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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ほんと疲れた、特別編。なんでも製作が間に合わなかったために「セカンドシーズン」の放映に合わせられず、こうして特別枠での放送になったというなかなかシャフトらしい曰く付きの作品。まぁ、かつて「猫物語」も一挙放送をやったことがあるので、2時間の枠で放送されてもあまり違和感は無いのだけど。それにしても、いくらBSとはいえ、2時間で無理矢理5話を詰め込み、ほぼCM無しで流しきってしまうというのはすげぇ話である。これだけの特別枠がとれるっていうのは、やっぱり「物語」シリーズの強みなのだろうなぁ。

 今作の感想を一言でまとめると、「みゆきちとアスミスはどれくらいギャラを貰えばいいんだろう」ということである。ただでさえぎっちぎちの台詞でお馴染みのシリーズだが、今回は一挙放送だったこともあり、もう、ほとんどこの2人の独壇場。たまに貝木さんや阿良々木さんが入ることはあったが、心象的には8割がこの2人である。いや、収録はちゃんと5話分割でやってるんだろうけども。これ、一気にやったらゲーム収録とかと同じくらいにしんどかったろうよ。こんだけ長台詞しかない作品って、多分他には無い。

 で、そんなキャストの苦労ばかりが忍ばれる本作であるが、お話としては「割と普通」。正直言うと、1作だけ特別枠を設けられたお話で、しかもメインヒロインがあの神原駿河であるというので色々と夢想しながら待っていたのだが、予想していた方向とはだいぶ違っていた。神原さんといえばエロティックでバイオレンスな印象ばかりが強いのだが、今回はそうした彼女の破天荒な部分はほとんど描かれず、阿良々木さんの言葉を借りるならば「青春」を描くことがテーマとなっている。おかげで、途中からはなんだか「駿河のバスケ」みたいなお話になっていたのである。また、必ず捻くれたどんでん返しや無茶な投げっ放しをぶっ込んで読者を煙に巻くことばかりに専念する西尾維新にしては珍しく、今作はあまり意外性の強い要素が無い。一番の驚きはとっても優しくてとっても素直だった貝木さんのご様子くらいだろうか。駿河と「悪魔」を巡るお話については、沼地蠟花というキャラクターそのものはやはりどこかヒネた厭世的な部分は感じられるが、彼女の根底にあるものもまた「青春」の一要素であり、いつものように物語を根底からぶっ壊してしまうような野放図さではない。

 加えて、今作はシリーズの他のエピソードとの関連性がほとんど無い。唯一関わっているのは「駿河モンキー」だけであり、名物である複数ヒロインのクロスオーバーや、阿良々木さんによるハーレム、もしくは阿良々木さんを餌にしたヒロイン同士のガールズトークなんかも一切無い。つまり、物語を掘りさげるためのバックボーンが「駿河の人生」ただ1点だけだったことも、この物語を素直なものにする要因だっただろう。確かに「駿河モンキー」の時に表れた神原の人物像は一筋縄ではいかないものであったが、「腕」を中心とした彼女(と戦場ヶ原と阿良々木)の物語はあの時点でほぼ決着がついており、いわば彼女は「もう残された要素が無い」ヒロインだったのである。その神原が単体でヒロインを務めた物語なので、その筋立ては真っ直ぐになるしかなかったわけだ。神原が悩み、阿良々木が救い、最終的には彼女の持つ最大属性の1つである「強さ」によって、沼地という幻影を打ち払い、彼女の人生における「悪魔」という楔をも吹き飛ばした。珍しく分かりやすいハッピーエンド。もちろん沼地蠟花の存在を考えればひとくくりでハッピーと言えない要素もあるにはあるが、駿河の「青春」を主軸と考えれば、やはりこれは後腐れのない青春物語だったのである。

 おかげで、普段のようにあんまりいじる部分が無かったので、ず〜〜っとメインシナリオを追いかけるばかりで2時間が経過したのが疲れた原因である。これ、5話分割でじっくり見た方が良かったような気がするが、それだとかえってメインテーマが見えにくくなるかなぁ。きちんと要所要所で変化を加えて飽きさせないようにしているのはアニメスタッフの頑張りであろうから、そういう工夫が見えやすくなったのは一挙放送のおかげかもしれない。ここまで執拗に肉を焼き、今焼いてるのが焼き肉のどの部分かまで全部分かる作画リソースの割き方っておかしいと思うよ。

 個人的には、貝木さんの活躍がやっぱり嬉しかったかな。スーツ姿で謎の疾走を見せるお茶目な詐欺師とか、「マジで珍しいけど、お茶くらいなら驕ってやる」って言った直後に肉を焼き始める詐欺師なんかは今回数少ない笑えるポイント。あと自分の恋心を指摘されて否定しない貝木さんも割と萌え度が高い。彼は確かセカンドシリーズラストで謎の狙撃を喰らっていた気がするのだが、後日談である今作でなんで生きていたのかは謎。まぁ、詐欺師だから。あとは、結局何一つ謎が明かされなかった忍野扇という存在。結局彼女(彼?)は何者なんでしょう。原作読んでる人間はいくらか理解があるのかしら。私からすると「今回は大家さんが宮ちゃんゆのっちの2人を相手に大変やな」という感想を持つのが精一杯でした。あと、「日笠がひかさって呼ばれとる」とか。あれは完全にキャスティングの時点で狙ってるネタやな。

 というわけでキャストの話になるわけだが、前述の通り、今作は(貝木役の三木眞一郎を除けば)もう完全に沢城みゆき、阿澄佳奈の世界。アスミスに関しては、「こういう役も回ってくるようになったなぁ」という印象。まーシャフト声優だから、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、沼地蠟花はあまり阿澄臭のしないキャラである。それでも、アスミスがこのダウナーな役を演じると、不思議と「暗さ」や「湿っぽさ」、そして「狂気」の裏に、何故か「無垢さ」や「あどけなさ」も表れてくる。この辺りのバランスがアスミスの面白いところ。今回のお仕事は敬愛するサワシロンとの真っ向勝負、彼女も色々楽しめたのではないでしょうか。みゆきちとの濃厚なキスシーン(?)があるキャラってのも珍しいしねぇ。

 そして我らが沢城御大。元々神原はかっ飛んだキャラなので演じていても色々と楽しそうな役なのだが、今回はそんな神原の中でも比較的中の人に近い「生真面目」という側面にスポットが当たったので、割とすんなり演じることが出来たのではなかろうか。分かりやすい中にも沢城印の細かく精度の高い演技が光り、個人的に一番だったのは、貝木にダッシュで追い抜かれた後の泣きそうな神原さんの漏れてきた鳴き声、首根っこ捕まれた時のうめき声なんかがホントにすげぇと思う。あと、沼地の真実を知って徐々に水に浸っていくバスケコートでおののくシーンとか。やっぱりこの作品はキャストに恵まれ、キャストでもってる部分が大きい。だから好きなんだろうな、多分。

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 あかん……第20話。よりによってまどマギ見てきた当日にこの話はアカン。どんなテンションで見送ったらいいのかよく分からんようになって無闇に悲しかった……。

 単に「悲しかった」と報告するだけの感想。やっぱり本作で一番好きなヒロインは八九時なんだよね。何がいいって、彼女が並み居るヒロインの中で唯一「まとも」だから。確かに幽霊(の幽霊)だし、噛み付く幼女ではあるんだけど、メンタリティが一番普通の女の子で、阿良々木さんが一番肩肘張らずにつきあえる関係を持っていたのが、八九時だった。だからこそ、彼女の最期を報された阿良々木さんは、身も世もなく彼女を守るために必死になったのだ。献身のために生き続けているような性格の阿良々木さんだが、あそこまで必死になるのは、やっぱり相手が八九時だったからだろう。いきなりあんな理不尽な理由で目の前からいなくなると言われて、納得出来る訳がないし、耐えられる訳がない。

 更に悲しいのは、そんな現実を、幼い八九時が受け入れてしまっていることだ。彼女の側からすれば事情が分かっているからなのだろうが、(実年齢がアレとはいえ)あんな幼い子が、「自己の消失」という現実を冷静に受け止め、それをちゃんと第三者に伝えて、受け入れてもらおうとしているのが無闇に辛い。本当は本人だって辛いはずなのに、それを見せずに、最後まで明るく振る舞おうとしてくれている。そんな気遣いが出来てしまうことが本当に切ない。最後は、噛めませんでしたよ。そりゃそうですよ。無理ですよ。

 感じ入ったのはそんな八九時のキャラクター性だけではなく、相変わらずキャスト的な話にもなってくる。同日に(4回目を)見てきたまどマギ映画で、流石に今回は余裕が出来たので「アフレコ時のキャストを想像しながら観る」というよく分からない試みをしていたのだが、唯一どんな顔でアフレコしているのか全く浮かばなかったのが、キュゥべえ役の加藤英美里だった。彼女は基本的に明るく快活な女の子をやる場合が多く、アフレコ時だって大体楽しそうに声を入れているだろう、というのが想像に難くないのだが、キュゥべえの台詞って、一体どんな精神状態で演じればいいのか、とてもじゃないが想像出来ない。本当に凄まじい役回りだと思う。そんな加藤英美里が、今回ド直球で「泣かせに」来た八九時。普段なかなか聞けないタイプの演技だっただけに、彼女の持つポテンシャルが遺憾なく発揮された見事なものになっていた。やっぱり色々と「持ってる」役者である。今日は本当にえみりん記念日。さぁ、あと一週間ちょいで彼女も三十路!

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 綺麗な大団円、第5話。うむ、このお話はすごく良かった。色々とひねてて面倒臭いギミックを仕込むことが多い西尾維新作品であるが、このお話のメインプロットは実に単純明快。「つばさキャット」「つばさファミリー」と続いてきた羽川翼の物語の終焉としては、実に分かりやすいハッピーエンドで着地が決まっていた。これまで長きに渡って付き合ってきたキャラクターのお話だし、これだけでも充分満足出来る物語になるのだな。

 最近土日のアニメスケジュールが立て込みすぎていてなかなか今作は感想を書けなかったのだが、章の最終話くらいは総括しておきたい。年末の「猫物語(黒)」を受け継ぐ形で始まったトップバッター羽川の物語は、「阿良々木さんが登場しない」という変則構成をベースにして、放っておいても魅力を放つヒロインを中心とした進行が特徴的。これまでの「化」「偽」は基本的に阿良々木目線でシナリオが進み、全てのヒロインに対して満遍なく接点を持つことで「阿良々木暦とその他ヒロインズ」の物語として成立していた。しかし、今回はその中心人物に羽川が据えられており、「羽川とひたぎ」「羽川とファイアーシスターズ」「羽川と八九時」といった繋がりが描かれている(当然、撫子とは接点が無いので登場しない)。なかでも、同じ男に惚れた関係という非常に面倒な立ち位置のひたぎとの繋がりが濃密に描かれ、ストレートな意味でのサービスも含め、新たな視点から羽川の人物像が掘りさげられるのが非常に興味深かった。最終回まで見て分かることだが、誰よりも羽川のことを考えてくれていたひたぎの見立てはやはり正しく、彼女の指摘が、羽川の自己回帰を成立させる重要な契機となっている。思ったことはずばりと言える鉄の女戦場ヶ原ひたぎならではの友情の形である。最終的には阿良々木さんが全部持っていたようにも見えるが、実際には、これ以上無いくらい明確に「女の友情」を描ききった作品といえるだろう。たとえ男がいても百合好きにたまらないシチュエーションというのはいくらでも構築可能ということだ。

 これまで作り上げてきた羽川の人物像が複雑だった分、今回の怪異は非常にシンプルな特性(まぁ、実はこのシリーズの怪異って全部すげぇ単純なものばかりなのだが)。「嫉妬」というキーワードから一見するとガハラさんが危ないように見えるが、羽川の場合には、人生において最も重要なものは、ここ数年で芽生えたような恋心などではなく、人となりの全てを形成した家族との関係性の方にあった。家族との軋轢の中で産みだされた怪異の「妹」たちを新たに家族と呼び、全てを自己に帰結させて1人の人間として成長していく様子は、思春期の悩みをそのまま擬人化させたようなものであり、様々な含蓄を持ちながらも構図が非常に分かりやすい。戦場ヶ原家、阿良々木家と宿泊先を転々とし、様々な「家族」模様を羽川が観察していく、という流れも親切である。

 映像面でも、今回は監督手ずからのコンテ回ということで、いかにも板村さんらしい大仰な画作りが印象的(その分シャフトっぽさは薄めに見えるのだけども)。また、羽川の手紙の朗読パート(世界旅行に行くイメージ映像)はわざわざ別コンテ、別作監で完全に独立したショートムービーとして作り込む手の入れようで、全てを理解し、覚悟を決めた彼女の心情が非常に丁寧に描き込まれていた。今期は物語1本に対する尺もバランスが良くて、全力疾走で何がなんだか分からなかった1期、ちょっと尺が緩すぎて間延びした2期と比べても満足度が高い。実に恵まれた1本目であった。

 で、ここまでを前振りとして、せっかくなので思いつきで書きたかったことが1つある。それは、羽川の中の人、堀江由衣についての諸々である。今回の羽川の物語を見ていて、やたらと中の人のことが想起された。非常に勝手な印象なのだが、羽川の持つ「白無垢」「野生の喪失」といったファクターは、「声優・堀江由衣」の持っている看板に非常に近い。気付けば既にデビューから15年が経過するベテラン選手になっているわけだが、堀江由衣はデビュー直後から堀江由衣で、今現在も一切ぶれることなく堀江由衣のままだ。もちろん年相応に円熟している部分はあるだろうが(17歳だけど!)、それでも演技の基本的なラインは動いていないし、何より恐ろしいのは、ビジュアル面でも微動だにしていない。まさに阿良々木君の憧れる完璧超人羽川翼そのものである。

 ファンには怒られるかもしれないが、私は昔、嫌いな声優といえば堀江由衣の名前を挙げていた。「どこまでも作りものじみたアイドル性」に薄気味悪さを覚えていたのだろう、(当時の)相方である田村ゆかりともまた違った独自のスタンスは、他に比較する者もおらず、異物のような印象があった。しかし、気付けばその異物は業界にどっしりと根を張り、唯一無二の居場所を見つけて今に至っている。作り物めいた違和感はそのままに、それを最大の武器として確固たる「堀江由衣」を作り上げてしまっている。私はといえば、嫌いだと思っていたのは既に過去の話で、今は羽川を筆頭に、「堀江由衣でなければなし得ない役」がたくさんあることを認めて軍門に下った。そして、「堀江由衣のベストキャラクターは何か?」と問われたら、おそらく「羽川翼か櫛枝実乃梨」と答えるだろう。どちらも「作られた完成形」を売りにする、虚ろな英雄の役柄である。「仮面の下の真実」を覗かせるときの堀江由衣がたまらなく好きなのである。それが「本当の弱さ」だったりすると最高だ。

 羽川翼は猫と虎を統合して新たな世界に歩き始めたわけだが、堀江由衣の場合、既に猫も虎も合わせて食って、今の状態である。淘汰の激しい現代声優業界に高く高くそびえる圧倒的存在は、今後どのようなドラマを作っていくのか。いち声優ファンとして、あまりに特異な彼女の存在は、引き続き興味深い観察対象であるといえる。

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 あけましておめでとうございます。

 アニメ特番で年越しイベント。これは現代日本人には非常にマッチした素晴らしい企画である。そしてそれがかの「化物語」シリーズの新作エピソードというのだからなおさらだ。「ココロコネクト」の特番でみたされ、立て続けに新作アニメが楽しめる。「年末年始はアニメが無いから辛い」なんて言っていたのも今は昔だ。ビバ日本。

 こんなテンションで幕を開けてみたが、実際は、私の中で「物語」シリーズの羽川の立ち位置って、そんなに重要じゃないんですよ。何故かというと、やっぱりファーストシーズンでの「つばさキャット」が配信エピソードだったせいだと思う。地上波エピソードはちゃんと録画した上で何回か観ることが出来たんだが、「つばさキャット」だけは一回こっきりの視聴だったのであんまり印象に残ってない。配信時期も途切れ途切れだったからまとまりのあるエピソードとしてもあんまり記憶してないし。おかげで羽川さんの印象というと、「化物語」の作中によく出てくるサブキャラどまりで、他のヒロイン勢に比べるとちょっと弱い部分があった。そんなわけで、今回の特別編「猫物語」がわざわざ放送されるのもどうなんだろうな、と思っていた部分があったのですよ。

 しかし、こうしてみると、なるほど、羽川さんである。久しぶりにシャフト風味強めの新作が観られるというだけでも割と満足だが、普通は散漫になってなんだかだまくらかされているような気がしてくる西尾維新のお話の中でも、今回のエピソードは割とまっすぐ冒険して、ラブしていたような気がする。こうしてみると阿良々木さんは割と素直な少年漫画主人公気質なんだよな。変態であるところも含めて。そんな彼の初恋(?)エピソードがたっぷり2時間(CMの入り方がかなりえげつなかったけど)。これは良いものである。羽川さんも、ブラック羽川さんも情感たっぷりで非常に魅力的な作画で描かれていたし、日本古来の叡智が必死に一年分の煩悩を洗い流そうとしている時間帯に、次々と新たな煩悩を産みだし続ける生産性の高さに感服した。

 今作の監督は「偽物語」の時と同じ板村さん。「偽」の場合は本当に話の中身が大したことのないものだったので「水増し紙芝居」みたいな印象が強かったのだが、今回のお話はメインプロットの時間配分が丁度良い案配だったおかげで、力の入った画作りが隅から隅まで楽しめる。もちろん「シャフト演出」なので省エネに見える部分もあるし、ふざけているとしか思えない部分も多いのだが、そうした部分も含めてのお楽しみだしね。「化物語」1期の尾石演出ほど徹底したディープさも無いし、分かりやすいお話をくみ取りながら、それなりのシャフト分を補充するには最適なバランスであった。作画リソースでは時折不満もでるシャフト勢であるが、今作はかなりの人員が割かれており、文句の出ようもない完成度だ。まぁ、尾石さん率いる「傷物語」が一体どうなってしまっているのか、というのは気になるところではあるが……。

 お話の中身については、羽川翼というキャラクターの掘りさげがメインであり、その目的ではほぼ完璧な筋書き。西尾維新は捻くれた作家なのは間違いないが、話作りの方策は実は素直なところがある。「化物語」ヒロイン勢に科された「捻り」は、最終的にエピソードの中で築き上げた各ヒロインについて、もっとも強く表れた特徴を裏返し、「見えない部分」をそのキャラの中心に持ってくることでどんでん返しを起こすことで統一されている。「ひたぎクラブ」では鉄の女だと思われた戦場ヶ原さんの「弱さ」が描かれ、「まよいマイマイ」では天真爛漫少女と思われた八九時の「悲しみ」をメインに据えた。「するがモンキー」では竹を割ったような性格の神原の「暗さ」が際だち、「なでこスネイク」では純朴少女千石の「陰湿さ」が描かれた。こうして並べればすぐに分かるが、当然、「正しくて正しすぎる生徒会長」である羽川翼の物語は、「悪辣な暴虐」であるべきだったわけだ。「なんでも知っている」羽川は、怪異に取り付かれた後にも全てを知り、全てを活かしながらも悪辣であった。普段の生徒会長羽川翼の人間性と、裏返ったブラック羽川の悪辣さ、淫蕩さのギャップはキャラ立てとしては最高のもの。途中で「にゃん語」が混乱して人格が入り交じる様子なんかもたまらないし、「委員長羽川」として阿良々木をぶった切るシーンなんかもごつい。そしてなんと言っても、尻がエロい。

 いやぁ、色々エロかったですね。冒頭での月火ちゃんとのアホな会話も愉快だったし、その後の火憐ちゃんの阿漕過ぎるサービスシーンもヘヴィー級。ファイヤーシスターズ、なんか偽物語の時よりもスタイルが良くなってないか?今回は2時間枠なのにキャラが6人しか出てこないという非常に限られた関係性の物語だったのだが、ガハラさんも撫子も出てこない中で、3人のヒロインがよく頑張ってくれていた。こんだけの環境を乗り越えてきた阿良々木さんのガードを突破して惚れさせたガハラさんって、ひょっとしてものすごい人なのか。半裸の羽川さんをあれだけなめ回すように見ていた阿良々木さんが、ガハラさんの前だと童貞臭を隠さなかったのはどういう魅力によるものだったのか。いや、むしろ羽川さんとの関係性を考えると、やっぱり阿良々木さんは欲情するわけにいかないのかな。難儀な男や。

 さて、無事にワンエピソードが締められ、知らされたのは次なるシリーズ開幕の報。まぁ、来るんだろうな、とは思っていたが、年が変わる節目のタイミングでの発表ってのもなかなか気が利いてていいんじゃないでしょうか。劇的だった「化物語」に比べると密度の関係で今ひとつ盛り上がり切らなかった「偽物語」だったが、次なるシリーズでは再びヒロインが全員立ち上がることになる。一体どのような放送形態で、一体どのような物語が紡がれることになるのか。次の機会を楽しみに待ちたい。

 最後に1つ、神谷兄ぃ、本当にお疲れ。

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 珍しく割と素直な締め、第11話。これで最終回、なのかしら? ダラダラと続いてきた本作ではあるけど、こうしてサラッと綺麗に締められると、これはこれで良かったんじゃないかという気分にさせられるもんだ。

 シンプルな話になったのは、題材として「家族愛」というものがクローズアップされたためではなかろうか。「うさぎドロップ」などでもいつも思うことなのだが、「家族愛」というのはよほどのことがない限りは人類普遍のテーマとして扱いやすいものであり、共感しやすい「大きな」テーマである。それをどのように捻るかと言われても、結局「大きな」結論にしか着地出来ないわけで、無難に終わらせることに何の文句も無いってもんだ。阿良々木さんにほとばしる(義理の)妹への愛情は、実にまっすぐで微笑ましいものだった。尋常じゃねぇ関係性の3人兄弟ではあるのだが、最後に残るものが「家族愛」なら、最後に振り返ってみればどこにでもいそうな、ごく普通のいい家族じゃないか。

 今回の最大の見どころはなんと言ってもグロと言われてもおかしくないレベルの阿良々木さんと影縫のバトル。阿良々木さんの血みどろぐちゃぐちゃバトルは「するがモンキー」のときにも凄絶だったセッティングであるが、今回はあのときよりも格段に作画状態が良いこともあり、不必要とすら思えるダメージ描写が、どうしようもない実力差と、かけがえの無い阿良々木さんの家族愛を伝えてくれる。影縫があんなお為ごかしの説得で目的を諦めて退場するのは本来ならば「どないやねん」という話なのだが、それ以前のバトルシーンで克明に阿良々木さんの覚悟が描かれたおかげで、「これはこれでいいや」というレベルにまでは落とし込まれているのだ。

 火憐ちゃんとのバトルシーンの場合には明るいシーンで奇抜なアングルや冗談めかしたカット割りで個性を発揮させる方向性だったが、今回はいかにもシャフトらしい、少ない動きの中でも1つ1つのオブジェクトに意味を与えること、それに少ないカットの中で描く部分にだけ重点的に動画枚数を裂くことで、徹底して傷ついていく阿良々木さんの様子が描かれるのが興味深い。作中で「黒齣」「赤齣」が明示的に意味を持ったのって、今作ではこれが初めてなんじゃなかろうか。ひさしぶりに「化物語」風の構成が楽しめたエピソードである。コンテを担当したのはあの「まどマギ」10話を務めた笹木信作氏という方。シャフトは少し気を抜くとこっそり上手い人を繰り出してくるから油断出来ない。

 ラストパートで「白金ディスコ」がインストでかかったのも個人的に嬉しかった部分。ここんところあの曲はヘビロテのお気に入りだったので、締めの一本としては最高の使い方だった。月火ちゃんがキスされてギャーギャー騒ぐシーンも、中の人のインパクトがそのまま出ているお気に入りの場面。もっと月火ちゃんと火憐ちゃんの活躍は見ていたいもんだなぁ。

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 ドーナツ食いてぇ、第10話。だからこんな夜中に美味そうに甘いものの話とかするんじゃねぇよ。食いたいと思っても近所のミスド閉まってるよ。あと多分今100円セール中じゃねぇよ。ちなみに僕が一番数寄なのはエンゼルショコラです。エンゼルクリームも好きです。単なる生クリーム好きじゃねぇか。

 さておき、この作品には珍しくはっきりとお話が動くターニングポイント的なエピソードとなった。せっかく毎週流れるオープニングに恍惚としていたのに、まさかの月火ちゃんデリートである。こいつぁ大変だ。いや、死んでないみたいだけどさ。

 Aパートはここまでの2話で火憐ちゃんに出番を持って行かれた鬱憤を晴らすかのように月火ちゃんが阿良々木さんと「兄妹の会話」を交わす。彼女なりにファイヤーシスターズとしてのお仕事に対する思いを語り、年相応に(?)正義の味方ごっこにもけりをつけよう、なんてどうでもいいお話。元々火憐ちゃんに合わせて「正義そのものだよ、お兄ちゃん」とか言ってた割には、思いの外軽い。いや、確かにこれまでの月火ちゃんの性格を見て「別にそこまで正義の味方ごっこにこだわるようには見えないんだけどなぁ」と思っていたので、今回の本音トークは割と納得出来る部類だったんだけどさ。どちらかというと驚きだったのはファイヤーシスターズが2人とも彼氏持ちだったことかもしれない。

 妹を裸に向いて恥辱を与えるといういつも通りの阿良々木さんプレイを経て、続いて忍と一緒にミスドへゴー。きらきらと少女のように目を輝かせる忍は非常に可愛らしいのと同時に「安い女やな」という気がするが、可愛いは正義だから万事OK。しかし、萌えキャラレベルで言ったらそんな無垢な様子の忍より、あんなご面相でも平気で一人ミスドをたしなむ貝木さんの方が上な気もする。登場シーンは笑ってしまった。あのテイストをぴくりとも動かさずにドーナツをエンジョイ出来る貝木さん格好いい。「二度と顔も見たくない」とか言ってる割にドーナツ食べたくて町中に残っちゃったんだと思うと好感度大幅アップ。基本的にこの作品って阿良々木さんたちの方のモチベーションも大して共感出来ないものが多いので、案外貝木が一番まともな人間として見やすいのかもしれません。でも、これで最後の出番かなー。

 違う、今回の敵は貝木じゃないんだ。「この世界って陰陽師とか怪異関係の仕事してる人間多すぎね?」と思っちゃう京都弁おねーさん影縫と、その従僕らしい斧乃木。このコンビが、本作では珍しい「まっとうな武力というか、バトル力で正面から挑んできた」敵キャラである。「クラスで言ったら忍野とも肩を並べられそう」、「忍が虚勢を張っても大して動じない」などから考えるに、今までの怪異とは桁違いの敵キャラ。シリーズの幕引きにふさわしい強敵。でも……なんか西尾維新にしては普通やな。ここからもう一ひねりあるのかしら。ま、実際に「バトル的な力」っつってもいまいち分からん部分ではあるのだが、今回はその顔見せとして、斧乃木の方は突然の大破壊スペルを、影縫の方は突然のことで暴走状態になった阿良々木さんをいともたやすく抑える膂力を見せることで表している。突然月火ちゃんを殺された阿良々木さんが猛るカットは、その衝撃も込みでなかなかの迫力に仕上がっていた。残されたのが上半身裸のあられもない姿、というのもなかなかポイント高い。「そういう方向で『偽物』なのか」というのも、阿漕ながらも面白いポイントだろうか。

 何にせよ、今までこの作品ではあまり見られなかった展開なので、今までのあれやこれやを忘れて素直に盛り上がれる展開に期待したいもんである。

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 まったく小学生は最高な第9話。あれ? 今回のお話で大事なのってそこだっけ? まぁいいや、どうせ別に大切なポイントなんて無いんだろうしな。

 前回は歯磨きするだけの30分というなら、今回は肩車して小学生にセクハラする30分。そう考えると内容はちょっと増えたかな。心底どうでもいい内容だけどな。本当に怒ってもいいような内容だと思うよ、この作品。いやぁ、俺は怒らないけどさ。

 サブタイトルは完全無視で一切月火ちゃんは出てこないというのに、今回は阿良々木さんが唾つけてるヒロイン陣ががっつり登場。まずは火憐ちゃんとの絡みだが、その兼ね合いで相変わらずの痴女っぷりを発揮する神原さんが登場。出来ることなら神原が火憐ちゃんの処女を奪うシーンは克明に観察したいところではあるのだが、どうやらそういう話にはならないようだ。残念。そして、放送時間の半分は妹に肩車されているという謎の兄を描くシーン。新キャラ登場の大事な1シーンであるはずが、そっちの記憶があんまり残らないっていうのは駄目な気がする。作中でヒロインが髪を切るなんて大イベントがまさかのきっかけで解決されてしまうのもどうかと思う。もう、同じくらいの温度で阿良々木さんの大切なものもちょん切ってしまった方が今後のお話がすっきりしたかもしれないな。

 そう、新キャラですよ。1人目の新キャラはうりょ子扮するきつめの関西弁。相変わらず西尾維新臭さが充満する酷いキャラではあるが、今作は本当に映像が綺麗なので、渡辺画らしい良さが出てるなかなか綺麗なデザイン。まとっている空気感がどこか貝木と被ってる気がするんだけど、実際は多分違うんでしょうね。うりょ子のドスのきかせ方が活きるキャラになると良いなぁ。でも、現状では羽川さんにすら食われ気味だなぁ。阿良々木さんはいくら何でも羽川さんと電話するとき楽しそう過ぎる。電話している間は片方の声が一切聞こえない状態になってるのは1期の時の演出の引き継ぎかね。

 火憐ちゃんの処理が終わると、続いて我らが八九時が登場。このシリーズになってから既に3回目になる偶然の出会いだが、八九時は本当に当てもなく町をさまよっているだけなんだろうかね。そんなんだから阿良々木さんみたいな変態の被害に遭うんだよ。そして、変態被害を与えるためとはいえ、恐ろしい台詞量の独白を一気に片付ける阿良々木さん(の中の人)のスタミナが恐ろしい。要約すると「小学生がいるなら揉んだり臭いをかいだりするしかない」というだけなのだが、果たして原稿用紙何枚分くらいの台詞量だったんだろう。これだから神谷兄ぃに任せるしかない仕事なんだよな。あとはまぁ、八九時の愛らしさをめいっぱい堪能するだけの簡単なお仕事ですよ。

 違う、だから新キャラなんだって。でもなぁ、こっちのはやみんキャラは本当に痛々しいまでに駄目なキャラだしなぁ。どういう気持ちで見守ればいいのかもよくわからねぇよ。もう、考えたら負けのレベルだよ。いや、やってることのレベルは他のキャラと大差ないっちゃぁそうかもしれないんだけどさ。この新キャラ2人が今後シナリオで絡んでくるわけでしょ? 正直、面倒くさい……頑張れファイヤーシスターズ! オープニング聞けるだけで幸せさ!

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 エローーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!! 第8話。駄目だこのアニメ、駄目だこのスタッフ、駄目だこの国! もう、今シリーズはこれがやりたかっただけなんだろ! そうなんだろ! そうなんだろ? 操縦不可能なんだろ? 野放しだろ?

 というわけで、ある意味最も濃密でありながら、ある意味最も中身のないとんでもない回になりました。せっかく前回でエピソードが一段落してサブタイトルが変わったというのに、せっかく阿良々木さんが「最後のエピソードである」なんて意味深なモノローグを入れてくれたというのに、肝心の月火ちゃんはほとんど登場せず、エンドレスで火憐ちゃんの方ばかりがピックアップされるという仕打ち。しかもやってることといえば破廉恥行為と破廉恥発言ばかり。なんだこのアニメ。もうBPOが出撃しても仕方ないと思うぞ!

 しかし、この作品が始まってからというもの、オウムのように「中身が無い」「シナリオが薄い」と繰り返している。実際に中身の薄さはどれだけ演出で彩ろうともごまかせない部分だろうし、「尺稼ぎ」と言われても仕方ない部分は多いだろう。そして、今回はその「薄さ」でいうなら最たるものである。しかし、ここまで志がはっきりすると、もう文句も言えなくなってしまう。世にアニメと呼ばれるもの多々あれど、有言実行で5分以上も延々歯磨きを続けるアニメがかつて存在していただろうか。妹と乳繰りあうだけで30分終わってしまうアニメが、かつてあっただろうか。そしてこのアニメは、「日常系」ではないのだ。「刺激的な歯磨き」をお届けしなければならないのだ。お届けしちゃったのだ。「これがやりたかったんだ」と言われたら、どれだけシナリオが進まなくとも、文句のいいようがないではないか。世界初の「歯磨きアニメ」として、前人未踏の地を開拓した今回のエピソードは、誰がなんと言おうと、忘れることのない1話になるだろう。

 演出についてはいつもの通りと言ってしまえばそれまでだが、信じられないくらいに官能的にえがかれた歯磨きシーンがやはり白眉。これはもう、阿良々木さんじゃなくても悶々とせずにいられない。下手なエロアニメよりよっぽどエロい。これってひょっとして革命的な発見なんじゃなかろうか。人体で最もエロい部位は、乳首なんかじゃなくて「歯」だったという。チャレンジしすぎだろう。いや、口内描写メインのエロ漫画なんかは割とあったりするんだけどさ。懇切丁寧に「エロさ」の説明をされてしまうと、これはこれでこっぱずかしい。そして、解説している阿良々木さんも恥ずかしかろうが、やっぱり火憐ちゃんの方が恥ずかしいに決まっている。というか、中の人の恥ずかしさがミラクルスマッシュである。「あえぎ声のような」じゃねぇよ、あえぎ声だよ。キタエリの迷い無きあえぎ声だよ。口開きっぱなしだから若干トロ顔風だよ。すみません、どなたかこの回のアフレコ現場を撮影した映像とか持ってないでしょうか。200万までなら出します(持ってないけど)。

 いかん、冷静になれ。今回から主役は火憐ちゃんではなくて月火ちゃんの方だ。オープニングだって新作に切り替わり、冒頭の「はぁどっこい!」で全部持って行かれた。ゆかち、最近少しずつ歌唱スキルも鍛えているし、今回の歌はなかなか雰囲気もマッチしていて素敵だ。本当にこのシリーズのオープニング楽曲にはハズレが無いなあ。まぁ、今回の話を見てもまだ月火ちゃんのキャラクターが掴みきれてなかったりするんだけど……まだ話数は残ってるんだし、そのうち見えてくる部分もあるんでしょう。今回見せてくれた軽快なディズニー走りも楽しかったけどね。

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 ビジョンに映ってたのはモモレンジャーとオーレッド、第7話。いや、正確には「何となくそれっぽい戦隊ヒーロー」だったと思うんだけど、モモレンジャーだけやたらまんまで、顔に☆の時点でオーレッドしかいないっていう。まぁ、すごくすごくどうでもいいことですね。

 かれんビー完結編。Aパートは、再び対峙した兄妹の身体と身体のぶつかり合い。互いに負けるはずがないと叫ぶ兄と妹が、無駄過ぎるアクション動画でスペクタクルアクションを繰り広げるという。いや、確かにすごそうに見えるんだけど、実際はいわゆる「超作画」でも何でもない、シャフトらしい「抜いた」動画である(それでも普段を考えるとかなりがんばってる出来だけど)。火憐ちゃんのすさまじい攻撃の数々も「動き」としての意味はほとんど無く、あくまで毎度毎度のイメージ映像と同じ程度の意味しかない。わざわざ忍登場シーンだけ「イメージ映像」なんて断り書きがついているのは、非常にレベルの高い自虐ネタである。

 強いて意味を見いだすならば、2人の会話に何度も飛び出した「強さ」という尺度において、火憐がどのようなものをもっているか、ということを表示する作用があったととらえるべきなのかもしれない。カポエラじみたアクションからのフランケンシュタイナーやら、おまえの通っている道場はいったい何なんだ、という突っ込み待ちの丁々発止のやりとりは、こけおどしとしても充分機能してはいたけどね。そして、最も大事な要素としては、これだけの大激戦を繰り広げたにも関わらず、阿良々木さんは一切火憐ちゃんに手を出していないのである。彼が「語り」以外で積極的に働きかけたアクションは、最後に火憐ちゃんを抱きしめた部分だけである。お兄ちゃんも大変だ。

 Bパートは、いよいよ相対した貝木と、ガハラさん・阿良々木さん連合の対決。このお話のクライマックスパートと言ってもおかしくない場面なのだが、一切盛り上がることなく、淡々と会話を進めるだけで全てが片付いてしまうという恐ろしい展開。およそアニメとして、エンターテインメントとして成立していない終劇である。「巨悪」として描かれてきた貝木が単に町を去る、というだけでは何の解決にもならないし、ガハラさんや火憐ちゃんの過去を考えた時にそれでいいんかい、という不満もボコボコ出てくるであろう。

 そして、この作品の阿漕なところは、「それでいいだろ」という主張を、非常に直接的な形で作中の人物たちに「いいわけ」させてしまい、何となく成立したことになっちゃう部分だ。ガハラさんの「だまされるやつが悪い」という「史上最も悪い」発言に始まり、「火憐ちゃんも自業自得」や「過去は過去、それ以上ではない」といった発言から、「未来の解決がうやむやでも、このエピソードの満たすべき条件はすべてクリアした」と言い切ってしまっているのだ。ずるいし、ひどいと思うが、この作品の場合、「それでいい」のである。そこに文句をつけてしまうと、作品すべてが本当に無駄しかなくなる。これを認めるか、作品自体を無かったことにするか。無体なオールオアナッシングを迫られては、「じゃぁ、しょうがない」と言うほかないじゃない。

 一応、西尾維新らしいくどくて冗長な言い回しなどに潜ませて、それなりに構成に工夫は凝らされており、たとえば最後に交わされたガハラさんと貝木の問答が、結局一切お互いに「交渉」の要素を含まない一方通行のかぶせあいであるところや、序盤の火憐ちゃんと阿良々木さんの言い合いが、かつての貝木と火憐ちゃんの争いの写し鏡になっている点なんかは、やっぱりそつがない。最後の最後をガハラさんの最大級のデレで締めてすべてを吹き飛ばすあたりもずるっこい。あんなこと言われちゃ、それまでのだらだら展開なんか吹き飛んでしまうやないか。やっぱガハラさんメインヒロインだなー。

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