|
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「荒川アンダーザブリッジ」 5→4
難しい作品だったとは思う。ロケーションがずっと橋の下なので画面の変化が非常に乏しい上に、会話の中身をネタにする場合が大半なので、キャラクターの動きを見せるでもない。そうした作品をアニメにして画面映えさせるというのは、生半なことではない。だからこそ、この作品はシャフトがアニメ化したともいえるだろう。 しかし、結局根本的な問題は解決していなかった。最初のうちこそエキセントリックなキャラクターの掛け合いを楽しくみられていたのだが、次第にそうした刺激にも慣れてしまう。なまじストーリーものとしての側面を打ち出そうとしてニノとの恋愛模様やリクと親父の対決ストーリーを中軸に据えてみても、それまでの消耗品的な、散逸した笑いの流れとの相性が悪く、どうにもとってつけた感が否めない。最終的には、そうしたちぐはぐな側面ばかりが目についてしまい、いまいち楽しむことが出来なかった。どこかでこの作品について「イカれたキャラクターさえどんどん出してればいいと思ってる」と評価しているのを見たことがあるが、辛辣ではあるが真理だろう。 もちろん「シャフトだから」とか「シャフトなのに」という風に先入観をもって見るのはあまり良くないことだとは思うのだが、企画としての骨子はやはり「シャフトでなければ出来ないスタイル」というものを求められてのものだったと思えてしかたない。そこにこうした「無難な」演出スタイルを見せられると、肩すかしを食らった感じになってしまう。「ひだまり」でも同じような感想を書いたが、あちらは原作がそもそも「空気系4コマ」なので「無難な」スタイルでも食い合わせは悪くなかったが、こちらは勢いで押さなければいけない純正のギャグマンガだろう。となると、毎回笑いを生み出すためには、どうしたって変化は必要だ。にも関わらず、演出段階でそうした変化を否定してしまっているために、少しずつ面白さは消えていくことになってしまった。責めるのは酷な話ではあるが、やはり、期待に応えたとは言い難い。もう少し脚本部分でそのあたりの「慣れによる失速」を計算できていれば、コントロール出来た部分もあると思うのだが。 評価出来る部分というと、まずは山本沙代によるオープニング映像。エンディングもなかなかだが、やはりオープニングのあの独特の雰囲気は特筆すべき部分。大沼心や尾石達也、龍輪直征と、やはりシャフトはこのあたりの仕事には一家言あるらしく、チャレンジングな仕事ぶりが好印象。そして、流石にしつこいからもう触れなくていい気もするキャストの話。「千和とみゆきちさえいれば、世はことも無し」。あ、ニノ役の坂本真綾もいい仕事でした。 PR
「WORKING!!」 5→6
今期最も無難に面白かった「安定枠」。オリジナル回はあったが、基本線は原作からの劇的な改変があるわけでもなく、やるべきことをやって1クールにまとめるという、お手本のような「原作もののアニメ化」である。4コマ漫画だから尺のはかり方などはいうほど楽ではなかったはずなのだが、流石に「スケッチブック」などで培った平池監督の手腕は手慣れたものであった。 個人的には、あのちょっと書き殴った感じの原作のテイストが好きなので、そこの再現度がちょっと気になった部分。決してうまいとは言えないはずなのに勢いはあるあのノリ。アニメにして整った絵になるとあの勢いは損なわれてしまうんじゃないかなぁ、という懸念は有って、実際、画面が綺麗になるとちょっと違うイメージにはなった。ただ、その代わりに動画部分でノリの良さをカバーしており、特に伊波さんが全力で振り切る拳骨のダメージと言ったら実に痛快。他にもプリプリ起こる種島とか、小鳥遊四姉妹の奔放さとか、きちんとアニメの枠を利用した演出が光ったのは純粋にプラスの要素と言えただろう。 原作ではそこまで最優先で押していない(気がする)恋愛要素をメインパートに据えてシメの1話に用意してきたあたりもなかなか気が利いていて、どんどん恋する乙女になっていく伊波さんが可愛らしい。最終話冒頭の、彼女の部屋の定点カメラから捉えたカットなど、なんだかもきゅもきゅしてしまう愛らしさがある。もちろん、先輩も可愛いですよ。 そう、なんだかんだで結局この作品もキャラクターの吹っ切れた個性の勝負。そういう意味では、個人的にMVPをあげたいのは山田だ。登場が遅れたので出番が多いというわけではないのだが、あの独特のテンポと「イラッ」とする感じ、本当に山田はスタッフに愛されていました。 あとはキャストの話になるよね。山田押しということは、やっぱり広橋にお腹いっぱいということ。あー、ウザ可愛い。種島先輩もアスミスにとっては何度目かの「代表役」といえるキャラクターになったろうし、せっかく面白い声の幅があるのになかなか活躍出来ていなかった藤田咲にも、伊波というアピール出来る役が回ってきた。個人的には藤田というと「まなび」の桃葉とか「つよきす」のカニみたいなロリっ子役なんだけど、伊波さんはほんと、普通の可愛い子でしたからね。あとはやっぱり小鳥遊四姉妹かしらね。特に梢姉さんの中の人が御前ってのが……もう、なんかそのまんまじゃねーか。酒キャスって、新しい概念だな。
「Angel Beats!」 6→3
ある意味、今季最大の話題作といえたのが、この作品だろう。1話視聴時点では、多少戸惑いながらもP.A.WORKSの技術力に期待票を投じたのだが、結局最後の最後まで、その期待感は膨らんだり、実ったりすることがなく、不安が失望に、懸念は現実になってしまった。作画スタッフが力を入れている部分があることは分かるのだが、「薄桜鬼」の点数に4を付けたことを考えると、流石にこれはあのレベルには達していない。がっかり感も込めてのこの点数である。 良かった部分を先に挙げておくなら、やはりそれは作画スタッフのがんばり。非常に独特な世界観だったので、現実と空想の境目の微妙なラインを取った「嘘くささ」みたいなものを表現するのは、実は案外難しいバランスだったはず。そこを「それ相応に」満たしてくれたことは、評価出来るポイントだったと思う。と言っても、どうにもキャラクターデザインがそれらの景色に馴染まなかったのも事実で、私が見たかったP.A.クオリティとは言い難い。「true tears」や「CANAAN」で描かれたあの圧倒的な描写力はどこへいってしまったのか。 そして、それ以外の面については、およそ評価に値する部分が見あたらない。総合して一番駄目な点を指摘するならば、それは「まとまりのなさ」とでも言うべき部分だろうか。この作品には様々な「見どころ」が用意されていたと思うのだが、それら全てが有機的に結びつくことなく、個々に散り散りに置かれているだけ。どれだけ親切な視聴者でも「こういう設定で1シリーズやりたいんですけど」という設定のラフを見せられただけでは、アニメを堪能した気分になることは出来ないだろう。確かに「説明」は呆れるくらいにされていたが、視聴者が求めているのは「説明」そのものではなく、それを通じて「伝えること」、「理解させること」である。この作品には、決定的にそれが欠けている。 様々な考察などはおそらく他所様でなされているだろうからあまり細かい部分には触れないが、3話の記事で納得いかなかった岩沢の消失などを皮切りに、ユイの願い、天使という存在、ゆりの目的意識、音無のモチベーションなど、ストーリーの根幹に関わっているキャラクターの心情を全く追うことが出来ない状態では、ディティールを追うことなど出来るはずもない。それぞれに付された「説明」は実に行き当たりばったりなもので、シナリオの全体像など有ってなきがごとしだ。細切れになったエピソードそれぞれでは完結しているのかもしれないが、残念ながらそんな小さなスコープでストーリーを追うことなどあり得ない。 結局、最大の問題点は脚本の甘さということに落ち着くのだろう。世界設定をきっちりと説明しきって厳格なルールに基づいた「ゲーム」としてこの世界を描くのか、それともある程度イレギュラーな感情というファクターを優先して物語を紡ぐのか。その大前提が決まらない状態では大筋も決まらない。「死の悲劇と心残り」という要素をメインツールとして使うはずなのに、序盤では徹底的に「死なないこと」をネタにしたギャグを突っ込むという食い合わせの悪さにも頓着しない。「心残り」と「達成感」という2つの極をキャラクター造形の核とするはずなのに、そうした起点を全く描かずに上っ面だけのキャラクターを重ねていく。ライブシーンを売りとして強調しているのに、作中で全く重要な役割を果たさず、添え物としても不要になる。なんだか、意図的に視聴者を振り回そうという意図があるとしか思えない、「不親切な」セッティングである。個人的には、こうした方向性はどう見てもデメリットしかなかったと思うのだが、ひょっとして私が気付かない部分でなにか決定的な効果をあげていたのだろうか。謎である。 繰り返すが、この作品は個人的には面白さを感じられない作品であった。敢えて楽しかった点といえば、ユイがギャーギャー言ってるあいだのテンションくらい。ユイはキタエリキャラとしても実に良い動きを見せてくれていていい清涼剤になっていたのだが、「あの別れ」のせいで全部台無しになっちゃいました。どこまで考えてキャラクターを描きたかったのか、分からないことこの上なし。 P.A.WORKS.の次作でのリベンジに期待したいです。 「デュラララ!!」 7→8 毎回のレビューを見てもらった方が話は早いが、とにかく面白かった。そこだけ報告できれば、まず充分である。 この作品の長所はなにか、と問われたら、やはりまずその構成自体を評価することになるだろう。同原作者の「BACCANO!」と似たような構造を持つ群像劇なのだが、「BACCANO!」は時代をまたぎ、さらにファンタジー要素を多分に含んだ作品だったため、ファンタジー小説としての盛り上げ方をみせることが出来たし、突飛な設定から突飛な話を作っているおかげで、ストーリーの「引き」を作ることはそこまで気を遣う作業ではなかった(もちろん、それでも巧いとは思ったが)。 しかし、この作品は、「非日常」と謳ってはいるが、あくまで現代日本の日常生活と地続きの、「リアルを含む」物語である。主人公の竜ヶ峰帝人は平凡な高校生だし、ダラーズのメンバーだって普段は単なるオタクだったり、単なるチーマーだったり。池袋という街は特殊ではあるが、そこにあるのは「あくまで共感の及ぶファンタジー」でなければならない。そのあたりのさじ加減が、この作品の最大の魅力だったと言えるだろう。突然登場する首無しライダーはデュラハンで、身近に生活する女子高生は妖刀に乗っ取られた「母親」だったりもするのだが、そうした「完全ファンタジー」の要素が、気付けば日常にするりと忍び込んでいるさりげなさが憎らしい。逆に、恋人に惚れすぎてピッキングから侵入しちゃう女子高生や、恋愛感情が高ぶりすぎてライバルの家に包丁片手に襲撃してくる女子高生の方が、「リアル」なはずなのにどこか現実感に欠け、理解の及ばない不気味さがある。こうした「日常」「非日常」のギャップを隠したり、際立たせたりするさじ加減が、実に見事である。 原作を読んでいないのでどこまでが準拠している要因なのかは分からないが、こうした様々なファクターを1本の流れとして描いていくパズルのような組み上げ方も、大きな魅力である。伏線の張り方と回収の仕方では、大森監督ほど心得た演出家はなかなかいないのではなかろうか。「地獄少女」シリーズの時もそうだったが、この人の場合、伏線を出すときはきちんと「ほら、これが伏線だよ」と丁寧に出してくれるのだが、回収する際に、それを押しつけがましく提示するということをしない。あくまでも物語の中の「現実」として、さらりと拾って、それを自然な形で視聴者に伝えてくれる。例えばチャットの声がちゃんとキャストの音声に入れ替わった流れとか、最終回の「ルート3点」の発言など、きちんと見ているとそれが実に大きな意味を持っていたことが理解出来るようになっており、この作品独特の「絡み合いの巧緻さ」を十全に伝えてくれるわけだ。今作のスタッフは、どの回のコンテを見ても、そうした「描くポイントの重要性」をきちんと理解した上で作劇していたことが確認出来るだろう。 シナリオがかっちりしており、それを描く演出の手腕も保証済み。となると、あとは実働部隊の仕事。ブレインズ・ベースによる安定した作画ベースも、この作品のクオリティをワンランク押し上げた大切な要因。丁寧なロケハンによる池袋の町並みの構築や、マシンや仮想物質などのCGワーク。独特のフォルムを持つキャラクターたちの挙動など、「動画で見せる」作品でこそないものの、全く違和感を抱かせずに、「本当はあり得ないもの」を描いてみせた。また、レビューでは何度も触れた色設定の細かさや、曲げる時は徹底して曲げる演出重視のデザイン作りなど、「メタレベルを気にせず徹底的に物語に没入できる」だけの基盤を揃えてくれたのはありがたい。本来、アニメを作る人たちの目指すところって、「見事さ」ではなくて「自然さ」だと思うので、こういうスタイルのスタジオがあるというだけで、頼もしく思えてくる。 現時点で、私の中の大森貴弘株は下がる気配がない。「学園アリス」で出会ってから、「地獄少女」シリーズに「BACCANO!」、「夏目友人帳」と、どれもこれも高水準を叩き出している。そしてめでたくこの作品も、株を上げる可能性こそあれ、決して落とすことはなかった。さて、次はどこでお目にかかれるか分からないが、大森貴弘+ブレインズ・ベースの活躍に期待したい。何卒、何卒「地獄少女」シリーズの4期をぉ!! と、願望を吐露したところで最後は当然キャラとキャストのお話。今作を毎週楽しみに見ていた要因としては、やはりその魅力的なキャスティングが無視できない。そして、そんな中でもやっぱり沢城セルティの魅力は頭抜けている。「顔が無くて声が出ないキャラクターの声」という、あり得ない配役ではあるのだが、こと音響には力を入れる大森監督である。実に見事に「セルティの声なき声」をアニメで再現してくれていた。音響のはたしょう二氏も語っていたが、このセルティと沢城みゆきのコラボレーションは、現代アニメの持つ音響技術と、役者の持つ表現力の1つの完成形と言ってしまっていい。 その他を見ていくと、このアニメはどうやら腐女子受けが随分良いらしいのだが、その原因である静雄×臨也の2人が強烈。最初は「小野Dはこういう役はちょっと浮くだろうな……」と思っていたのだが、これがなかなか。ブチ切れた中にもお茶目さをにじませる平和島静雄というキャラクターが、何とも愉快な形で表出していたのではなかろうか。また、希代の胡散臭さを誇る折原臨也も、神谷浩史のはまり役。最近色んなところで声を聞きすぎて食傷気味の神谷兄ぃであるが、この臨也だけは別。胡散臭い1人語りに、独善的なマシンガントーク、そして高らかに謳う「人ラブ!」という利己の極致。やっぱりヒロシは曲者キャラがいいよ。 そして、今回妙にはまってしまったのが、紀田役の宮野真守。基本的に宮野は声質が浮つくからあまり好みではないのだが、それを理解した上で、紀田正臣はいい配役だった。胡散臭くしゃべっても、真剣にしゃべっても、どこかに臭う紀田の頼りなさ、踏ん切りのつかなさは、ラストへの流れの中で実にいい仕事をしていたと思う。あとは男性キャストだと、個人的にはドタチンと湯馬崎が好きかな。あの街で一番強いキャラが湯馬崎だと言われても驚かない自信がある。 残った女性キャラでいえば、短いインパクトだと贄川春奈だろうか。中原ヤンデレ福圓ヤンデレに伊瀬茉莉也のヤンデレ。花澤まで病んでしまって、世界規模のヤンデレ祭には大満足です。声優ラブ! 「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜」 6→6 この作品の魅力を語るのは、実はとても難しい。原作からしてかなり独特な、面白さを表現するのが難しいものなので、それをアニメーションに仕立て上げる際の「うまさ」というのは、なかなか言語化出来る要素ではない。それが証拠に、毎週楽しみに見ていたのに、いつの間にか感想文を書くのをやめてしまった。「今週はここが良かった、あそこが見事だった」と書くことは出来るのだが、それが最終的にこの作品の長所を語ることに帰結していなかった気がするからだ。 1期の頃から続いてきた演出方針は2期も継続しており、あくまで原作の魅力を維持することを最優先として、「執拗に」「地味に」、西浦ナインをはじめとした高校球児たちの心情を描いていく。その生々しさはときには眩しく、ときには小っ恥ずかしく、実に印象的なゲーム場面を見せてくれた。 今回は特に、阿部が怪我をして退場を余儀なくされるという大きなイベントがあった。これにより、それまで要所要所に臭わせていた「阿部の独善的なリード」という要素にスポットがあたり、そこから脱却したことで得られる三橋の成長が克明に描かれる。そして、その成長が、都合の良い投手としての覚醒などではなく、「負けるしかないこと」で描かれるというのがこの作品の素晴らしいところ。三橋は阿部の退場というアクシデントを乗り越えてみせたし、田島も急造捕手にしては充分なくらいに仕事をこなしてみせたのだが、それでも様々な要因が絡み、三橋は打ち崩される。そして、そこで「阿部がいないからやっぱり」という流れを断ち切って見せたことが、この作品最大のクライマックス。誰もが絶望して下をむきかけたグラウンドで三橋が叫んだ「ワンナウト!」の一言は、ずしりと魂に来る雄叫びだった。 終わってみれば、1クールやって2勝1敗で落ち込んだ高校生を見るだけ、というすさまじいアニメである。そして、原作にストックがほとんどないので、「夏の大会編」に続くエピソードはしばらくアニメ化もされやしないだろう。そう考えると何とも宙ぶらりんな勿体ない「切り売り」ではあったのだが、そんな中でも一切手を抜くことなく、「おお振りワールド」全開で堪能させてもらったことには、ひとまずの満足感が得られた。時折見せる試合場面の臨場感のある動きなど、「使うべき部分に労力を使った」演出方針が実に好みでした。 最後に1つはやっぱりキャストのこと。代永翼と三橋のシンクロ率が半端じゃない。あり得ない無茶なキャラなのに、ありそうなキョドりっぷりがすさまじかったです。 「薄桜鬼」 4→4 終了……と言ってもまだ全然終わってませんけどね。秋から2期が始まるらしいので、今のところは「小休止」といった感じ。ただ、前にどこかでも書いた気がするけど、一応1クールで放送をやめるなら、最終話はそれなりに「終わった感」を出して欲しい気はするのだが……まぁ、しかたないか。 気付けば結局最後まで視聴していた腐女子向け作品。「裏切りは僕の名前を知っている」があまりにしんどくてリタイアしたのとは対照的で、こちらは特に作中に不快な部分もなく(まぁ、男同士が筋肉を見せ合う乳首祭とかはどうかと思ったけども)、引っかかりもなくゴールにたどり着いた。要因としては、基本的に史実を元にしているので労せずに背景設定を入手しやすかったことと、それに加えて筋立てが分かりやすいのであまり頭を使わずにすんだこと。 もちろん、史実を元にしているとは言っても、やはりどこかおかしいのは間違いない。最大のポイントとなるのは当然「鬼」と呼ばれる謎のドーピング状態の存在で、この作品をものすごく恣意的に言い換えるなら、「たくさんの野郎どもが、自分の大切なものを守りたいがためにイケない薬に手を出して身を滅ぼす悲劇」である。1話の登場シーンのおかげで鬼どもというのは完全に道を外れた外道の者というイメージだったのだが、いきなり山南さんが薬物に手を出してしまった時点でまずはどっきり。その後も少しずつ犯される連中が増えていき、気付けば新撰組の中軸が全員薬漬けというのは、ちょっとまずい状態。まぁ、ビジュアル的には映えるし、それで女の子が守れるんだったら悪いとは言わないが……流石に刹那的過ぎやしませんかね。最終的には対策手段も立てられてしまっていたし、命がけで投薬したのにいいとこ無しですやん。 そして、そんな男どもの中心にいて、事態を悪い方悪い方と持っていくのが、我らがメインヒロイン、雪村千鶴嬢。個人的には彼女の声を聞いていたいがために何となく見続けていた部分もあり、次第に彼女の回りを取り巻く状況が凄惨になり、最終話では阿鼻叫喚の屍の山。もう、流石の桑島キャラ。不幸オーラが半端じゃありません。千鶴自体は特に大きな癖もなく、シンプルなキャラクターなのだが、その回りで勝手に彼女を守って死んでいく人間たちに、慟哭と戦慄が止まりません。ほんと、どうしてこうなった……もっとやれ。そういう意味では、続編希望かもしれない。 「君に届け」 5→6 関東圏から見たら1クール遅れなのでしょうか。ようやく終わりました。そして、とても満足しております。みんなみんな、幸せになればいいと思う。 この作品の胆は、非常にゆっくりとした、堅実なシナリオ運びである。2クールというそれなりに長い尺がありながら、その中で描かれたものは基本的に爽子と風早の恋愛模様のみ。途中でくるみ絡みの事件や千鶴の恋愛なんかもあったが、それだって、長い目で見れば爽子たちを近づけるための因子である。いくつかの苦労と、たくさんの幸せを抱え込んで、2人は一つのゴールにたどり着いた。ここまで執拗な恋愛モノというのは、昨今の大量消費のアニメ作品群の中にはなかなか見られない。一応尺の長さだけなら「のだめカンタービレ」などもそれなりに時間をかけて恋愛を描いていたが、あちらはキャラクターの濃さを前面に押し出して勢いに任せて進行する部分もあったのに対し、こちらは爽子も風早も奥手中の奥手。しかも実に気の利く人間なので、色々と回りや相手を気遣ってもやもやしている様は、いらだたしいほどの「青春」を感じさせてくれる。 こうした青春ドラマをささえるのは、やはりメインとなった2人のキャラクター、爽子と風早。男目線からすると風早は流石に阿漕過ぎるくらいのキャラクターなのだが、冷静に考えれば爽子も凄い。あそこまで「理想の」女性像というのも珍しいとは思うのだが、彼女が体現した「女性らしさ」というのは、ここ最近の少女漫画原作アニメのヒロインの中では特殊な気がする。 「女性向け作品」「少女漫画原作作品」などのアニメには大きく2つのタイプの主人公がいる。あまり単純に類型化するのも問題だろうが、個人的には大体そういう風に見ている。1つは、いわゆる逆ハーレムもの、今期なら「薄桜鬼」に登場する千鶴のような、「基本的に淑女であり、回りの男性が心配して声をかけてくれる」というパターン。この手の女性は基本的にキャラクターが強く表に出てこないことが多くて、トラブルに巻き込まれておろおろしていると何となく男性が助けてくれたりする。このタイプの場合、女性キャラクターそのものよりも、むしろそこに群がる男どもとの掛け合いが勝負になる。 そしてもう1つのタイプとして、「女も惚れる女傑」タイプ。最近は多い気もするのだが、例えば「会長はメイド様!」の美咲、他にも「スキップビート!」のキョーコとか「S・A」の光など、何でも出来るスーパーマンなのだが、自分を上回る才能を持った完璧な男が現れて、そいつを相手に恋愛が展開する形。こちらはキャラクターもはっきり浮き出るので物語に動きが出しやすく、女性主体になるので賑やかさが出る。 そして、ご承知の通り、この作品のヒロイン爽子は、このどちらにも属することはない。タイプとしては前者に近いわけだが、爽子はお飾りというには強烈過ぎるキャラクターを持っているし、この作品は爽子を見ている時が一番面白い。かといって、男勝りでガンガン前面に押し出してくるキャラクターでもなく、おろおろしているうちにトラブルに巻き込まれていくので、事態の中心にいるというわけでもない。それでいて、少しずつ周りの人間に好感を持たれるようになっていくというのだから、かなり特殊な立ち位置なのではなかろうか。 そんな爽子が魅力的に描かれることがこの作品の至上命題であり、これが見事に成就している。終盤に登場した、髪型をいじったまっすぐな爽子は混じりっけ無しの「ヒロイン」像にまで成長していたし、もちろん要所要所で登場するデフォルメ爽子の愛らしさは最初から一貫している。とぼけた味、天然と言われる性格も嫌みになることなく、異性には愛され、同性にも可愛がられる、見事な「愛され系」を形成していたわけだ。このキャラクター造形は見事である。 そして、そんな爽子の存在感を不動のものにしたのが、メインヒロインとしては久し振りの、魔性のボイス、能登麻美子。能登ボイスが爽子というキャラクターと出会ってしまっては、もう、誰も他の人間が彼女を演じることは出来ない。それくらい、声とキャラクターのシンクロ率が高い。度が過ぎた爽子の鈍さや天然さ、そしていわれのない不気味さと愛らしさは、能登麻美子がいなければ成立しなかった奇跡の集合体と言える。 もちろん、他のキャラクターだって負けてはいませんよ。千鶴役の三瓶由布子、矢野役のみゆきち、くるみ役の平野綾など、この学校のガールズトークは、単に「可愛い」というのではなく、奇妙な生々しさをもった「女子高生像」を構築することで、逆に現実感の乏しい爽子の存在をフォローしていたような気がする。もちろん、男性キャラクターの方もね。 6月も半ばを過ぎた暑い盛りに、初詣を舞台にして2人の物語は幕を閉じた。原作はまだ新刊が出ているみたいなのだが、この後の続きが、アニメで語られたりすることはあるのだろうか。まぁ、現時点でほとんどのキャラクターが充分幸せみたいだし、あのまま平和だっていうなら文句はないのだが……最終話で1人報われなかった矢野ちんに少しでいいから救いを与えてほしい気はします。何はともあれ、楽しい作品でした。 「聖痕のクェイサー」 4→6 「馬鹿も通せば男伊達」。この冬に放送されていた「バカとテストと召喚獣」のエンディングテーマ、「バカ・ゴー・ホーム」の一節である。この作品ほど、この言葉が似合う作品も無いのではなかろうか。史上類を見ない、「修正上等静止画大散布アニメ」は、気付けば誰もなしえぬ独自の偉業を成し遂げていた。 最初に1話を視聴した時のぽかーんぶりは、今思い出しても鮮烈である。謎の止め画と、不自然に荒くなった画像。突然途切れる音声。何が起こったのかと訝しんでいたが、すぐにそれが「修正」であることが分かり、「地上波で流すなら修正なんて余計なものが入らないレベルにすりゃいいのに。余計なフィルターがかかった出がらしなんて見たくないわ!」と腹を立てたものである。それでも何とか視聴を継続できたのは、中の人補正という言葉の偉大さもさることながら、「ほんと、修正入ってるとこは申し訳ないけど、それでも作りたいモノがあるから」というスタッフ一同の熱意を感じ取れたからかもしれない。 乳の、乳による、乳のためのアニメ。それがこの作品の骨子であり、全てである。キャラクターの設定を作るときに全ての女性キャラについて「乳のサイズ」だけでなく「乳の形」「乳首の形状」「乳首の色」などを事細かに設定し、場合によっては顔を描くよりも注意を払い、全ての労力を注ぎ込む。そして、そんな努力が地上波版では一切見られないという奇跡。日本の匠は裏地に凝るものだというが、修正で消えることが分かっているのに、乳描写に一切の手抜きをしないというのは、既に粋といってしまっていいレベルの制作理念である。 もちろん、乳が絡むのは作画面だけではなく、全てのシナリオは乳に始まり、乳に収束している。ギャグあり、恋愛あり、そしてバトルありの本作であるが、その前にまず、乳がある。最初は馬鹿馬鹿しいと思って笑い飛ばしていた乳絡みのネタも、マジだと分かれば真剣に受け止めざるをえない。最終回で、サーシャが「お前は震えたことがあるか」と見得を切ったが、確かに震えがとまらないです。だって、ここまで真剣な馬鹿を見て、笑わずにいられるものではないのだから。 そして、乳成分さえ取り除けば、この作品はふつーの作品になるわけだ。バトル要素は非常に重要なファクターであり、「各能力者が1つずつ元素を専門にして扱うことが出来る」というのはなかなか面白いアイディア。塩素使いが毒ガス殺人魔、鉛使いが銃撃大好きな殺人狂など、シンプルな使い方もいかにも少年漫画らしくて分かりやすいし、ネオジムやレントゲニウムといったマニアックな元素でも一応の役割が与えられている。そして酸素使いや炭素使いなども、使い方次第では様々なギミックが演出できただろう。まぁ、正直言うとそこまで凝った戦闘があったわけではないのでバトルものとしてはあまり評価出来るものではないと思うのだが、数話をのぞけば作画状態も良好で、最低限のインパクトは出せていたのではなかろうか。癖の強いアデプトの連中なんかも、主人公チームが変態であるというハンデを乗り越え、きちんと別方向からの変態性が演出できていたのは評価したい。 改めて書いておくと、この作品はアニメとしてのクオリティが存外高い。シリーズ構成が上江洲誠氏ということでシナリオのペース配分が見事だったのは素直に評価出来る点だし、うのまことによるキャラクターをいい塩梅でアニメ画に落とし込んでおり、メリハリの効きすぎた女性キャラのボディラインなんかも、ギャグとエロの絶妙な境目をついている。小野学や高橋丈夫、日高政光など、それだけで看板が背負えそうなクリエイター陣が各話を任されてそのスキルを画面にぶつけていたのも面白かったし、おそらく全体統括に回った金子ひらくと名和宗則という2名がうまいこと舵取りをしたのだろう。これだけの布陣で作ったものがコレっていうのが、現代アニメの奥深さを感じさせてくれますな。 各話レビューでも触れたが、個人的に無視できないのがオープニングとエンディングのデザイン。オープニングは小野学によるオーソドックスながらも期待を持たせてくれる仕上がりで、まっとうな少年漫画のオープニングとしての迫力は満点。そしてエンディングは実にフェティシズムに満ちた高橋丈夫による風呂とベッドの饗宴。どちらも作品の本質をぎゅぎゅっと絞り込んだ愉快な出来でした。 なんだか無駄に長くなったが、最後は当然キャストの話。この作品を引っ張った大きな要因として、中の人たちの半端ねぇ努力を扱わないわけにいかない。主人公カップル役、藤村歩と三瓶由布子。この2人が基本線を作ってくれたおかげで他のキャストが散々遊べたことを考えると、やはり立役者といえるだろう。三瓶は途中のサーシャ女性化のくだりあたりでがっつり存在感を見せてくれましたな。 純粋に声優としての幅を見せつけてくれたのは、燈役の豊崎愛生。最初のうちは「ホントに豊崎はこういう役しかこねぇな、そのうち行き詰まるぞ」とか思っていたのだが、愉快なおっぱい劇場で散々遊び倒した後に、黄金のクェイサーが覚醒したところで本領を発揮。普段高音域ばかりで仕事をしている役者が突然音域を下げてくると、本当にドキッとします。他にも回りを囲みながら週替わりで痴態を見せてくれた女性陣、川澄綾子、清水愛、花澤香菜、佐藤利奈、黒河奈美なども良い仕事。 悪役側もこだわりが見えるシュートなキャスティング。私がこの作品を視聴し続けるきっかけを作ってくれたマグネシウム役の高垣彩陽。多分、今作で一番格好いい悪役でした。たった1話しか登場しない双子には中原麻衣・田村ゆかり。勿体ないくらいの使い方。 男性キャラだってなかなか濃いぃ面子が集まっており、最終回も含めてばっちり決めてくれた鳳役の大川透。終始冷静で世界を観察し続けたユーリ役の千葉進歩。興津和幸、成田剣など、濃い濃い。 そしてなんと言っても、「こんなエロ役やって、事務所的に大丈夫?」という心配を一身に浴びたのが、カーチャ役の平野綾と、華役の日笠陽子。ぴかしゃは……これのおかげで誰も届かない高みに到達してしまったかもしれません。芸人としては文句のない役だったわけですからね! エロいはずなのに何故かギャグにしか聞こえない。不思議! 「B型H系」 5→5 今期まず最初にゴールテープを切ったのはこの作品。誰がなんと言おうと、純正「田村ゆかりアワー」としての存在意義が不動の中の人エンジョイアニメである。 正直、本当に「田村ゆかりは偉大である」の一言で片付いてしまう作品だ。作中ではずっと品質は安定しており、作画が怪しかったり、シナリオの訳が分からなかったりといった不備は一切無い。毎回山田がかっ飛ばしているところをのんべんだらりと観ることができたわけだし、この作品に無駄にエッジの効いた演出なんぞ全く求められていないだろうから、「素材の味を、ハイそのままで」という潔い方向性に、文句の出ようもない。これは、そういうものである。 あとはまぁ、その「1位じゃないと駄目なんですか? テキトーに熱狂的なゆかりん信者に受けるアニメでいいんじゃないですか?」という姿勢を、どの程度許容出来るかという問題である。漫画自体がそこまで大爆笑というものでもなく、毎週バイキンマンがアンパンチでぶっ飛ばされるのを知っているように、全ての視聴者はこの作品が何をやり、どこに落ち着くのかを観る前から知っている。そんなマンネリズムを、どこまで忌憚なく受け入れることが出来るか。私個人の感想は、「まぁ、1クールならいいんじゃない?」というくらい。流石にこれで2クールやられてたら途中で観なくなったような気も……いや、観てるかなぁ。山田がしゃべってるだけで面白いもんなぁ。 そう、結局、この作品を評価するには「田村ゆかりにエロいコトを好き放題言わせてそれを楽しむアニメ」という属性で語る以外にはない。1話では爆笑したこの山田のキャラ作りも、重なり続けるお約束展開に次第に慣れて、最終話はかなりきわどいところまで行ったはずなのに実に心穏やかに視聴出来る。まるで実の娘が女になるのを見守っているような心境だ。そして、返す返すも「田村ゆかりは上手いなぁ」と思わざるをえないのである。 山田のキャラクターは、原作のテイストからして充分「可愛い」キャラなのであるが、ともすると単なるビッチに成り下がる。小須田に対してやっていることはワガママの極みであるし、ツンデレと言ってもテンプレ臭が抜けきらず、下手な人間にやらせたら、下品さが際立ったり、紋切り型のキャラクターに落ち着いて面白味も無くなっていたかもしれない。しかし、御年34歳の田村ゆかり嬢にはそんな心配は無用。ハイテンションな山田のあふれ出る若さを存分に見せつけ、その上で何とも「可愛らしく」なってしまう。モノがモノだけに、細かい息芝居などの力量が如実に出る部分も多く、細かい演技プランには心底感心させられた。本意かどうかは分からないが、この山田というキャラクターも、是非田村ゆかりヒストリーには刻んでおきたい名前である。 そして他にも、とばっちりで堀江由衣、花澤香菜、能登麻美子といった面々も卑猥な言葉を言わされるはめになり、これもいいサービスになっている。小林画伯は……どこへ向かっているかよく分かりませんね。 そうそう、後は番組を良くも悪くも彩った「鬼印」のマーク。最初は「どうせこの画のエロなんて誰も期待してないんだから、邪魔な修正とか無くすか、修正無しで放送できるくらいの画にすりゃいいのに」と思っていたのだが、後半はなんだか慣れてきて味があるとすら思えるようになった。逆にDVDとかで外れてしまった方が興が冷めるかもしれない。ちょいちょい流れた「コンドーさんなら鬼印ー」のテーマも、随分耳に馴染みました。 多分半年もしたら忘れ去っているような作品になってしまうとは思うが、何はともあれ、ダラダラと楽しませてもらいました。キャストの皆さん、お疲れ様です。 |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(01/27)
(01/26)
(01/26)
(01/25)
(01/25)
(01/24)
(01/23)
(01/23)
(01/22)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|

