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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 さぁ、荒鷲先生の登場だ。……と言っても今の若い人にはおそらくピンとくるまい。「荒鷲」は岩田光央によって定着させられたとされる浅野真澄大先生のあだ名の1つ。本人は大抵「ますみん♡」とか呼んでほしいとか言っているのだが、あまりに人物像とのギャップがあるために(周りの友達は呼んでくれてるけど)私は抵抗があって無理派。というか、もはや私の中で「荒鷲」は敬称なんですけどね。

 年代としては堀江由衣や生天目仁美あたりが近いのだが、彼女らと違って「アニメ声優」としては割と一線から退いている感がある。そのため最近の若い子からすると「誰この人?」みたいになる可能性もあるのだが、夜のニュース番組でレギュラーナレーションを務めるなど、現在でも声優業務はバリバリに行なっている人である。「でも、これまでのこの企画の趣旨に噛み合わない人じゃない?」とか言われるかもしれないが……私にとって、荒鷲先生も人生を捻じ曲げられた、欠くことのできないマスターピースなのである。改めて、荒鷲先生の歩みを紐解いていこう。

 

 




・馴れ初め

 荒鷲先生が声優デビューはちょうど2000年。この頃が私のオタク黎明期でもあり、ちょうど声優という職業に興味を持ち始めたあたりで、荒鷲はぴちぴちの若手声優だった。なんなら、本人は悪鬼の如き形相で忌避するがアイドル声優に片足突っ込んでいたポジションでもある。おそらくファーストインプレッションは「スパイラル -推理の絆-」という夕方アニメのメインヒロイン。「スパイラル」は原作を知っていたこともあってアニメもそれなりに見ていたのだが(当時はまだアニメオタクというほどの立場ではなかった気もする)、デビュー間もない新人・浅野真澄は堂々たる仕事っぷりでむしろ新人らしさがないくらいだった。その後も立て続けに夕方アニメ「DNANGEL」でもメインヒロインとして登場し、まだ知識も薄かった私は「なるほど、この人はメイン級の仕事をバシバシこなす人気声優なのだな」という認識が芽生える。確か同時期に初のメインヒロインを担当した「ちっちゃな雪使いシュガー」はレンタルビデオで遡って視聴した記憶があり、この時点で「人気ヒロイン声優・浅野真澄」の名前が印象づけられている。

 しかし、すぐに話は変わってくる。2003年から立て続けに、すでに何度か名前を挙げている2つのアニラジがスタートした。1つは中原麻衣や甲斐田裕子の項で触れた「光と水のダフネ」のラジオ、「ラジオネレイス」。ここで岩田光央という業界の地雷みたいな存在との接触を持つ荒鷲先生。そして私の人生に最も影響を与えたラジオの1つである「ぽぽらじ」がこの時期である。別にメジャーな番組でもないので何度でも確認するが、パーソナリティは作品で三姉妹役を務めた長女・大原さやか、次女・浅野真澄、三女・桃井はるこの3名。この3人のバランスが、本当に神の采配だった。「見た目はきれーなおねーさん」のくせして肝心なところでボケボケな上にアルコールを入れると殺戮兵器(おしぼり投擲)となるさぁや、罵詈雑言もなんのその、無敵の仕切りスキルでラジオをぐるぐる回す脅威のトークマシンますみん、意外にも一番の常識人枠で必死に場をまとめながらも的確にオタクにリーチするトークを届けてくれるモモーイの3点構造に、私はメロメロになってしまったのである。そこから大原さやかは神となり、桃井はるこも当時結成していたUNDER17の追っかけとして接していくことになるのだが、残る1人、浅野真澄については、もはやその生き様自体がドラマとして面白すぎたのである。

 さらにこの時期にネット配信限定ではあるが生涯のバディとも言える鷲崎健に出会い、「スパラジ!」が放送開始、浅野・鷲崎コンビの化学反応はメディアの差も突き抜け、文化放送が聞けなかった私は東京の友人にわざわざ音源をもらったりもしていた。ここから長寿番組「アニスパ!」へと繋がっていく歴史は言わずもがなである。

 こうしてみると、もはや彼女を追いかけることは1人の役者を追いかけることを意味しない。ただ、1人の人間の人生設計を垣間見ているだけなのである。

 

 

・良きところ

 つーわけで、75人目にして初めてのことだが、もう私はここで浅野真澄という「声優」の役者業について特に語ろうとも思っていない。いや、こういう言い方は失礼だな……上述の通り、すでにデビュー直後からある程度完成はしてたんですよ。荒鷲先生の最大の武器は圧倒的な調査力と、貪欲すぎる出世欲、我欲。オタクに媚びるアイドル声優などちゃんちゃらゴメンだというスタンスをとりつつも、若かりし彼女は声優としてウケることは基本ノーと言わずに全部やる。すでに呪言となった「Kirakira☆メロディ学園」というアイドル活動は彼女が「これをやらずに生き抜くだけのスタンスを見つけてやる」という負のブースターとして機能し、彼女の「アイドル忌避」の精神が顕在化する。そのくせ、わずか数年後に「Aice5」というアイドルグループに参加しており、「どういうことやねん?」と思わせつつも、その背後にはあまりにも堅牢な「堀江由衣との接点」が見える。そう、荒鷲先生は、「食える」ものは全部食うのだ。何が好きだろうが嫌いだろうが、仕事の貴賤なんてものはありはしない。正直、彼女にとって「声優」という職業だって、たまたま目の前に転がっていて自分がやりやすい「活計」の1つでしかないのだ。

 こんなことを書き続けていると「お前、本当にこの人のこと好きなの?」とか思われてしまいそうだが、マジのガチで尊敬している。彼女が他の声優と一番違うところは、そうした自身のスタンスについて一切負い目を感じることなく、自分が正しいと信じた道を突き進む、その姿勢を堂々と見せつけてくれることだ。ファンであれば彼女が生々しいゼニの話をラジオでぶちまけているのを何度も聞かされているだろう。ファンであれば彼女が絵本作家との二足の草鞋生活を始めたことにも何の違和感もなかったことだろう。ファンであれば彼女がいっしょに同人誌を作った畑健二郎と世帯を持ったことも自然な成り行きだと感じただろう。ファンであれば彼女が経済についてのラジオをはじめてファイナンシャルプランナーの資格をとったことも「あ、まだ持ってなかったの?」くらいに感じただろう。彼女は常に人生の図面を引き続けている。自分ができる最大限が何なのか、一切の妥協なく探し続けている。ここまで自分に正直に、真っ直ぐに幸福を求める人間に、何を文句のつけようがあろうか。

 絵本作家、アニメ脚本家としての顔も持った今となっては誰も反対しないだろうが、荒鷲先生は賢い人である。「才媛」という言葉を使ってもいいだろう。個人的に忘れられないのは、そんな荒鷲先生が、デビュー直後はがっつりおバカキャラでポジションをとりに行っていたことである。これは後出しみたいで格好悪いかもしれないが、当時の私はそんな彼女のトークに爆笑しながらも、「これ、絶対ほんとのバカが言わないやつじゃんwwww」ってところが一番おかしかった。そういう意味では彼女なりのキャラメイクに多少の綻びはあったのだが、なんかもう、全部計算づくで回してんだな、というのが伝わってくるのでむしろ裏も表もない状態だった。ここまでやってくれるなら、もうそれは声優だとは何だとかいう話も抜きにして、人として追いかけたくなっちゃうんですよ。

 私の人生の自慢話の1つに、「ぽぽらじ」に送ったメールを読まれたのに、荒鷲先生が途中で面倒になって読むのやめちゃった、っていうのがあります。まぁ、当時はメールを破られる人も多かったので、まだ軽い方ですけど。

 

 

・お勧めキャラ3選(ここからは少しでも役者・浅野真澄に触れようね)

 

・「スパイラル -推理の絆-」より「結崎ひよの」

 というわけでファーストインプレッションはこちらのメインヒロイン。相方は鈴村健一でした。スコンと抜ける気持ちのいいキャラで、割とまっすぐだから新人でも演じやすい部類ではあったかもしれないが、それでも堂々たる役回しでしたわよ。まぁ、アイム出身者なので養成所時点でガチガチに基礎は固めたんだろうが。

 

・「ぽぽたん」より「まい」

 まぁ、「ぽぽたん」自体がそこまで話題になるような作品でもなかったので、結局はラジオパーソナリティ・ますみんの印象しか残ってないのだが……。役回りとして「次女ポジション」なのは宜なるかな。

 

・「一騎当千」シリーズより「孫策伯符」

 なんなら未だに終わってないコンテンツなのが恐ろしい。こうしてまとめると、荒鷲先生の基本フォーマットは「頭より身体が先に動く単細胞」タイプだったんだなぁ。

 

・「光と水のダフネ」より「グロリア」

 ちょっと汚れてきた。「下ネタで攻めるとラジオが盛り上がるし、共演する女性声優を叩ける」という学びを得たと思われる。

 

・「PSYCHO-PASS」シリーズより「青柳璃彩」

 一気に時代が飛びましたが……印象的な荒鷲先生のキャラといえばこの青柳さん。作品世界の理不尽さを全部背負わされた本当に可哀想な人なんだけど、なんか堅物感とか不憫さに不思議と荒鷲ボイスが絡んで納得感があったんだよな。

 

・「Go!プリンセスプリキュア」より「海藤みなみ/キュアマーメイド」

 まさかのプリキュアにまで荒鷲先生が!? というので当時はマジでびっくりしたわ。どんなコネがあってそんなことに……いや、オーデションですよ? 何がすごいって、この翌年のプリキュアが盟友・堀江由衣と直弟子の高橋李依なんだよ。ほんとに業界でどういうポジションになったんだろう。

 

・「それが声優」より「浅野真澄/その他いろんな仕事」

 もはや声優だとかなんだとかじゃなくて、プロモーターなのよ。原作書いたし、メインキャスト発掘したし、そのユニットに歌わせる曲の歌詞まで書いてて。あとついでに役者としても登場してるという。

 

 

 声優だって、1人の人間なんだよなぁ、ということを身体で分からせる荒鷲先生。彼女の人生、多分もう一幕か二幕くらいとんでもなく盛り上がるシーンがありそうな気がするよ。

 

 

・関連リンク集

新番チェック・BLOOD-C

新番チェック・GO!プリンセスプリキュア

新番チェック・それが声優!

干物妹!うまるちゃん 第2話 「うまると海老名ちゃん」

番組感想・それが声優!

劇場版「PSYCHO-PASS Sinners of the System」 Case.2 『First Guardian

 

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