最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
私は常々85年度組(と80年度組)のことを「黄金世代」と称している。冷静に見れば、有名声優を輩出する数なんて年度でそんなに変わるわけもなく、数と質で見れば88年とかの方が凄まじかったりもするのだが、その上で私の中の「85年度」は揺らがない。その理由の一端はもちろん沢城みゆきであり、さらに名塚・小清水ら子役上がり、若手から躍進した組が特に強く印象に残る。しかし、そんな中でも「黄金」たる所以であるもう1人の「怪物」。さぁご登場願おう。日笠陽子という、業界の台風の目に。
・馴れ初め おそらくだが、ブログ内でも言及されている量は日笠がダントツなんじゃなかろうか。これはもう、私が好きとか嫌いとかいう話ではなく、純粋に仕事の母数が多すぎるが故。しかしそんな日笠だって当然デビューしたての新人時代は存在しており、世間的にも知られている彼女のデビューは「スケッチブック」の(元々は)アニメオリジナルキャラ・みなもちゃんだった。原作ファンだった私は当然「スケッチブック」は視聴していたが、今作に関してはまだアンチ寄りだった時代に花澤主人公が出てきてたのでキャスティングには若干の色眼鏡があった気がする。おかげで「原作にいないキャラ」のキャスティングなんてあんまり興味がなく、実際この時の日笠についてはスルーしてるはず。 となればまぁ、必然的に次なる出会いは世間一般と同様に「けいおん」になるわけで。澪はキャラクターの中でも普通に人気だったし、何よりも歌唱の仕事が多かったこともあり、「なんか歌も上手い若手」として日笠はたった1作で一気にスターダムにのしあがることになった。まぁ、やっぱ放課後ティータイムはそれだけでロケットブーストですからね。豊崎・日笠・しゅが美についてはこれの「以前/以後」で見る目は全く変わってると思うよ。…………竹達については以前書いた通り。そして美菜子は……何回か書いてるけど、改めて触れるのはもう2ヶ月後です。 そうして「秋山澪の中の人」として世に出たぴかしゃ。しかし、黒髪ロングで引っ込み思案のギタボ女子高生・秋山澪という看板を掲げておく必要があったのは本当に僅かな期間だけ。けいおんでも番組ラジオが始まり、「中の人」日笠陽子はまるでテレビから這い出す貞子のごとく、有無を言わさず世間へと転がり出てきた。そして、宴が幕を開ける。私は折に触れて「時代を象徴する声優」みたいな話題を出すが、林原めぐみが時代を駆け抜け、川澄綾子が基盤を作った「声優文化」という基盤の上で、暴れ散らかしたのが沢城・花澤、そして日笠の順だと思っている。何が恐ろしいって、ゼロ年代終盤に幕を開けた「日笠タイフーン」は、20年近くの時が過ぎようというのに、未だ全く収束の兆しがないということ。業界を巻き込む規模のデカさ、そして声優業界のある一面をその背中に背負い続ける純粋さ。それこそが、日笠陽子を声優という職業の中でも特異な位置へと押し上げているのである。
・良きところ 日笠の良さとは、いったいなんなのだろう。改めてこの問題を提起した時に、下手したら一貫した答えは導き出せないかもしれない。たとえば同年代の沢城みゆきについて、私は「役者の権化」であり「声という音のプロフェッショナル」であるとし、その全てをひっくるめて「怪物」と呼んでいる。声優を評するのだから、当然真っ先にその演技がどうこうという話は出てくるはずだ。しかし、日笠評を論じる時、実は意外と「演技がどうこう」とか「キャラがどうこう」とか、そういう話ってのは重要視されない気がする。 もちろんこれは日笠が下手だとか、声優としての仕事を怠っているという話ではない。むしろ、日笠は声優としての仕事を「やりすぎて」いる。あまりに多くの仕事を、最前線で処理し続けている。その演技の内実を開けてみても、別に「千変万化の七色の声!」とか、「日笠の演技でいっつも泣ける!」みたいな話にはならないのに、とにかくありとあらゆる声優仕事、オタク文化、アニメ業界に、日笠は遍在する。このスタンスこそが、日笠を「台風」たらしめる、「災害」たらしめている要素である。 そう、日笠を取り上げる時に最も論じられるべきは「仕事量」。もちろん花澤香菜という時代の「もう一軸」の存在もあるにはあるが、おそらくトータルの数で言えば日笠の方が上回るだろう。どこを開けても日笠。何をやるにも日笠。あまりにもアニメ業界は、日笠陽子の声に依存しすぎており、日笠なしでは回らなくなっているとすら思えてくる。別にそれがアニメ業界の問題点だ、という話ではなく、「なぜここまで、日笠陽子は使われ続けているのか?」という話なのだ。 もちろん私は業界人ではないので答えはしらないが、そこに彼女の最大級の武器が隠されているのは疑いようがない。もちろん「役者としての必要性」は前提条件であるが、それ以外にも「どこにでも入れる汎用性」があり、さらに「どこでも呼びたくなる人間性」がありそうだ。オタク界隈でも「芸人」などと呼ばれることが多い日笠トーク。多くのラジオを切り盛りしていたことからそのスキルは満天に知らしめられているが、そうした「表に立つスキル」だけでなく、おそらく彼女はとにかく「人が好きで、人に好かれる」人間なのだ。もう、声優論とか飛び出して完全なる人格評だ。でも、それくらいの話にしないと、現時点での「日笠陽子」という「現象」に説明がつかないのである。もしかしたら、バトル漫画とか料理漫画とかでありがちな「人を魅了して夢中にさせるスキル」みたいなものを、日笠陽子本人が持ち合わせているのかもしれない。そうでもなければ、今となっては独立して個人事務所で仕事を回してるたった1人の声優が、こんなにもオタク文化を背負い続ける理由が説明できない。 役者業、歌い手業、パーソナリティ業。現代の声優に求められるその全てを、日笠は120%でこなし続ける。どこへ行っても日笠は日笠だし、誰もがその名前と、顔と、声で安心できる絶対的なネームブランドを構築している。この現状が一人の役者の評価としてあまりにありえないせいで、私は彼女を取り巻く全てをまとめて「現象」として理解しようとしている。これは逃げだろうか。しかし、少なくとも現代社会において、彼女のような規模で動き続ける「何か」は業界に見つけることができない。これから5年後、10年後、改めて声優という職業のあり方を考える時に、日笠陽子は歴史年表のどの項目に記録されているのだろうか。興味は尽きない。
・お勧めキャラ3選(「3」という音は「散」につながりますね)
・「けいおん!」より「秋山澪」 改めて澪に触れよう。私はりっちゃん隊員だったので当時そこまで澪に傾倒してなかったつもりだが、冷静に振り返れば律澪にかぶれていたので結局は同じことか。個人的には澪の仕事というよりかは一連のエンディング歌唱の方で日笠を強く強く評価しており、未だ「No, Thank you!」をカラオケで歌うと一人でボロ泣きしたりする。日笠の声の良さを味わうなら劇場版主題歌の「Singing!」もおすすめ。日笠のお歌が上手いのは初期も初期から知らしめられているのだ。
・「生徒会役員共」シリーズより「天草シノ」 しゅがの時にも触れたが、もうこの時点で業界は日笠陽子という素材をどう調理すべきか全部わかっている。日笠は、入るべきところにあっという間にスポッと入って、版図を拡大しながら一向に後進にその座を譲る気がない。ひどい先輩であるが、多分日笠に喧嘩を売りたい後輩もそうそういないだろう。
・「世紀末オカルト学院」より「神代マヤ」 多分私の中の日笠評が決定的になったのがこちらの役。やっぱテンション芸をのせてる時が一番輝くんだから。ギャグ・ラブ・テンション、そして歌。日笠陽子ヒストリーを語る時には決して外せない名キャラ。この時点ですでに花澤との地獄の絡みも安定している。
・「47都道府犬」より「神奈川犬」 まさかの神奈川代表。放課後ティータイム、実はこの作品では全員が選出されてるのだよ。
・「ハイスクールD×D」シリーズより「リアス・グレモリー」 日笠といえば巨乳声。この辺りの時期にはすでに巨乳のメインヒロインも多数担当してイメージを固めている。声優の仕事には実際の胸囲など無用であることを長年示し続ける偉大な啓蒙活動なのだ。「エロ作品でも使いやすい」も重要なポイントかも。
・「戦国コレクション」より「明智光秀」 作中屈指の名エピソードを担当した復讐者・明智光秀もじつはぴかしゃ。この時点で分かる圧倒的汎用性と、どんなトリッキーなスタンスでも役をがっちり作ってくれる信頼性は微動だにしない。
・「めだかボックス」シリーズより「須木奈佐木咲」 アクの強いこの作品で、須木奈佐木さんとか誰に任せたらいいんだよ、という難問へのベストアンサー。できることなら、シリーズ終盤の学園祭ライブ編までアニメで見てみたかった。まぁ、あの辺の咲ちゃんは割と大人しくなってるんだけどさ。
・「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズより「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」 もちろん最初は歌唱が必須ということで選ばれたキャスティングだと思うのだが……その後のマリアさんのあれやらこれやら。もしかしたらメイン7キャラのうちで一番スタッフの想定と違う方向に成長して人気を博したキャラがたやマさんなんじゃなかろうか。基本、楽曲の全部が超絶格好いいのだけど、オススメは「裸になって…夏」。何故そこで愛!?
・「ダンガンロンパ」シリーズより「霧切響子」 日笠のずるいところは、本人があんなんなのに霧切さんみたいなキャラでも100%の純度で適合するところ。ほんとに「できないこと」がないのが強みなのよね。ロンパキャラで最終的に一番得してるのって霧切さんだよな。
・「〈物語〉」シリーズより「日傘星雨」 どんなキャラだよ。よりによってここでメインキャラじゃないあたりが西尾維新作品のいやらしさだが、神原がらみのキャラなあたり、中の人のしがらみがあるような、ないような。
・「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」シリーズより「フレイヤ」 日笠が生み出した傑作キャラの1人。このバケモンみたいな感情を現実レベルに落とし込む仕事ぶりは「役者」日笠陽子の面目躍如。どれだけ人智を超えた存在であっても、その根っこにはどうしようもなくシンプルで純粋な感情があるのだ、っていう設定が本当に「日笠的な」何かを感じてしまう。
・「NEW GAME!」より「八神コウ」 日笠といえば「サバサバ系おねーさんキャラ」も1つのフォーマット。さらにそこに「百合風味」も加えることが可能。作品の裏主人公とも言えるコウについては、多分日笠が控えていたからこそメインのストーリーが大きく動かせたというのもあるんじゃなかろうか。
・「フレームアームズ・ガール」より「源内あお」 ある程度キャリアを重ねたタイミングで突然こういう役もできるあたりがびっくりするのよ。日笠は永遠に萌え文化と共に生きていけるのだろう。
・「十二大戦」より「異能肉」 彼女の立ち位置が一発ネタとして成立するにはこの説得力しかない。……彼女の活躍とその内に隠された実に百合脳を刺激するマインドを堪能するためにも、ぜひ「十二対戦対十二大戦」もアニメ化して欲しい。
・「ガンゲイル・オンライン」シリーズより「ピトフーイ」 これもいかにも日笠らしい傑作キャラと言える。その破滅的な言動の1つ1つに説得力を与えるのがどれだけ面倒なことか。しかもロリ(ネタバレ)。
・「グランベルム」より「アンナ・フーゴ」 心動かす日笠キャラが続く。作中でも屈指の名キャラとなったアンナさん。今にして思えば「グランベルム」のセンターに位置するキャラのキャスティング、とんでもないことになっているので再評価が待たれる作品である。
・「シャーマンキング」シリーズより「麻倉葉/麻倉花」 この仕事が回ってくる時点で意味が分からん存在よね。しょうがないじゃん。できるんだもん。任せておけばどんなリバイバルだっておまかせなんだもん。
・「Lv1魔王とワンルーム勇者」より「ゼニア」 だからたまにこういうところにいる日笠を見るとすごく安心するのさ。
・「村井の恋」より「田中」 「いっそ作品の全てを日笠に任せてしまえばいいのでは?」みたいな発想が出てくるのも自然な流れなのですよ。
・「Bang Dream!」シリーズより「宇多川巴」 ソイヤねーちゃん。バンドリ世界線にいてもうわつかず、ちゃんと「最大級アオハルロックバンド」Afterglowの一員として定着できるんですよ。佐倉さんとの掛け合いはすでに熟練の夫婦漫才の域。
・「六花の勇者」より「ナッシェタニア」 今回履歴をみてて、一番感じ入った日笠の仕事ってなんだったかな、と思ってたら……もしかしたらこの人かもしれない。ほんとのほんとに2期待ってるよ。
リザイン。リザインです。 降伏するという意味です。
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