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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「甘神さんちの縁結び」 4

 マガジン作品かぁ。なろうアニメで散々テンプレテンプレ言うてますけど、こういう古式ゆかしいラブコメテンプレも、別にノスタルジーなど感じずにげんなりするだけだなぁ。

 でも、改めて考えるにこのデザインの源流ってどこなんだろうね。「この」が指す要素もたくさんあるけど、たとえば「おっとりやさしい姉(巨乳)/活発で手が出る次女/マセガキ三女」みたいな3姉妹の設定とかさ。ちょっと違うけど舞台が神社じゃなくて寺になるとだいたい「てんぷる」だし、我が心のアニメ「ぽぽたん」の三姉妹が全く同じデザインだった。やっぱ置きやすい配置ってあるんだろうなぁ。そんでテンプレからスタートしてしまうと、色々と要素を端折って描写できるせいで1話目時点では地に足がつかないキャラになってしまうという。あまりにお約束で処理されると第一印象は良くない。「ついこないだまでこういうマガジンラブコメの流れはどこぞのカフェテラスで散々見てきたからなー」とも思う。

 でもまぁ、テンプレテンプレ言うて作品の個性を見落としてしまうのはよろしくない傾向。幸か不幸か映像部分はまだ落ち度がなく、キャラデザも今後どこかで琴線に触れる可能性もワンチャン。個人的にはあんまりハマんなさそうだなー、とは思ってるが、それこそ今後の描き方次第だし、中の人補正でいくらか贔屓はできるかもしれない。ちなみにWikiで確認したら、これまで今作は何度も別キャストでPVが制作されてるらしいのだが、その度修羅のごときキャスティングが配置されてて都度変更されており、なかなか壮観であった。

 あとはまぁ、CMで若干のネタバレ要素があったのでちょっと不意打ちを食らったのだが、こっから先でまさかの超常展開がベースになるらしく、仮に思春期症候群みたいに1つ1つの事件がしっかりした筋立てなら見るに耐える展開になるかもしれないという淡い期待もある。まー、あんまそういう部分で評価される作品にも見えないけどね。

 
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○「〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン」 ―

 新番じゃないけど新番だよパターン。一応知らない人のために説明しておくと、当該作品は今年7月から配信を開始したABEMA独占作品で、「配信作品は触れない」というポリシーを持つ私には視聴できない作品だった。正直気になってはいたけど、どうせアニメは飽和してる状態だったし、ポリシーを曲げる気もなかったので諦めていたものである。しかしありがたいことに、意外に早くAT-Xでの放送が始まり1クールだけの遅れで視聴が叶った。ほな、これも新番組として処理してしまおうという、前クールから採用された作品処理なのである。とても助かる。

 というわけで久しぶりの物語シリーズ。実を言うと(多分これの放送を記念して)こないだ「こよみヴァンプ」をAT-Xで放送してたのを観てしまったので正直あんまり久しぶりの感はないのだが、純正新作としては「終物語」が2015年度の作品なのでなんと9年ぶり。びっくりである。そして、この時系列を確認するためにWikiなどもろもろのデータをチェックしていたのだが、どうやら私は「続・終物語」というショートシリーズを完全に見落としていたらしい(こちらもAT-Xでの放送はあった模様)。色々ダメじゃん。まー、原作を追ってないタイプの作品で、これだけ長期間にわたって断続的に制作されたら、そりゃ追跡する精度が下がるのはしょうがないじゃんよ。

 というわけで色々と抜けてるのでもはや「作品のファン」とは言えない状態になってしまったが、個人的に物語シリーズはシャフトの、そして新房昭之の新たな時代を確立させた道標の1つだと思っているので、コンセプト自体に敬意を持ち、追えるもんなら追いたいとは思っている。久しぶりに見たいつも通りの画面は、そりゃまぁ懐かしさでいっぱい。久しぶりに聴いたクドくてクドくてたまらない西尾維新節も懐かしさと鬱陶しさでいっぱいだ。ほんとに苦笑いで見守るしかないのだが、こんだけ長いこと接していて見限ってないってことは、やっぱどこかで愛着があるんだろうね。まぁ、フェイバリットジャンプ漫画に「めだかボックス」がある時点でね。

 ただ、久しぶりに見たシャフト「物語」であるが、ぶっちゃけ「なんか義務感からイズムの継承をさせられてる感はあるな」というのが正直な感想。一発でそれと分かる画面構成も演出も流石のクオリティなのだが、これはもはや技術として成立させてしまった一種の「お約束」であって、断片を1つ1つ拾い上げていけばやっぱり面白いものなんだけど、全体的に「新しい息吹を吹き込もう」というフロンティアスピリットから来るものではないように思えて、初期のあの狂気じみたこだわりは感じられない。まぁ、製品として成立した先端技術を研ぎ澄ませようという方向でのクラフトマンシップは伝わってくるので、これはこれでもう、1つの閉じた世界として完成しているということなのだろう。その流れで「新作」が提供されることに大きな不満はないよ。

 上述のような状況なのでぶっちゃけシナリオの筋立てなんて覚えてないし、「あれ、斧乃木ちゃんって今何してるんだっけ」とか「真宵って今どういう立場なん?」っていうレベルで分かってないんだけど、こうしてヒロイン勢の状況が次々と変わっていくのも今作の売りの1つ。そりゃな、現実世界でもアニメ第1作から15年経ってるわけでな。その中で移ろいゆくキャラクター性を見せてもらえるのも楽しみの1つと思えばよいか。そんな状況なのによりによって1話目が「不変」をテーマにした月火ちゃんのエピソードだったってのも皮肉が効いてるわ。都合の悪いことは忘れても白金ディスコのダンスは忘れねぇんだな。

 というわけで、なんだかんだで楽しみではあります。ほら、人間誰しも定期的に「きすしょっとあせろらおりおんはーとあんだーぶれーど」って口にしたくなるじゃないですか。

 
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○「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる(第2期)」 ―

 時は流れ、やってくるのは次なる新番チェック。1度回り始めた水車は回り続けねばならぬのだ(キン肉族格言)。ただ、今期はこれまで以上に2期ものが多いらしく、「1期で切ったからハナから視聴しない」作品が数本あるおかげでちょっとスタート本数が少なくてすみそうだし、続編ものは全部点数をつけない決め事にしたので数字を悩まなくていいのがちょっと楽。

 こちらの作品は「実になろう的だが、最低限の人の心は感じられるレベルだった」というので1期の最終評価が「並」だったので視聴は継続予定。1クールの休止を挟んでの再開という模範的な分割2クールの展開も記憶がなくならない程よいタイミングで繋いでくれているので視聴自体にマイナスの印象はない。まぁ、あとは事前にどこかの誰かが提供してくれた情報にあった「今期もなろうは多いで」という事実をどう受け止めるかだな……。

 懸念があるとすれば、1期から気になっていた「鑑定スキル」というものの有用性が、この2期に至ってどのように扱われるか。今作における鑑定スキルは人材のポテンシャルを見出してチート級に強力な配下を手に入れるための道具なのだが、1期の時点で欲しい人材は割と集めてしまった気がするんだけどどうなんだろう。最初に白兵戦用の近衛兵、遠距離戦用火力としての魔法使い、さらに軍師の少年になんでもできる万能の天才騎士(あと超人脈と超諜報の隠密)。およそ船に乗せるべき人員は揃った気がしていて、ここからコックやら楽師やらを乗せる意味があるのかどうか。実際、1話目では決め技のはずの鑑定スキルを一切使っておらず、頼れる部下連中に「あとは任せた!」と任せっきりでオート進行にしてある。まー、「見出してきた人材が名声の拡大再生産をしてくれる」というのは本作の狙っている通りの形なので、あとは主人公はどっかの会議室にでも座ってるだけで、他の連中が格好良くいろんな問題を解決しまくればそれはそれで成立するのだろうが……どれくらい面白くなるもんですかね。

 当然1期とスタッフは全く一緒で、1期同様に作画自体のクオリティは安定。なんか陰の当て方というか、キャラを描く線の取り方みたいなものに独特の風合いがあるんだけど、1期からこんな感じだったかね? あとは女の子が可愛く描けてればそれでいいか。ついこないだ「生天目ボイスの女騎士」が散々酷い目に遭う映画を見てきたもんだから、今作の飲んだくれ騎士もなんか可哀想な目で見てしまう。

 
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○「デリコズ・ナーサリー」 6

 突然の新番組!!! というわけでだいぶ変則的な時期ではあるが、シーズン中盤に新番スタート。どういう構成になるのかは全くの謎。ちなみにこのタイミングでもっかいデータを洗っておくと、これにて一応夏新番に該当する新番チェックは48本。トータル55本のアニメを視聴する可能性があったが、すでに8本が切れているため、現状は47本である。正直もうちょい切りたいと思ってるやつもあるのだが……ここまで来たらあとは惰性で繋がるかなぁ。なかなか目標(40本)は遠い。

 閑話休題、そんなよく分からんタイミングでスタートした新番組だが、その中身もいい具合によく分からん。新番チェックのお約束として概要を確認しようと思ってWiki見にいったのに、このタイトルでの項目はなく、「TRUMPシリーズ」という謎のページが出てくる。そしてそこには「日本の演劇シリーズのタイトルだよ」という不可解な紹介があり、Wikiのページ自体も項目がガタガタでほとんど情報がないときている。何かしら不思議なプロジェクトなのだろうということくらいしか分からない状態。

 でもまぁ、これも別に前例のないことではなく、奇しくも今作と同じく「吸血鬼」をモチーフにした「MARS RED」というアニメが少し前に制作されており、あちらは「舞台・朗読劇が元になったアニメ」だった。おそらく本作も似たようなデザインで、メディアミックス手法の一環なのだろう。メディアミックスというとどうしても「漫画→アニメ→その他」という流れが一般的だと思われがちだが、別に「演劇→アニメ」という流れがあっても何の不思議もないのだ。そうした動きが実現したということは、それなりに人気を得た作品なのだと思っていいのではなかろうか。

 1話目の印象は、面白いとかつまらないとか以前に「なんか気になる」というのが素直な感想。何も知らん状態で視聴を始めたら吸血鬼が大立ち回りを演じる血みどろの惨劇からスタートしたので「はいはい、いつものそういうやつね」と吸血鬼テンプレ的に認識していたのだが、話が進むにつれてあれよあれよと見たことない方向にお話が爆走し始め、終わってみれば「怪奇事件調査保育所組織」という謎の構造が完成していた。まー意味は分からんよね。一番気になるのは「この2つの要素って何か絡むことがあるんか?」という部分で、育児アニメは育児アニメで成立するだろうし、怪奇事件を取り扱うヴァンパイアストーリーだって掃いて捨てるほどあるわけだが、その2つの要素をレッツラまぜまぜして、果たしてシナジーが発生するのか。そこがとても気になる。「何も得せんやろ」だったら別に面白くないのでおしまいなのだが、正直、1話目の展開は虚をつかれたこともあってちょっと面白かったんだよな。「なんやねんそれ」という情報のミスマッチが楽しい。

 そしてもう1つ注目すべきは、画面を飾り立てる華美なゴシック装飾。「中世っぽい世界で吸血鬼の貴族」を描くお話なので貴族然とした画面が出てくるのは当然で、直近であれば「黒執事」に近い世界観だと思うのだが、背景美術を筆頭にゴテゴテと飾り立てる画面構成にかなり念が入っている。昨今はCGやらAIやらと背景装飾もパパッと適当に作ることができるようになっているが、そんなインスタントじゃない、とにかく存在感を見せてやるんだという気概に満ちた、本気のゴテゴテ。これにもとても目を惹かれる。放送開始が遅かったのはこれが原因なんじゃねぇのかと思っちゃうくらいには気合いが入った画面になっており、そこに馴染むキャラデザの合わせ方もお見事だ。このままのクオリティが維持されるなら、舞台とはまた違った存在感で何か新しい物を見せてくれるのかもしれない。

 
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○「バーテンダー 神のグラス」 5

 新番チェックは終わったと言ったな。すまん、ありゃぁ嘘だった。いや、終わってんだけどね。ちょっと珍しい事態が起こったので例外的に取り扱います。

 事情を説明すると、今作は厳密には「今期新番組」ではない。制作・放送されたのはこないだまでの春クールであり、すでに放送は終了している。ただ、なんでか知らんけどこの放送ってのがテレ東オンリーだったのよ。BSCSでの放送が1つもなく、首都圏以外で視聴する方法は配信しかなかったため、「配信アニメは全てシャットアウト」というルールを設けている私は視聴できなかったのである。独占配信アニメは観られないものも多くあるが、こうして地上波放送がある作品で視聴環境が整わないってのは久しぶりだった。

 ところが、これが1クールのラグを経てワンランク上のアニメチャンネル様、AT-Xで放送することが決定。これなら私は視聴できるようになる。以前まではこうして視聴時期がずれてしまう作品の扱いは何となくスルーみたいなことも多かったのだが、今作の場合は事前になんか気になっていたというのもあるし、ズレたといってもたかだか1クール。年度を跨がなければ春にやるグランプリ選出基準にも影響を与えないため、どうせだったら「俺の中では夏新番」ということで処理しようと思ったわけだ。そんなわけで現状での今期視聴作品は55本が正式な数となります。

 閑話休題、そんなちょっと不思議な繋がりを持った作品だが、原作は多分未読。「多分」というのは、なんかこの手のお酒のうんちく漫画は意外と電書の無料試読なんかでつまみ食いしてるのでもしかしたら読んでたかもしれないから。でも多分読んでない。「駒田上流所へようこそ」の時にもちょっと触れたのだが、私は酒を全く飲まない。弱いとかじゃなくて子供舌なので酒の味がさっぱりわからず、「クソたけぇもん飲むよりコーラとかの方がいいじゃん」というので飲まないという残念な嗜好である。ただ、そうして「酒が飲めない自分」に何となく負い目があるのも事実で、酒を楽しんでいる人間を羨ましく思う部分もあったりする。何しろこれだけ世界中に多種多様な酒があり、人類の歴史を通じて研究・進化を続けてきた知的財産そのもの。私は酒飲みは基本的に嫌いだが、酒という文化そのものを否定しようとは思わない。どれだけ先人たちが酒に情熱を注ぎ、極めてきたか。それは単なる知識レベルの話として興味深く聞くことはできるのだ(美味しい食べものを美味しいと思えるのと同じ感覚なら理解は及ぶはずなのだ)。そんなわけで、実体験を伴わない机の上の学問レベルでの「酒のうんちく漫画」は結構気になって読んじゃったりするのである。まぁ、幼少期を「美味しんぼ」で育てられた人間の悲しき性なのかもしれないけども(ちなみに同様の理由でヤニカスは大嫌いだがタバコという文化そのものを否定しようという気もない)。

 で、そんな状態で多少歪んだモチベーションを持ちながらの1話目は、なるほど想定した通りの「酒のうんちくアニメ」になりそうである。紹介された「酒知識」「バーテンダー知識」は私なんかには新鮮なものだし、せいぜい立派な大人として恥ずかしくないくらいは最低限の常識は備えておこうと思った。いや、どこまでが常識なのかもよくわからんけど。

 アニメとして見た時には特に特徴もなく全体的に「並」なクオリティだが、バーを舞台にした作品らしい、どこかゆったりとした押し付けがましさのない演出方向は決して嫌いではない。主演の寺島おじさんがいい仕事してくれているし、ヒロイン(?)のナンジョルノの入り方も自然。あとは今後のドラマ展開次第だろう。制作の「リーベル」っていうスタジオはこれが初の元請け作品のようだが、最後までスタミナ切れを起こさず走り切れるでしょうか。まぁ、もう結果は出てるはずなんだけど、このまま何も知らない状態で追いかけていきますね。

 

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○「戦国妖狐 千魔混沌編」 ― 

 さぁ、長かった新番チェック期もぼちぼち終わりを迎える。厳密にはもう1本新作があるらしいのだが、それは放送開始が8月半ばからとやたら遅いため、一旦ここでまとめてしまおう。今期執筆した新番チェックはここまで46本。これに追加予定の1本と前クールからの引き継ぎを加え、およそ54本が今期視聴本数ということになる。これは前クールよりも1本だけ少ない数で、一応は悪くない数字で推移してる印象はある。とはいえ再三志しているとおり、ここからゴリゴリ本数を削っていくのが引き続きの目標。前期は最終的に55本から9本を切って46本となったが、目標値は変わらず40本としたい。……まぁ、相変わらずここから14本も削れるとは思わないのだが……現時点でちょいちょい切ってるし、慣れればこの作業も多少は効率よく行えるようになるかもしれない。

 閑話休題、こちらは1クールの休止を挟んでの速やかな2クール目。元々そこまで作画が凄まじい作品でもなく、復帰1話目も「まぁこんなもんかな」という程度だったので作品クオリティとしては多くを求めるものでもないが、内容自体はきちんと成立していたし、1期目で色々と気になる要素も残してくれたので、ほんとに「先が気になる」ことで見守っていく作品になりそうだ。

 サブタイトルが付けられていることからも分かるように、内容は1期からはっきりと区切られている。1期タイトルが「世直し姉弟編」ということで中心は狐の姉弟だったわけだが、迅火があのとおりの結末を迎え、たまも色々と悩みの多い状態ということで一旦表舞台からは退場。真介が繋ぎ役として引き続き前面に出て、新しいキャラを大人の目線からサポートしてくれている。こうして第1部では青二才ポジションだったキャラが、形はどうあれ「師匠」と呼ばれる立場になって話を回してくれている様子はどこか感慨深いものもある。まぁ、真介の場合は頼りない部分もまだ残ってはいるが……。

 今作の特徴であるカタワラと人間の曰く言い難い不思議な関係性は相変わらずで、第1話は新たな主人公・千夜がカタワラに属するものであることから、人間との差を感じたり、負い目を覚えたりしつつ、最終的には受け入れられる方向で話がまとまった。異種間での融和と摩擦を描く本作の流れは、引き続き維持され物語の主軸となっていくことだろう。千夜が何を学び、どんな成長を遂げるのか、そしてその成長物語が狐の姉弟にどんな影響を与えるのか、長いお話になりそうである。

 

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○「負けヒロインが多すぎる!」 6

 この学校の女子の制服のリボン、どうなってんねん。流石に邪魔すぎるやろがい。

 なーんか、今期は作画状態がガンギマリの作品が多いですね。これは業界がコロナから復帰した証なのか、それとも単にCG技術の革新によりそれっぽい処理が手軽に行えるようになったためか。どっちの要素もあるんだろうけど、今作を見る限りでは後者の要因の方が大きそう。背景とのマッチングで撮影処理に若干の違和感はあるが、多分背景作画はかなりデジタル処理で楽になってる部分だろうし。もちろん、キャラ作画部分でそれなりにカロリーを使っているからこそ実現できる画面だとは思うけどね。

 というわけで画質はたいへん良好。制作はA-1なので納得といえば納得なんだけど、ここ最近のA-1にはなかったチャレンジングな画面作りになっている気もする。そしてそんな極まった画面でお送りするのが、これまた一筋縄ではいかないヘンテコラブコメ。なるほどその発想は無かった。概念的には「いろんなヒロインが集まってくる」要素だけだと「100カノ」に近い作風に見えなくもないのだが、あちらは全部が全部とにかく「ヒロイン」であるのに対し、こちらはなんと「負けヒロイン」縛り。ラブコメを描く際に「全員が負ける」ってどゆこと? とタイトルから疑問に思っていたのだが、なるほどそういうことか。1話目の出会いのシーンで全部語ってくれたのでこれ以上ないくらいの自己紹介になっていた。

 ぶっちゃけ、わたしゃ「負けヒロイン」という言葉が嫌いである。古くは「滑り台ヒロイン」などとも呼ばれてその時点で嫌いな概念ではあったが、「負け」という名称であけすけに呼ぶよりはまだ「滑り台」の方が情緒があったかもしれない。何故嫌いかというと、恋の鞘当てで最終的に結ばれないことを「負けた」と揶揄して哀れんだり嘲ったりするのがなんか嫌だからだ。サブヒロインたちだって立派に彼女らの人生があり、その中でたった1度の失恋を経験するだけ。それを何故「負け」と言われなければならぬのかと、勝手に彼女たちの身になって憤慨したりする。え? 自分が負けヒロインを応援しがちだからじゃないかって? そんなまさか……。

 まぁそんなこたぁどうでもよくて、本作におけるヒロインたちはそんな「負け」要素をスタート時点で属性として付与されるという何とも珍妙な設定。思いついたとしても実現が困難なこの設定でよくもまぁお話をスタートさせたもんだとは思うが、「負け」代表の八奈見杏菜さんのキャラが1話目にして完全にキマっているので単なる出オチで終わらず「こいつは負けるやろ……」みたいな納得感がありつつ、これが不思議と単なる嫌悪感ではない感情に繋がる。まぁ、主人公がだいぶキモオタ寄りなので彼と全く同じ視点で見ているかどうかは怪しいのだが、「こいつめんどくせぇな」という「負け要素」をはっきり見せる中で、何か気になる「次は勝ちそうな」要素も見え隠れさせる。これが今後もちゃんとシナリオラインの中で機能するなら面白い。少なくとも今まで見たことがない新たなラブコメストーリーが拝めそうである。

 個人的にはかっ飛んだヒロインの性格と退屈しない百面相だけで1話目はしてやられた。その他文芸部の子やわけわからん先生などいささかキャラがクドすぎるきらいはあるが、ギャグだと割り切ればこれはこれで楽しいだろう。ほんで「勝ち」ヒロインの方はちゃんと「勝てそうに」描かれてるんだよなぁ……「負けヒロイン設定ってことは全部の子に勝ちヒロインも作らなきゃいけないってことになるから、実質ヒロイン数2倍か?!」とか思ったが、勝った方は別に主人公周りにたむろしないのでそんなに描写はいらんのやな。

 本作を評する上で欠かせないのはやっぱり中の人の話。何とメイン(?)ヒロイン役が遠野ひかる、そして主人公が梅田修一朗ということで、カップリングはどこぞの日当たり普通なワンルームと全く一緒。おかしい、ちょっと前まではあんなに完璧な「勝ち」ヒロインだったはずが……。まぁ、とのぴーボイスのイカレたところが前面に出る設定はとわちゃんとは真逆に魅力を引き出してくれているので、これはこれでよし。他のヒロイン勢も今後の活躍に期待。(勝ちヒロインの中の人は間違いなく勝ちボイスですよね……文芸部のBL先輩は勝ちなんだろうか、負けなんだろうか)。

 

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○「ATRI -My Dear Moments-」 6

 こっちの妻はちょっと感情がある。いや、妻じゃないけども。いや、感情があるかどうかも分からないけども。あるのかい、ないのかい、どっちなんっっだいっ。

 というわけで、尽きることなき機械生命ものである。機械なヒロインを描いた作品では昨年度「SYNDUALITY Noir」という佳作が誕生したが、今作も設定自体は似た部分が多い。一度なんらかの原因で荒廃してしまった世界で主人公の男の子が偶然拾った機械仕掛けのヒロイン。記憶があったりなかったりするが、果たして彼女はこの世界の真実に繋がっているのか否か。まぁ、ノワールの世界観に比べりゃぁこちらは純粋に自然災害での荒廃世界っぽいので、なんらかの敵とドンパチするようなバイオレンスな展開にはならず、機械ヒロインの大先輩・マルチさんが代表するようなギャルゲー展開にはなるようですな。

 というわけで確認したところ原作はゲーム。エロゲなのかと思ったけどWikiの表記ではCERO:C程度ということでエロゲってわけでもなさそうだし、やはり「ギャルゲー」というのがしっくりくるジャンルなのかしら。残念ながら名前は聞いたことがないのでどの程度展開された作品なのかも今ひとつピンとこないが、ここ最近はこの手のゲームからのアニメ化ってのもとんと見なくなってしまったので、そんな時代にわざわざアニメになってるということは、それなりに期待されてのものなのかもしれない。

 制作はTROYCA、そして監督は加藤誠ということで悪くない座組み。TROYCAというと白い画面の印象が強いが、今作は「海! 夏!」みたいなトロピカルなイメージが優先されているおかげか、過去の作品に比べるとやや原色寄りで見やすいカラーデザインになっている。その上での作画力はさすがのもので、ヒロインのコミカルな表情変化なども実に自然に見せてくれているし、1話目での印象はなかなか良い。まぁ、ここからどれだけシナリオラインだけで持っていけるかは結局未知数なのだが……最近のギャルゲアニメというと、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」が今ひとつだったので、できればしっかり画面のクオリティを維持しつつ、業界の期待を背負って戦っていただきたいところ。

 一応もう1つ推せるポイントがあるとするなら、ヒロイン役に満を辞して出撃してきた赤尾ひかるの存在が挙げられる。以前その筋の詳しい人から赤尾ひかるがギャルゲー方面でいい仕事してるみたいな話も聞いた気がするし、この辺りがホームグラウンドなのかもしれん。こんな声質のくせして、やたらと業の深いキャラが回ってくることが多い気がするのも、業界の期待の表れなんじゃなかろうか。

 
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○「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか」 5

 興味なかったんちゃう? 知らんけど。いきなりタイトルでそんなこと聞かれても……。

 タイトルのクセで一瞬なろうかと警戒してしまうが、そこまでなろうではない、どっちかというとレトロラノベな感が漂う作品。実際に原作はラノベで、なんと「キミ戦」と同じ作者によるものらしい。同一作者の原作ラノベが同タイミングでアニメ放送してるってのはかなり珍しい事例なんじゃなかろうか。ちなみにさらに確認すると発表は2017年から2020年とあり、こちらはちゃんと完結しているとのこと(「キミ戦」は未完)。そういう意味では収束性に不安はない作品ではあるが……ラノベで全9巻ってことは絶対にアニメ1クールじゃ終わらないんだよな。ラストまでやるつもりだとしたらかなり一歩目を踏み出すのに勇気がいるアニメ化プロジェクトである。

 さて、そんなラノベ作品だが、導入はそこまで目新しいものではないので全ては今後の筋運び次第としか言いようがない。細かい設定に若干のアラは見えるが(「流石にそれで男のフリしてるってのは無理あるだろ」とか)、まぁ、その辺はノイズレベルだし、今後の展開で説明される部分もあるかもしれないので現段階でめくじらを立てる必要もないだろう。展開はそれなりに興味を引くものになっているし、過度な不明瞭さもないので視聴にハードルは無い。まぁ、その分スルッと飲み込めてしまうのであんまり印象に残らないとも言えるのだが。強いて一番気がかりな要素を挙げるなら、どっちかというと「世界の上書き」ってぇより「主人公だけ別な世界線に飛ばされただけじゃね?」みたいに見えてしまうので、タイトルの文言にあんまりピンとこないことくらいか。

 制作はproject No.9。今期は「先輩はおとこのこ」との並行だが、まぁ、向こうがそこまでカロリーの高くない作品だし、あっちの監督を柳伸亮に任せてこっちは南川達馬(「炎炎ノ消防隊」などの監督)が担当するという布陣なら決して手抜きではないはず。映像部分はまだ可もなく不可もなくといったレベルだが、ここから大崩れしない前提であれば、こちらもストレスにはならなそうだ(まぁ、その前提が守れるかどうかが一番の問題なのだが)。

 最初に黒髪黒服のいつも通り系男子が画面に出てきた時にはどうしようかと思ったが、割とストイックタイプの主人公だったのでちょっとホッとしている。あと、メインヒロイン(?)の男装騎士様は「この騎士はすぐに屈しそうだな……」とか思ってしまう残念な声である。ぜひ悪魔軍は人質にとっていただきたい。

 
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