最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「よふかしのうた」、最終話! やっぱこの締め方ですよね。そうあって欲しいと前から思ってたので、きちんと予想通りにやってくれたので嬉しかったです。 それぞれの夜が過ぎていく。探偵さんのお話はこれにて一旦終幕ではあるが、決して餡子の人生が幕を引くわけじゃない。コウくんもナズナちゃんも、決して餡子憎しで対立していたわけでもなく、水入りとなった現状では純粋に彼女の行く先を心配もする。ことにナズナちゃんはかつて「先輩後輩」の仲だったわけで、彼女がしっかりと社会復帰して新たな人生を歩むことを望んでいるだろう。いや、別に現状もドロップアウトしてるわけじゃないけども。「10年が無駄になった」と咽び泣く餡子に対し、ナズナは「別にそんなことなくね?」くらいの軽いテンション。まだ人生経験が浅いコウくんはなかなか慰めの言葉もかけづらく、新たに「探偵さんの10年を無駄にさせない」というおせっかいな目標が人生に追加された。そのためには、自分と吸血鬼の在り方について、改めて向き合う必要があるだろう。 エピローグの中の餡子は基本的に単なる飲んだくれ。憑き物は落ちたが、ついでにハードボイルドな格好よさも落ちちゃったもんで、駄々っ子のようにコウくんと添い寝するくらいしかやることがない。そんな餡子の様子を見たあとで、コウくんは改めて吸血鬼たちの夜会に参加。今までぼんやりと描いていた「大人たちの夜」の実情が、よりはっきりと見えるような気がする。身勝手な吸血鬼たちのそれぞれの人生、眷属との付き合い方、そして、そんな眷属たちの人生。 吸血鬼が悪いわけじゃない。もちろん、人間だって悪くない。餡子の家族を台無しにした事件については、きちんと結論を出さなければコウくんの中で「吸血鬼」という存在に結論は出せない。だからまだ、夜は終わらないのである。 次の目標に向けて、ナズナちゃんと頑張ってみよう。人前ではできないようなことも、夜なら隠してくれるからね。 PR 「陰陽廻天Re:バース」 6→5 「大時鳥」がどうしても「オート気取り」に聞こえてしまう。 なんか……「オリジナルアニメってこうなるよなぁ」みたいな分かりやすく分かりづらいサンプルである。んー、どう評したらよいものか……。 すごく不思議な感覚なんだけど、「足りないものはないはずなのに、なんか物足りない」という読後感になっている。お話としては1クールでまとまったし、私が常々評価軸として持ち出している「やりたいことが分かるかどうか」については、そりゃ分かった。最初から「リゼロっぽいというか、某リベンジャーズというか……まぁ、タイムリープはすでにネタというよりも基本設定のレベルになっちゃってるからな」と飲み込んでいたし、そこから繰り出される「何度も繰り返す世界」を「多重世界構造」と解釈、そこからセカイ系の文脈に伸ばしてお話を大きくし、壮大な「セカイ救済」の物語へ。敵対勢力に関しても二転三転させてサプライズを盛り込み、ド派手なメカやパワードスーツのバトルで画面を盛り上げる。なるほど、「流行りそうな要素」というか、「オタクが好きだった要素」は詰め込まれているはずだ。 なのに、なんかピンとこない……いや、ピンときたとしてもそれが「ならでは」まで突き抜けない。「まぁ、そういうことやりたいんでしょうねぇ……流行ってたもんねぇ……でも、見たことあるからなぁ……」という消極的な評価にならざるを得ず、多分半年後には忘れちゃうんじゃないかなぁ、くらいのぼんやりした印象でフィニッシュである。 これって「いろんな要素をごった煮にして、悪い言い方すればパクリみたいな設定だから盛り上がらなかっただけだろ?」と一刀両断してしまえば評価としては簡単なのだが、別にさ、パクること自体は悪くないんだよ。いや、パクりは悪いけど、それは言葉の使い方が間違ってるだけで、オマージュでもリスペクトでもなんでもいいよ。どっかで見た「流行った設定」を再利用することなんて業界じゃ普通のことだし、誰も見たことがない完全オリジナルなんて常人が易々と作れるもんじゃない。面白そうなものから発想を膨らませて、新しい「面白くなりそうなもの」を作っていくのがクリエイターってもんだ。実際、既存のアニメだってそういう方向性で成功した作品はたくさんあったはず。この作品のマイナス評価点にはならない。 ……でも「なんか物足りない……」っていう感覚になっちゃったのさ。そこがよく分からんでなぁ。映像に不備があるでもなし、全体的なシナリオ構成でも盛り上がる部分はちゃんと意識して作れている。斬新さなどなくてもそれなりの満足感は得られそうなもんなんだけどなぁ。それくらいにタイムリープやらセカイ改変のプロットに飽きてしまったってことなんだろうか。 強いていうなら、あまりにも「電祇平安京」とかの設定が突飛だったもんで、「よく分かんない世界」でセカイ系をやられても、1つ1つの「世界」の重要性がわからないとあんまり真に迫ったものがない、という感覚はあったかなぁ。キャラが薄いってわけでもないのに、なんかキャラどうしの繋がりがなかなか入ってこなくて、「人の絆」みたいなものを描こうにも上滑りしてた感はあったかも。まぁ、それも程度問題だけどさ。 やっぱオリジナルアニメというのは狙い通りの「面白さ」にぶち当てるのは難しいのである。一応、「史上ナンバーワン候補の最低な内田真礼ヒロイン」ログだけ残しておこう。
「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う 2nd Season」 ―→5 3期か……まさかこれがふつーに人気作扱いとはなぁ……いや、いいんだけどね。嫌いじゃないからね。 というわけで、しれっと終わったもんで全然区切りはよくなくて、「次まで待っとけよ? 人気作だからいいよね?」みたいな態度になってるのがちょっとイラッとするが、すでに続編が決まってたなら無理に尺調整で変な構成にするよりもむしろ誠意ある対応と言えなくもない。「俺たた」エンドっぽくもなく、次のターゲットをなんとなく定めた状態で次の放送をのんびり待つしかないだろう。 見ての通り、1期時点よりも評価は下げている。これはまぁ、「飽き」というか「慣れ」みたいなものもあるのだが、流石にちょっととっ散らかりすぎだろ、という印象が大きい。なんだろね、別にやってることは本質的に変わらないとは思うんだけど(馬鹿馬鹿しさという度合いでね)……。 こう、例えるなら尖ったコンセプトでスタートさせて人気を博したバラエティ番組が、放送が長期になったせいでどんどんよくわからん企画を増やしてグダグダになっていく様子に似ている。「行列のできる法律相談所」的な。本作はとにかく「主人公が自販機で、あらゆる自販機能力が使える」というのが唯一にして最大の特徴であり、実際1期は「どうやってこの能力を使いこなすんだ?!」という部分に興味があったわけだが、ぶっちゃけ1期時点でその辺りのネタはだいたい出し切ってしまっており、2期は使い方を変えるにしても変化球やディティール調整に終始してそこまで馬鹿げたぶっ飛び方は減った(無かったとは言わない)。その分、シナリオをどこで引っ張るかといえば「階層」を広げての冒険譚になるわけだが、そもそも「この世界が迷宮だっていう設定がいまだになんかピンときてない」という状況なのでそこまで魅力的には映らないし、どうしても場当たり的な「思いつきバトル」に見えてしまうという。 まぁ、それでも何かしら面白いことをやろうとしている雰囲気は感じるし、どれだけ強引だろうと意地でも自販機にネタを絡めるその頑張りは嫌いじゃないんだけど。あとラッミスはずっと可愛い。本作に残された最後の興味ポイントは「最終的に人と自販機の恋愛模様とかどうケリをつけたらいいんだよ……」という部分なので、そこになんとか刺激を与え続けてほしいとは思ってる。まぁ、多分アニメで今作が完結することはないのだろうけど……。 「カラオケ行こ!/夢中さ、きみに。」 5→6 珍妙な枠だったけど、案外アニメ化の意義はあったんじゃないかと思ってる。まぁ、おかげでこれを1作品「枠」として処理するか、2つの別なアニメとして分けて考えるかが難しくなっちゃったが……最初にまとめて記載したし、この形式で失礼しますわ。 「カラオケ行こ!」が4話、「夢中さ、きみに。」が5話という配分だったが、尺としてはほんとにちょうどいい。いや、1クール枠になってないってのは各種放送枠でちょっと大変な部分だったのかもしれないが、今期は「フードコート」などの変則枠もあり、もはや現代において「1クール」という区切りがあんまり意味を持たなくなっていることの表れなのかもしれない。だとしたら、その自由になった枠でいろんな試みをやってみるのは悪くない話で。 単品でまとめていくと、まず「カラオケ行こ!」については原作既読だったので「こんな感じの作品だったなぁ」くらいの印象。実在のカラオケ曲の使い方なんかは悪くないし、「声変わり」というテーマを活かすにあたって声付きのアニメにしたってのは意義のある部分。主人公役を務めた堀江瞬の仕事ぶりは評価に値する。ただまぁ、アニメとして何か特筆すべき点があったというわけでもないので、「原作に忠実だったのかなぁ」くらいで大きな加点は感じなかった。 ということは、加点されたのは後半枠の「夢中さ、きみに。」の方ということになる。映像のクオリティは「カラオケ」と同程度だったし、こちらは別に歌も声もそこまで重要なファクターではないのだから加点する必要もないだろうとは思うのだが……なんだろね、こっちのお話の方が、面白かった。最初に原作が「短編集だ」って聞いてたもんで(Wiki情報)、こういう形の群像劇というか、いろんなキャラが絡む「5話分の学園青春ストーリー」だとは思ってなかったので軽い不意打ち。そして、独特のギャグのテンションが案外肌に合った。何か強い押し付けがあるわけじゃないんだけど、しれっと変なことして見せる空気感がなんだか愉快で、その雰囲気がアニメのテンポでうまいこと表現できてた気がするんだよな。これってつまり、原作漫画の目の付け所がいいってことなんだろうね。「そういう要素ってあるなぁ」みたいなあるあるな納得感と、「そうはならへんやろ」みたいなトンデモの絡み方が「ちょっと視点をずらしただけでも、面白ドラマって作れるもんですよ」って主張してるみたいで勉強になりました。 こういう自由な枠ってのは今後も増えていきそうな予感がするので、これまで尺の問題でアニメ化が見送られてた作品なんかも新たな可能性が出てきたかも。 さぁ、特級なんとか物の登場だ。呪物じゃなかったとしても、何かしら弩級の存在であることは疑いようが無い、声優界の異端にして最先端、もしかしたら終端。彼女はファン目線では「ほっちゃん」と呼ばれることがほとんどだが、私はあんまりその呼び方はしていない。一番の理由が「私にとって一番大切な存在が『ほーちゃん』なので被るとややこしいやろがい」というどうでもいいものだったりするのだが、正直、「ちゃん」づけで呼びたいほどに距離を近づけていないというのもあるのかもしれない。何かの気配を感じ、常に一定の距離を空けて恐る恐る見守る対象、やはり「堀江由衣」というしかない存在なのである。
「ダンダダン(第2期)」 ―→6 3期あるかぁ。ま、あるだろうよ。ジャンプアニメの強さが光る。 とはいえ、正直ここ最近はあんまり「ジャンプだから」ってんで面白さに繋がる作品が多くない感覚もあり、おっちゃんが歳取ったせいで「少年」ジャンプとの接続が弱くなってるかなぁ、という感じもしていた。まぁ、どこまでも王道を狙わなきゃいけないジャンプ作品って、「綺麗なアニメ」にするのは簡単かもしれないけど、そこから一歩抜きん出た「面白いアニメ」にするのって結構ホネだとは思うのよね。その辺の話は今期出てきた他のジャンプアニメに譲るとして……今作はいい具合にジャンプフォーマットを守りながらぶっ壊す姿勢が見えるのが良きところ。 ぶっちゃけ、2期のストーリーに関しては若干の間延びはあった気はする。ことに邪視をめぐるあれこれは「ん? まだ終わらんのか?」みたいな引っ張り方で、現時点でもまだ腫れ物扱いの邪視をどういうポジションに置くのかをきめあぐねているような、そんな印象があった。実際にはターボババアにしろなんちゃらデーモンにしろ、今作において「怪異」側に位置するキャラクターって単純な「正義の味方」になれないようなねじくれた部分があり、それが強めに出た「人類の敵だけどなんか共闘」姿勢が色濃いのが邪視だったってだけなんだけど、その辺りをなんとか説明しきろうとしてもたついた感はあった。 ただ、そうして訳のわからんところでグダグダするのも今作の味わいだと言われたらそうかもしれない。とにかく「オカルト」というデカすぎる枠に全部のネタをぶっ込んでごった煮にしてやろうという大雑把すぎるコンセプトはチャレンジ精神に溢れており、ちょっとやそっとのほころびは力業で押し切れるだけのパワーがある。そのためのサイエンスSARUの動画であり、そのために集められたゴリゴリのキャストだ。「意味わかんない子供の落書きみたいな世界だけど、なんか盛り上がってそうだからOK!」という結論に辿り着けるなら、これはこれでファンキーである。 そうしてむちゃくちゃやりつつもやっぱり根底にはジャンプ的王道も残されており、最後にはちゃんと帰ってくるところがあるんだろうな、という安心感もある。その1つにラブコメ要素があるんだけど、ヒロインとしてのモモちゃんがずるい可愛さでね。「オタクに優しいギャル」という一番のオカルト(悲現実)存在ではあるが、若山詩音ボイスでこれを成立させてしまえば、こちらとしてもチョロいオタクくんなので「ほなええか」と。どうせ「オタクくんとギャル」を突き詰めるなら、クラスメイトの富田美憂ボイスの子にもなんかいいポジションあげてください。3期に期待(そうはならんやろ)。 「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」 ―→7 そうさ! 実は今期の「なんか分からんけどどハマりしちゃったギャグ枠」、通称ヒーラー枠はこの作品だったってコト! 作品の存在を教えてくれたデュッセルさん、改めてありがとうございました。なのに邪険にしてほんとすみません。私は心の狭い人間です。 いやー、変な作品だった。でも凄まじく完成度が高い。なんかね、映像&脚本の良さはもちろんなんだけど、これこそYouTubeで3分枠を毎週更新っていう構造も含めて全部のプランニングがプラスに働いていた気がするんだよね。 ざっくりと各要素を処理していくと、映像美については言わずもがな。もともと専門学校生の自主制作? かなんかだという話で、なるほどCGワークを学んで作るアニメっていうならスタートは理解できる。でも、結局ツールがあったとしてもこの画面を作れるのってやっぱりセンスだよね。「レトロフューチャー」の醸し方が絶妙で、おっさんたちのノスタルジーを刺激しつつ、それをどこか小馬鹿にしたようなガジェットとしてしれっと置いとく全体構造が憎らしい。だってこれ、作ってる人は別にそこまでおっさんじゃないわけでしょ? いいセンスしてるわ〜。そんで「レトロ」とか「自主制作」風味を押し出すとなると全体的に下手ウマというか、しょぼさを売りにする方向にしちゃうのが手っ取り早いだろうに、キャラデザとかモーションの付け方とか、アニメとしてのディティールはいちいち完成度が高いの。やっぱ女の子キャラが(リョーコちゃんも含め)全員可愛いってのがでかくて、個人的にはアカネちゃんのお顔がマジ美人だったのがほんと最高。カナタがいじめられた時(いじめられてない)のどうしようもなくオロオロしてる表情とか、めっちゃ可愛くてさぁ。ほんと、総長は可憐な乙女でしたよ。 もちろんチハルも大好きだけど(衣装がエロ可愛い)、そっちは造形に加えて脚本の力も大きくて。本作最大の見どころは前作(ミルキーハイウェイ)から続くチハル・マキナのコンビなのは間違い無いんだよ。この2人のけだるーい雰囲気の会話のテンポとか言葉選びのセンス、これまたナイスですよね。他のコンビも多分細かいところまで設定は決まってるんでしょう、いちいちバックグラウンドを想像させる含みの持たせ方が上手い。そんで毎週毎週訳のわからんところで切って「つづく」になる構成が組めてるのも実に現代的。「こんだけむちゃくちゃやってたら流石に食傷気味にならないか?」って心配になるんだけど、なんなら回を増すごとに笑いのポイントが増えていった感すらある。最終話とかマジで爆笑しちゃったもんな。短いからとはいえ、このテンションでずっと「おもしろ」が続くのすごいわ。 で、こうした長所をフル活用したのが、多分3分枠1クールというショート枠の構造だったと思うんだよね。さらにYouTubeの(コメント解放の)無料配信ってのも大きくて、どんだけ飽きっぽい現代人でも、流石に3分だったら最後まで見ちゃうじゃん。ほんで色々と考える余地を残した「いろんなニュアンスが漂いまくってるアニメ」なんて観ちゃったら、そりゃ気になってコメント見にいくわけですよ。そうしたらみんなして好きポイントを語り合ったり、気付きや考察をばら撒いてたり。こういうところで二次的な発見や交流につながって面白さが増幅するのは、まさに「配信」世代の王道の楽しみ方なのよね。ギッチギチに情報を詰め込んだ脚本・映像が「語り」にちょうどいい材料で、1週間みんなが繰り返し視聴しながら「あれが好き、こっちがいい」と盛り上がっている様子は、さながら全盛期のどこぞの掲示板やニコニコ動画のごとく。私は常々「アニメなんて一人で鑑賞するもんだろ」というスタンスで硬派を気取っているが、こうしてメディア全てをまるっと構造の中に取り込むエンタメの形ってのは、受け入れられるべきものだし、決して作品の本質を損なうものではないな、と感じた。 そうして「3分だから」ってんで何度も繰り返し観ちゃうと、ますます愛着も増していくわけじゃないですか。多分私も全編通してこの1クールで3、4週くらいはしてる。ほんとに何の気無しに「またあれが観たいな」って思った時に見られちゃうのよ。多分さ、これが「週刊ラノベアニメ」がやりたかった「好きな時に、好きな方法で楽しめるアニメ」っていう新たな形の1つの正解なんじゃないかな……。 さて、こんなアホみたいな作品を今度は劇場に持っていくってさ……。まぁ、再編集版ってことになるとそこまで期待するもんじゃないとは思いつつ、流石に40分程度じゃ劇場にもっていけないだろうし、何をどう追加してくれるんでしょうね。まぁ、観に行きますよ。 選択科目って定員とかあるんか……第11話。それが理由で進みたい進路に進めない学生が出てきたらどうするんやろ。少なくとも私の高校ではそんな心配はなかった気がするけど……。まぁ、音楽美術の芸術選択ならワンチャン? などという話はさておき、今回は本作の持ち味であるアカデミックな「探究と発見」の面白さが前面に出た分かりやすく魅力的なエピソード。驚くべきは、それだけの中身をやっているのに前回に引き続いて凪さんがほぼお休みだったという部分。今回伊万里さんが担当した様々な解説部分は別に凪さんがやってもよかったパートだとは思うのだが、そこであえて凪を不在にすることで、独立独歩で進んでいる瑠璃の成長をはっきりと描く目的があったように思う。ブレずに自分の「好き」を追求できる瑠璃ちゃんの気高さがよりよく伝わってくるようだ。 伊万里さんに憧れている硝子ちゃんは、早々に進路を研究職に定めている。まー、ここまではっきりと興味の対象が定まってる高校生なんてかえって珍しいくらいだろうし、少なくとも現時点で目標をブラす必要もないだろう。唯一の懸念は「専門職にはしてほしくないわねぇ」と言っていたご両親がその進路に納得してくれるかどうかだが……まぁ、よほど偏った大学でもない限り、進学後の進路は選択肢が残されているだろうし、親はやんわり説得しながらこっそり趣味に邁進するコースが良さそうだ。 でも、多分硝子ちゃんはもう止まらないよね。何しろ高校生の身分ながらコネをつないだおかげで、大学レベルの研磨機や偏光顕微鏡などの専門器具を使い放題。……大学の管理体制を考えるなら、厳密には部外者に備品を貸し出すのはあんまりよくないのかもしれないが……まぁ、その辺は自由な学術機関としての特権だろうか。「うちにも研磨機が一台欲しい」とか考える素人なんてそうそういないから問題はないだろう。ただ、各研究室はそうした機材や研究費を勝ち取るために日夜たゆまぬ努力を続けているということだけは忘れてはいけない。もちろん、瑠璃や硝子のような「後進」を見つけて育成する「教育」というのも重要な業務の1つなので、この大学はちょっとそこが秀でているということにしておこう。 研磨機の使用は単に「宝石をキラキラにしたかったから」というだけの理由だったが、そこから伊万里さん経由で薄く削った資料を活用する新たな調査方法に触れる瑠璃。思いつきの反射で「私もそれ作りたい!」が出てきたあたり、当人も自覚していたが「昔だったら考えもしなかった」興味の広がり方だ。「母岩」とか使い慣れない言葉もしれっと出てくるようになったし、硝子たちは気づいているが、瑠璃だって今やいっぱしの研究者である。 瑠璃の興味は以前頑張って手に入れたサファイア鉱床へと向かっており、お気に入りの宝石であるサファイアの「先」とやらが気になったらしい。「石の声」とか「石の先」とか何気にポエティックな言い方ではあるが、その言葉が示すのは純粋に「資料から得られる洞察」のこと。「声が聞ける」とは「資料から多くの情報、手掛かりが得られるようになる」ことを意味しているわけだし、「石の先」とは洞察から得られたものを確認するための行動原理を指している。新たな検証方法が手に入り、そこから発想を飛ばして新たな可能性を見つけることができたのだから、そりゃ「確認しに行こうぜ!」という「先」が見えるのは当然のことであろう。 凪さんがアメリカ出張でいなかったもんで(ちゃんと教授いるんだな、この研究室)、前回同様に伊万里さん引率の3人チームでかつて調査した青龍神社の現場へ舞い戻ってきた瑠璃。あのエピソードは充分に完結できていると思っていたので、改めてこの地に戻ってきて「その先」がある展開、謎解きイベントで最後の大謎がここにあったのかよ、感があってなんか好き。そこからの発想も広げ方も、すっかり現場での調査に慣れた瑠璃だからこそできるもの。硝子はさておき、伊万里さんが気付けなかったことを柔軟な発想力を持つ瑠璃が次々に見つけていく様子は、ちょっとできすぎではあるが成長が分かりやすい良い展開である。もちろん伊万里さんだって的確なサポート役として機能してますよ。塩酸使った時の怒涛のワーニングメッセージはちょっと笑ったけど。その辺の告知義務はきちんとこなす、ハウツーアニメの鑑である。 見事な洞察と地道な調査から特大のサファイア鉱床を掘り当て、最大目標である「綺麗な石」を存分に手に入れることができた瑠璃。もうこの時点で満足してもいいはずだが、今の瑠璃はここで終わりはしない。綺麗な石が手に入ったら、まだその「先」があるかもしれないのだ。是非とも、大学は2人の有望な研究者を手放してはいけませんぜ。 「クレバテス -魔獣の王と赤子と屍の勇者-」 6→6 なにはともあれ2期決定おめでとうございます。尺的には五分五分かなぁ、と思っていたので分割で決まっていたっぽいのは喜ばしい限りである。 半端に原作を読んでいたせいであんまり個別の話数についてのコメントはできなかったが、安心して観ることができた作品だった。「勇者と魔王」という、なろう界隈のせいで手垢でベッタベタの題材ではあったが、その上できちんと作品の個性を発揮し、魅力的なストーリーが展開できるのは熟練の技である。ことに「勇者」という題材は昨今本当になおざりにされがちなので、作中でのアリシアさんの苦闘激闘の数々は尊敬に値しますよ。世の中の有象無象の勇者どもは死してなお虐げられ続けるアリシアさんを見て胸襟を正していただきたい。 というわけでやっぱり見どころはアリシアさんでしたね。個人的には岩原裕二のパキッとしたデザインがアニメでガンガン動くというだけでも満足できただろうが、終始作画は高品質で線のクドさをうまい具合に魅力として昇華できていたと思う。また、1クールという尺はあまり調整が効かなかったところだとは思うのだが、そこまで展開が間延びしたようにも、逆に詰め込んだようにも感じさせず、実に自然に程よくクライマックスまでをまとめてくれていた。この辺りの脚本の下ろし方なんかも実は隠れた評価ポイントになっている。まぁ、このクライマックスが「劇場アニメかよ」ってくらいしっくりくる綺麗な幕引きだったので、学園編となる2期目をどうまとめるのかは気になるところだが……。 そしてなんと言ってもアリシアさんを褒めるなら中の人の話は避けて通れない。今作MVPは文句なしにアリシア役の白石晴香で、ぎゃんぎゃんに喚き散らし、叫び続けなきゃいけない不遇の勇者様を熱演。こんだけの太い声でゴリゴリにバトってた人が、同時期には勇者を担ぎ上げてふわふわしてるゴアさんと同じ声だとはとても思えまい。くっころ力の高さを遺憾なく発揮してくれていた。他にもルナ役の会沢紗弥の「実はほんとに幼児なのでは?」と思えてくるような限界サウンド、ネルル役の悠木碧に姫様役の豊崎愛生などなど、声優ファンにも嬉しい作品。あと珍しく男性キャストにも触れるのだけど、曲者・メイナードを担当した重松千晴っていう人が名前を知らなかったけどなんか印象に残る仕事ぶりでよかった。今後ちょっと注意してみてみたい。 さて、こうなると問題は2期がいつになるかですね。……なるべく早く帰ってきてね。 |
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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