最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「うたごえはミルフィーユ」 6→7 強いて今作の欠点をあげるとしたら、10話しかなかったことでしょうね。「尺が足りなくて詰め込みすぎ」とかそういう問題じゃなくて、純粋に「こいつらの行く末をもっと見守りたかった」という意味でね。 毎週感想を書いていたので今更追記することもないが、今作の根源的な目標だと思われる「アカペラの魅力を世に知らしめる」は達成できたんじゃなかろうか。あえて楽器無し、人間の口から出る音だけで音楽を奏でるという行為はなんともストイックな印象があり、「わざわざ変なことをしている」というのはまさに作中でウタが言っていた通りだが、その「わざわざ」の理由が素人にも分かりやすいように噛み砕いてドラマ化されており、筋立てもすんなり飲み込むことができた。この手の「ライブ必須」のアニメ形態はドラマパートとライブパートのバランスがなかなか難しいものだが、メインとなるライブは3〜4回程度、しかもそこまで長いものではなかったにも関わらず、少しずつメンバーが上達していく様子は伝わってきたし、「機会があったらアカペラバンドのライブを聴いてみてもいいかもな」と思えるくらいには魅力が伝わった。それだけでも文句はないだろう。 そうして「音楽の魅力」を伝えるためにはなんとしても「意味のあるライブ」の部分までアニメの視聴を継続してもらう必要があるわけだが、そのための求心力となる青春部活ドラマがまた面白い。この面白さは完全にファニーなのだが、1話目時点でインパクト抜群だったウタの「ハイパーネガティブ」というキャラはかなり後半までしっかりと活用されていた。ウタが周りの人間に対して示すいちいち調子のズレた反応をみているだけで面白いというのはキャラメイクの手腕であろう。他の5人についてもだいぶ極まった問題児ばかりが揃っていたわけだが、10話という短い尺の中でそれぞれに緊張と緩和が用意されており、無駄なピースが存在しなかったというのも端正な部分。いやまぁ、レイレイについてはちょっと筆が足りなかった感があるから勿体無いとは思うが……そこは「今後に期待」というしかない。残念ながらあんまり2期があるデザインには見えないけども。 こうしてドラマにしろライブにしろ全てが高品質になった大きな要因として、やはり(少なくとも私は)中の人の頑張りが無視できない。若手で揃えたテトテの面々。夏吉ゆうこを筆頭に松岡美里・花井美春のプリキュアコンビがしっかりとベースを支え、新人で主役に抜擢されたウタ役の綾瀬未来が独自のキャラをがっちりキープ。アイリの中の人・須藤叶希も難物キャラを見事にコントロールしてみせた(クマちゃん役の相川遥花はただただお疲れ様)。この面々が歌唱パートでも存分に活躍してくれてるってんだから、プロジェクトを立ち上げた企画側もホクホクなのではなかろうか。プロジェクト、展開が広がるといいなぁ。 PR 「雨と君と」 6→6 良きアニメでした。もちろん筆頭は「たぬ可愛い」だけど、それ以外にも魅力的な要素は多かった。今期いくつかあった「放送終了後に原作買おうかな」作品。 まずわかりやすいところからいくと、たぬ可愛さは文句なく。「君」という名もなきタヌキは常に丸っこく、愛嬌があり、それでいてどこか変で。この狸の魅力を発信していくのがこのアニメの必要条件だったのだから、そこを満たしてくれた時点でまず文句はない。加えて、動物だけじゃなくて人間の方も実に魅力的。藤さんを中心に広がっていくコミュニティとすら言えないようなどこか疎であり密である人間関係、その1つ1つに違う世界が垣間見えて、1人の人間を起点にいろんな人生を覗き見しているような充足感がある。おおきくまとめれば「日常系」ではあるはずなのだが、「平凡さ」を売りにせず、日常生活の何に楽しみを覚え、感動を得るのかを描いた純文学の味わいはなかなか他のアニメではえられないものだ。あとはまぁ、ガールズコミュニティなので絵的にもセクシーってのはやっぱり大事だけどね。なんだろ、このアニメの女性の描き方は「エロい」じゃなくて「セクシー」っていう言葉が一番しっくりくる気がする。日々の暮らしにお疲れの社会人女性からしか得られない魅力というのはあるものだ。 とまぁ、ここまでが表層的な評価部分なんだけど、今作の波長があったのは、もう少し本質的な部分だった気がしている。藤さんという主人公が「作家」なので非常に端的な捉え方になってしまうが、最後に藤さんが色々と悩んでいたように、今作のテーマの1つには間違いなく「言葉」がある。もっと踏み込むなら「言語によるコミュニケーション」かな。常に真剣に一言一句を考え続けながら生きている作家の藤さん。そんな彼女の下を訪れたのが「人語を解し、フリップでコミュニケーションが取れる狸」という変な相棒。もし「コミュニケーション」を考えるだけなら単なるアニマルでよかったはずなのだが、ここに「言葉が通じる」という要素が付け足されると、藤さんは大した疑問も持たずに狸と対話を始める。狸の方も藤さんの言っていることの9割は理解しつつ、それをほんのちょっとのフリップのみで返す、文字通り「言葉少な」な対話である。この「使えるけどそこまで使わない」という関係性の中に、日頃感じないような「言葉」の面白み、今まで気づけなかった隠れた役割などを感じ取ることができて、作家の藤さんは色々と刺激を受けている気がする。単なる思いつきみたいな初期設定の「変な狸」が、今作で描かれたしっぽりとしたテーマ性をうまく支えている。そんな気がするのだ。 情報量が増えすぎた現代人にとって、仕事、人間関係、そしてアニメというエンタメとの付き合い方も人それぞれだと思う。そんな中で「こういう関係性もありじゃない?」と問いかけてくるこのアニメは、それ自体が癒しであり、思索でもある。そういう静かな時間も、必要なんじゃないですか? 「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」 5→6 今作の教訓:しっかり語学をやってないと犯罪者扱いされる。 なんか、当初想定してたのとは全然違う方向に進んだのでちょっと面白かった作品。いや、ベースはなろうなんだよ。タイトルにそう書いてあるんだから。王子からの無償の愛とか、それを受けてなお残るヒロインの圧倒的自己肯定感の低さとか、なろうテンプレ部分に辟易する要素は残しつつも、今作はそうしたテンプレについて、「説明することを目指している」というか、最初から設定ありきで脳死の展開を作るのではなく、「なんでそんななろうみたいな状態になってしまったのか」を物語のベースに敷いて描こうという様子が伺えた。ちゃんと必要な要素として描いてくれるなら、別になろうベースは悪ではないのである。 とはいえ私もなろうの全てを知っているわけではないので、比較するとしたら手近ななろうアニメになる。そして興味深い対比があったのは直近で放送された「完璧聖女」。あちらもなろうベースはかなり似通った構造だったのだが、例えば「主人公が有能であるが故に虐げられる」という設定に対し、「完璧聖女」は「そんな悪いことやってた奴は単にバカだからぶっ殺していいよね!」という方向性で勧善懲悪の爽快感を目指し(こちらの方がなろうの典型ではある)、今作では「そんだけ虐げられてるってことは何か深刻な裏事情があるんやろなぁ」ってんでいじめの裏側の解明を主軸に置いた。「主人公に愛すべき姉妹がいる」というのも(反転しているが)共通部分であり、「完璧聖女」では「姉を溺愛する妹が本国で頑張り続けたもんだから両面作戦で悪を討伐できた」となり、今作では「姉の死」をどんでん返しのギミックとして盛り込むことでサスペンス要素を刺激することになった。 終わってみれば八方丸くおさまる暖かいファミリードラマが残っており、あれだけ悪役然としていたマリーの両親についても、単なる胸糞で終わらない結末が与えられたところにもどこかこだわりが感じられて嫌いじゃない部分だ。まぁ、原作はまだ未完らしいので、「こんだけ綺麗に収まったのにこっから先は何をするつもりだよ……」というのは気になるところだが、多分この作者はちゃんとお話を考えて作れる人。この先にも何かしら痛快な物語があるのかもしれない。アニメ単体で評価すれば、1クールで綺麗に起承転結がまとまっていて御伽話としては良いものだ。映像部分についてもそこまで突き抜ける要素はなかったが、終始安定していて悪印象は抱かなかった。最初に目を引いた「赤髪に補色の緑で縁取りをする」という映像表現についても、最終的に「赤髪」という要素が物語の鍵になることを考えれば際立て方にも意味があったし。 あとはいつも通りに中の人の話。みにゃみがしっかり生き残ってキーパーソンとして活躍してくれたのは良かったっすね。そして主人公・マリーを演じた本村玲奈、「前橋ウィッチーズ」の時とは全然違う印象でこっちの方がずっと良い仕事ぶりだった。こういうトーンの若手はね、今後もちゃんとニーズがあると思いますよ。 「よふかしのうた Season2」 ―→7 やっぱり良かった。ほんとに「綺麗」な作品なのです。 「綺麗」ってのは2つの意味があって、1つはシンプルに画面の話。1期の頃からずっと続いている「魅惑的な夜」の映像が本当に綺麗で、キラキラと輝いて過剰なまでに明るい夜空、そしてその中で静かだが決して眠ることなく続いている人の営みの眩しさ。そうしたものをひっくるめて「夜」と称し、その夜を描くことに注力する本作のコンセプトは2期目にも一切ブレていない。今回も「夜勤の病院」「定時制の学校」などのシチュエーションが登場し、中学生のコウくんにはちょっと早いかもしれない、危険で煌びやかな夜の光景が広がっている。 そしてもう1つの「綺麗」はシナリオコンセプトの統制感である。確かに「夜」を描くとは言っているが、別にそれは「星がピカピカして綺麗な夜空だねー」という視覚的なものだけではない。作品モチーフが元々楽曲「よふかしのうた」であり、この歌は端的な夜の擬人化から子供心にワクワクしたような「夜」の怪しさも蠱惑的に表現している。それを今作では「吸血鬼」という「夜の眷属」で代替しており、歴史に数多連なる「吸血鬼譚」の1節としても魅力的である。基本的にこの世界の吸血鬼はちょっと空気が読めないやつくらいはいるが、人間を害する気はなく、ただ「夜を棲み分けている」種族。ただし「人間だった頃の記憶を失う」という代価を支払ったことでその境界は明確であり、これすなわち「昼から夜へ」の遷移である。主人公・コウくんはそんな「夜=吸血鬼」に憧れながらも、未だ「人間=昼」に残っている身の上。だからこそかえって夜が眩しく見えて、どうしようもない憧れを持ってナズナちゃんを見てしまうのだ。夜が更けた世界で、コウくんがこの先どう周囲の環境を見ていくのか、「夜更かし」という何の変哲もない出来事が、珍妙な冒険譚として形作られていく。 どうやらお話はまだ終わらなかったようだ。そういや真昼がらみのエピソードは収束していないし、やはり餡子の両親を襲った悲劇の真相は突き止めねばならないだろう。ってことは多分原作もまだ未消化の部分があるんだよね? じゃぁ3期はあるんだよね? 期待してますよ。 いい、最終回だった……最終話! 正直10話で終わるとは思ってなかったからびっくりはしたけど、おっちゃん号泣したから無問題です。 そうなんだよ、まさか今回最終回だとは思ってなかったから、レイレイ問題の解決とかどうすんねん、って心配だったんだけど……いい具合に落ち着いたな。正直、「こんなん、お話的にはレイレイがパラボラの誘い蹴らなきゃおさまらんだろ」と思ってたんだけど、それって「レイレイが高みを目指す目標を一時的にでも諦めて、仲良しごっこに付き合うだけ」っていう結末になっちゃうから作品としてはダメなんだよ。正しい答えは「アイリの希望を叶えて友情を育みながらパラボラとしても活動する」。最終的にレイレイの負担が爆増した気もするが……まー、こいつがうだうだしてたせいで事態がややこしくなった面もあるので、そこは頑張ってもらうしかないだろう。 レイレイをめぐってのデリケートな問題は、途中でウタが端的にまとめた通り、アカペラ部からしたら「嬉しくもあり、残念でもあり」。二面性がある問題だったせいで簡単には結論が出せない。唯一アイリ目線だけは「レイレイがいなくなって部活が変わるなんてヤだ」というモチベが強いが、それでも決してアイリは愚かな人間ではなかった。ミズキとの問答で自覚していた通り、レイレイのことを思えば彼女の意思を尊重する方が良い。そして、わがままを通してレイレイを押さえ込んじゃえるほどに、アイリの意思は強くもなく。結局、ムスブという不穏分子が散々にアカペラ部を掻き回した時点で、レイレイが「上を目指す」ことに変更はなかったのだ。 であれば、アカペラ部としての最善は「できることを全部やってレイレイを送り出そう」ということになる。この流れをしっかりコントロールしたのが、大正義・ウタと大天使・クマちゃんだったわけだ。ウタはもはやネガティブを標榜することすらやめ、ついには「自分を好きになった」と公言。アイリのこれまでの活動は決して間違いではなかったことを念押して、さらに「次」を目指そうと提案する。よりにもよってウタにそんな建設的なことを言われちゃ、部長が抗うことなんてできるはずがない。これでアイリの決心は固まる。 しかし、それでは一方的にレイレイの方が正しかったという結末となり、2人の「親友」どうしの結論としては最良の形ではない。そこで「大人」になっちゃったレイレイのケツを叩いたのがクマちゃん。結局、アカペラ部は肝心なところでは全部クマちゃんによって救われている。彼女の涙ながらの訴えで、ついに本音で話すことができた。これにて、アカペラ部の物語は大団円を迎えることができる。 ウタたちの嘆願によって生み出されたアイリの新曲。どんな曲が出てくるかと思ったらなんとそれはオープニング楽曲。このチョイスもまた心憎くて、今まで何となく聞いてきたあの曲が、実はレイレイへの花向けを意味した「アカペラ部の集大成」だったことがここに明かされる。ウタたちがおばあちゃんになって、「同い年」になるずっとずっと先の未来。青春の1ページは単なる「思い出話」になる。そんな人生のちっちゃな1ピースに何を躊躇うことがあるだろうか。アニメは終わるが、彼女たちの人生はまだまだ始まったばかり。手と手を取って、これからを歩んでいくのだ。 夢が ついにスタートする。 「よふかしのうた」、最終話! やっぱこの締め方ですよね。そうあって欲しいと前から思ってたので、きちんと予想通りにやってくれたので嬉しかったです。 それぞれの夜が過ぎていく。探偵さんのお話はこれにて一旦終幕ではあるが、決して餡子の人生が幕を引くわけじゃない。コウくんもナズナちゃんも、決して餡子憎しで対立していたわけでもなく、水入りとなった現状では純粋に彼女の行く先を心配もする。ことにナズナちゃんはかつて「先輩後輩」の仲だったわけで、彼女がしっかりと社会復帰して新たな人生を歩むことを望んでいるだろう。いや、別に現状もドロップアウトしてるわけじゃないけども。「10年が無駄になった」と咽び泣く餡子に対し、ナズナは「別にそんなことなくね?」くらいの軽いテンション。まだ人生経験が浅いコウくんはなかなか慰めの言葉もかけづらく、新たに「探偵さんの10年を無駄にさせない」というおせっかいな目標が人生に追加された。そのためには、自分と吸血鬼の在り方について、改めて向き合う必要があるだろう。 エピローグの中の餡子は基本的に単なる飲んだくれ。憑き物は落ちたが、ついでにハードボイルドな格好よさも落ちちゃったもんで、駄々っ子のようにコウくんと添い寝するくらいしかやることがない。そんな餡子の様子を見たあとで、コウくんは改めて吸血鬼たちの夜会に参加。今までぼんやりと描いていた「大人たちの夜」の実情が、よりはっきりと見えるような気がする。身勝手な吸血鬼たちのそれぞれの人生、眷属との付き合い方、そして、そんな眷属たちの人生。 吸血鬼が悪いわけじゃない。もちろん、人間だって悪くない。餡子の家族を台無しにした事件については、きちんと結論を出さなければコウくんの中で「吸血鬼」という存在に結論は出せない。だからまだ、夜は終わらないのである。 次の目標に向けて、ナズナちゃんと頑張ってみよう。人前ではできないようなことも、夜なら隠してくれるからね。 「陰陽廻天Re:バース」 6→5 「大時鳥」がどうしても「オート気取り」に聞こえてしまう。 なんか……「オリジナルアニメってこうなるよなぁ」みたいな分かりやすく分かりづらいサンプルである。んー、どう評したらよいものか……。 すごく不思議な感覚なんだけど、「足りないものはないはずなのに、なんか物足りない」という読後感になっている。お話としては1クールでまとまったし、私が常々評価軸として持ち出している「やりたいことが分かるかどうか」については、そりゃ分かった。最初から「リゼロっぽいというか、某リベンジャーズというか……まぁ、タイムリープはすでにネタというよりも基本設定のレベルになっちゃってるからな」と飲み込んでいたし、そこから繰り出される「何度も繰り返す世界」を「多重世界構造」と解釈、そこからセカイ系の文脈に伸ばしてお話を大きくし、壮大な「セカイ救済」の物語へ。敵対勢力に関しても二転三転させてサプライズを盛り込み、ド派手なメカやパワードスーツのバトルで画面を盛り上げる。なるほど、「流行りそうな要素」というか、「オタクが好きだった要素」は詰め込まれているはずだ。 なのに、なんかピンとこない……いや、ピンときたとしてもそれが「ならでは」まで突き抜けない。「まぁ、そういうことやりたいんでしょうねぇ……流行ってたもんねぇ……でも、見たことあるからなぁ……」という消極的な評価にならざるを得ず、多分半年後には忘れちゃうんじゃないかなぁ、くらいのぼんやりした印象でフィニッシュである。 これって「いろんな要素をごった煮にして、悪い言い方すればパクリみたいな設定だから盛り上がらなかっただけだろ?」と一刀両断してしまえば評価としては簡単なのだが、別にさ、パクること自体は悪くないんだよ。いや、パクりは悪いけど、それは言葉の使い方が間違ってるだけで、オマージュでもリスペクトでもなんでもいいよ。どっかで見た「流行った設定」を再利用することなんて業界じゃ普通のことだし、誰も見たことがない完全オリジナルなんて常人が易々と作れるもんじゃない。面白そうなものから発想を膨らませて、新しい「面白くなりそうなもの」を作っていくのがクリエイターってもんだ。実際、既存のアニメだってそういう方向性で成功した作品はたくさんあったはず。この作品のマイナス評価点にはならない。 ……でも「なんか物足りない……」っていう感覚になっちゃったのさ。そこがよく分からんでなぁ。映像に不備があるでもなし、全体的なシナリオ構成でも盛り上がる部分はちゃんと意識して作れている。斬新さなどなくてもそれなりの満足感は得られそうなもんなんだけどなぁ。それくらいにタイムリープやらセカイ改変のプロットに飽きてしまったってことなんだろうか。 強いていうなら、あまりにも「電祇平安京」とかの設定が突飛だったもんで、「よく分かんない世界」でセカイ系をやられても、1つ1つの「世界」の重要性がわからないとあんまり真に迫ったものがない、という感覚はあったかなぁ。キャラが薄いってわけでもないのに、なんかキャラどうしの繋がりがなかなか入ってこなくて、「人の絆」みたいなものを描こうにも上滑りしてた感はあったかも。まぁ、それも程度問題だけどさ。 やっぱオリジナルアニメというのは狙い通りの「面白さ」にぶち当てるのは難しいのである。一応、「史上ナンバーワン候補の最低な内田真礼ヒロイン」ログだけ残しておこう。
「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う 2nd Season」 ―→5 3期か……まさかこれがふつーに人気作扱いとはなぁ……いや、いいんだけどね。嫌いじゃないからね。 というわけで、しれっと終わったもんで全然区切りはよくなくて、「次まで待っとけよ? 人気作だからいいよね?」みたいな態度になってるのがちょっとイラッとするが、すでに続編が決まってたなら無理に尺調整で変な構成にするよりもむしろ誠意ある対応と言えなくもない。「俺たた」エンドっぽくもなく、次のターゲットをなんとなく定めた状態で次の放送をのんびり待つしかないだろう。 見ての通り、1期時点よりも評価は下げている。これはまぁ、「飽き」というか「慣れ」みたいなものもあるのだが、流石にちょっととっ散らかりすぎだろ、という印象が大きい。なんだろね、別にやってることは本質的に変わらないとは思うんだけど(馬鹿馬鹿しさという度合いでね)……。 こう、例えるなら尖ったコンセプトでスタートさせて人気を博したバラエティ番組が、放送が長期になったせいでどんどんよくわからん企画を増やしてグダグダになっていく様子に似ている。「行列のできる法律相談所」的な。本作はとにかく「主人公が自販機で、あらゆる自販機能力が使える」というのが唯一にして最大の特徴であり、実際1期は「どうやってこの能力を使いこなすんだ?!」という部分に興味があったわけだが、ぶっちゃけ1期時点でその辺りのネタはだいたい出し切ってしまっており、2期は使い方を変えるにしても変化球やディティール調整に終始してそこまで馬鹿げたぶっ飛び方は減った(無かったとは言わない)。その分、シナリオをどこで引っ張るかといえば「階層」を広げての冒険譚になるわけだが、そもそも「この世界が迷宮だっていう設定がいまだになんかピンときてない」という状況なのでそこまで魅力的には映らないし、どうしても場当たり的な「思いつきバトル」に見えてしまうという。 まぁ、それでも何かしら面白いことをやろうとしている雰囲気は感じるし、どれだけ強引だろうと意地でも自販機にネタを絡めるその頑張りは嫌いじゃないんだけど。あとラッミスはずっと可愛い。本作に残された最後の興味ポイントは「最終的に人と自販機の恋愛模様とかどうケリをつけたらいいんだよ……」という部分なので、そこになんとか刺激を与え続けてほしいとは思ってる。まぁ、多分アニメで今作が完結することはないのだろうけど……。 「カラオケ行こ!/夢中さ、きみに。」 5→6 珍妙な枠だったけど、案外アニメ化の意義はあったんじゃないかと思ってる。まぁ、おかげでこれを1作品「枠」として処理するか、2つの別なアニメとして分けて考えるかが難しくなっちゃったが……最初にまとめて記載したし、この形式で失礼しますわ。 「カラオケ行こ!」が4話、「夢中さ、きみに。」が5話という配分だったが、尺としてはほんとにちょうどいい。いや、1クール枠になってないってのは各種放送枠でちょっと大変な部分だったのかもしれないが、今期は「フードコート」などの変則枠もあり、もはや現代において「1クール」という区切りがあんまり意味を持たなくなっていることの表れなのかもしれない。だとしたら、その自由になった枠でいろんな試みをやってみるのは悪くない話で。 単品でまとめていくと、まず「カラオケ行こ!」については原作既読だったので「こんな感じの作品だったなぁ」くらいの印象。実在のカラオケ曲の使い方なんかは悪くないし、「声変わり」というテーマを活かすにあたって声付きのアニメにしたってのは意義のある部分。主人公役を務めた堀江瞬の仕事ぶりは評価に値する。ただまぁ、アニメとして何か特筆すべき点があったというわけでもないので、「原作に忠実だったのかなぁ」くらいで大きな加点は感じなかった。 ということは、加点されたのは後半枠の「夢中さ、きみに。」の方ということになる。映像のクオリティは「カラオケ」と同程度だったし、こちらは別に歌も声もそこまで重要なファクターではないのだから加点する必要もないだろうとは思うのだが……なんだろね、こっちのお話の方が、面白かった。最初に原作が「短編集だ」って聞いてたもんで(Wiki情報)、こういう形の群像劇というか、いろんなキャラが絡む「5話分の学園青春ストーリー」だとは思ってなかったので軽い不意打ち。そして、独特のギャグのテンションが案外肌に合った。何か強い押し付けがあるわけじゃないんだけど、しれっと変なことして見せる空気感がなんだか愉快で、その雰囲気がアニメのテンポでうまいこと表現できてた気がするんだよな。これってつまり、原作漫画の目の付け所がいいってことなんだろうね。「そういう要素ってあるなぁ」みたいなあるあるな納得感と、「そうはならへんやろ」みたいなトンデモの絡み方が「ちょっと視点をずらしただけでも、面白ドラマって作れるもんですよ」って主張してるみたいで勉強になりました。 こういう自由な枠ってのは今後も増えていきそうな予感がするので、これまで尺の問題でアニメ化が見送られてた作品なんかも新たな可能性が出てきたかも。 |
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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