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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「BLOOD-C」 6

 今期本命作品その1。MBS制作で刀を振り回す主人公、そして父親が藤原啓治というと、どこぞの兄さんが父さんを殺しすぎる作品と被っている気もするが、その実体は随分違う。「イカ娘」「アザゼルさん」とヒットを飛ばし続ける水島努が、あの「BLOOD」シリーズの新作を手がけるというのだから、そこには本格派のアニメーション作りが期待される。原案は当然の藤咲淳一、そこにCLAMPも1枚かんでいるので大川七瀬が脚本参加。制作はI.G.であり、キャラデザは黄瀬和哉と並ぶのだから、スタッフ的にはあの「×××HOLiC」の正統後継ということになるだろうか。「おお振り」以来の「白水島」が見られる作品ということで、一体どんな仕上がりになるものかと、期待は高まるばかりだ。

 1話目の時点では、連発されていたCMから大体予想される内容のものが予想通りに展開された。主人公ヒロインはベースがドジっ子だけど妖魔討伐の時は覚醒するというあまりに陳腐な設定だが、BLOODシリーズということを考えれば、前作「BLOOD+」の(音無)小夜との対比は綺麗に出ている。あとはまぁ、前半部分が家族交流と学園ドラマ、後半部分が妖魔との壮絶バトルということで、ドラマ+バトルを描きたい、というMBS制作アニメの定番の設定が非常に見やすい。「投票で待ち受け画面配信」とかいう企画を見てると、同じ時間帯に放送してた「ギアス」を思い出すよね。

 シナリオラインは実に普通なので、見るべき点は1話時点での雰囲気作りと、そこにどの程度の手間をかけているかという心遣いの部分。そして、この要素について、水島努に心配するのは野暮というものである。「HOLiC」「おお振り」を手がけた水島監督は、本当に「忠実な脚本意図の再現」という面においては神がかった安定感を誇るのだ。今作も、きちんとこの作品のシナリオ・キャラクターに求められる要素を十全に解題し、アニメの画面として再構築することを徹底している。製作体勢を見る限りではなかなか金がかかっているということも分かるし、次回以降にも何の不安もない状態だろう。

 一応、いくつか注目すべき点をピックアップしておこう。学園ドラマを含む日常パートについては、主人公小夜が登校するシーンが実に印象的。中の人のうま味を存分に使って「即興で歌を歌いながらのんびり歩く小夜」というシーンがたっぷりと尺を取って流されるわけだが、あれだけのシーンに徹底して尺を割くという判断はなかなか出来ないものだろう。そして、このシーンはただひたすら小夜のアカペラ歌唱だけが流され、そこに余分なBGMは流れない。ただひたすら、小夜の声、小夜の日常だけが静かに流れるのだ。このワンシーンだけで、小夜というキャラクターが大体分かってしまうってんだから大したもの。「敢えて音を増やさない」という音響演出も、なかなか水島さんらしい。

 そして、後半のバトルパートが今回の最大の見どころ。登場時は無機質で動きも単調だった地蔵型の化け物が、少しずつ成長してダイナミックに暴れまくるだけでも恐ろしく見応えがあるし、対決場所に選ばれた湿地の、足首程度まで浸された水の使い方が抜群に上手い。水しぶきを上げて滑走する地蔵だけでも迫力が出るが、その水に小夜が沈み込み、息苦しい中で戦い続ける緊張感や、水の中を利用して滑り込み、刀にたどり着くシーンなど、画面を上下に揺さぶってのアクロバティックな動きの出し方が見事。動画面では、地蔵がハンドスプリングのようにして小夜の前に大ジャンプで回り込んだ後に、小夜が思い切り吹っ飛ばされたカットが格好良くて印象的だった。

 そして、全編を覆い尽くす「血」というモチーフへのこだわりも徹底している。冒頭、妙な形の温度計は、血管を流れる血液(赤血球)を強くイメージさせる。独白の台詞では「人を人とするのは血肉ではない」と語るが、その根源には「血」が横たわっていることが、画面のオブジェから語られるのである。また、「鼻をすりむく」ことから始まった小夜の物語は、化け物に大出血させることで幕を引き、その残滓は御神刀にこびりついた血糊に残される。無機物の象徴たる地蔵が激しく血しぶきを飛び散らせて倒れ伏すシーンも、「血」というものの存在を強く印象づけるものになっていただろう。

 そして、「血」のモチーフが実に扇情的に使われたのが、とんでもない注力のされ方で実現したオープニング映像。手がけているのは、最近すっかり「オープニング職人」になりつつある梅津泰臣である。もう、流石としかいいようがない。本当に艶めかしさなら天下一品。

 色々と見どころが多い本作であるが、中の人的には「プリキュア」以来の水樹奈々主演作品。普段のドジっ子スタイルは水樹奈々の真骨頂であるが、今後のシリアス展開でちゃんと「強い」キャラになれるかどうか、久し振りに真価が問われるキャラクターとなりそうだ。他には……まだあんまりキャラが出てきてないな。荒鷲こと浅野真澄先生が注目作で久し振りにレギュラーなのが印象的。荒鷲先生は本当に、本業が何だか分からない人だよな。

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