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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 従者っぽいポジションでツダケン出てきて「こんなとこになんで?」って思ってたら仕えてる相手が芳忠さんで笑った、第3話。なんか一気にキャストが吹き出した感があるな。子安に迎えられて麦さんと出会うとかさ、なんか色々濃いよ。

 キャストの話題から入ってみたものの、正直作品としてはまだまだとっちらかっていて先が見えない状態。前回の時点で「妖精がらみで取り締まりを行ってる警察のフリーと、反逆者として立ったロウ(細谷)が対立する話なんやろな」くらいに思ってたんだけど、今回はそんな細谷サイドの話がほとんど出て来ず、新たに峰不二子みたいな寿美菜子が現れた。この世界における妖精兵ってのはかなり貴重な存在だよ、みたいな話が出てきた直後に「予期せぬ妖精攻撃」を食らう展開で、なかなか焦点が絞りづらくなっている。

 見るべきポイントはとにかく美麗な世界設定と、そこに鋭く光るアクションの妙味という、いつも通りのP.A.WORKSではあるのだが、やはり描かれている実態が把握しにくいので身が入らないんだよな。ヒロインのノエルちゃんがフリーと一緒に事件解決に挑むバディものの側面は間違いなくあるはずなんだが、全然「コンビ」って感じではなくてフリーが勝手に動いてるように見えるのでノエルの影がすこぶる薄い(ワイングラスを抱えて飲んでしまう育ちの悪さはなかなか愛おしい)。その上でキャラがバシバシ出てくるので戸惑ってしまうのも致し方ないところだろう。まぁまだ序盤だから、と言えばそれまでなのだが、「まぁ、設定はまだ出揃ってないやろ」と思ってのんびり構えてたらそのまま一気に終わってしまった「天狼」という作品もあるのでなぁ。何か1つでも「これをみていたい」と思える要素が出てくれば良いのだが。

 そういう意味で候補になるのはやっぱり峰不二子っぽい子なんだろうけど、顔がバタ臭いのであんまり可愛くないのが……CVが美菜子なので、そのうち可愛い女の子が出てきたら手を出してくれないかと期待している(するな)。

 

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 全てが収まるべきところへ、最終話。あの絵本、欲しいんだけどどこかで販売とかしてくれないかなぁ。

 特にびっくりするようなこともなく、スンと綺麗に着地した印象の最終話。綺麗なお別れ、綺麗な成長、そして綺麗なこれから。もう、それ以上何もいうことはない。

 今作の凄まじいところは、時間跳躍という一大ビッグイベントを本当に「孫の成長」という目的で使い切ったところにある。おかげで時間を遡ることで世界を救おうなんて必死さはないし、時間差を利用したトリックもない。琥珀は自分が知っている過去の出来事を起こすために孫を過去に飛ばし、知っている通りの経験をして瞳美は帰ってきた。本当にそれだけで、極端な言い方をすれば「ちょっと病気を治すために遠方に療養に出した」くらいの感覚。そんなとんでもない魔法が、こんな小さな問題のために使われるのはどないやねん、と突っ込みたくなる部分はあるだろう。しかし、最終話の琥珀の様子を見れば、それも宜なるかなという気がしてくる。琥珀にとって、孫が大きな挫折を味わって苦しんでいるというのは世界規模の大問題なのである。あの青春の1ページを体験できれば、瞳美は再び色を取り戻し、まっすぐに歩いていける。そのことがわかっているなら、たとえ世界を犠牲にしたとしても、琥珀は瞳美を送り出すことにためらいはなかっただろう。それだけ尊い経験だと、琥珀自身も感じているのだから。

 最終話で興味深いのは、琥珀が「ここまで」なら何が起こるか全て理解していたという部分。最後の時間魔法は成功する。その前にちょっとしたトラブルがあり、そこで瞳美の色が戻る。そこまでは知っている。ただ、そうして戻ってきた瞳美が、帰宅後の第一声で何をいうのか、どんな感情を自分に向けるのか、そこから先は知らないのだ。いわば、このアニメが始まって13話目にして、ついに訪れた「琥珀が知らない世界」なのだ。そんなほんのわずかな緊迫感がありながらも、瞳美は琥珀の思いを全て受け止め、立派に成長を示してくれた。琥珀が60年抱えてきた義務感も、ついにここで報われたと言えるだろう。また、彼女自身、「未来の自分」から挑戦状を叩きつけられたことで魔法の鍛錬にも励んだのだろうし、瞳美の将来以上に、自分の未来を思う部分も強かったのかもしれない。どこが始まりなのかが分からなくなるのはお約束のタイムパラドクスだが、そうしてぐるぐる回る輪廻の中から、この時の琥珀はようやく抜け出せたのである。

 何とも不思議な世界、何とも奇妙な物語。それでも無事に時間はめぐり、新しい明日がやってくる。たまにはこういう家族のお話も、良いのではなかろうか。

 

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 最終回は来年までお預けか、第12話。まぁ、残す要素は唯翔との関係性とエピローグだけだし、ちょっとムズムズしながら待つしかないでしょうね。

 正直言えば、今回のお話もすでに「エピローグ」になっている感はある。残された不確定要素は「琥珀が時間魔法を成功させられるか」という部分だけなのだが、前にも書いた通りに「琥珀にとってハッピーエンドが確定している世界」なわけで、そこにあまり心配を持ち込む余地はない。つまり、事実上この物語は「後片付け」に入っているわけだ。そんな中で瞳美以外の人間の関係性はすでに収束しており、部長とあさぎについては、「すでに2人の間ではある程度の合意はできているけど、まだあさぎは正式にゴーサインを出さないよ」というところで留まった。この辺りの押し引きに遠慮というか思慮が見られるあたりがあさぎらしいところである。単細胞な恋愛ものだったら、部長がフラれたこのタイミングで一気にあさぎを走らせてしまいそうなところだが、それではあまりに「らしく」ないのだ。文化祭のイベント内で初めて自分の作った作品が認められたあさぎは、少しずつ後ろ向きだった性格を修正し、瞳美との関係性など、いろんな物事に対して前向きになろうとしていることがわかる。ここで最後の一押しとして部長に告白してしまう展開もゼロではなかろうが、やはりあさぎさんはもう一手待つことにしたようだ。彼女の「まだ」は、部長にもう少し自分のことを知ってもらう時間的な猶予を与えるためのもの。単に怖気付いて前進できなかった唯翔のステイとはわけが違う発展的なものだ。

 胡桃と千草の関係は最後までやっぱりこのまんま。まぁ、この2人に関しては今の距離感がベストってことなんだろうな。多分高校卒業後も、なんだかんだで千草が胡桃と同じ大学に入るように追いかけて(日頃からちょっかいをかけつつ)、いつの間にか距離が縮んで互いに離れられなくなるパターンになるんだろうなぁ。何の疑いも持たずに関係性がブレない状態、これはこれで羨ましくもありますな。

 そして、最後に残された唯翔の存在。瞳美はすでに気持ちが固まってて、彼女なりの最大の勇気を持って踏み出そうとしてるんだけど、やっぱりダメだった。それは彼女の「色」の問題が最後まで完全解決されなかったことにも表れていて、唯翔に手を握られたお化け屋敷は、「色」どころか「光」すら存在しない真っ暗闇。色彩というのも大きく区分すれば光の一部、「光彩」なわけで、先の見えない暗闇の中で、彼女は自分の目が色を映しているのかどうかを知るすべはない。彼女の「幸せ」を届ける色は、お化け屋敷の中で見えていたのかどうか。そして、離れ離れになることがわかっているからこそ一歩を踏み出さないことを選んでいる唯翔。その思慮深さは、優しさなのか、臆病さなのか。

 ラスト一回、年明けに明かされる「琥珀の目的」はどんなものか。今の瞳美の姿を見ればそれは容易に想像できるものだが、60年後のおばあちゃんが孫に何を語ってくれるのか、年またぎでステイである。

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 そんなクソ重い設定いきなり言われても……第11話。絵の中の世界にもほいほい入っていくような無敵の魔法エネルギーが蔓延している状態で、「時の間」とやらがどれだけ危険な存在なのかもよく分からんがな。

 ゴールに向かって強引の拍車をかけ始めた展開。まぁ、なんとかして瞳美を送り返す大義名分が必要になるわけで、これまで構築してきた様々な人間関係を放り出してまで元の時代に戻る動機としては「命が危ない!」というのが手っ取り早いとは思うのだが、もうちょい前の段階で確認できても良かった気がするのだが。一応、琥珀の対応を見るとなんとなく知識としてはしってたのかなぁ。

 まぁ、そうして急を要するトラブルが起こったこと自体はドラマの要請として矛盾があるわけでなし、そこまで大きな問題ではないのだが、最大の難点は、元々の問題が琥珀自身の手によって生み出されたものであるということだ。琥珀ばあちゃんスパルタすぎるやろ、という要素もあるが、視聴者目線で言えば、「まぁ、琥珀がわざわざ送り出してきたんだからバッドエンドになるわけないんだけどね」ということがわかりきった状態で見ていて、さらに、舞台設定を考えればこのことはキャラクターたちにも容易に想像できる部分なのである。タイムパラドクスやパラレルワールドの問題を考えないとするなら、六十年後の琥珀は間違いなく「孫のためになる」と思って瞳美を過去に送り出している。この時代に何があったかを全て知っている、「終わった後」の琥珀が。それなら、どこをどういじっても、彼女の望まぬ結果になるはずがないのである。まぁ、若い方の琥珀さんが精一杯努力をしてギリギリで条件を達成するというノルマは必要なのだろうが、それでも最終的には成功するはずなのである。それが分かっているなら、少なくともそんなに慌てるような深刻な事態ではないのだ。まぁ、一応最悪の事態として「実は六十年後の琥珀が瞳美を殺すつもりで送り込んでいた」っていう超絶バッドエンドなら万が一もあり得るのだが、この作品でそんな展開があるわけないしなぁ。

 「琥珀が良かれと思ってやったことである」という事実に覆しようがないので、緊迫の時間転移もそこまでの大問題に見えない。おかげで、残念ながら視聴者目線だと今ひとつ緊迫感に欠け、キャラクターの心情に寄り添いにくいのである。そして何より、やっぱり急な展開なので「もうちょっと上手いこと帰るための動機を作れなかったものか」と首を傾げてしまうことになる。まぁ、「自信がない」と言っている琥珀がわざわざ時間魔法を使うためには、これくらいの勢いで尻を叩く必要があったということなのか。

 そして、そんな一分一秒を争う深刻な事態の中、当の瞳美さんは何を考えているかというと、お別れしてしまうこの時代でやり残したことの処理である。唯翔との関係は、今や瞳美をこの世界に留めおくほどのパワーを持ってしまっている。それを強引に断ち切らなければいけない事態というのだから、彼への感謝の意を示し、ついでにその一段階上の感情についても、ここで完全燃焼させておく必要があるだろう。間も無く離れ離れになることが確定している辛い展開ではあろうが、流石にこれを残したままの別れはあり得ない。勇気を出した瞳美さんの謎魔法にほだされて、思わず唯翔さんも駆け出してしまいました。うむ、一種の吊り橋効果みたいなもんかもしれんな。2人の今後の人生に、この度の経験はどんな影響を及ぼすことになるのやら。

 そして最大の問題は、わざわざここまでして追い求めた瞳美の「色」がどうなるのか。先週、色を失った心因性の何かの正体には触れていたが、すっかり憑き物が落ちた状態で未来へ帰ることができるのかどうか。今のところ、そこにゴールの設定はされていないのだが……。まぁ、魔法があるんだからなんとかなるんかな?(適当)

 

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 1080円ワロタ、第9話。そんなわかりやすいテンパり方あるかい。

 「今からそっち方向に膨らませるの?!」とちょっぴりビックリした展開。いや、そりゃ若い身空の高校生が男女入り混じってくんずほぐれつしてる世界なんだから(誤解を招く表現)、恋愛関係の話が主軸になるのは当たり前なのだが、これまでのところ、綺麗に3組のカップルが形成されていたように見えたので、「ここでわざわざ三角関係とかプラスアルファに持っていく? ひょっとしてくれって2クールあるんじゃねぇの?」とかハラハラしてしまったが、瞳美さんの頑張りによって、どうやらそこまであとを引くような問題でもないことが判明。まぁ、やっぱり1クールだよね。7話の時点で帰りの話してたもんね。

 どうしても「凪のあすから」という爆弾級の恋愛すったもんだ劇場を見ているせいで(あと、キャリさんが頑張ってるとどうしても「あの夏で待ってる」を思い出してしまうせいで)、ここからドロドロの男女関係が主軸になっちゃうんじゃないかと心配になってくるのだが、本作の主題はそこではない。いや、思春期の多感な想いがメインテーマなのは事実だが、略奪愛とか、三角四角関係の救われない構図を見せたい作品ではないはずだ。今回部長が思い切りアクセルを踏んだのも、どちらかというと開戦というよりも終幕の合図であろう。あの男、ここから何かを展開させる気は無いように見える。

 いや、別に部長の告白が嘘だったというわけでは無い。彼は彼なりに本気で瞳美に惚れたのだろうし、瞳美があのまま雰囲気に押されてイエスの返事を出していたなら、それはそれで万々歳だと思っていたはずだ(だからこそ試合前に唯翔に警告だけはして、フェアプレイを遵守しているのである)。ただ、さらに突き詰めれば、瞳美に断られるところまでを織り込み済みでゴーサインを出したという印象が強い。誰の目から見ても瞳美が唯翔に寄せる信頼は特別なものであり、相思相愛の関係にありそうだというのはわかるわけで、部長はそこにわざわざ土足で踏み込んで掻き混ぜようなんて思ってない。そう、こいつ、イケメンだし気遣いもできるし信頼も厚いし人格者だし、どこを取っても完璧なナイスガイなのである(唯一にして最大の難点はあさぎさんに対してだけヌけているところである)。そんな部長は、一応本気で告白はしたものの、どちらかというと目的は引っ込み思案な瞳美に対して荒療治を施し、あらゆる感情を意識させることで唯翔との関係性を促進させることだったんじゃないかとすら思える。瞳美はそういうことに対して本当に無頓着だし、唯翔もあの通りに年相応の厭世感を出して気取ってやがる。そんな2人の煮え切らない態度に、部長なりのカンフル剤を打ち込んだのが今回の事件だったんじゃなかろうか。

 結果はほぼ満点の回答である。瞳美は惚れた腫れたという話題を初めて意識するようになり、部長の憧れる瞳美の一途さはそのままに、ちゃんと唯翔への思いを表面化させた。そんな部長の動きを聞いて、知らぬ存ぜぬを決め込んでいる風の唯翔も、やっぱり内心はビビりまくりで相当な刺激を受けている。瞳美を困らせる意図は全然なかったわけで、最終的な落とし所としてはこれがベストのはず。ただ、唯一部長が一切考えていなかった、あさぎの問題を除けば。

 あさぎさんも優しいからなぁ……難しいよねぇ。アバンで写真の整理をしていた時点でほぼ確信めいたものを持っていたあさぎさん。それでも、さすがの部長もそこまで性急な行動には出るまいと思っていたが、男子の行動力はそんな思惑の上を行った。優しく瞳美の悩みを聞いてあげようと気を利かせたものの、最悪のタイミングで事の顛末を察してしまったあさぎさん。おそらく彼女の中の葛藤も相当なものだ。別に瞳美が嫌いなわけじゃない。むしろ好きな友達の部類だろうし、彼女が悪くないことも嫌という程わかっている。しかし、突然突きつけられた望まざる事実を前にして、やはり年端もいかぬ女の子が簡単に処理できるもんでもない。精一杯瞳美のことを考えて色々なものを飲み込んだつもりだったが、最後の最後に言わずにはおれなかった真実。本当の鈍感である瞳美さんは、立て続けにぶつけられる予想外の情報に完全にオーバーフロー。すげぇ悪いことをしたと思ってしまっているだろうが、別に悪いのは瞳美じゃない。あさぎさんは、「『あさぎが部長に想いを寄せていること』に瞳美が気づいてないこと」を理解しているのだ。彼女に一切悪気がないのはわかっているはず。はずなんだけど、やっぱり自分の気持ちをぶつける場所がない。だからこそ、それだけは言わずにいられなかった。もう、こればかりはしょうがないのだ。

 まぁ、今作のキャラはみんな優しい子ばかりなので、こんなどうしようもない状況でも来週くらいでだいたい片がつくとは思うが……悩ましいのは、ここで部長があさぎの想いを理解して受け入れようとしたら、単なる軽薄野郎にしか見えないってところだよな……あさぎさん、幸せになってくれ。

 なお、瞳美さんたちのデートを見て「スクープじゃん」と盛り上がる胡桃さんたちがナチュラルにデートしてるのはもう誰も触れてすらくれない。やっぱこの2人、ムカつくくらい上手くいってるよなぁ。本当に千草のそつのなさがムカつくわぁ……(すげぇいいやつなのはよくわかる)。

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 ゆるキャン! 第7話。こっちのしまりんはだいぶテンション高いな。しまりん風味はかけらもないけどな。

 せっかくいろんなキャラクターがいるんだからサイドストーリーもちゃんと描きましょう、ということで今回はくるみん回。これまでなんとなく「3組目のバカップル」みたいなふわふわした状態で横にいた胡桃&千草のお気楽カップルだが、一応、今回はそれらしいエピソードが用意されている。でもまぁ、ぶっちゃけ最後の最後まで千草はあの通りの軽薄なノリを貫いているので、そこまで重苦しい雰囲気もなく、「お気楽そうに見えてもちょっとくらいは悩んだりもするんだよ」程度の印象で止まっている。これまでのP.A.作品と違って、今作はあんまりキャラクターを追い詰める方向での作劇がないのは気楽でもあり、なんか物足りなくもあり。まぁ、人生が変わるくらい大変な経験をしているのは瞳美だけで充分ですかね。高校生の日常なんてそんなもんさ。

 進路に悩むというのは非常に高校生らしくて真っ当な問題設定。ただでさえしっかりした人間が多い写真部の中で、胡桃は「目標らしい目標もないなぁ」という小さなお悩みを抱えている。たまたまこのタイミングで意識することになってしまった「バリバリ夢を追いかけている姉」なんてものを見てしまったら、特に人生の目標も見当たらない自分が恥ずかしくなってしまう。いや、でも普通の高校生ってそんなもんだよね。なかなか人生を費やすレベルの目標なんて見つかるもんじゃないぞ。

 ただ、芸術系の部活に所属しているせいで、周りの人間の創作意欲みたいなものが眩しく映ってしまうのも事実であり、部長はもちろん、最近溌剌としてきたあさぎも、そして新加入の琥珀にしても、自分には見えない世界が見えているようでちょっと羨ましい。背伸びがしたいわけではないが、何か目標がないといけないんじゃないかとやり場のない不安に苛まれてしまう。そうしてクサクサした胡桃の心中を確実に把握してくれているのはやっぱり千草なわけで、二人の関係性がよくわかるお話ではある。憎らしいのは、千草は胡桃のことを恐ろしくよく見ているんだけど、別にそれを表に出さずに、あくまでもおちゃらけの一環としてさりげなくサポートしてあげているというところ。くそっ、このなんとなくイケメン風のムーヴ、間違ってないだけになんか腹たつわ。そして、胡桃の方はそんな千草のサポートを受けながら、あくまでも日常的なコミュニケーションの一環として処理してしまっているため、未だに彼女の中で千草は「特別な存在」にはなっていないというのももどかしい。まぁ、ちょっと意識して内省してしまうと「あれ? もしかしてこれって」ってすぐに行き当たるような感情だとは思うのだが、胡桃の場合はそういう思考が苦手そうだし、今回はたまたま進路のことで頭がいっぱいになっちゃったのでそこまで考えていなかったのだろう。落ち着いてきたら、ふと隣を見る余裕も出てきそう。そうなった時に二人の関係性がどう変わっていくかは見ものではあるな。

 そして、そんな付かず離れずのカップルの隣で確実に近づく瞳美と唯翔。無事に(毎度サイケデリックな)絵も完成し、その絵に背中を押されるようにして瞳美は色のことをカミングアウトするに至る。どちらも確実に前に進んでおり、どうやらこの時代、この世界での関係性にもゴールが見え始めたようだ。後ろで本当のおばあちゃんであるかのように暖かく見守る琥珀さんがなんとも美味しいポジションである。結局琥珀は恋愛ごとには関わってこない立場なんですかねぇ。

 

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 長崎のカラー、第6話。キャリさんが出てる特番をAT-Xでやってたのでそのあとでアニメの方を見ると、このアニメもかなりの長崎アニメなのだっていうことがすごくわかりやすかったです。今期は佐賀アニメと長崎アニメが同時に放送されてるのかよ……いっそ「博多豚骨ラーメンズ」も合わせてくれればよかったのに。

 今回与えられる「色」は実にサイケデリック。「絵の中に入ってしまう」という話をさらりと当然のようにしていたが、実際に何が起こっているのかよくわからないし、もしそれが本当に「絵の中に入る」魔法なのだとしたら、それはそれで大変なこと。パラレル西遊記待った無しだ。白昼夢みたいな処理になっていたのでおそらく「描いた人間の精神世界に触れる」ことのメタファーなのだと思われるが……まぁ、それって結局「絵に入る」ってことになるのかな。やっぱりこの世界の魔法はどのくらいのリミットがあるのか分からないので結構怖いよな。こないだのSLの時もそうだけど、物理的な干渉も可能だったし、平気で人殺しの道具とかに使えそう。

 で、そんな絵の中のお話なのだが、唯翔の絵は割と原色強めでビビットなものなので、そこを巡る風景もかなり派手なものになる。しかし、てっきりそのままエレクトリカルパレードみたいな世界に沈み込むのかと思いきや、なんとそこから先は魚の死体が横たわった広漠たる砂漠世界だった。瞳美に色をもたらしたはずの魚がその辺に打ち捨てられている構図は、一瞬彼女の色の喪失を表しているのかと考えてしまったが、どうやら単純に唯翔のクリエイティビティの停滞を表していたようだ。ある時からなかなか絵が描けなくなってしまったという唯翔。瞳美は意図せずにそんな彼の悩みの世界に迷い込んでしまい、必死に魚(過去の栄光)を捕まえようとどす黒い「色」の中で孤軍奮闘する彼の様子を見てしまうが、結局、その時点では魚は捕まらなかった。そこまで大きな魚でもないのだが、それが捕まえられないというのが絵描きのスランプというものなのだろう。まぁ、唯翔の場合はスランプに陥るほどに立派な「絵描き」とも言えないような立場ではあるが……こうして全然関係なかったはずの他者から「絵の世界」というたとえ話で自分の現状を指摘されたことで、逆に見えるようになった部分も多かったのではなかろうか。あまりにも図星を指されてちょっとキレてしまったが、基本的に悪いやつではないのでその後すぐに反省し、最も効果的な方法で瞳美に謝罪し、彼女の精神にも変革をもたらしている。瞳美も含めて、魔法写真美術部の面々はあちらこちらから刺激をくれる人間も多いので、そのうちに何かブレイクスルーも起きるのではなかろうか。

 そして、そんな唯翔からの告白じみた謝罪(?)を受け、瞳美の世界も大きく揺れた。「色褪せた世界が徐々に色づいていく」という、この作品の存在意義を全て示す映像表現はオープニングでたっぷりと拝むことができるわけだが、瞳美が路面電車の車窓から見た「色づく世界」は、オープニングのどんな映像よりも鮮烈に「色」をもたらす。それこそ、我々普通の人間が見ている世界なんかよりもよっぽど豊かな「色」だ。どれが本当の世界か、などという問いにあまり意味はないだろう。瞳美にとってはそれまでモノクロだけが世界だったわけで、たまたまこの夜だけは、常識を超えた鮮烈な色を持つのが、世界の在りようだっただけなのである。

 ここに来て突然に鮮明な色が現れるということは、やはり瞳美の抱えた問題は、彼女の内面が大きな影響を及ぼしているということで間違いないようだ。今回の「治癒」が一時的なものなのか、それとも彼女の機能回復を表すものなのかはまだ分からない。しかし、少なくとも色を戻すきっかけとなった金のサカナの存在は間違いのないものなのだし、あとは唯翔が完全復活して最高の1枚を書ききれば問題解決に至る気がする。幸か不幸か、部活のみんなも唯翔と瞳美の関係についてはもう何一つ疑問を挟む余地がないと考えているみたいなので、この二人に限っては他の人間が恋愛要素に絡むことがなさそうなんだよね。他のカップルは分からないけども。このままめでたしめでたしで進んでいくとしたら……後は琥珀の落とし所かなぁ。彼女は、なんでこの歳でやたらに老成してるんだろね。やっぱりおばあちゃんやんけ。

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 耳フェチ、わかります、第4話。耳ってさ、女性の場合は普段露出してない場合が多い、体内に直接つながる受容器官で、高感度の性感帯なので実にエロいんですよ。間近で見せられるとドキドキするのも全然おかしくないと思いますね。まぁ、ぶっちゃけどこの部位だろうが間近で見せられたらドキドキするんですけどね。

 真打ち登場、すべての発端であり元凶、諸悪の根源のばあちゃん、月白琥珀さんの登場だ。本渡ちゃんが成長すると島本須美ボイスになるというのも驚きだが、この性格のばあちゃんの血を継ぐ孫があんな性格というのも何だかびっくりだ。まぁ、60年で2世代繋げば性格なんて全然違うものになるだろうけども。それにしても、こうして時代を超えて親族が同じくらいの年齢で出会い、「おばあちゃん」「おばあちゃんはやめて!」みたいなやりとりをする作品ってどっかで見たことがある気がするんだが、何だっただろう。直近だと「刀使ノ巫女」の衛藤・十条親子の設定なんだけど、その記憶でいいのかしら。たまたま本渡ちゃんボイスだからそれを思い出しただけな気がする。

 シナリオ部分の進展を確認しておくと、ばあちゃんが出てきたことにより、いよいよ瞳美がこの時代に送られた真の目的の探索が始まったことになる。当然この時代の琥珀は理由なんて全然知らないわけだが、パラドキシカルのはこの時2人が築き上げた経験が、60年後の琥珀に「瞳美を過去に送らねばならない」と思わせるだけのものになっているということであり、彼女の人生に欠かせないほどの重大事になることは間違いない。ばあちゃん目線から「絶対に有益な経験だ」と判断されてのことなので、ハッピーな結末を迎えることが確定しているというのはそれだけで少し安心できる。まぁ、実は琥珀がすげぇ利己的な人間で、「瞳美を送り込むことで自分の人生がすごくいい方向に転がるんだ」っていう目的があったとしたらちょっと変わってくるけども。セワシがのび太にドラえもん送りつけるみたいな感覚で。まぁ、現時点では琥珀がそんな人間だとは思われないので大丈夫だと思うけどね。

 強いて気になる部分があるとすれば、どう考えてもこのお話はラヴでロマンスな部分があるということ。すでに半分くっついてるレベルの耳フェチカップル、密かに部長を見つめるあさぎの片思いなんかですでに部内の恋愛感情は固まっている部分があるが、そこにメインとなる瞳美・唯翔の関係が生まれ、さらに琥珀が突っ込まれたことですったもんだが生まれることが想定されている。琥珀はすでに「将来的に結婚して幸せな家庭を築く」ことが約束された人間なわけだが、それがこの高校時代の思い出と関係するのかどうか。まぁ、さすがに唯翔が祖父だったら瞳美が気づくからそんな展開はないだろうけど。最終的には瞳美は元の時代に帰らなきゃいけないので、今の時代で恋愛感情を得てもどうしようもないというのも難しいところ。最終的には色覚と自分に対する自信を手に入れてエンド、なのかなぁ。

 シナリオ部分はさておき、今回も本作最大の売りである色彩の妙がたっぷり堪能できる仕上がりになっている。常に挑戦的な画作りを続けるP.A.作品らしい展開は、何とナイトショットへの挑戦である。今回の画面は、夜の校舎を舞台にした極端に明度が低い画面が続く。アニメでも暗いシーンというのは珍しいものではないのだが、長時間にわたってここまで暗いシーンを続けて、最終的に夜景へつなげる色と光の展開は、今作の持つ問題意識がはっきり表れた構成になっている。特撮なんかでは常識だが、ナイトショット(夜景撮影)は明度が落ち、当然それに伴って彩度が落ちる。画面映えに欠けるのでカメラ技術としては難しい部類に入り、あえて続けるメリットは少ない。しかし、「彩度の低下」というのは本作においては瞳美の持つ欠損と直接的に結びついてテーマを補強する役割を果たしており、夜の世界になることで我々の視界も自然に瞳美のそれに近づく。そう、「色を失った世界」などというと何だか大仰なイメージがあるが、我々は「夜」というごく当たり前の日常の中で、これに近い世界をいつも見ているのである。そうして作り上げた「瞳美の世界」から、カメラ技術などを解説しながら夜景の見え方(彩度の高い美しい景色の見方)をレクチャーすることで、「瞳美が色を取り戻すための行程」を自然に視聴者にも体験させている。こうしてわざわざ難度の高い画面演出に挑むあたりが、本作最大の魅力と言えるだろう。

 そして、こうした「色褪せた世界」と「色づく世界」の対比が瞳美と琥珀という2人の月白の性格の対比ともそのまま重なり合っていることは自明だ。鮮烈な存在感を放つ「ラスボス」琥珀の魔法は、まるでそこにあるかのように写真の情景を映し出すフルカラーの世界。そこに現れた蒸気機関車は、黒一色の中に不安定な歪みを抱えながらも、どこかに抗いがたいエネルギーを感じさせる瞳美の魔法の一端を見せる。そんなモノクロの象徴たるSLが、ラストシーンでは夜空に浮かんだ光の集合となって再び現れるのである。琥珀と唯翔という2人の「色」を持つ人物に触れて、瞳美の世界は、どのように変化していくのだろうか。

 

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 「絵なんて描いたことないし」って言ってる人間があんな絵描くなよ、第3話。あのな、本当に絵心がない人間ってのはな、いきなりデッサンなんてできるわけがないんや。目の前の事物をそのまま描き出すことがどれほど難しいか……(別に熱望もしないけど、時たま絵心が欲しくなる人間並みの感想)。

 戯言はさておき、今作は「絵」がテーマではなくて「色」がテーマである。3話まで見てきて感じたことは、正直筋立てだけでいうと今のところそこまで注目するようなこともなく、人間関係の構築もシンプルだし、画面構成にしてもそこまで野心的なことをやるでもなし、本当にただ「なんとなく甘酸っぱい青春小説を紡いでいこう」くらいの印象しか受けない。まぁ、どうしても比べてしまうものが「凪のあすから」になってしまい、あちらは鬼才・岡田麿里が常に刺激をぶん投げ続ける脚本になっていたので、それと比べて「おとなしい」と感じるのは至極当たり前のことなのだが。

 そうして割と「普通」っぽい作品なのでシナリオ部分について語りたいことは特にないのだが、その分、徹底してこだわりぬいた画面の色彩構成には嫌でも目がいってしまう。これまで数多くの佳作を世に送り出してきたP.A.WORKSの制作スタッフが、今作ではとにかく「色」の描画に全力を注いでいる。タイトルにもそのことがよく表れており、画面が切り替わるごとに鮮やかに飛び出してくる色合いの変化を見ているだけでも退屈しない作品だ。特にオープニング映像におけるモノクロとカラーの変化・対比の展開は自身の目を疑ってしまうような幻想的な変容を投影しており、普段からどれだけ「色」という曖昧なものをいい加減に享受してきたかを思い知らされる。色の演出とは突き詰めれば光の演出でもあるわけだが、「凪あす」でも鮮烈に描かれていた「光」の世界が、今作ではより一層の存在感を持って飛び出してくるのである。

 主人公・瞳美の「色が分からない」という設定は、そういう意味では非常に挑戦的な設定である。作中では「色盲」という言葉が一度も使われていないのはポリコレ的な配慮もあるんだろうが(いま調べたら、Wikiには近年から「色覚多様性」という呼称も現れたと書かれていた)、まぁ、旧来の考え方で言えば間違いなく「欠損」と認識されていた特徴を主人公が持ち合わせているのだ。そのことがコンプレックスで、引っ込み思案な性格になってしまっている状況も設定としてはかなり重要で、彼女の「他人よりも足りない」「世界はつまらない」という自己意識が物語を構成する大きな要因になっている。

 この「色盲」がいわゆる先天的な体質なのかどうか、実は2話目まででは判断がつかなかった。再三「モノクロの世界」が描かれており、それが瞳美の視界であることは自明だったが、その「色の無さ」が実質的(生理学的)な色の欠損なのか、それとも彼女の心象風景としての抽象的(精神的)な色の「褪せ方」なのか、その辺りが判断できなかったのだ。しかし、今回改めて彼女の口から「色が分からない」という事実が明かされ、それが絵を描く際の絵の具の選択という端的な情報から明示された。現時点では彼女の「盲」を認識しているのは本人と葵の2人のみ。今後は間違いなく色を獲得するお話になっていくと思われるが、世界における「色」の実質的な意味合いと、瞳美の中での主観的な意味合いを、どのように画面の「見え」で紡いでいくのかが今から楽しみである。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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