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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「廻るピングドラム」 6→7

 今期ナンバーワンのビッグネームとなったであろう問題作。24話を走りきり、その全てのエピソードが、記事を立てるのに不足無い、いや、いくら記事を立てても足りないくらいの内容になっていたのは素直に賞賛すべきことであったろう。とにかく中身を色々と詰め込み、とにかく次回への期待を繋ぐ。「商品」として扱われるべき現代アニメーションにおいて、まずはその完成度は特筆すべきものであった。

 中身については、放送終了が落ち着いて考えてみれば、色々と議論の余地がある。否、「余地」というのも妙な言い方で、この作品はとにかく「語られて」「解体される」ことを望んでいるように見えるので、議論しないと始まらないものである。1回だけシリーズを通して見て「あぁ、あそこはこういう意味だよね」と訳知り顔で解説出来る人間なんて、おそらく存在しないだろう(ひょっとしたら監督ですら、一から十まで全ての「意図」を詳らかに出来ない可能性すらある)。「分からないな」「何かありそうだな」と思わせること、それがまず、幾原邦彦というクリエイターの狙ったアニメ作りなのではなかろうか。

 丁度同じタイミングで、AT−Xでは「少女革命ウテナ」が放送されており、予備知識ゼロだった私は、幾原作品という過去の礎について、勉強しながら「ピングドラム」を観ることができた。脚本担当が違うためにこの2作品にも大きな違いはあるものの。幾原監督の狙った演出効果は似たような部分があるのは間違い無いだろう。特に、今回脚本面にも色濃く表れた過度な少女漫画趣味的な部分は、幾原監督の隠しきれない「素の性質」である気がする(今回、点数がさほど加点されていないのは、そうした「少女趣味」みたいな根源的な趣味の部分があまり得意でないためだ)。

 そう、「ウテナ」との大きな違いは、監督本人の狙いが脚本面にまで食い込んできているため、とかくロマンチシズムに溢れた「得も言われぬ」テーマ性が介入してきたことである。今作は大きなモチーフに宮沢賢治が取り扱われていることなどからもそれが確認出来るだろう(まぁ、個人的に「銀河鉄道の夜」ははっきり覚えていないので突っ込みにくい部分ではあるのだが)。おかげで、「世界の革命」というある種分かりやすいモチーフを扱った「ウテナ」の少年漫画的、アニメ的お約束の部分までもが排された状態となり、何とも曖昧で、先の見えないぼんやりした展開になった。具体的には、最大の謎であった「ピングドラムを探せ」というミッションでも最後の最後まで「ピングドラム」が何を表すか分からなかったり、ペンギンたちの存在や、高倉兄弟の生活様式、目的などが見えていなかったり。「ウテナ」の時よりも現実に即した描写が多かったにも関わらず、全体としてはよりあいまいな世界になっていたというのは、映像技術の進歩、変化と合わせても、非常に面白い部分だと思う。

 普通に考えれば、「あいまいなままで進む物語」なんてものは、途中で視聴のモチベーションが切れて退屈になってしまいそうなものなのだが、この作品に限っては、一切それが起こらなかったというのが脅威だ。ばらまかれたガジェットの数に合わせて、「何となくそれらしい答えらしきもの」もばらまくことで、その都度その都度のシナリオラインを見せていき、興味がはずれきらないギリギリのラインを渡ってみせるさじ加減だ。もちろん映像的な新奇さなどもファンを引っ張る要因にはなったと思うのだが、毎回毎回、「今回は何が起こって、何が分からなくなったのか」ということが明示されることにより、1回ごとの「宿題」と「答え合わせ」が出来る(もしくは出来る気がする)ようになっていたおかげで、半年間のペンギン劇場は、苦痛を伴わずに追いかけることが出来たのだと思う。「分からないだけ」でどんどんおいていくような作家本位の作品とは一線を画す部分だろう。

 あとは、最後までを通して観て、様々なファクターを組み合わせた1本のアニメ作品として、視聴者各自が「答え合わせ」をしていくだけ。もちろん、正解なんて誰も知らないし、誰も必要としてないだろう。「きっと冠葉の人生にはこんな意味があった」「最終話で陽鞠が手にしたピングドラムとは、〜〜のメタファーであった」「作品世界を通じて、幾原監督はこんなことが言いたかった」。好きなだけ分析出来るし、好きな答えが出せる。「より正解らしいもの」はあるかもしれないが、そこに「正解」があるかどうかは、監督しか知らない。何ともマゾヒスティックな「与えられるもの」の喜びが、そこにある気がする。アニメ視聴というのは完全に受け身の享楽であるわけだが、ここまでのものが出されれば致し方ないことだと思うし、文句の出ようもない。作り手側が「やりたいこと」をやり、受け手側は「やられたいことをやられる」。それでいいではないか。

 最後はグッと具体的になって、中の人の話。改めて読み返してみると、私は今年度の「声優アワード」のノミネートとしてこの作品からメインで2人をあげている。晶馬役の木村良平と、苹果役の三宅麻理恵だ。この2人の作る世界が、今作では一番のお気に入りだったみたいだ。特に三宅麻理恵については、これが事実上のレギュラーデビューみたいなので、ここからの伸びに期待したい。新人にしちゃぁやけに安定してるなぁ、と思ってプロフィールを見たら、なんと生年が85年、あの黄金世代の一員じゃないですか。きっと成功しますよ。

 その他にも、堀江由衣や石田彰、能登麻美子といった、「出てくるだけで仕事が終わる」タイプのずるい面々を贅沢に駆使し、この作品の「どぎつさ」がよく表されていたと思います。そして、個人的に一番のインパクトだったのは、渡瀬医師役の小泉豊という人。なにこれ、エロい(声的に)。こんな癖の強い役作りと声、初めて聞くわ。と思ったら、この人「NHKにようこそ」で主人公やってたの? 全然記憶にないんだけど……こんな声だったっけ?!

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