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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「Buddy Daddies」 6

 ハイ、どうも、P.A.WORKS大好きおじさんです。おじさんは前クールに久しぶりに大きな声でこの事実を叫ぶことが出来てとても嬉しかったですが、2クール連続という快挙を成し遂げることができるでしょうか?

 とりあえず初期配点はP.A.ボーナスみたいなところがないではないが、当然のように画面がかっちりしており、視聴に一切のストレスが無いという部分は素直に評価して良い部分だろう。タイトルに「Daddy」」とあるように今作では「父親役」というのがキーワードとなっているようで、物語の楽しさがうまいこと機能するかどうかは、きっと子供の出来不出来にかかっている(多分だよ、多分)。そうしてみれば、1話目で登場した幼女・ミリちゃんはたいそう可愛らしく描けており、少なくとも最初のハードルはクリアしているんじゃないかと思うわけだ。残る部分はまぁ、野郎2人のバディものなので、上手いことギャグとシリアスのバランスさえとっていただければ。

 今作を見てる思い浮かぶのは当然「SPY×FAMILYに寄せてきてる?」という下世話な話だが、まぁ、アニメの制作期間を考えるなら「幼女可愛くてお父さん大変」という要素で売り出そうという方向性が(幾らかでも)被っているのは偶然ではあるだろう。何はともあれ子供を出しとけば成功するっていうのが業界の原則の1つなわけで、幼女を愛でるための作品が並び立つのは特におかしなことでもないはずだ。その上でアーニャがあの通りのクソ生意気変顔キャラであるのに対し、こちらは木野日菜ボイスも清々しい、真っ直ぐな幼女として描かれているのだから、その違いは一目瞭然であろう。全国の、私のように本来なら父親にくらいなってそうな世代なのに子供がいないマンは、代償行為としてこちらを愛でればいいのではなかろうか(自分で書いててとても寂しい)。

 バディものの成功例でパッと思い浮かぶのはやはり「タイバニ」だと思うのだが、今作はタイバニほど露骨なバチバチ要素が無く、片方が世話焼きタイプなのであんまりそれぞれの個性がぶつかり合うが故の相互作用みたいなものはなさそうだが、1クールでまとめられる程度のお話なら、「なんとなく馬が合わない個性」でも問題はないだろう。どっちかってぇと、多分題材として合うかどうか怪しいのは「人殺しも平気でやるエージェントだけど子育て」という倫理面での問題かもしれない。あんだけギャグだということを全身全霊で伝えようとしていたSPY×FAMILYですら「ヨルが殺し屋で何人も殺しているのはどうなんだ」みたいな意見が出たりもするわけで、今作のように人を人とも思わないような殺戮劇を繰り広げる父親ってのは確かに不安ではある。でもまぁ、今作もどっちかって言うとドタバタギャグ寄りになりそうなんだよな。

 できることならカラッと笑ってみられる作品になるといいなぁ。

 

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○「東京リベンジャーズ 聖夜決戦編」 ―

 こちらは約1年半の休止を経ての2期目。まぁ、1期で人気が出た作品の対応としてはかなりフットワークの軽い方ではなかろうか。まぁ、今も人気があるかどうかは知らんが……。

 1期が別におもんなかったので、続編になっても別にテンションは上がっていない。そして、本当にこれがタイムリープものであるとしたら、1期の時の人間関係とかの記憶が曖昧なので、複雑なプロットなどもう追うことは叶わないだろう。そういう意味ではもう「横目で見る」作品になってしまうわけだが……懸念点というか、言い方は悪いが「たかを括ってる」のは、「別に繊細なプロットとかなさそうだしなぁ」という予感。1期の時点で既にタイムリープもののプロットは半壊してるような状態だったし、根本的に面白みを感じられそうな要素がオミットされまくっていたので、多分記憶なんて大して無くても問題ないだろうし、問題があったとしたらむしろ歓迎すべきことだろう。

 一応、2期スタートはかなり衝撃的なシーンからのスタートになっており、「変化した現代の武道を戻ってきた武道が確認する」というよく分からない構造まで入ってきた。直人との対話も引きは充分だし、ブランクを空けた後の一発目としては理想的なものになっているようには見える。ただ、これは風の噂に聞いただけだが、原作の方が案の定救いようのない終わり方を迎えたなんて話もあるので……アニメはどう決着をつけるつもりなんでしょうね。いや、そもそもこのタイトルだと多分今期では終わらんのだろうな。うーむ。

 

 

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○「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」 4

 記念すべき折り返し点となる8なろう目。「なろうアニメの折り返し点」とかいう地獄のような概念……。

 一番の心配は「ろうきん」っていう略称がすげぇエゴサしづらそうだな、っていうこと。実際今ググったら案の定別な労金が出てきたし。これでアニメの影響で検索汚染されて今作がトップに出るようになったらそれはそれで末法だな、という感じもしますけどね。とにかく、そんな長くて覚える気が起きないようなファンダメンタルなろう。データをチェックすると開始時期は2015年と比較的古い作品のようで、導入が本当にレトロなろうだし(いや、死にかけた理由が斬新すぎてわろてもたけども)、「異世界に飛んだんだぁ」ということを実感するまでに割と筆を割いているあたりは、毎度のようにぼやいている「異世界転生の意味無いやんけ」という愚痴が無くなる設定なのでそこはちゃんとしてる。また、今作で新しいのは「異世界転生」ではなく「異世界と現実を自由に行き来できる能力」を手に入れたという部分で、主人公は早くも「現実世界の物品をそのまま持ち込めば商売になりそうだ」というところまでは思い至った。最近の作品だとそれすら面倒で異世界にAmazonで直接荷物を届けたりするらしいので、転移をするにしても色々と現実的な(?)ラインを想定して動くあたり、まだ良心が残ってる時代のなろうだなぁ、という感じはする。

 ただ、だからと言って面白そうに見えたかと言われたら全くそんなことはなく、個人的にすげぇ勿体無いと思ったのは、「転移能力」と百歩譲って言語獲得までは今作の個性を出すための大事なツールではあろうが、なぜそこに「脅威的な治癒能力」とかいう余計な手心を加えたのかという部分。そういうことするから、「結局チートやんけ」という印象になってしまうのだ。これが本当にせこせこと物品を移動させて金を稼ぐだけの展開にしてくれれば、ドラクエ4における3章みたいな稀有な立ち位置になって面白さにつながった可能性もあるのだが……いや、でもまぁ、流石にこの設定で魔王軍と戦ったりはしなそうだから、そこら辺は注目してもいい……のかもしれない。どうだろう、戦うかな? 戦う気もするな。

 ただまぁ、なんにせよ主人公のモチベにいまいちついていけないところがどうしてもネックになり、「こんだけの無茶な状況に現実的な蓄財計画で対応しようとしてますよ」ってのが面白さだとは思うのだが、「自分のチートに信頼が置けないから」というのがスタート地点であるなら、やっぱりいちいち転移なんかせずにどっちかの次元で堅実に生きた方がいいと思うんですけどね……なんでわざわざリスクがある方に進むのか、その辺は共感できないのでなんか気持ち悪い。なんとか、今後のビジョンでいくらか説得力を出してほしいもんである。

 中の人は、「バーゼの中の人」もしくは「ひなたの中の人」、長江里加がいよいよ主演にまでのし上がってきた。いい具合に変な声なので嫌いじゃないんだ。

 

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○「魔王学院の不適合者Ⅱ」 ―

 7なろう目。ほんでな〜んも覚えとらん。

 前作の放送が2020年ということでほんの3年前の作品のはずなのだが、その間に羽虫の大群のごとく大量のなろうが私の目の前を通り過ぎていったため、3年で何もかもが洗い流されてしまっている。あまりに記憶がはっきりしないために、主人公の声まで変わってしまったような気すらするわ(すっとぼけ)。……あの事件、からまだ3年経ってないんだ……。

 というわけで、内容を覚えてないところに専門用語ゴリゴリでファン以外はお断りと言わんばかりの1話目。キャラが多すぎて誰がどこで何してるのかもさっぱり分からないし、この世界がどのようになりたち、主人公がそこで何をしてたのかも全く記憶がない。普通に考えればハイさよならで終いの作品ではあるのだが、悩ましいことに2期まで継続して作られるだけあり、アニメーションのクオリティは平均以上なんだ。製作スタッフもほぼ継続で、SILVER LINK&大沼さんの座組にしてはじゃぶじゃぶリソースを注いでいる様子。こういう状態は切るに切れないのでなぁ……まぁ、一応横目で見るくらいの接し方はしようと思っています。ヒロイン勢の可愛らしさが加速すればモチベーションもちょっと上がるかもしれないが……女の子も多すぎるんよなぁ。あ、スタート第一声がアスミスボイスだったのは嬉しかったです。

 

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○「シュガーアップル・フェアリーテイル」 5

 今期「おもしれー女」枠。否、少女漫画枠。最近はあんまり少女漫画のアニメ化が無いんだけど、代わりに別媒体からいかにも少女漫画っぽい作品が供給されるわね。

 タイトルとアバンから「お菓子作りの甘々お伽噺かしらねぇ」とか思ってたら、案外ハードな世界観で笑っていいやら悪いやら。ちっちゃい生物を陵辱するシーンがやたら真に迫ってるってのは情操教育上あまり良くない気もするのだが、今作の世界において「人間と妖精の関係」ってのは一番重要なファクターであるので、1話目でその内実を赤裸々に見せる必要があったのは納得できる部分。今後もこの世界の妖精たちは酷い目に遭い続けるんでしょうか。フェ虐が捗るな……。いや、そういう作品じゃないとは思うのだけど。

 そうして急に重たい設定がきて「こわっ」とは思ったものの、そこさえ飲み込んでしまえばあとはシンプルに少女漫画テイスト。おもしれーかどうかはまだ分からないヒロインが、ちょいと無鉄砲に生きにくい世界を突っ走る姿を活き活きと描くよ。種族差別はナイーヴな問題も孕んでいるが、そこをいかにさっぱりと、後味良く描けるかが課題ですかね。そのためには当然中心となる相手役のやさぐれイケメン妖精がどれだけ魅力的に見えるかが重要。壁ドン、顎クイ、なんでもいいからフル活用してヒロインを盛り立ててあげてほしい。「羽を取り返しゃ自由の身なんだから、あんだけ好きだらけの珍道中、すぐにでもヒロインを誅殺できそうだが……」とかいうことは考えちゃダメ。イケメンはそんなことしないから。

 前クールの爆発作品が「虫かぶり姫」などの甘々タイトル揃いだったので、ちょいと刺激的な火遊び的少女漫画もまた良き。映像部分はスッキリしていて見やすいし、いかにもJ.C.STAFFらしい堅実な仕事ぶり。線の細いデザインなのでちょっとでも崩れちゃうと荒が目立つことになりそうなので、今後もあまり派手な作劇は求められていないが、いかに1話目のクオリティを維持できるかだ。

 中の人に関しては、主人公役の貫井柚佳は今作が事実上の初主演となりそう(ゴクドルズのメインだったようだけど、ごめん正直覚えてない)。だいぶ前からいろんなところでちょくちょく見かける名前ではあったが、ようやく一歩、いい仕事が残せるかどうか。

 

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○「TRIGUN STAMPEDE」 6

 俺名物、「超有名タイトルっぽいから名前くらいは聞いたことあるけど実は全然触れたことがない作品」シリーズ。こういうのって世代とか、周りの環境とかの影響が大きいから触れないジャンルってほんとにノータッチなのよね。

 私と同じノータッチ組もいるかもしれないので一緒に基本情報を調べてみよう。まず、原作は1995-1997で連載された漫画作品だと。あれ、意外と短いんやね。ただ、その後続編の「マキシマム」は10年の長期連載となっているため、なるほどボリュームはある。作者は「血界戦線」の内藤泰弘。どっちかってぇと「血界戦線」の評判として「トライガンの作者の作品」っていう売れ方でしょうかね。ただ、おそらく今作タイトルの名前をよく見かけるのは原作ではなくアニメの方の影響が大きいようで、こちらは放送が98年。制作がマッドハウス、脚本に黒田洋介・キャラデザにサムシング吉松などが並び、Wiki情報によれば「深夜アニメの先駆として成功した」とあり、まだまだ深夜アニメ黎明期といえる前世紀末の記念碑的作品として記録されているようだ。

 前置きが長くなったが、要するにまた「旧時代の遺物掘り起こしプロジェクト」なわけだ。そりゃ知らん私にも責任は無い。私がアニメについてなんとなく知ってることといえば「主役がヤング小野坂だったこと」くらいで、内容も何も知らん状態。いつぞやのゲッターロボみたいにこんだけ時代を超えても一見さんお断りみたいな内容だったらどうしようと思ってたら……まさかの「製作:オレンジ」。なんとまぁ、「BEASTERS」以来、久しぶりのオレンジ作品となったのである。そうとなりゃぁ話は早い。どれだけオレンジ作画が馴染むかというのも課題の1つではあるかもしれないが、そもそもスペースな世界観は得意とするスタジオ。冒頭の宇宙船第爆破のシーンからあまり心配は無い状態でスタート。正直、キャラデザについてはもしかしたらCGアレルギーを発症する人はいるかもしれないが、わたしゃもう慣れたのでこれで無問題。「元のアニメの方が原作のテイストがあった」とか言われるだろうことを前提とした、かなり攻めの製作スタイルとなっている。

 当然、私はオレンジシンパであるし、前作のことをミリしらなのでこのデザインはすぐに受け入れられる。スタジオの特性であるぬるぬるとこだわり抜いたモーション作劇の妙は、他の何を差し置いても見ておきたいところだ。背景にいる小さな人影の動きに至るまで常に神経を配らなければいけない賑やかな画面はリソース管理が大変で贅沢な悲鳴。キャラのモーションは意図的に寄せている部分もあるのだろうか、千鳥ノブ風にいうなら「アメリカのアニメの動き!」である。ディズニーやトムとジェリーで見かけるようなコミックなモーション。愉快ですね。

 あとはこの潤沢なリソースを使ってどんな物語が描かれていくのか。原作が人気作なのだとしたら、そのリメイクの脚本も期待していいんでしょうか。1話目は分かりやすい出会いの構図で、主人公・ヴァッシュのガンシューティングがすげぇんだかどうだかはもう、逆になんだかよく分からないレベル。今後も色々と見たことのないものを見せてくれそうだ。

 中の人も旧作からは一新されており、またヤングが裏でやいやい言うてるだろうことは想像に難くない(一応、脇で起用してもらってるやん)。初見の身からすればこんなにすんなり松岡禎丞ボイスにハマる主人公だったのはむしろ意外ですけどね。考えてみりゃ禎丞もヤングも声は甲高い音域でキーキー言ってるのが楽しいタイプだから、意外と共通項はあるのかも。そしてもう1つ興味があったのはヒロインの新人記者を担当したあんどうさくらという名前。どうやら吹き替え畑の人らしくアニメでの仕事はあんまり見たことがなかったのだが、同じオレンジ作品で「BEASTARSの有精卵売ってたニワトリ」役だったらしい。どんなつながりやねん。そしてとどめに、主人公の回想シーンでは因縁の兄弟役がゆみり・ともよコンビという……このコンビ、マジで強烈だよなぁ……どっかでこの2人に延々即興芝居だをやらせるみたいな地獄の演目ねぇかなぁ。

 

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○「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」 4

 6なろう目。そして、すごく普通のなろう。良くも悪くも。悪くも悪くも。

 いわゆる追放系の出だしから「スローライフ」というくくりへ。過去に全く同じようなくくりのアニメがあったはずだが、もうタイトルも覚えてないので遡るのは省略する。例によって追放系への理不尽さが募ったり、「ランクではかる冒険者ギルド」の意味がわからなかったり、無意味に才能を開花させたりとイライラポイントは多いのだが、一番耐え難いのは、お約束要素を特に考えもせずペタペタとくっつけた結果なのだろう、「ここにいたるまでの背景」が全く見えてこないことだ。タイトルに「暗黒兵士」と言ってるのに「暗黒」要素がまず分からん。「魔王軍の部下だったこと」を言っているんだろうか? しかし作中で「魔族も人間も見た目が変わらず、魔法を使えるかどうかの差だ」と言っているのだから、魔族側を「暗黒」呼ばわりする必要はない。見た目が同じで能力にも大差なく、同じ世界で同じくらいの文化レベルで生活しているなら、もうそれは「魔族と人間」とかじゃなくて「単なる敵対関係にある隣国」である。「暗黒」要素がわからなければ「兵士」要素も分からない。「30を超えるまで勤めていた魔王軍」と言っていたが、その間に「剣など握ったこともない」と言っていたが、じゃぁ何をしてたんだろう。戦争がある世界にも見えないので戦場に駆り出されていないことはまだ理解できるが(その場合に「魔王軍」という概念がどういうものなのかが怪しくなるが)、一度も剣を握ったことがない「兵士」とはいったいなんなのか? 仮に一度でも剣を握ったことがあるなら今回試したような「秘められた才能」が明るみに出ていたはずで、解雇される謂れはなかったはず。いや、まずもってこのタイミングで解雇された理由も明らかになっていない。「魔法も使えない下賤が四天王補佐ということがそもそもおかしかったのだ」と言っていたが、そりゃそうだ。おかしいなら、なぜ今まで曲がりなりにもそのポジションにいたのか。想定される解としては「先代は主人公の才能を理解して採用していたが、2代目に継ぐ際にホウレンソウを怠ったため、無能だと勘違いされた」というルートが一応あり得るが、その場合にも主人公の自己認識がおかしい。クビを言い渡された際に「いえいえ、私はちゃんとこれまでこういう仕事をしてきたから雇用されていたのです」ということを証明すればいいだけの話。それがないということは、主人公もなぜこれまで働いていたのか分かってないということ。というか、多分5分前仮説みたいなもんで、この世界に「これまで」など存在しない。想定されていないのだ。

 そしてもちろん「これから」もあまり想定されていないと思われる。「魔王軍」を抜けたおっさんがふらふら彷徨った程度の距離に、平和に人々が過ごす村がある。その村には「Dランク冒険者」と呼ばれる連中がいる程度。まさに「ラストダンジョン前の村」とでもいうべき立地だと思うのだが、そんな様子はかけらもない。この世界、セカンドじゃないライフでも普通にスローなのでは? もう、世界が一から十まで分からないし、特に説明する意図もない。安心安全のなろう品質でFAでいいんじゃなかろうか。

 なんだか杉田の独白テンションだけで乗り切ろうとしてる感があるが、「一見目立たない地味系主人公」って、杉田ボイスに任せる配置じゃないのよ。ダミーヘッドマイクに転生するくらいがちょうどいい声なのよ。

 

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○「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」 6

 5なろう目。そして予想を裏切るブレイクスルー。なろう小説でプロット部分の構造に感心したのはもしかしたら初めてかもしれない。

 タイトルの長さと内容から「ハイハイ、いつものいつもの」と思いながら視聴を開始したが、アバンの展開からいきなり足を掬われ「あれ?」となる。そこから展開されるギミックは、一見すればこれまで散々見てきた「悪役令嬢もの」の構造と大差無いかのようだが、実はかなりエポックメイキングなことをやっている。「転生」を必要としない「実況解説」というゲーム世界とのインタラクション。アイディアとしては、まさに世の中に「ゲーム実況」という娯楽が定着したという文化背景から現れたものだろうか? 現代社会では、ゲームそのものをコンテンツとして楽しむことに加え、それをプレイする「実況者」自体を楽しむという1つ上のレイヤーのメタ構造が成立した。となれば、創作ジャンルにおいて「ゲーム実況もの」があってもなんら不思議ではない。思いつくだけなら簡単なのかもしれないが、そこを一歩進めてきちんとエンタメとしてのラブコメの俎上に乗せているというのがまず注目すべきポイント。

 「実況だろうがなんだろうが、結局ゲーム世界で破滅エンドを回避する悪役令嬢の話になるんだろ? ガワだけちょっと変化球に見せてるだけで、結局やることはいつもと同じやんけ」という意見も出てくるかもしれない。そして、私はこの先を知らないのでもしかしたらマジでそうなって尻すぼみに終わる可能性も充分ある。ただ、この「実況」という薄皮1枚を挟むことで描かれる構造自体も大きく変化したことは確認しておく必要があるだろう。世界を2層構造にしたことによって何が行われたかというと、ゲーム内キャラクターとその干渉者(ついでに鑑賞者)の「人格の分化」である。本作における小林さんとリーゼロッテは、これまでの「悪役令嬢もの」ならば基本的に同一の人格であった。「はめふら」のカタリナ、「ラスボス」のアイリーン。どちらもゲーム内の悪役令嬢役に転生し、ゲーマー視点から自分の直面した危機を打開しようとする視点を持っている。この構造で最大の問題点は、結局「ゲームの縛り」というのがどのように機能しているかがはっきりせず、どれだけ痛快な「現状打破」が起ころうとも、「それって意味があるの?」「全部知った上でマウントとって何をドヤってんねん」というわだかまりが残る部分であった。「転生」という要素により、「一人の実際の人間」と「ゲームのキャラ」という相反する要素に重ね合わせが起こってしまい、少なくとも作品内だけで折り合いをつけられなかったのだ。

 しかし、今作の構造ならば、小林・遠藤の両名はまさしく「神」である。ゲーム世界への干渉力に疑う余地はないし、ゲームキャラにとってもそれは「神の干渉」であり、世界が変質することになんの不思議もない。相変わらず「ゲームの拘束力とは」という制限への疑問はつきまとうが、「ゲーム内からの打破」に比べて、「プレイヤーがなんかおかしくなったゲームをプレイして攻略法を見出す」方がよほど理解しやすく、納得度も高い図式になる。まさに「ゲーム実況」文化の恩恵だ。また、ゲーム内からは「神」でしかない2人がひとたび視点を現実に移せば一介の高校生でしかないという切り替えも自由自在で、ゲーム外世界でのラブコメ要素も別口で楽しむことができる。たった1つの新要素を盛り込んだことで、新たな刺激と構造変革をもたらすことに成功したのだ。これは、新しい。(なお、確認したところ原作のリリースは5年前とのことなので、現在なろうジャンルでこれがどの程度一般化しているかは知りません)

 惜しむらくは、そうして楽しげなステージが用意されたアニメなんだけど、映像部分はそこまで冴えてないということくらいだろうか。制作が手塚プロかぁ……いや、そこまで酷い出来でもないのだが、大事な1話目にしては大して誇れる完成度ではなく、ここから下がるリスクを考えるとちょっと不安ではある。しかしまぁ、なろう文化の中では貴重な「こんなことも出来るのか」という新鮮な驚きを与えてくれた作品。なんとかこの期待を維持したまま進んでほしいものである。

 なお、実況解説という役割が重要になる関係上、キャストは例によってゴリゴリである。オタクでテンションが高い花澤キャラ、助かる。作中でのともりVS富田の構造、とても助かる。

 

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○「アルスの巨獣」 5

 こっちも冰剣使ってたな。こっちの方がよっぽど氷っぽさあるがな。

 漠然と、「なんか頑張ってるっぽいオリジナルアニメ」。直感的には似た空気の作品として真っ先に「空挺ドラゴンズ」が思い浮かんだが、あれは原作あったし、単に「巨大な架空生物を狩る」っていうモチーフが一緒なだけで実際はあんまり似てないかもしれない。それよりもこうした完全オリジナル作品を見て、漠然と「中世っぽいような、そうでもないような」みたいな作品世界をどう表現したものかというどうでもいい問題の方が気になった。なんて表現したらいいんでしょうね。「ジブリっぽい世界」みたいな、なんか、そういうやつ。

 そんな「見たことある気がするけどたことないかもしれない」世界を描いたオリジナルアニメは、当然わざわざオリジナルで制作が決まっているくらいなので予算はかかってるように見える。いや、オリジナルでもしょうもない作画の作品もたくさんあるが、最近はわざわざMBS系列で放送されるような地上波オリジナルでしょぼしょぼになるなんてことは無い。……きっと無い。無いと言ってくれ。今作も1話目は「頑張りまっせ!」という気合がきちんと感じられる良い作画で、独特の世界背景も違和感なくごく自然に表現できている。通常だったらこれだけの素材が揃っていれば期待票を投じてもいいとは思うのだが……。

 なんか、最近ちょっと警戒レベルが上がってるのよ。オリジナル作品で危惧すべきは、どっちかってぇと実質的作画クオリティではない。画に関しては予算に見合った相応のものが出てくるだろうからね。それよりも、「オリジナルの企画会議で一発通過しただけの危うい脚本」の方を危惧すべきである。どうにも、ここ数年、「おっ、このクオリティは素晴らしい1話目だ! きっといい作品になるに違いない!」と期待票を投じた結果みるみる尻すぼみになってしまった作品で何度か辛酸を舐めておるでな……その代表格が、今作と同じ「なんか特別な身分っぽい女の子の逃走劇」から幕を開けた「海賊王女」だったもんで、余計にガードが上がってしまう。他にも「サクガン」とかさ。あと、いうても「リコリコ」だって脚本自体は大したもんじゃなかったし、オリジナルアニメでぐうの音も出ないシナリオラインが出てくるってことがあんまりないのよ。今作の冒頭部分に関しては、どっちかというとそんなオリジナル作品の「怪しい方の匂い」がしたような気がしたので、ちょっと警戒して様子見にしておく。

 とりあえず「羊宮妃那が単独ヒロイン」というのはめでたいことなので、ヒロインのヒロイン力に期待しましょう。

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