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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「ケダモノダモノ」はアニメキリングバイツ」エンディングテーマでした、第4話。え? だからなんだって? ……何にでも意味を求めようとするのはオタクの悪い癖ですよ。

 頭からケツまで、ずっと「俺は何を見せられてるんだろうな……」と思い続けなきゃいけない酷なアニメ。最近、こういう絶望感をしょっちゅう感じてる気がして、具体的には「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」視聴中にほぼ毎週同じ感覚に陥っています。幸い今作はあそこまで圧倒的ではないかもしれないが(?)、自分ワールドに引き摺り込み、「わけわかんねぇよ」という感想を大前提にしてしまうことで「わけわかんねぇことを承知した上で見ろ」という無茶苦茶なタスクを我々に科しているのである。端的にまとめるなら「そういうもんだから諦めろ」ということ。

 ギャンブル・地下格闘技ときて、今回のテーマは「ブラック企業」だろうか。典型的なパワハラ上司による日本の悪しき伝統、因習まみれの企業体質の中で、人がどのように壊されていくのかを描いていく。今作は確か「メイド=ヤクザ」というよく分からない置き換えをしているだけのハートフルピュア任侠ものだと思っていたのだが、ヤクザの界隈だってこんなブラック企業めいた因習は無いだろう。多分、序盤に組織のボスらしき人物がやった「裏切りものはハジく」くらいの思い切りの良さがヤクザっぽさであり、軍隊じみた洗脳訓練を通じて末端構成員をコントロールしようなんて発想はあんまり無いんじゃなかろうか。いや、現代ヤクザのことなんて何も知らないからもしかしたら今のトレンドはそういう組織作りなのかもしれないけど。

 そして、本作の一番の見どころは、そうして明らかに「イカれた方向」にコントロールされているにもかかわらず、舞台設定そのものがより一層イカれているため、徐々に統制が取れていくメイドたちを見ていると「あれ、こっちの方がまだ社会に適合できてるような……」というよく分からない納得感が生まれてしまうところである。指揮官役の小林ゆうが力技で丸め込んでくるために、「この流れで更正できたと考えればむしろハッピーエンドでは?」くらいに見えてきてしまった。まぁ、最後はきちんとしぃぽんが目覚めさせてくれるんだけどさ。彼女がなぜメイドを志したのかとか、その辺のバックグラウンドは全く語られてこなかったのだからオチに至るまでの彼女の活躍なんてとにかく突拍子もないものなのに、周りの状況が輪をかけておかしいもんだから「そこはそれでいいやぁ」と安寧に縋りついてしまう流れなのである。あの状況下で自分の「一番」を守り通したしぃぽんの精神は本当にタフだったな。なごみが最初にぶっ壊されるのはわかるのだが、ゾーヤが意外に雑魚だったのがなんか残念。まぁ、彼女のメイド思想がもともと組織上層部の考えに近かったというのはあるかもしれないけども。

 そして、この話をする上で一番の障害となるのが、おそらくどんな調教も教育も意味を成さぬ作中屈指のクズである店長だったので、彼女は早々に退場することになった。……別にメイド喫茶クビになったからって、秋葉原でホームレスする必要はないはずなんだが……。あと、結局パンダはパンダのまま。一応「人間だからな」という言質こそ取れたが、未だブラックボックスならぬ白黒熊の中。いつ、何が出てくるんでしょうね。

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 このご時世にロシア人をここまでいじるか……第3話。まぁ、制作日程は分からんし、別に戦争絡みでいじってるわけじゃないから構わんのだろうけど……危なっかしいところなので、多分狙ってイジるのは水島努でもできねぇだろう。

 うーむ、結局徹頭徹尾このノリの作品よな。前回が「カイジ」チックなギャンブル話、そして今回が完全に「あしたのジョー」オマージュの地下格闘技話。ただ、「地下格闘技」に限定されていることを考えるといっそ「メガロボクス」に近いのかもしれない。単に「万世橋を逆に渡る」って言いたかっただけな気もするけども。とりあえず、全編通して「これ、メイドじゃなくて極道がやってればほんと平凡な作品になってたよな」という話をやっている。

 まぁ、そのたった1つの転換のおかげで今作はとんでもなく珍奇な光景が広がっているわけだが、この珍奇さが珍奇だと思えるのはどれくらいまでなのだろうか。流石にその目新しさだけで1クール突っ走るわけにもいかないだろうし、どこかで大きなシナリオ的転換点を迎える必要があると思うのだが、その1つの指針となりそうなのが、今回加入することになったロシア人・ゾーヤの存在。わざわざオープニングでモザイクがかかっていた謎の人物であるが、コイツがメンバーとして増えたということは、とんとことんの構造自体も今後変化が起こる可能性があり、さらに実質的な戦力が大きく増強されたことで、お店の経営(?)の幅も広がったと言える。嵐子が何を目標として動いているのかがいまだに定かではないが、ようやく大きな流れに乗れそうな空気も出てきた。いや、そんな展開になるかどうかは知らんが。

 あと、毎度のことで申し訳ないが、どうしても今作で見入ってしまう(聞き入ってしまう)のはやはりキャストの力。今作は設定自体がトンチキで全編がギャグになっているように見えるが、よくよく見れば徹底してギャグを貫き通してるのって店長のパートだけである。すげぇよな、アニメキャラの女の子が全裸になってるのに1ミリもエロくないんだぜ? 逆に貴重すぎるキャラかもしれない。そんな店長の存在感をいや増す彩陽の剛腕。無事にお子さん産まれたらしいですね、おめでとうございます。

 そして今回は殺された悪質社長役にナバが起用されている。「ナバ・サトリナ・彩陽」っていう並び、私が毎年の年度末に決定してる「アニメグランプリ」の声優部門歴代受賞者なんですよ。つまり、私が大好きな声優の流れがこの秋葉原に息づいているのです。ほんと、ここまで「だからどうした」感が漂う感想も珍しい。

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 最後にサブタイトルが重なるアニメは名作、最終話! ……まぁ、例外は多々あるのは認める。でも、本作は例外扱いしなくてもいいと思いますよ。きちんと落とし前をつける、真っ当なお話になったんじゃないでしょうか。

 ぶっちゃけ、先週のお話で全ての事件は片がついていたので、今回はまるまるエピローグみたいなものである。ほぼ全てのキャラクターにスポットを向けて、この島に生きる人たちのこれからをスライドショーのように展開していく。そこには何一つ不安などなく、誰もが希望に満ちた未来を見ている。今まで散々問題を抱えてきたくくるがその中心におり、彼女の頑張りがティンガーラ全体に、そしてこの島全体に力を与えているかのようである。

 新しくオープンしたホワイトサンドドーム、ぶっちゃけ「閉所で不特定多数の人間が素足で踏みしめる砂は衛生管理が大変そうだな……」と思わんではないのだが、まぁ、そこをクリアしたからこその最新施設なのだろう。結婚披露宴の舞台としてこれ以上ないお披露目を成し遂げ、「くくるがティンガーラに入社してからこれまでの努力の結晶」としてしっかりと存在感を示している。くくるたちがやりたいのは単なる見世物小屋としての水族館ではない。文字通りに「地に足のついた」、自然の海と地続きの施設である。それを体現するためには、やはりあの砂の大地は必要不可欠だったのだ。館内の地面が海とつながっているとするならば、ティンガーラという閉じた世界も、それは当然世界に接続することになる。「アクアトープ」という言葉は「水辺の生態系」くらいのニュアンスの言葉かと思われるが、くくるは小さな館内施設1つを作り上げただけでなく、そこから広がる新たな生き物の世界を作り上げることになっていくのだろう。うむ、良いタイトルである。

 他にもたくさんのキャラがいるので全員に触れていくとキリがないが、唯一不憫な気がするのはカイかもしれないっすね。最後にちょっとくらいはくくるとの可能性を匂わせてあげてもよかった気がするのだが……彼に与えられた示唆は「まぁ、恋愛にも色々あるから……」というなんとも残酷なもの。くくるの様子を見ても……うーん、あんまり目はなさそうな……。空也にすらなんとなく可能性が見えたというのに……。でもここでカイがしゃしゃり出てくると、くくる×風花っていう本線がぼやけちゃうからしょうがないんかなー。

 うどんちゃんが館内レストランに食い込み、夏凛ちゃんは要望通りに飼育員の道を進む。朱里ちゃんが正社員として参戦し、獣医の先生まで新しい命を育むという積極的姿勢。なるほどここは生命のみなぎる場所。くくるはついにプランクトンから成長し、さらなる進化を続けていく。海外で新たなスキルを培った風花と薫が帰還し、ティンガーラのプロジェクトは新時代へ。キジムナーの祝福を受け、ここは新たながまがまの姿となった。

 世はなべて事もなし。この砂の大地に幸多からんことを。

 

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 これはきっといい終わり方ができるやつ、第23話。ぼちぼち風呂敷を畳んでいく展開なわけですが、今までぼんやりと「どこに向かってるんだろうなぁ」と思っていたお話が、急速にまとまっていくのを感じている。なるほど、きちんとくくるにも風花にも結末が用意されている。

 降って湧いた海外研修の話は、風花の貪欲な探究心には渡りに船。普段の仕事も込みでの自学自習では限界もあるし、今から改めて高等教育機関に挑むというのも現実的ではなかろう(そもそも風花は高校もまともに行けてなかったんじゃないかしら)。そんな中、熱意を持ってPRすればチャンスが手に入るという。そしてだからこそ、これが重大な人生の岐路になることも分かっているわけで。

 最初は「くくると別れるなんて」というので及び腰に見えた風花だったが、特にくくるに何かをされるでもなく、自らの意志で願書を出し、切符を掴み取るに至った。最初にウジウジしている様子を見て「絆は大切だろうが、それを束縛として、足を止める理由にするのはよろしくないけどなぁ」と思ったものだが、さすがの宮沢風花。自分の夢と関係性を天秤にかけ、見事、夢を掴むに至ったのである。多分これがくくるだったら、誰かに一言背中を押してもらわねければ転機となる判断はできなかったんじゃなかろうか。1人で考え、動き出せるのは風花の芯の強さの表れである。

 そして何より嬉しかったのは、そんな風花の中にしっかりと「がまがまイズム」が息づいていたということ。かなり冒険要素を含んだ最終プレゼン。賛否両論の内容は、明らかにがまがまで最初にくくるから教えてもらった信条から生み出されたものだろう(あとは元アイドルの舞台度胸)。子供目線にたってのプレゼンが、くくるから受け継ぎ、風花が育んだ新たな「がまがまの精神」。その強さが審査側の胸を打ち、風花の夢はかなったのである(比嘉くんはちょっとかわいそうだけど)。2人の関係は互いを縛る鎖ではない、互いの糧となり、高め合う刺激なのだ。

 くくるの方も、そんな風花の葛藤を見守り、自分の道を決めるに至った。そこには「ほんとにほんとにいい人だったし、なんならその信念が1番くくると共有できた」という副館長の影響もあっただろうが、やはりくくるの決断は、風花の背中を押すために自分が「変われる」ことを見せるという意味もあったのだろう。互いの進路を決めるにあたって2人ではっきりと相談したわけではないが、それぞれが相手を意識し、その関係性を望むべき方向への燃料とした。離れ離れになってしまうかもしれないが、この関係性はあまりに美しく、正しい。

 そう、こういう成長が見たかった。なあなあの中で傷を舐め合うのではなく、強い自己の醸成の中に確固たる相手を見るような関係。どちらが青い鳥で、どちらがリズなのか。それは見る人によって姿を変える。そんな健全な関係に、久しぶりのキジムナー空間も祝福してくれているようだ。キジムナー空間はこれまで「がまがまの中だけで発生する」というルールだったのだが、2人の力があればこそ、外に飛び出しても通じ合うことができた。がまがまの精神は、間違いなくこの2人に受け継がれたのだ。そして今回のサブタイトル。

 未来が楽しみになる、そんなクライマックスはとても素敵だ。

 

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 キーワードが「笑顔」、第22話。どうしてもみっくボイスと「笑顔」が絡むといろんな文脈が……今週はこれの前に「takt.op」でタイタンが「笑顔」に関する話をしていたものだから……まぁ、方向性は真逆のお話だったけども……。

 「覚悟の帰還」という仰々しいサブタイトルではあるが、単にちょっとおさぼりしてた職員が仕事場に戻ってきただけである。しかも無断欠勤して小旅行で充電しての帰還。普通に考えたら「なめんな」って言われるだけの案件なのだが、幸いにしてくくるはとにかく周りの人脈の恵まれている。わざわざ駆けつけてくれた風花は言わずもがなだが、同僚たちはみんなくくるに気を使ってくれるし、特に欠勤中に仕事に穴が空いた様子もないので、多分部署のみんながサポートしてくれているのだろう。人手が少なくて大変だと言われている職場にしてはかなり恵まれた扱いである。

 加えて「副館長→やっぱ予想通りにいい人」、「プランナーの三浦さん→なんだかんだで結果いい人」と、キーとなるプレゼンに関係してる2人も問答無用でいい人だった。これだけ恵まれた状況でお仕事ができるのだから、くくるはもうちょい職場に感謝しなきゃいけないかもしらん。まぁ、取引先の人が話のわかる人物だったのは偶然だけども。副館長は案の定特にサボりについて叱責するでもなく、なんと逆に転部の話まで持ってきてくれるという大サービス。前回のプレゼンで精彩を欠いたくくるについても「やれと言ったことはやれてたんだからお咎めなし」というクレバーな判断を下していたし、「もともとこいつは館長の謎指令で営業部に来ただけだし……臨時で飼育部に出向するくらい問題ないんじゃね?」という考えでの推挙なのだろう。結果さえ出されば文句は言わないし意向も汲んでくれるのだから、実は理想の上司だったんじゃなかろうか。

 ただ、展開として気になるのは、この先くくるが本当に飼育部の方に異動するのかどうかということ。まぁ、その原因がカイにあるとわかったので、そこからの縁を考えれば自然な流れではあるのだが……正直、ここで営業部におさらばして飼育部に転がり込むのは、なーんか逃げてるように見えちゃうのよね。そりゃま、これまでのくくるの考え方なら万々歳なのだろうが、せっかく「営業での実績が出来た!」という記念すべきタイミングなわけで、ここから「営業の仕事でも水族館の魅力は発信できるし、自分に与えられた仕事から間接的に生き物を支えられるんだ」っていう気づきから新しい方向性を模索する方が成長譚としては収まりがいいのよね。すでに飼育部には向上心の塊である風花がおり、そっちはそっちで成長譚として成立しているので……ここで安易に2人が同じ部署に落ち着いちゃうだけでは物足りない。

 そして、そんな懸念を感じ取ったかのように名乗りを上げる夏凛ちゃん。一瞬くくるに遠慮して手を下げようとしていたが、彼女のバイタリティはやはりこんなところではおさまらない。いわばライバルとしてくくるの前に立つことになるわけだが、もう、現時点でくくる側がちょっと迷ってるようにも見えるし、飼育部行きは夏凛ちゃんのものになりそうな気がする。長年の夢を優先させ、カイとの関係性を重要視するのか、それともここまでのティンガーラでの仕事の実績を重要視するのか……むしろこっから先が「覚悟」のパートなのかも。

 

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 生天目姓も沖縄っぽいと言われたらそんな気がしてくる、第21話。まぁ、単にあんまり聞かない苗字だと沖縄感があるっていうだけだが。実際には関東以北に多いらしいですよ(いきなりゲストキャラの中の人の話から始めるのは如何かと思う)。

 なんのこたぁない、おサボり会社員が無断欠勤して命の洗濯をするというだけのお話。企業側からしたら単なる不良でしかないのだが、まー、ここまでのくくるの壊れかけの様子を見てしまったら、1日2日の逃避もやむなしという気もする。ただ、せめてその場合は事前申請してちゃんと有給取れよ、とは思うが。絶賛進行中の案件があるので休みたいって言いにくい、みたいな空気はもちろんあるのだろうが、今回の副館長の様子を見るに、別にそこまでデッドラインが厳しい案件でもなさそうなんだよな。「くくるいねぇの? そんなら別な人間で埋め合わせるわ」くらいの感覚だったようにも見える。果たして、今回のことは副館長がくくるを信頼していたことの表れなのか、はたまた逆の示唆なのか……いくら風花が嘘のつけないタイプだとは言っても、ほとんど交流も無かった人間にいきなり「嘘ついてるやろ、仮病やな」って見抜いちゃうのは、流石に副館長がくくるの動向をよく見守ってなかったら出てこないと思うのよね。「流石にキツそうだったし、今回はちょっとくらい逃げたのは大目に見とくわ」だったらいいんだけど、「あいつやっぱ逃げやがったな? 信用ならねぇ、もう頼らんわ」だと今後の仕事に暗雲。

 まー、普通に考えたらそこまでバッドな展開にもっていくはずがないので「ちゃんとリフレッシュできましたぁ! ついでに、逃避先で見た光景からエネルギーもアイディアももらったので案件も嘘みたいに綺麗に処理してみせます!」っていう展開になるとは思うよ。わざわざ風花までかり出してのウミガメ劇場だったのだから、初めて見たというくくるにも何らかのインスピレーションを与えたに違いないのだ。実際、ウミガメがパタパタしてる様子は可愛らしかったし。ウミガメの誕生シーン、どうやったらウェディングプランに絡められるかな……。

 どっちかというと、そうして切り替えられることが約束されてるくくるよりも、目の前で可愛がってたペンギンが怪我しちゃった風花の方が心配かもしれない。ペンギンって、あんなバイオレンスな喧嘩に発展することもあるのね。まぁ、そりゃ動物同士なんだから当たり前なのかもしれないが……飼育環境下なら流血沙汰でもちゃんと治療が受けられるが、もし自然界で同程度の抗争があった場合って、傷ついた個体はそのまま死んでいくんだろうか……ゆるふわっぽく見えるペンギン社会にも、生存競争はあるんでしょうなぁ……。

 今回は久しぶりに沖縄風味を満喫できるというのも見どころで、ともすると忘れてしまいがちな「P.A.ならではの丁寧な背景描写」が、島のゆる〜い風景と三線のBGMで楽しめる。スパムおにぎりも楽しめる。沖縄、幾ら何でも水族館多すぎないか?

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 CV伊藤美来のキャラは基本的に一般企業勤めに向いてない、第20話。過去の履歴を遡っても、普通に働けてる人間がいないような……一応、公務員扱いのろこどるがいるが……。

 というわけで、来るべくして来てしまったくくるブレイク展開である。野生がモットーのくくるをデスクワークに放り込むと死ぬ、というのが非常に分かりやすい顛末で積み重ねられていく。こうしてみると、やはり企業勤めってのは何かをガリガリ削ることを代償にお金をもらうことなのかなぁ、と恐ろしくなってしまう。私の周りの社会人連中も満遍なく精神を壊す連中が多いし、おそらく人類に労働は向いていないに違いない。まぁ、実際には大半の社会人はそれでもうまく生活に折り合いをつけていくものだが……。

 今回の流れ、誰がどう悪いということを一概には判断出来ないのが難しい。基本的には「くくるの自己責任」ではあるのだろうが、ここまで来るとさすがにティンガーラの経営体制に問題が無いのかと言われたらちょっと悩ましくもなる。若手の職員1人が残業に残業を重ねても終わらない仕事を任されているとなると、それはタスクの分配ミスではあるのだろう。「開業からまだ間もないせいでどこも人手が足りていない」というのが本当だとしても、同じ部署の人間(少なくとも夏凛ちゃんと朱里ちゃん)はまだ精神的に余裕があるようなので、もしキツいのだったらそちらに仕事を振って同じ部署でシェアしていくべきである(まぁ、朱里ちゃんはバイトなのでどこまで回せるか分からんが)。少なくとも副館長に打診してその検討がなされないのなら、それは間違いなくブラックだ。

 ただ、問題はくくるがそうして誰かにSOSを発信したのか、という部分である。冒頭で副館長にぶーぶー言っていたシーンはあるが、副館長はあくまで「出来る範囲でやれることをやれ」と言ってるだけだし、「仕事が出来るなら構わない」とも言っている。そこに「くくる一人で全部やれ」という制約は設けられていない。であるならば、くくるは目的達成のためにもうちょっと上手くやる方法があったはずなのだ。実際にプレゼンは完成したのだし、結果的に失敗気味に終わったといっても「やったこと」自体に副館長は文句をつけていない。彼はあくまで「プレゼンが1回終わったから、それを経て次の仕事に移れ」と言っているだけであり、くくるが仕事をしたことについては認めているはずだ。だとしたら、そこで壊れてしまうならくくる自身の限界である。まぁ、どう考えても「精神に限界が来てるタイミングで廃墟を見に行っちゃう」は愚行でしかないのだが……やっちゃう気持ちは分かるからなぁ。本当に重なったタイミングが狙ったかのように下へ下への流れを作っていて、「愛梨ちゃんに会えなかった→仕事のせいで見たいものを見逃している→そういえばがまがまも……」っていう連鎖が勝手に形成されちゃったのはどうしようもない。あとはもう、なんとか負の連鎖を止めて、どこかで「仕事をする意味」を自分から見つけるしかないのだ。

 ほんと、なんでアニメ観ててノルマに押しつぶされる社会人のもがく姿を見なきゃいかんのだ、とは思うのだが……お前は働く、俺はアニメを見る。そういう分業ができることに、私は幸せを感じるのです。

 

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 最後お前が押すんかい! 第19話。まぁ、それこそ「最後の一押し」の意味があるので、無理やりやってるわけじゃないのだろうけども。あれだけ「ファーストペンギン」のモチーフで色々と描かれてきた風花が、いわば「ラストペンギン」の背中を押してあげる展開、なかなかに感慨深い。

 もう、圧倒的に風花が強い。今作は一応くくると風花というダブルヒロインで進行しているという認識なのだが、くくるがやらかし要員として場を引っ掻き回し、それを風花が大人パワーで打ち消していくという展開がだいぶ板についてきた。ここまでまっすぐに「強い」ヒロインってのも最近はあまり見なくなった気がするなぁ。やっぱ「アイドル時代にメンタル鍛えまくった」というのは伊達ではないし、後輩ちゃんの話を聞くにつけ、もともとの人徳もパない模様。アイドルを続けていたらどうなったかも気になるところだが……悪鬼羅刹の群がる芸能界で生きていけるほど、タフではなかったかもしれないなぁ。

 今回はくくるのやらかしは無く、ティンガーラ内部にもほぼ心配事のタネはない。となるとどうやってシナリオを回すかといえば、そりゃ当然外部から曇らせ要素を勧誘してくるのである。ここで登場したのが風花の後輩にして、アイドルスピリッツを受け継ぎし者・ルカちゃん。何かときな臭い芸能界の中で、風花に守られていっときの出世には成功したはずだが、そこからの一歩はさらなる魔境。ネットの非難も乗り越えて、なんとか芽を出そうと奮戦しているところ。そして、そんなルカちゃんに対しても、問答無用の風花オーラで力を分け与えるのである。まぁ、滑りギャグを回収するところまでは手が回らなかったようだが……風花さんもそんなスキルでは研鑽積んでませんからね。

 空回りアイドルが悪戦苦闘する中、風花は自分の中の「終わった夢」と改めて向き合い、自分の将来設計を最終確認する。テレビに出たことで芸能界への未練が蘇る? ないない。別にアイドルが嫌で飛び出したわけではないが、彼女の場合は飼育員の仕事が「より好きだった」からこちらへ来ただけ。その道を拓いてくれたくくるに感謝しつつも、風花の中に迷いはない。最後のつながりであったハイヒールで未練を断ち切りつつ、ついでに後輩を励ませるという一石二鳥のプレゼントで全てを丸く収める。そのくせテレビの前で完全なるヒロイン像を演じるというずるすぎるプレイングである。あの番組が放送された後に世間でどんな反応が出るかがすげぇ気になるよな。「これ、ルカちゃんより風花ちゃんの方が可愛くね?」みたいな流れが生まれてると後輩キツいぞ……多分ガチガチのアイドルメイクじゃなくてナチュラルにお仕事パーソンな顔をしている風花の方が画面上で輝いてる可能性あるしなぁ……。ま、それでもちゃんとルカちゃんには自分の意思を示してるからね。お互いに東京と沖縄で距離は離れるが、それでも気持ちが伝えられるってのは、すでにくくると風花が通過した場所なのだ。戦えアイドル。あと戦えプランクトン。今回なんもしてないぞ。

 それにしても、改めてペンギンが可愛いアニメである。1羽1羽の動きがすごくしっかりしてるのよね。しらたまにちょっかい出した2羽が風花から追い立てられて走ってく時のモーションがめっちゃ可愛い。そういや俺、2日連続でペンギンが活躍するアニメの感想書いてるな(?)。

 

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 どうみてもヨスジリュウキュウスズメダイな部下を見て「プランクトン」っていう副館長はどうかと思う、第18話。だいぶ進化してるやん。

 一通り人間関係が丸くなり、今回も南風原さんが素敵な笑顔を見せて「こいつのトゲ、全く無くなったな……」と嬉しいような寂しいような状況のティンガーラ。どんな話で繋いでいくのかと思えば、なるほど今まで陰にいたキャラクターにスポットを当てていく形。今回はまさかの「バイトっ子」・真栄田朱里ちゃんがメインの回である。

 2クール作品ということでなんだかんだキャラクターが多くなってきた今作。全てのキャラをフィーチャーするのは無理だし、そんな意味もないので「陰」になってるキャラクターってのはそういう配置のサブなんだろう、くらいの認識だったわけだが、ことに朱里ちゃんの場合、与えられたパーソナリティとして、最初から「陰」の存在だった。乱暴な世代論でまとめてしまえば、まだまだ生きがいを見出さずになんとなーく生きている悟り世代みたいな生活スタイル。別に人生が楽しくないわけでもないし、バイト後に友達と遊ぶ予定は入っている。職場の同僚に食事に誘われたら喜んでお供するし、仕事に不満があるわけでも、人生に明確な不安があるわけでもない。ただ、生きるにあたっての目標は特にない。そういう人生。これって別に珍しいことでも、若者特有のものでもなくて、意外にそういう生き様は今の日本なら普通のことだとは思う。「水族館バカ」の周りの連中がちょっとおかしいフィクション寄りの人間と言うだけの話である。

 そして、そんな朱里ちゃんにほんのちょっとのきっかけを与えて、何か生きるための指針が生まれればいいかな、というささやかな変化の物語。今回のサブタイトルはそのあたりのニュアンスがとてもよく表れていて、何かが燃え盛るでも、誕生するでもない。ただそこにポッと灯る(決して着ぐるみの目が光ることを表しているわけではないのだ)。「朱里」が灯るというネーミングは、彼女のご両親が狙ってつけたものではなかろうが、ティンガーラの美しい夕景に彼女の感情の機微がいい具合に溶け込んでいる。もちろん、そうして新たな何かが灯ったのは偶然ではなく、職場に溢れる活気と、そこで働くみんなの人柄によるものである。今回は朱里ちゃん主人公回ではあるが、実はここ数話で着実に株を上げている薫くんのお仕事も良い具合であった。こうして押し付けがましくなく、少しずつ「お仕事」を通して変わっていく感覚って、不思議と説得力があるよね。

 まぁ、今の世の中、やりがいの押し付けってのはどうしても害悪だと受け取られかねないからね……今回くくるが序盤に多少ウザかったくらいで、朱里ちゃんに何かを押し付けた人間はいない。そういう中で自発的に生まれる感覚だからこそ意味がある。「サービス残業くらいやって当然だろ!」という感覚はもう時代遅れなのだな。ご丁寧に「バイト代つけとくし」ってフォローまで入ってる。私は初めてアルバイトをした某飲食店で、洗い物が大量に残った状態で定時になったからタイムカード切って上がろうとしたら、先輩にいきなり奥に連れ込まれて「このまま帰るとかありえへんやろがい」って凄まれ、「えっ、そういうもの?」って困惑しながらまた着替えて洗い場に戻ったあの日のことを思い出した。はたから見てた店長が「当たり前のことだろ」みたいな視線が今となっては懐かしい。時代は変わるんでしょうか。

 ちなみに、いい話風にまとめてはいるが、今回もトラブルの原因になったのは単純なくくるのヒューマンエラーである。この職員、ミスが多すぎる。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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