最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「人類は衰退しました」 6
意外にも今期初のラノベ枠。タイトルが文章になってたり、いかにも厭世観溢れるタイトルから、勝手に「滅び行く人類が魔物と戦ったりする設定のいけ好かない中高生男子を主人公としたファンタジーラノベ」という訳の分からない思い込みをして視聴開始。 ごめん、なんだこれ。全くもって予想したことのないものが出てきた。確かに人類は衰退している。衰退っていうと「スモールワールド」(ボード—ゲーム)のイメージしかないのだが、確かに、もうくるくるとユニットトークンを裏返して後は他の種族に取られるばかり、という状態になっている、はずだ。でもなんだ、このユルさは。食糧問題に、生き残った人類の人間関係の悪さ。謎の種族妖精との今ひとつ繋がりきってない微妙な関係性。暗い話題には事欠かないはずなのに、もう、画面が一切そんなんじゃない。初見で度肝を抜かれたのはなんと言ってもそのビジュアルだ。背景で「うわっ」と思い、まとめてキャラクターが出てきたところで「なんじゃこりゃ」となる。形容しがたい状態だが、色彩が薄くて、キャラ絵と背景の境界が曖昧な、どこか不安にさせるようなデザインだ。キャラデザ自体は坂井九太ってことなので馴染みのあるもののはずなのに、なんでこんなに不安定になるんだ、という出来。「うわぁ、これ、見られるのかなぁ」と思っていたのだが……。 気付いたら、なんかニヤニヤしてた。このイラストレーションは、独特の間抜けな空気を出すためのものだったのか。いや、基本的に脚本自体はラノベの嫌なにおいはするんですよ。主人公の独白パートとか、うまくもない上に冗長なたとえ話とか。ただね、そういうものを加味しても、なーんか変。こういうのも確かに「ファンタジー」には違いないな。何があっても不思議じゃないから、「じゃぁ次に何が起こるの?」が予想出来なくて、そこにネタが飛んでくるのが楽しい。このテンションが1クール楽しめるのかどうかは分からないけれども、このテイストは、嫌いじゃない。 構成は上江州さんで、助監督に小坂春女、制作はAICだ。割と信頼出来そうな並び。そして、肝心要の監督は、岸誠二だ! さぁ、どう出る。当たり外れの激しさならば随一の難しい監督。しかし、今のところ「原作有りならハズレ無し」という実績もある。1話目を見た限りではかなり相性は良さそうに見えるが、さて…… まぁ、個人的には、なんでこれがこんなに楽しめたんだろう、と考えると、多分放送時間の8割をずっと中原麻衣がしゃべってたからだと思うんですけどね。こういうの聞くと思うでしょう、やっぱりこの人すげぇな、って。一人のしゃべりでここまで空気が作れてしまうのです。細かいポイントでの笑わせ方とか、本当に的を射た演技プランであっという間に引き込まれてしまう。こういう時の中原は本当に強い。それだけでも期待度MAXですよ。これに加えて、居並ぶ妙ちきりんな妖精さんもいかにもな名前がずらりと並んでおり、あおきさやかやささきのぞみなど、とにかく高音でゆるゆるやれるラインナップ。ひーちゃんは面白い使い方だし、小林由美子っていうのも意外だけど面白い使われ方。そして、異彩を放つのがあけこですよね。「明坂」+「緩い」+「妖精」って……房子は? 房子はいないの?! そしてエンディングに現れる伊藤真澄歌唱っていうのも、この救いようのない不安定さを更に加速させてくれる。ソロで歌ってるのは久しぶりに聞いた気がする(「西の善き魔女」以来かしら)。実は歌ってるのが結構怖いし、エンディングの画像も結構怖いっていう、この感じは「童話・寓話ってのは常にホラーと隣り合わせ」みたいなイメージかしらね。 さて、来週以降にこのどうにも理不尽で緩い世界がどこへ向かうのか……楽しみです。 PR
○「貧乏神が!」 5
ジャンプ漫画のアニメ化。ちょうどこないだアニメ化記念でジャンプ本誌にも読み切りが掲載されていたので、大体の設定を把握した状態での視聴。うん、これは求められているものにしっかり応えた出来なんじゃなかろうか。 「夏色キセキ」の後枠(の30分後)ということでそのままサンライズの制作だが、監督は「銀魂」をやっていた人とのこと。なるほど、それならギャグは安心だろう。1話目から露骨なジャンプネタを端々に織り込みながら、あくまでパロネタは添え物程度に収まっており、昨今ありがちな「パロディ満載だとお前ら楽しいんだろ!」みたいな押しつけ臭さが無い。1話目だからかもしれないが作画の質も高いし、コロコロ変わる表情を中心にした動きの付け方がお手本のようなギャグアニメになっている。目新しさはあまりないものの「これでこそ天下のサンライズ」と安心して見ていられる。 シナリオについてはやっぱりシリアス要素は入ってくるわけだが、この設定でギャグをやる上でのバランスとしては妥当なところなんじゃなかろうか。ジャンプSQで連載ってことは、1話1話の尺は割と長いはずだし、ギャグだけでドタバタして繋ぐよりは、やっぱり一本ずつメインの筋があった方が落ち着く。「男子高校生の日常」みたいなのも面白いけど、こういうオーソドックスなのも久しぶりな気がするのでホッとする。設定としては相変わらずドラえもんなどの系譜をつぐ「居候コメディ」なので、ノリは作りやすくて、見ている方も困らない。やっぱりジャンプ漫画だと最低限セオリーをおさえた「定番」が出てくるもんですね。最近の奇をてらうことだけに全力を注いじゃってるラノベ原作なんかより、おっちゃんはこっちの方が好きです。まぁ、その分ものすごいインパクトを与えたりはしないと思うけども。 あとはまぁ、本作は「花澤祭り」というのが1つの大きな要素でして。何回も何回も書いてるけど、やっぱり花澤香菜はテンション上げてナンボ。トバし系キャラをやってるときが一番輝いてるんですってば。今作はヒロインの市子がなかなかえげつないキャラになっていて、トバし気味な上に外道というなかなか新鮮な花澤テイストが楽しめる。バックドロップのシーンは流石に吹いたわ。そして、そんな市子との掛け合いのテンポが見事な紅葉役は内山夕実。これまで「Aちゃんねる」のナギとか「咲」の黒い子とか抑えめの声の役ばかり多かったのでどんな人なのかイメージが湧かなかったのだが、なんだかドえらい器用な子やな。基本は低音域なんだろうけど、市子のノリにあわせてトバし芸も出来るし、声音がコロコロ変わっても演技がぶれない。全然気付いてなかったけど、実はやる人? 中の人にも期待いっぱいで見守っていきますよ。
○「じょしらく」 6
これは……来たなぁ。一言で表すと「相変わらず」としか言いようがないんだけど、ひでぇアニメが出てきたかもしれん。 考えてみりゃ、久米田と水島努なんて、絶対に「混ぜるな危険」に決まってるんだ。どっちも好きこのんでボーダーラインぎりぎりに投げ込んで、結果ぎりぎりアウトになる人種じゃないですか。今まで共謀してこなかったのが不思議なくらいに同じベクトルの人だよ。まぁ、だからこそ相容れない部分とかもありそうだけども。少なくとも1話目を見る限りじゃ「あぁ! やっぱり久米田! いや、水島? とにかくひでぇ!」というもの。よくもまぁ、地上波放送にのせたもんだと思う。 表面を見れば、(2回もわざわざナレーション入れたくらいに)グダグダな女の子トークもの。楽屋でしゃべっているネタだけを見れば本当にしょうもない話しかしてないし、5人のキャラの区別が「絶望先生」の時ほどはっきりしてないため、グダグダと言われても仕方ないレベル。タイトルにも設定にも入ってるはずの「落語」要素は一切関係無いし、こんなもん、適当なフラッシュアニメにでもしとけよ、というくらいの中身である。しかし、そこは「悪童」水島努。「どうせグダグダで内容なんてどうでもいい漫画なんでしょ」とばかりに、アニメ媒体を利用した悪だくみばかりだ。シャフトに任せた「絶望先生」だって「メタのオンパレード」という土壌は完全に噛み合っていたが、今回は別方向から悪ふざけが助長され、行き着くところまで行ってしまう危険性が匂い立っている。まぁ、1話目だからこそのインパクトってのはあると思うのだが、はてさて、今後続けていく上でこの刺激が持続するのかどうか。 正直言うと、原作をほとんど知らないもんだから「落語アニメ」っていうのでちょっと期待してた部分はあるんですよ。遙か昔、一時期落語にはまっていた時期があったからそれなりに見るべき部分は分かってるつもりだったんだけど、まさかここまで落語が関係無いなんて。いや、細かい部分は無駄に描き込んでるんだけどね。冒頭で手寅が高座を降りるシーンとか、実はかなりしっかりしてる。わざわざ本業の噺家さんを監修につけているというこだわりはその辺に現れてるんだろう。でも、無駄遣いだよ。まぁ、正直噺に関しては素人の制作陣を集めて本気で「落語アニメ」をやったとしてもそんなに面白いものになるわけじゃないだろうから、方向性としてはこれでいいんだろうけど……いや、間違ってる。倫理的に。まぁ、一応落語要素はほどよい隠し味くらいに見ておけばいいですかね。サブタイトルが落語のもじりになってるところとか、ちょっと楽しいといえば楽しいし。そういや、次回予告で出てた文字は「三塔起請」って描いてあって「三枚起請」が元ネタっぽかったのに、ナレーションでは「三塔一両損」って言ってたぞ。どっちだよ。 そして、こういう雰囲気が全てな作品はテーマソングも気になるところなのだが、まぁ、これがしっかりツボをおさえた出来になってますよ。オープニングは軽いノリだけど、いかにもな声優ユニット曲。聞いた瞬間に多分そうなんだろうと思うと案の定畑亜貴だったりするわけですよ。曲は神前さんですな。キャラクターデザイン・原画が田中将賀さんだし、色々と隙がない。エンディングはまさかのももクロ。馬鹿馬鹿しいっちゃぁそれまでなんだけども、ほんと、ももクロ歌唱って声優ユニットソング、いわゆるアニソンの流れと同じ方向だよなぁ。いや、曲作ってるのがヒャダインなんだから当たり前なのかもしれないけど。 さて、こんな手ひどい災難な作品に巻き込まれたキャスト陣だが、こちらもなかなかスパイシー。全員キャラにはまっていてすんなり聞けるのだが、ほとんどが若手を起用しており、余計な色がついていないのが面白い。南条愛乃は安定だから良しとして、まずは手寅役の山本希望。去年くらいから一気に出てきた若手で、実はかなり上手い。「UN-GO」「はがない」に続いてメインとしては3本目、ここいらで一気に一軍入りと行きたい。そして意外だったのは木胡桃役の子。小岩井ことりという名前で全く聞いたことがない新人、来歴を調べてもホントに真っ白でほぼデビュー作という感じなのだが、こちらもなんだか気になる仕事をしてくれる。声質はゆかちに近いと思うのだが、その使い方が小器用で、新人とは思えない仕事ぶり。こちらも、この作品を通じて名前を売り込むチャンスか。 そして、最近は某ラジオのせいでお笑い核弾頭のイメージしかない佐倉綾音。「夢喰いメリー」の時には「夢もキボーもない棒声優」というのでこき下ろされたもんだが、久しぶりに役者としてのお仕事を聞いたら、なんだか随分まともになっていて安心した。でも、中の人がちらつくと落ち着いて声が聞けないのが難。そして、こんだけ若手が集まっても、やっぱりまだ一番拙い気がするのが最大の難。佐倉さん、引くわー(Fly away!)。でもイベント写真を見る限りでは噺家コスプレの和装が一番似合うのは間違いなくあやねる。 そして、そんな若手の多い現場で、年齢的にはそこまで変わらないはずなのに抜群の安定感を見せるのが、久米田作品で立て続けに犠牲になってしまった後藤沙緒里である。後藤(弱)さんをそのまま生き写しにしたようなキャラに、いつも通りのしゃおり節が絡んで、不思議な達成感。頑張って生きておくれ。それにしても、「落語天女おゆい」もそうだったし、しゃおりボイスは落語と縁があるんだろうか。どう見ても真逆の生態系にしか見えないのだがな……。
○「アルカナファミリア」 4
どっから1話目の話題を切り出して良いのか困ってしまう作品。強いて言うなら「なるほど、J.C.STAFFっぽいな」という、よく分からない一言に。 アバンの展開からドンパチをメインにした仲良し軍団ものってことで「ヨルムンガンド」と同じ方向なのかと思ったのだが、そこからすぐに「1人1能力の能力バトル設定」に移行。普通はこの手の事前情報が無いアニメの1話目っていうのは「1話目だと設定がよく分からないな!」みたいなことを言って終わりなのだが、この1話目は、もう嫌というほど設定は分かった。だって、全部説明してくれたんだもん。まぁ、親切っちゃぁ親切なんだけどさ、いくら何でもシナリオが偏ってないか? こいつらの日常生活を考えたら、絶対あんな会話せんだろ。せっかく冒頭に能力を見せて荒事を解決するシーンがあったんだから、能力の顔見せと説明くらいはもう少し自然にやってよ。 で、「誰がヒロインなのか」は嫌というほど分かったわけだが、「じゃ、主人公は誰なのよ?」というのが結局よく分からんかった。福山なのか、中村なのか、それともひょっとして代永なのか(キャラの名前が覚えられないので中の人で失礼します)。で、視聴後に調べにいったわけだが、これって乙女ゲーが原作なのか。なるほど、能登麻美子を中心において、野郎どもで誰を選ぶかはルートが分かれるわけね。それじゃぁ主人公は分からんわなぁ。ということは、ギャルゲアニメと同じように、ファンの人からしたら「誰のルートを進むのか」っていう最大の注目点があるわけだな。1話目を見た限りだと福山ルートが濃厚だろうが(多分設定からしてゲームでもメインだろうしね)、代永も微妙、中村も分からんか。 一応、「直接バトルで勝敗が分かる」っていうのと、「野郎どものバトルの中にヒロインも巻き込まれて参加者になってる」っていうのが設定としては新鮮。これ原作ゲームはどんなんなんだろう。単なるシミュレーションなのかなぁ。このわかりやすさはアニメ向きではあると思うんだけど、……面白くなるのかなぁ。結局「乙女ゲー原作」の時点でハードルは高いんだよね。 監督は、最近この手の仕事ばっかりやらされてる感がある今千秋。ただ、最近は「世界一初恋」につきっきりだったので、いくら乙女ゲーとはいえ、ちゃんと女の子が真ん中にいるだけまだソフト。基本的なスキルは高い監督だと思ってるので、地味でもいいから最後まで見られるくらいのレベルを期待したい。今監督っていうとディーンっていうイメージだったんだけど、今回はJ.C.なんですよね。ちゃんと制作基盤が整っているといいなぁ……。 中の人の話……はまぁいいか。この手の設定で能登麻美子が中心ってのは珍しいかも。最近は珍しくなってきた「若くて素直でまっすぐな麻美子」ですね。回りに侍らせるのはいかにも乙女ゲーな設定、福山・中村・杉田・吉野・代永。あと遊佐・小杉・立木。うーむ、濃い。よっちんのキャラのしゃべり方が絶妙に苛つく。
○「LUPIN the Third -峰不二子という女-」 6
読売名物、1クール遅れ放送作品。既に関東では放送終了しており、評価も固まっている作品であろう。おかげで、わざわざ取り上げる意味が薄いのはちょっと残念。 見ていない作品についてはなるべく目に入れないようにはしていた(どうせ遅れて放送するだろうことは分かっていた)のだが、この独特の雰囲気が非常に濃い味になっているということは漏れ聞いていた。なるほど、確かにこいつぁすごい。山本沙代の作るデザイン性ってのはあまり得手ではないと思っていたのだが、この画作りは1話目からバッチリはまっている。ルパンについての知識も一切無いのでどうなのか知らないが、これが「原作に近い」テイストということなんだろうか。何にせよ、これは「わざわざやる」価値がある一品ものだ。 もちろん、これだけ独特な効果が出ているってことは、今まで誰もやらなかったこと、つまり、やろうと思っても出来ないこと。手描きの劇画調を強く意識したデザインは、作画の手間も相当なものだろうと思われる。それに加えて、このテイストを一本の作品で貫き通し、動く画面の上で成立させるためにはかなり入念なコンセプトの統一が必要だろう。少しでも動きに油断があれば一気にチープなものになってしまう恐れがあるし、何よりも陰影の付け方や動き方が難しいので、崩れてしまったら動きとして目も当てられないようなものになる恐れがある。この方向性で走りきろうと思ったのは1クールという短期決戦だから、ということもあるのだろうが、やはり読売系列の看板作品である「ルパン」であるから、予算とスタッフは万全の準備があるってことなんだろう。このテンションで1クール突き抜けてくれるんだったら、これほどありがたいこともあるまいて。 あとはまぁ、タイトルにもある通りのことなので、「峰不二子という女」を楽しむだけですよ。いやさ、当然私からしたら「沢城みゆきという女」ですけどね。もう、これを見るだけで1期分のみゆきち成分は補充出来る。上手い可愛い色っぽい。幸せ。1話のゲストがチョーさんだったおかげで、むやみにひだまり荘のにおいがしたのは秘密。
○「超訳百人一首 うた恋い。」 5
なんか変なの始まった! こいつは何とも想定外だ。 初見の印象は、「なーんか古くさい」。キャラクターデザインのせいなのか、それともやたらとグリグリはっきり刻まれた枠線のせいなのか、動くにしてもなんだかもさっとしている印象があった。一番近いのはひょっとしたら「森田さんは無口。」なんじゃないか、っていうくらいの箸にも棒にもかからないファーストインプレッション。全然名前も聞いたことがないプロジェクトだし、こいつは別に気にしなくてもいいかな、というくらいのレベル。 でもさ、これってすごくオリジナルなんだよなぁ。絶対に他のアニメでは見られないものが見られる。題材は完全に百人一首なわけで、ある意味最も根源的な我が国の恋愛ドラマである。全く知識がないので、どこまでが史実(まぁ、この時代の史実なんて怪しいもんだが)で、どこからがこのアニメのオリジナルになってるのかすら分からないのだが、1話目の30分の物語は、ちょろっと見ただけでもなんだか無闇に記憶に残る出来だった。画が古くさい気がするのは事実だと思うんだけど、なんだか気になるんですよ。 この時代の主な逢瀬っていうのが夜這い婚だから、思いっきりストレートにコトに及んでるってのもあるんだけど、とにかくやってることはまさに「やってること」。あまりにも「それだけ」なので、あけすけでエロさが無いと思いきや、どこか艶っぽいイメージもちゃんとある。最近のなよなよして鬱陶しい自分語りばかりしているラノベ主人公に飽き飽きしてしまった人間からすると、どこまでも諏訪部ボイスな在原業平の存在は、意外に気持ちいいものになっている。「そういう方向の男主人公」はBLもの、逆ハーレムもので見られるやんか、という意見もあるかもしれないが、元々万葉集は「そういう文化」の下敷きなしで生まれた純粋な「恋物語」なので、世に広く男女を問わず受ける物語になっている点が決定的に違う。そりゃまぁ、1200年読まれてきたものをベースにしたら、それはそれで面白いんじゃないかと。 まぁ、そうはいっても単に万葉の物語をそのまま垂れ流したら、やっぱりそこまで面白くは無いと思うんだけどね。今作の場合は不思議と「今のアニメ」にもなってるんだ。この不思議なバランスはどこから来るものなのか、正直よく分からない。カサヰ監督の手腕なのかしら、ギャグのテンポとか、女の子の表情の見せ方とか、そういう点が細かく気になる仕上がりである。これ、案外面白いんじゃないかなぁ。毎話毎話話題になるような作品にはならないと思うんだけど、ひとまとめになったら中学高校の古文の教材に使ってもいいくらい。案外今の子供たちならこういうアニメで見せた方が覚えが良くなるんじゃなかろうか。マジでどこかの先生に実践してみて欲しい。 そして、そんな教育を受けた子供たちが立派な声ヲタに育って欲しい。諏訪部・梶という野郎2人の阿漕な使い方はもちろんだが、1話目の立役者は早見沙織だろう。エロい部分を見せるはやみんは無双だなぁ。リアル平安貴族みたいなイメージがあるしな。はやみんは平安美人(褒めてるつもり)。
○「トータル・イクリプス」 4
色々と予想外だった新番組2本目。予想するほど予備知識があったのかって言われるとそうでもないんだけど、さて、どう見たものか。 まず、色々と誤解があったのは、はっきり言って全部ラジオのせいである。分かるだろ、あのラジオでこのアニメは絶対出てこないだろ。ここ最近のアニラジ業界でも明らかにおかしい系筆頭のラジオ「ラジオトータルイクリプス」。中原・生天目の絶対に混ぜちゃいけない最高のカオスは、私の見るべき声優業界のど真ん中ストライク。そりゃ聞くさ。そりゃ見るさ。おかげでちゃんとコミックス版の「トータルイクリプス」は買って読んださ。それくらいの知識は持っているんだ。 まぁ、「ラジオと雰囲気が違う!」っていうのは戯れ言なので置いとくとして、それ以外に持っていた予備知識はコミックス版のもの。でも、それとも違った。主人公の唯依が出てきた時点で大丈夫、と思っていたら、なんと、ボクの知ってる篁中尉ではなかった。なんとまぁ、女学生時代である。そら分からんわ。そしてことここに及んで、この作品の世界観も未だによく把握していなかったことが判明。こんなに末期的だったんだなぁ。1話から重い重い。ここまでがっつりと深刻な「戦時」が描かれる作品って久しぶりなんじゃなかろうか。 ただ、まぁ、だからって新鮮かって言われると、そうでもない。どっかで見たシチュエーションだし、どこかで見た映像ではある。「新番組だなぁ」って感じがあんまりしない。1話目からどこまでも突き抜けたもんが出てくることなんてそうそうないだろうが、「こいつぁ楽しみな新番組だ!」っていう感じでもない。メカ作画についてはサテライトの本領なので決してわるいもんじゃないんだけど、まだバトルが始まったわけじゃないので見るべき点としては定まってない。キャラ作監も悪いことは何一つ無いと思うけど、膝を打つほどでもない。ん、まぁ、普通の新番ってそんなものか。 でも、このシナリオって、ナバはちゃんと出てこられんのかな。キャスト表にはいるから大丈夫だと思うんだけども……クリスカが出てくるのって、どこになるんだろう。あくまで導入だけが過去話なのかな。色々と早く見たいキャラ・キャストもいるので、しっかりはっきり進行して欲しいもんだ。 結論・「中原麻衣がロボットにのったり命の取り合いし始めたらただ事じゃすまない」。脅威のまいまいパワーに期待てんこ盛りなので、きっとここから何かが起こるはずさ。1話目でいきなり植田佳奈と殴り合ったのは笑ったけどな。いつの時代も大体一緒におるな。「咲」だと姉妹だけど。
○「TARI TARI」 6
今期記念すべき一本目を飾る新番組は、この期待の一枠。1期空いて登場した、あのP.A.Worksのオリジナル新作である。カテゴリとしては、女子高生が寄り集まってきゃっきゃしているわけだから萌え寄りの作品になるわけだが、一筋縄ではいかないのがここのオリジナル作品。ガチンコ泥沼愛憎劇が話題を呼んだ「true tears」に、女将三代旅館奮闘記「花咲くいろは」。単なる日常系萌えものでは済まされないだけのガッツリしたドラマが期待出来る。 今作でまず目を引くのは、あらゆる点にばらまかれた「新しい」切り口の数々。メインテーマとなるのが合唱部っていう時点でいきなり珍しい展開だと思うが、個々のキャラクターにいたるまで、「はいはい、そういうキャラクターね」と紋切り型では済まされない、こそばゆい違和感みたいなものがちりばめられている。メインの視点となっている土産物屋の娘さんこそ割と理解しやすい部類だとは思うが、騒動の中心となる茶髪の子は、登場直後は天然系のボーッとした子なのかと思ったが、絶妙なぶっ飛ばし具合が台風の目となりそうなエネルギーを感じさせる。そして、現時点ではまだ動きが無い弓道部の巨乳さんは、いきなり(オープニングから)馬、という訳の分からないインパクトを与えつつ、「馬術に弓道の大和撫子キャラなのか」と思いきや喫茶店のシーンではどっかおかしな方向のファッションセンスを見せている。その他、音楽科が併設された高校の外観なんかも珍しいデザインになっているし、一人バドミントン部なんて謎の活動をする男子も異彩を放つ存在である。1話目ってことで何かと型にはめて見た方が楽だとは言え、ぽんぽんと見たことのないものが出てくると、それだけで良い意味で裏切られた気がしてくる。 シナリオに関しては、ここから先は純粋に合唱部を絡めた青春ものになっていくであろうことは予想出来る。茶髪の子が去年のコンクールで何をしでかしてしまったのか、土産物屋の子は何が原因で音楽科をやめて普通科に移ってきたのか。そのあたりの過去話から少しずつ「本気で歌うこと」についての認識を深めて、最終的にコンクールで歌う、というのが目標なんだろうか。ただまぁ、やはり本当に真面目に歌いたいなら声楽部に在籍して進むのが真っ当な道であるはずなので、そこをハズして敢えてアウトローな道を進むだけの動機は欲しいところだ。何はともあれ、しばらくは退屈せずに済みそうだ。 P.A.Worksのお仕事ってことで、ビジュアル面については一切不満が無い。というか、相変わらずため息が出るぐらいの仕事っぷり。今回の「聖地」はどこなんだろうか、背景のビジュアルはもちろんだが、個人的に圧倒されたのは、どこかモダンな印象もある校舎のデザインだ。教室の扉なんかに分かりやすいが、とにかくディティールまでがホントに綺麗。他にも職員室のプロップ、土産物屋の陳列品、キャラクター1人1人の私室まで、とにかくそこにある生活が、1枚の画からにじみ出てくるような配置が徹底されている。このこだわりは本当に素晴らしい。1つ1つの要素について、分け隔て無く作り込んでいるおかげで、あからさまな「聖地」商法に関わっているはずなのに、その部分が押しつけがましくなく、「生活の舞台」の一部としてすんなり受け入れることが出来るのである。 キャラクターデザインは当然の関口可奈妹。なんやかんや言ってもやっぱり女の子メインの「萌え」作品であるので、キャラが可愛いというのは必要不可欠な要素である。こちらも心配ご無用といったところか。実を言うと今作の監督は知らん人なのだが(代表作はレイトン教授、とある)、1話目を見る限りではなかなか悪くないバランス感覚の持ち主だと思われる。細かいところだと、多分今後のシナリオ展開で色々変化していくんだろーな、という期待感が募るエンディング映像が色々楽しみ。 そして当然キャストの話。今作は「合唱部もの」ということで、メインを張る3人はあまりにもガチな面子が招集されている。モノホンの声楽科出身、P.A.といえばやっぱりこの人、高垣彩陽。彩陽が目覚めてソロで歌ってくれるエピソードが絶対にどこかで入ってくるはずなので、それだけで今から正座待機である。1話目で流れた合唱曲が「リフレクティア」の時点で噴いたが、彩陽としてもまたあの古巣に帰ってきたという実感が湧く一場面だっただろう。それにしても、富山やら下田やら、彩陽は聖地が増えて大変だな。 引っかき回し役に選ばれたのは、若手期待の星、瀬戸麻沙美。彼女の歌唱力については既に「ちはやふる」で証明済み。この1、2年での躍進ぶりはめざましいものがある。そしてトリをつとめるのはリアルお嬢、四方の巫女代表の早見沙織。こちらも歌唱力については絶対的安定感を誇る。この3人(あと男声も絡むだろうが)がコラボすることでどんな広がりが生まれるのか、今から楽しみで仕方ない。その他、お局様のような厳しい教頭先生役が田中敦子というだけで圧倒的なラスボス感が漂っているのも良い。そういや、唯一帰国子女役の子だけ知らん名前だが、1話目を聞いた限りでは特に違和感は無かった。最低限、歌唱力を見てのキャスティングになっていると思うが、どんなもんでしょうね。 ちなみに、作品の本筋とは一切関係ないところだが、この作品で一番最初に声を出したキャラが誰かというと、冒頭のアバンで登場した主人公の今は亡き母親だったりする。「故人」「母親」ということは、それすなわち大原さやかなのである。こんなところにもさぁや旋風。日本は、支配されている。さぁやと彩陽の親子って、少なくとも炊事だけは任せたくないな! |
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Thraxi
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趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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