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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「戦う司書」 4→7

 まず何よりも、面白い作品でした。基本ラノベ原作の作品はわざわざ原作を当たろうという気にはならないのだが、これは原作が気になって仕方ないです。読むかもしれません。

 1話での点数もやや低めだが、この作品の最大の失点は、序盤がしんどかったことだ。人間爆弾編ではいきなり本の記憶との連動が必須であるにも関わらず現実と本の区別が付きにくかったり、後々の展開を見るとヴォルケンが裏切るための非常に重要なエピソードであるのに、世界観が完成しておらず、ハミュッツという女性のキャラクターが掴めなかったために、ヴォルケンが何に反感を抱き、どんな大望をもって行動を起こしたのかが分からない。さらにミレポがアーガックスによって「ヴォルケンの記憶」のみをきれいさっぱり忘れてしまうなど、「それがいいんだったら何でもありやんけ!」という突っ込みが先んじて、「これだからラノベ設定は云々」というありがちな愚痴が先んじていた。頑張っていたであろう動画面も序盤は気になる部分が目立ち、途中で切ろうかと思ったことも何度かあったほどだ。

 ただ、これが少しずつ変質し始めたのがモッカニア編あたり。「能力がご都合主義で適当」というのが、「さらに適当で大ざっぱなもの」との対戦に関わっているのだ、というのが見え始めたのがこのあたりで、神溺教団の真の意味が少しずつ明らかになっていき、更に「記憶を失うこと」とこの世界の大原則である「本の記憶が残されること」の関係性、そして、そんな無茶な世界設定を前提としたオリビア・リットレットの無茶苦茶な人生行路など、無茶がさらなる無茶で覆われていくに従い、些末なことが気にならなくなっていった。

 ヴォルケンの死闘により神溺教団との闘争がクライマックスを迎えるあたりになると、もう何が起こっても平気になってくる。最終的には「最も分かりやすいキャラクター」であったはずのノロティが、実はこの世界では最も異質な存在であることが分かり、それが原因での蒼怨呪病の恐怖が炸裂する。あそこまでのスケールでの「世界の恐怖」というものをそれなりの理由付けで描けたというだけでも面白い(そして、その後にさらなる規模の世界の恐怖がまっているわけだし)。27話という長い尺の中で、「多すぎだろ」と思っていた武装司書にもしっかりと肉付けがなされており、ハミュッツやマットアラストなど、一筋縄でいかない歪みきったキャラクターも、いつしかその心情を追えるようになっていた。容赦なくメインキャラがガンガン死ぬ展開に、目がはなせなくなっていった(そしてガンガン死ぬことが最後のバトルで関係しているのも感心した)。

 当然、シナリオラインの粗を探せば恐ろしい数と致命的な質であげつらうことは出来るだろう。最終話で明かされたハミュッツの真の能力なんかは「どないやねん」と突っ込みたくなるのは確かだ。しかし、ここまで大きな「世界の力」を想定した物語構成というものは、たとえ無茶苦茶でもなかなか出来るものではない。ルルタとニーニウのねじれた世界に、それに対抗するためのハミュッツ、チャコリーという無体な「人間兵器」のアイディアなど、流石に思いついたままに適当に能力を作っていったわけではないだろう。最終話でチャコリーが魔法権利をミレポに譲渡して「あの能力」に繋がるあたり、実に気の利いたアイディアであるし、「死にたがり」のハミュッツの最期はどこかもの悲しくも、彼女の引き際を飾るにふさわしい舞台であった。色々と感心した部分が多くて、途中から感想を書いてないことをちょっと後悔した作品。

 とにかくどのキャラクターも魅力的だったので、なんか他の方向への展開も期待したいところです。中の人評も含めて見ていくと、やはり圧巻だったのはメインヒロインのハミュッツだろう。どこまでも外道なヒロインってのも珍しくて、流石の朴姉ぇさん。過去話でマットと出会った時の針子姿から突然アサシンになるシーンがお気に入り。マットアラストにヴォルケン、ミンスといった男性キャラも格好いい。個人的には「どう考えてもパワー系なのに、気付けば武装司書の中で一番事務方」というミンスのギャップが好き。あと無駄に格好良くて能力もチートなのがエンリケさん。モッカニアの切ないエピソードも忘れられない。

 女性キャラでは、やはりミレポ、ノロティといった司書軍団だが、個人的に無視できないのはやっぱりオリビア(=レナス)だろう。白さぁや・黒さぁやの見事な演じ分けが光る珠玉の大原キャラ。作中でバントーラに反旗を翻しつつも死ななかった希有なキャラクターには、女の持つ図太い強さが伺える。そしてラスボスのニーニウ。流石の能登麻美子も、ラスボス演じたのは初めてじゃないかなぁ。他にもアーキット役のくぎゅとか、おばちゃんの若い頃のゆかりんとか、川澄とか、ゲストキャラもみっちりぎっちり詰まっていてそっち方面でもお腹いっぱい。

 さて、ある程度理解出来た現在、改めて1話から見たらまた面白そうだぞ。 

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