○「霧尾ファンクラブ」 4
「推し活」という言葉が市民権を得たからかどうかは分かりませんが、立て続けに「病的な推し活」を扱うアニメが登場。みんな、犯罪にならないようにだけ気をつけるんだぞ。
一応ジャンルとしては「学園ラブコメ」になりそうではあるが、どうも様子が違う作品。延々2人きりのキャラクターで繰り広げられるトークは「フードコートで、また明日。」っぽさもあるし、推し活の強さだけみればどこかのうたげさんのようにも見える。「フードコート」ほど画面もテーマも固着化されておらず、「1人の男子に好意を寄せている女子2人」という設定も意外と新鮮だとは思うのだが……。
なんか今一歩刺さらない。いや、「フードコート」も1話目では刺さってなかったしもう少し観てれば馴染んでくる可能性もあるのだが、どうにもネタ回しがまだるっこしいというか、間の取り方がもっさりしている。もっと端的にいうと「視聴中に眠くなってしまった」作品。うーん、別に画面が雑ってほどでもないのだが(ただ、決して作画は良い寄りではない)、変化の乏しい画面はヒキが弱く、トークの展開にしてもその穴を埋めるほどではない。1話目での最大の誘致要因は黒髪の方のキモオタトークみたいな部分だと思うのだが、すでにうたげさんで免疫がついてしまっている我々からすると、「重度の崇拝者」は単体で見せられてもそこまでびっくりするようなもんではない。
あと、これは私のセンサーがダメなだけなのかもしれないが、ネタ回しが「シュールを狙って外してる」みたいな雰囲気がある。一番謎だったのはラストで霧尾が出てきた時の彼の発した言葉で、あれって今後何かに関わってくる伏線だったりするんだろうか。そうじゃないと流石に霧尾がヤベェ奴すぎて、百年の恋だって冷めなきゃおかしいだろ、と思ってしまった。
というか、我々はそもそも「霧尾はそんなに惚れられるべき人間なのか」を知らないため、その「ファン」が荒ぶったところでその心情を追いきれない。福原多聞であれば「アイドルとして日本中で大人気!」だったし、分かりやすいイケメン仕草があったわけだが、今作における霧尾は本当にただの「概念」でしかなく、そこに向けて特大のベクトルを向ける人間の気持ちは理解できない。Aパートで「霧尾と思わせといて霧尾じゃない」というネタ回しだったので「これ、もしかして作中で霧尾は一度も登場しないアルジャーノンなのでは?」と思ったのに全くそんなことなかったし。半端に存在し、半端に不明瞭な霧尾の立ち位置は、今後どのように設定していくのだろうか。
まぁ、一応そこかしこで「栗毛の子の方は実は霧尾が好きなわけじゃなく、隣の友達が好きなだけなんだよ」という匂わせがあるためにここから百合へと展開する期待はあるのだが、果たしてその感情を中心において作られた物語であるかどうかもまだ分からない。もう少しテンポを上げてもらった方が助かるのだが、こればっかりは演出方針次第。馴染んで印象が好転することを祈りたいところ。
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