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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 リア充どものホムパの様子を延々見せつけられるだけの回、第17話。まさかこんな残酷な所業があろうとは思わなんだ……ちくしょう、アニメの世界も緊急事態宣言とか食らえばいいのに。

 とまぁ、私のような人間には絶対に縁のないお話。類友なのか、私の周りの人間も「なんで勤務時間外まで職場の人間と一緒にいなきゃいけないんだ」ってんで飲み会断固反対な人間しかいないし、とことんこういう文化の埒外にいる。いや、でもほら、これってフィクションの世界だし……きっと、こうして楽しい交流が出来る関係性ってのはアニメの中だけの世界なのだろう。現実世界で、人は皆孤独だ。起きて半畳寝て一畳、咳をしてもひとり。屁をひっておかしくもなし独り者。

 というわけで、非現実の世界くらいは楽しくいきましょうよ。「たまの休みが揃った!」ってんでくくると風花が何をするかと思えば、なんと自宅に職場の人間を招いての交流会。「早番遅番があってなかなか休みが揃わない」というのを逆利用し、それぞれの部署の関係者たちを次々と招き入れるという荒技を見せる。普通だったらなかなか思い切って出来そうもない企画だが、たまたまくくると風花の家がアパートの隣同士なもんだから、2部屋を繋いで色々と企画も出来ちゃったっていう。あれ、これは割と羨ましいな。俺もそういう部屋の間取りがあったら大ボドゲ大会とかを催してみたい。片方の部屋でクイズ大会、片方の部屋でマダミスみたいな企画がやってみたい。人は孤独には生きられない。

 「それでいいんか」と思ったのはうどんちゃんの立ち位置で、「仕事が休みだから」って言ってんのに休日にも駆り出されて厨房に立たされてるのはかわいそうなんじゃないかと思ったが、結局本人が根っからの料理好きだから休日もこれでいいのね。そうして給仕側に徹してくれる人間がいると身内でのパーティも回しやすくなる。さらに風花は元アイドルという業界関係者のスキルを活かしてオリジナルプランが立てられるという強みもあり、訪れる面々も単なる付き合い以上の楽しみを見出している様子。こういう集まりでちゃんと意義を見出してそれぞれに楽しめる関係性は良いよなぁ。ことに今回は南風原さんの様変わりを描くというのが一番大きな目的で、母子でくくるたちと交流することで、ようやく本当の意味での「同僚」になれた感じがある。そして今作では初となるナマ乳のご披露でもある。まさかのサービスカットが一児の母とは……。いや、でもよくみたら結構でかい……。くくるさん、次のアロママッサージの際はもうちょい照明明るめでお願いします。

 本当にギスギス要素が1つもなく、「良い職場になっちゃった」というハレだけのお話。このまま「明るくアットホームな職場です!」だけだとどう考えても2クール保たないので次の鬱々はどこかで出てくると思うのだが、なんとか今回の笑顔が嘘にだけはなりませんように。

 

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 「子育て体験する」と言われただけで即座に頬を赤らめた風花さんの脳内……第16話。いったい何を想像したっていうんですか。破廉恥な元アイドルめ。

 「その設定は反則だろ」という禁止カードを思い切り出してきた感がある南風原。過去にどんな軋轢があったとて、「母の強さだから」と言われてしまったら、もうみんな引っ込むしかないやないか。子育て女性の労働環境に関する問題、そんな簡単に解決する問題じゃなくて、労働者側も雇用側ももっともな言い分があるから迂闊に触ると火傷するんよ……今回のお話の場合は、幸いにしてティンガーラが超絶ホワイト企業だったおかげで角が立たなかったけども……これ、今の日本だったら南風原がもう一回同じような仕打ちにあっても全然不思議じゃないからね。そして、その場合に今度は「子供のこと隠してたお前が悪いやんけ」と言われてしまうという……うーむ、厄介だ。

 かくいう私は多分にマザコンの気があるので(日本人男性の大半はそうだと疑っていないが)、今まで「幾ら何でも強く当たりすぎじゃない?」と思っていた南風原について、「実は必死に子育てと両立させていたシングルマザーでした」と言われたら、そりゃ目にも留まらぬ速さで手のひらを高速回転させて擁護に回りますよ。そりゃしゃーないやん。彼女のツンケンしたあの態度も過去の痛手から学んだ過剰な防衛反応だったと言われれば納得するしかないし、その上で「やっぱ水族館好きだから」と言われたら作品のテーマ的にも悪いところは1つもない。そして、そうなると相対的にくくるの方が黒めに見えてきちゃうのも致し方ないところで……今回もろくに他人の事情も考えずにいきなり他の部署に乗り込んできて言いたい放題言ってたのは流石に印象悪いもんな。そのあとの「理解するための努力」についても、南風原さん側からしたら「知らんがな」っていう話だし。まぁ、いきなり初対面の赤子を預けられたら絶対に詰むんだけどな……あれは無理やって。ほんまに。私は基本的に「男と女のどっちの仕事が大変か」みたいな議論には口は出さないが(そもそも男の仕事もろくにしてない身だし)、育児に関しては別次元だと思うとる。あれはマジで尋常な神経で乗り越えられるタスクじゃないわ。妹夫婦の激闘を目の当たりにして以来、世の子育てパーソンは全員尊敬します。頑張れ南風原。

 まぁ、幸いにして風花あたりの緩衝材もうまく働き、くくると南風原もある程度は関係改善。これを契機にがまがまアレルギーも解消してくれれば良いのだけどね。今回の騒動でちゃんと折れてくれるあたり、南風原さんも結局いい人だよなぁ。悪いやつが1人もいない良い世界。悪いのはくくるの要領ばかりである。

 ところで、空也は女性ばかりの飼育部にヘルプで入って仕事できたんだろうか……。

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 Salt coffee? 第15話 塩コーヒーってのがあるという話は聞いたことがあるが……缶コーヒーで売ってる?

 真っ当にお仕事するサラリーマンの姿を、真っ当にお仕事してる様子で描くアニメ。2期に入ってがっつり「お仕事アニメ」になったので、これで実際に企業で働いている視聴者は現実社会のあれやこれを思い出してキツそうだよな。理不尽なスケジュールとか、部署間の板ばさみとか、「お客が第一!」の精神とか。どれもこれもおかしな話ではなくて割と現実的なラインなもんだから、「ありえへんやろ!」みたいな文句で逃げ道を作ることも出来ないのである。

 でもまぁ、今回は割とくくるも楽しそうに仕事をしているシーンが増えてきて、ようやくティンガーラでの生活も歯車が回り始めたかな、という印象。2クール目に入ってからの「くくるの新米水族館員奮闘記」を見ていると、ちゃんとスタッフの大変さとか水族館の魅力も感じられるようになってて、「そんなん言われたら、ちょっと近所の水族館行ってみるかね」と思えるようになっている。今回も色とりどりのウミウシはもちろんのこと、ちょっと間に挟まったハリセンボンなんかもいい味わいを見せてるんですよ。「お仕事アニメ」としてはいい流れができているんじゃなかろうか。

 転じて人間ドラマとしてはどうかというと、こちらはやはり「がまがま派閥」が未だに壁の向こうにいる感じがなかなかもどかしい。まぁ、南風原さんが執拗に区別しようとしてるのはここにくるとちょっと鼻につくようにもなっているが、それでもやっぱり、例えばくくるが悩んでる時に真っ先にカイのところに飛んでいったり、話を通す時にも海やん最優先だったり、くくるの行動パターンがまだがまがまから完全に外には出てないというのも事実である。今回ついに島袋さんという牙城の一角を切り崩して突破口がひらけたので、ここから一気に「ティンガーラ職員」へと食い込んで行きたいところだ。未だに副館長の性根が見えてこないところが気がかりだが……だんだん「プランクトン!」へのお返事もよくなってきてるし、今回はなんだかんだで企画を1つ通してもらっている。結局みんな「水族館を愛するいい人たち」ではありそうなので、このまま少しずつ胃痛と残業が減る展開にはなってくれそうである。空也の野郎は悩みが増えたけども……まぁ、そもそもその病的な性質は直さないと社会生活が送りづらいだろ……。

 そしてカイは単純に「がまがま勢の中では一番スペックが低い」という理由で株を落としていたのが辛いところだが、「好きなものはなんだ」という問いに対して火の玉ストレートで答えを見つけてこの場はしのぎ切った模様。その趣味だけだと、生き物大好きの水族館員の中ではむしろ孤立する危険性があるぞ……。いっそタツノオトシゴと同じ形での求愛行動を……したら捕まるんだよなぁ。

 

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 和菓子屋なのかペンギン屋なのか……第14話。いや、ペンギン屋ってなんやねん。

 風花の参戦により、全ての歯車がうまい具合にはまって回り出した。まだまだくくる周りは風当たりの強い部分もあるが、それでも少しずつ仕事の意義を見出して前に進めるようになっているのだから大きなプラス。今作の重要なポイントとして、基本的に悪人がいないっていうのはやっぱり大きな要素だろう。一応、現状では南風原が一番「敵役」ポジションではあるのだが、彼女の場合も「水族館の仕事は尊いものだし、楽しいと思ってるよ」という根っこの部分がくくるとは共通している。ティンガーラにも、水族館を憎んでいたり、拝金主義で生き物のことを何も考えてなかったりなんて奴はいないのである。まぁ、いまだに「がまがま派閥」という部分を警戒する向きはあるが……そこはしょうがないね。どっちかっていうと身内意識の強いがまがまサイドが態度を改めるべき部分だとは思うし。

 そして風花が増えたから単に人数が増えたというだけではない。しばらく会わなかった間に、風花はしっかり1人で努力して水族館のスタッフとして強くなっていた。下手したらぼんやりとコネ入社して文句たらたらだったくくるなんかよりも何倍適性があるのかも。まぁ、もともと彼女はアイドル業でしばらく身を立てていた人間。社会人としての素養の強さはあるし、自分の目指すもののために努力できる芯の強さ持ち合わせていたのだ。それが「くくると一緒に働きたい」という明確な動機を持ち、あの時終わった「アイドルの夢」の次のステップを刻むために、誰よりも頑張ったということなのだろう。潜水士の資格が役にたつかどうかは分からないが……もしかしたら水槽内での業務とかに携わることができるようになるんでしょうかね。もう、マジでくくるより有能。ペンギンテストを一発クリアできるくらいのやる気と才気に満ちており、多分南風原さんも「この新人、使えるッ」って考えを改めてくれたんじゃなかろうか。くくるが最初に配属先で壁にぶち当たったのと対照的に、風花の場合は配属先に東山奈央ボイスの先輩がいるんだもんな。恵まれてはいるけどな。

 そして、今作の一番嬉しいところは、こうして丁寧にペンギンの姿を描いてくれることである。多分、史上もっともリアルペンギンを丹念に描いたアニメなんじゃなかろうか。可愛いよねぇ。そりゃ和菓子で統一した名前もつけたくなるねぇ。……覚えようとした時にややこしすぎるのはどう考えてもトラップじゃねぇかな。

 ファーストペンギンとセカンドペンギンが重なり合い、ようやく泳ぎ出せたティンガーラでの一幕。ここで2人がルームシェアとかせずに「お隣さん」なのがまた心憎い。この距離感は……なんかこう……イイネ!

 

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 後半戦スタート、第13話。前回「激闘!ティンガーラ篇」がスタートすると告知したが(?)、あながち間違いでもなかった。

 あれから時が過ぎ、無事にくくるはティンガーラに入社し、面倒を省くために残りの面子も大体ティンガーラにいた。高校生コンビは一緒に新規で採用されてるからいいとして、夏凛ちゃんが有言実行で転職してたのはちょっとびっくりした。地方公務員からの転職、結構ハードルが高そうなんだけどスペックが高いんでしょうかね。とりあえず、これでもともと働いてたのが空也・うみやん・夏凛ちゃんの3名、そこにくくるとカイが入ってきた形で、がまがま「派閥」は5名とそれなりの数になった。そりゃま、どこかしら風当たりが強くなってしまうのもしょうがないかもしれない。身内根性を別なフィールドに持ち込むと疎まれるってのはよくある話だからね。

 とはいえ、やはりガラリと新天地に切り替わったのは間違いない事実である。こういうアニメで、高校生と社会人をまたいで描かれる物語ってのはかなり珍しい気がする。「SHIROBAKO」も一応またがる部分はあったけどあれは社会人になった後からのスタートだったし、2クールの構造を利用して高校時代を「前振り」としてダイナミックに活用している構成はなかなか興味深い。

 そうしてくくるの過去を知っているからこそ、この「新しい環境が始まった時のどうしようもない疲労感」みたいなものが嫌という程ににじみ出るわけで……ほんと、私のような人間嫌いは春のシーズンというのがほんとのほんとに鬱陶しいんですよね。今までなかった刺激に慣れなきゃいけないし、「いつも通り」で過ごすことができない余計な要素が一気に増える。それは例えばバイト初日とかもそうだし、職場が変わるなんてことになったらストレスは想像を絶する。4月5月くらいの間は、ただ無心に就業時間を乗り越え、休日がくるのを待つばかりである。くくるは「まさかの営業!」というので必要以上に心労がデカくなっているが、まぁ、結局あのいじわるねーさん(知夢)や副館長のいうとおり、「前に仕事してたとかいう無駄な記憶は一切捨てろ、ここはティンガーラなのだ」っていうのが真理であり、どこの部署に配属されたとて覚えることや気を使うことの数はそんなに変わらないはず。しばらくすれば嫌でも職場には慣れていく。人間なんてそんなもんである。

 新しくできたばかりの施設ということで既存の社員たちも新人教育にまで手が回らず、そのとばっちりで必要以上の気苦労を重ねているくくる。でもまぁ、勝手な視聴者目線では、少なくとも艦長代理時代よりも才能を活かせそうな気はしている。くくるは考えが足りないところがあるので責任者ポジションだと荷が重すぎるのだが、形はどうあれ新人であればトライアル&エラーが許されるポジションだ。持ち前の負けん気の強さを発揮してのし上がる気概を見せるチャンスがそのうちやってくるはずだ。副館長は散々ひでーことを言う奴ではあるが、館長の信頼を考えれば、「いうほど悪い奴でもない」可能性が高い。まずは彼との連携を取り、信頼を勝ち取るところからだろうね。

 そして、たっぷりとストレスを溜めたくくるのところにやってくるのは、救世主・風花。堂々たる登場シーンはまさに救いの女神である。「姉」との再会に、くくるの巻き返しなるかどうか。そして、風花はどこで何をする気なんだろうか。

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 いい最終回だったぁ……第12話。まぁ、終わらないみたいなんですが。ギリギリまで分かってなかったんだけど2クール作品なのね。1クール目の締めがこのデザインってのはちょっと斬新かも。ちなみに、関西は一番放送が遅いせいで、これ書いてる段階で既に最速では13話が放送されているみたいですが、ネタバレは見たくないのでそっとしておいてくださいね。

 というわけでがまがまの閉館。一応くくるの心情は前回処理できたので、あとは粛々と最後の時を迎えるだけである。考えてみりゃ「水族館の閉館」ってそうそう見ないシチュエーションだし、どれだけ小さな施設だと言っても結構劇的な幕引きにはなるよね。1羽ずつケージに入れられて輸送されていくペンギンたちがちょっと可愛い。「ほとんどの生き物はティンガーラに行く」とのことだが、そのティンガーラはくくるがバイクでひと駆けして行ける距離にあったわけで、少なくとも同じ島(沖縄本島なんでしょうかね)にある大規模新興施設なのは間違いない。冷静に考えてみりゃ、施設の老朽化がなかったとしてもがまがまは新しい水族館に客を取られてそのうちに閉館する流れだったんじゃなかろうか。おじいは多分そこまで分かった上で速やかに閉館の判断してるよね。水族館業界の関係者たちの間でその辺の話し合いは全部片がついてるだろうし。そもそも、がまがまからそれなりの量の生き物を引き受ける前提でティンガーラが開館するのだとしたら、それって受け入れ前提でのオープン準備のはずなので、もし万一くくるが奇跡を起こしてがまがまの閉館が伸びてたりしたら、それはそれで困った事態になったんじゃなかろうか。そう考えると、やっぱりくくるの籠城作戦は本当に子供っぽい判断だったのだなぁ。

 でもまぁ、おじいはそれも含めての人生経験として孫に学ばせてくれたのだろう。詩の朗読まで含めたおじいの最終演説、とても良いものでしたね。さすが伝説の名を持つ人間は器が違う。くくるはその辺りの人間関係で自分が恵まれているってことをもう少し認識した方がいいな。ティンガーラに就職した後にも、その辺りのことは羨ましがられたり、やっかまれたりするかもしれないしね。あの当たりのキツいおねーさんとの再会も遠くないんだろうな。

 そしてもう1つ、くくるが抱えていた謎の母子手帳の真実は意外とあっさり解決された。おばあは「くくるが事実を受け止められるくらい大きくなるまで」と思って「成人したら」という取り決めにしていたのだろうが、偶然風花から聞いた「お姉さん」発言や、くくるが見たキジムナーの幻のことを踏まえて、もうここでカミングアウトしても大丈夫だと判断したのだろう。まぁ、知ったからって何か劇的に変わるような事実でもないしね。視聴者目線では「だいぶ引っ張った上で大した事実じゃねぇなぁ」という気もするのだが、くくるからしたらそれなりにショッキングではある。自分が失った家族が2人じゃなくて3人だってことなのだから。

 そうしてくくるにまた1つ大きな「欠け」が出来てしまったところに、すぽっと収まるのが風花ということになる。彼女が飛行機をほっぽり出した時には「沖縄に骨埋める気か?!」とびっくりしたが、単に飛行機1本遅らせただけだった。でもまぁ、あそこでくくるにフェイントをかけて「風花もいなくなってしまった」と思わせることで本心を引きずり出すことにつながったと考えれば、ギリギリでのキャンセル作戦もそれなりに効果的だったのではなかろうか。果たして風花の方が「姉」と言えるほどに立派な存在かはまだ分からないが、今回の告白で、二人が互いに掛け替えのない存在となったことは確認できただろう。ひとまずは岩手に旅立った風花だが、戻ってくるのはそう遠くない未来なのではなかろうか。閉館が済みガランとしたがまがまのショップの壁に、最後に残されていたのがファーストペンギンだったのがなんだか印象的。ラスト・ファーストペンギン。2人にとって、お互いが最初で、最後なの。

 次回から、「激闘!ティンガーラ篇」がスタートします。いや、知らんけど。

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 台風先生の熱血指導、第11話。物分かりの悪い子には鉄拳制裁。でも周りの大人たちは優しいので直接くくるを殴って止めたりはしない。その役割は、沖縄を訪れる最大の天変地異、台風が受け持った。

 まぁ、くくる浄化の流れとしてはこれくらいの荒療治が必要だったんだよなぁ。本当にここまで短慮に短慮を重ねた「ダメな子供」になってしまっていたくくる。どうあがいても窮地を脱することができないと判断し、最後にとった手段はいよいよ籠城である。これまでどれだけおじいに訴えても暖簾に腕押しだったので、強すぎるくらいのメッセージを叩きつけないと意味がないという判断で過激な行動に出たのだろう。ただ、冷静に考えてそれがダメなことくらいはくくるも分かったはずなのだ。自分が「帰る場所」としてのがまがまを残し、そこにお客を入れ続けることを望むのなら、籠城して全ての出入り口を封鎖するなんてもってのほか。生き物の世話は自分1人でできるとはいえ、その封鎖になんの意味もないことは、冷静に考えれば分かったことなのだ。そして、多分分かっているのだ。それでも動かなきゃいけなかったのがくくるの苦しみ。一応今回彼女の抱えていた辛さが一気に吐露されており、そこに同情の余地はあるな、という気にさせてくれた。一度に両親を失って「家」がなくなってしまったくくる。おじいとおばあが悪いわけではないが、やはり「違う家」に帰らなきゃいけないというのは子供心には辛いことだったのだろう。なんとかここまで積み上げて出来た新しい「家」を失うことへの過度の恐怖は、確かに理解できるものである。

 しかし、残念ながらそれは子供の浅知恵であるのも事実。風花は「帰る場所がなくなるわけじゃない、まだこれから続いていくのだ」と真理を説いている。もちろん、おじいをはじめとする周りの人間もそれを理解している。誰1人として、がまがまの閉館を望んでいた人間などいない。しかし変化することは避けられず、風化することもどうしようもない。がまがまが限界だったのは間違いないのない事実であり、その「次」を考えることこそが、生きるということだったのである。台風の荒療治は、文字通りに「痛いほどに」その事実をくくるに突きつけてくれた。

 まぁ、あの雨漏りの様子とか、図ったように全壊を始めるがまがまさんも空気を読みすぎな気もするのだが……台風の規模が相当デカかったんやろな。むしろ、なんでそこまでの老朽化が進んでいたのにくくるはそのことを認識してなかったのか、っていう方が問題なんだけども。認識した上で「古くなったものは直せばいいじゃない」ということなんだろうけど、あれだけ財務と首っ引きで資料をみてて、その辺の経営難のことは分かっていたはずなんだけどねぇ。見たくない事実を、見てなかったのだろうなぁ。

 「これがなくなったら人生が終わってしまう」というくくるの悲しみは、まだまだ子供で、人生経験が浅いからこそ出てきてしまう思い込み。次の一歩があることを、風花はきちんと言葉で伝えてくれた。おじいたちは、おそらく「身を以てそこまで考え、至れ」という教育方針だったのだろうな。ここまで来て、全ておじい・おばあのコントロール下でゴールインしてるしな。くくるには辛かろうが、なんとかこの事実を受け止めて欲しいものである。

 ところで……来週からどうなるんだろう。あれ、1クールでは終わらんのか?

 

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 スピリット・クリーチャーみてぇなサブタイトル、第10話。実際、内容も随分スピリチュアルなお話でしたが。

 まさか、本当にキジムナーの幻を商売道具にする計画を立てるとは思わなかったわ。流石に不確定要素が多過ぎるし無理なのは分かりきったことだし、だいたいそういう神聖なものを金儲けの道具に利用しようとすると手痛いしっぺ返しを食らうというのが日本人の中ではお約束になっているパターン。くくるがそんな暴挙に出てしまい「おいおい、まずいんじゃねぇの」とは思ったが、当然のように周りの人間はだいたい止めてくれたので事なきを得た。やっぱ基本的に今作はくくるが焦って暴走はするものの、周りのいい人たちがそれをカバーしてくれるのがありがたいのよな。一応、くくるの無茶を積極的に止めようとしなかった唯一の人間がカイだったのだが、彼も最後に「幻を見たのか?」という問いに首を振り、くくるに誤った道を選択させないようにしていた。カイは今回の行動でくくるへの愛情ポイントをアピールしながら株を上げた形かな。

 幻大作戦が無理だってのはくくる以外は全員分かっていたことなので、それが無くなった事自体はよかったのだが、それって結局スタート地点に戻ってきただけ。がまがまの立て直しプランには何一つプラスの要素は無い状態。おじいも着々と自分の仕事を進めているようだし、いよいよ夏休みの終わりというデッドラインが見えてきた。

 そして、そんなデッドラインの存在を強調する風花の進展。なるほど、アイドルにカムバックは無理かもしれないが、「芸能界にカムバック」はあり得ない話ではないということか……いや、でも事務所はほぼ勝手に出てきちゃった状態なのだよな……。一応正式に退所って形ではあるのだろうけど、アイドル側のわがまま(としかいえまい)で仕事を蹴り、そのまま逃げ出してしまった「元アイドル」を元事務所が拾ってやる理由も無いだろう。映画監督から直接の声がかかったとはいえ、事務所にも所属してない素人をいきなり使うわけにもいかないだろうし、もし復帰するなら改めて今後の人生を考えた上で、事務所に頭を下げに行く必要があるはず。果たして風花にそこまでの覚悟はあるのだろうか。

 そして後ろ髪を思い切り引きまくっているがまがまに残って欲しいといういろんなオーラ。くくるは風花がいなくなると聞いてすぐにヘソ曲げちゃったからなぁ……結局自分以外の人間でも「がまがまの存続より優先する事象がある」というのが耐えられないんだろう。そのあたりはどうにも子供だからしょうがない。カイが上手いことくくるをいなしながらコントロールできるようになればいいのだが……まだそんな甲斐性は無いよなぁ。

 

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 おじいすごくね? 第9話。いや、何がすごいって、ガキンチョどものTCGに入っていけるところが……だってさ、あの状況ってさ、あれだけの距離からさ、①子供の持っているカードのイラストだけでそのカードがレアであることが分かる。②そのレアが入手困難なカードであったことを知っている。③その子が今までそのレアを所持しておらず、今日のゲームで初めてデッキインしていたことが分かる。というとんでもない判断をしてるんだよ。いくら毎日来てるからって、そんな細かいデッキ構成やメタまで知ってるなんて……さすがは伝説の飼育員だ……。

 冗談はさておき、よその水族館からの「刺客」が送られてきたというお話で、今作にしては珍しく1話ですっきりと終わらずに次回以降に続く展開となった。まぁ、まだ建設中の水族館のようだし、直接対決になって「嫌がらせをしにきた刺客ががまがまでひどいことを!」みたいな展開にはならないわけだが、今までずっとがまがまの周りだけで展開していたお話に、ようやく別軸が交わった感がある。

 キーパーソンとして登場した「刺客」の名前は南風原(はえばる)知夢(ちゆ)。あんな性格なのに割と名前は可愛かった。でもまぁ、性格がキツいようには見えてたけど、彼女が文句を言ってた部分は一社会人としては当たり前のことなんだよね。会社の要請で研修にきたっつって、何一つ学ぶこともなく時間を浪費させられるのは嫌だっていう。同僚が別な施設で意義ある経験をしていると聞いたならなおさらである。彼女の目的意識は別に悪いものではない。

 それじゃ、今回クサクサした空気になってみんなが悪そうな顔してたのは誰の責任かというと、まぁ、くくるである。そもそもの発端はくくるが「敵対企業だ」と勝手にくってかかって研修中にろくに相手にしなかったことであり、それを見た南風原が「所詮高校生だし、こんなガキから学ぶことは1つもないな」という判断になるのはしょうがない。一応、くくるの方が「現場経験」という部分では上を行ってるんだから、研修中に何か「実地にいるからこそできること」をみせてやることが出来ていれば、南風原だって一応は納得したかもしれないのに、くくるが何も大したことをせず、ちくちくと嫌味ったらしくくってかかったからこそ応戦する側も喧嘩腰になったのだ。やはり、要所要所でくくるの見通しの甘さとか、考えの青臭さみたいなものは悪さとして目立ってしまう。まぁ、それこそ「高校生だし」なんだけど。

 一応南風原の方にも悪い点があるとするなら、それはおじいに付き添った時に「何も得られない」とさっさと切り捨てたことなのだろうが……でもさ、こういう時に「地元住民とのふれあいって大事だよね」とか、そういう人情論みたいな部分で学びを求めるのが無理って話だよね。「いや、今回の研修目的はそういうのじゃないんで」って考えは間違ってないのだし。結局、仮におじいが本当に「伝説の飼育員」だったとて、潰れかけの館内だけを見回したところでその真価を発揮する場所などなく、ついていっても得るものはゼロだったと考えるしかないのである。やっぱり南風原はがまがまでは研修の目的を果たせない。だったら、彼女のとった行動は最善なのである。

 まぁ、そうして「外敵」にこてんぱんにされたことで、くくるも何か思うところはあったらしい。これでもし「くくるかわいそう」みたいな展開になっていたら萎えてたところだが、おそらく次回以降にくくるが奮起して、自分なりの、そしてがまがまなりの良さを見つけていくことになるのだろう。

 しかし、そこにもう1つ気になる要素として、風花のところにまさかのアイドル後輩からの電話……普通に考えると、「先輩、やっぱ復帰せぇへん?」か、「私も辞めるから先輩一緒に仕事しよ」あたりだと思うのだが、風花の行く末もどうなるか気になるところだ。あとはカイの行く末は……もう、くくるの頭突きもらった時点で満足だよ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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