絶を描く面白いツールだったと思う。どうしたって現実レベルが下がるので使いすぎると訳がわからなくなるリスクも孕んでいたはずだが、その辺りの統制がお見事で、静かな中にも確かな技術に裏打ちされたプランニングがあった。今作で初監督を務めた大城美幸氏という方は長年大森貴弘氏に師事していたとのことで、確かなイズムの継承を感じるものである。

 最後に蛇足ながら、今作は沢城みゆき・大原さやかの見事な共演によって作り上げられた舞台だ。ここまで言葉の説得力があったからこそ成立したのは間違いない。そしてそんな怪物に挑んで見事成果を成した新人の森風子。是非とも次のステップへの足掛かりにしてほしいところ。「繋ぐ」物語は、きっと声優人生にも言えることだから。


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