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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 今回の殊勲賞は間違いなく陽菜ちゃん、第11話。別に律儀に全部食べなくてもいいのにね。他の容器に移して取っておくとか、最悪捨てちゃってもしょうがないと思うのに、ちゃんと全部食べる陽菜ちゃんは偉い。

 前回までの突き放した展開とは違い、今回はどこか1点に収束しつつあることが強く感じられる「まとまり」の突端という印象のエピソード。このアニメでは既に悪のりになりつつあった止め絵演出もほとんど無く、1つ1つのシーンの意味はかなり取りやすくなっている。今回のコンテ演出が篠原さん1人の作業ってのが分かりやすかった要因なのかも。今更ながら「この作品における四隅のトバシは強い陽光の演出」ってことを確認出来たし(ほんと今更だな)。

 既に3つの物語のうち、2つはエピローグの段階に入っている。既に長い長い後日談の様相であり、細かく紡がれるそれぞれの断片は、既に「6人の物語」ではなく、「3組の物語」としてほぼ完成している。最終形が見えずにたゆたっているのは透子・駆のペアのみである。

 今回最も分かりやすく「動いた」のは祐と幸のペア。幸の方から「山に登りたい」という無茶なお願いが提案され、当然、祐の方は一も二もなくこれを承諾、彼女がかつて成し得なかった「自力での山登り」にチャレンジすることに。ここで、幸にとっての目的は「山に登ること」それ自体ではない。もちろん、検査入院で身体に大きな異常がないと分かり、多少身体に負荷をかけてみたいという気持ちが出たこともあるかもしれないが、最大の目的は「祐と2人で登ること」であり、祐の前で、新しい自分の姿をしっかりと見せ、その上で自分の気持ちを確認することにある。自分のこれまでの「汚い」行いについて自問し、それを隠し立てせずに祐に打ち明けて、認めてもらいたかったのかもしれない。俗世を離れ、なんとか自力で登った山の上で、彼女は改めて祐に「謝罪」し、月を媒介とした文学的な告白イベントとは別に、きちんと人としての義理を通したわけだ。祐はそんな幸の姿勢とメッセージを当然のように受け止め、器のを大きさを見せた。まぁ、彼の場合は「何も考えてないんじゃないか」とか思われてしまうかもしれないが、荷物を持って登ってあげる姿勢、そして下山の時の彼女をおぶって降りてくる姿など、実は無神経に見える祐こそ、幸の求める「素直な気持ちの接し方」をしてくれる人物なのだろうと確認できる。「見えていないということは、怖い」。改めて打ち明ける幸に対しても、祐は接し方を一切変えなかった。正直、幸は透子への思いを完全に捨てられたとは言えない状態なのだろう。月の下で自分の姿を透子に「聞こえる」ようにした後も、彼女はまだ自分の姿が見えていないかもしれない。そしてその状態は何よりも怖く、悲しいのである。そのことを一番分かってくれるのは、同じように幸が「見ていなかった」祐である。彼の姿は、まだ幸の目に完全に「見えて」いるかは定かじゃない。しかし、おぶって山を下りる2人の距離に、次第にはっきりとその姿が見えてくるのだろうという安心感があった。

 言葉少なに互いの信頼感を確認し合ったのが、やなぎと雪哉のペア。今まではやなぎの一方的なアプローチであったため、やなぎは雪哉が部活で何をしていたか知っていたし、一緒に走って、彼の見た景色を追いかけることが出来た。しかし、そんなやなぎの姿勢に返礼しようと思い立った雪哉は、やなぎについて何も知らない。廊下でそんな話をする2人のポジショニングが象徴的で、2人は「見える」位置で並んで話していたはずなのに、自然な流れでやなぎだけが自室に入って雪哉には「見えなく」なる(それ以前の位置取りも、やなぎは雪哉の後ろから階段を登っているので「見えない」位置なのである)。そして、部屋の中から顔を出して「練習見に来る?」というわけだ。結局、このペアについても幸と祐のペアと同じく、互いの立ち位置を確認し、前に進むための第一歩を見つけ出すことが目的となったのだろう。わざわざやなぎのダンスレッスンを見に行ってこっぱずかしい思いをする雪哉。それでも、帰りの電車で口から出てくる台詞は随分前向きで、素直なものである。そしてついに、彼は「透子ともう一度話をする」とやなぎに切り出すのである。一度は告白した透子に何を言い出すのか、もうそれは明らかだろう。やなぎにそれを伝えた場所は、二人にとってはそこが定位置、日之出橋の上でのことであった。

 さて、2組は片づいたのに、残る一組は相変わらず謎めいている。今作で一番分からないのは当然駆だが、透子さんもやっぱりちょっとおかしな感性。突然家に帰らず美術準備室で一夜を明かすことを決めてみたり、問題解決の糸口として「駆の母親のピアノ」を聞くことをあっさり承諾したり。どうも、前回のキスではっきりと意識するに至ったみたいだが、透子は大した理由はなくても「駆は自分と一緒にいてくれる人」であると認識したようなのだ。駆の方は「透子が好きなんじゃなくて謎が解明したかったんじゃないかなぁ」という話を聞いているのにも関わらず、そう思ってしまっているのはどうしようもない。もちろん、自分の中では解決した問題だとは言えないわけで、そうした重大事をまとめ上げるための猶予をもらったのが、一晩の美術準備室だったのかもしれない。まぁ、一人でぼんやり思索しようと思っていたのに、隣に当の本人がいたのは計算外だっただろうが……。そして、駆の方も自分のはっきりしない動機を「透子への好意」であると認定した。それを真っ先に報告したのが母親ってのもどうかと思うが、今まで宙ぶらりんではっきりしていなかった「お互いへの気持ち」が、今回ようやく明文化され、形として現れたわけである。

 そして、何故かスムースに展開されるご両家面談の儀。「息子が女の子を連れてうちにくるよ」でおかーちゃんとか親父さんがちょっと浮かれるのはすごく分かるけど、「娘が男のうちの母親のピアニストに招待されたからついていくよ」は、お父ちゃん、きな臭いものを感じていいと思うんですけどね。深水家はおおらかなご家庭だ。今回2人の家庭の邂逅で色々とはっきりとしたイメージモチーフがあり、深水家の「光」という職業意識が持ち込んだ花瓶を中心としたライティングに現れ、それに対抗して沖倉家が司るのが、今回のサブタイトルである「ピアノ」に象徴される「音」である。2人の「未来の欠片」にもこのテーマははっきりと出ており、互いに何かを求めていても、「光」と「音」のモチーフが対象として一致しなかったためにすれ違いが起こっていたのかもしれない。

 そう、ずっと透子ばかりが見えて悩んでいた「雪」については、「音」を伴わないものだからこその困惑である。これまでの数話の間ずっと透子(と視聴者)を悩ませてきた「雪」であるが、ひょっとしたら我々にも大きな勘違いがあったのかもしれない。この真夏の陽光の輝きの中でアニメが展開すると、どうしても「雪」というモチーフは冷たく、暗い印象になりがちなのだが、今回、幸・祐ペアややなぎ・雪哉ペアの関係性が深まり、成就したシーンでも、この雪はちらちらと姿を見せていた(4人には見えていないので、あくまで「欠片」の一部である)。つまり、あの雪というのは決してネガティブなものではなく、何らかの「感情の純化」によって得られる心象風景なのかもしれない。「光」と「音」は非常に刹那的なものであり、一瞬の産物であるからこその美しさであるが、「雪」のように存在が具象化し、そこに「積もる」要素が生まれることで、瞬間的ではなく、何か長期的な感情の蓄積が見え始めるのではないか。それこそが、駆の訴える「孤独」という一時の感情を乗り越える鍵になるのかもしれない。

 ……と、ここまで無難にまとめてはいるが、次回予告で衝撃の一言が発せられたので次回の展開に全く予想がつかない。自己紹介するメンバー全員は別にいいのだが、「私が見えるの?!」ってどういうことだ? このアニメ、大どんでん返しとかあるのかな? 何が起こるか、次回の花火を待つしかない。

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 黒1白2は毎日あそこで寝ているんだろうか、第10話。もう日乃出橋から猫寝橋に改名しちゃえ。

 片付き始めたいくつもの断片。綺麗に収束したものもあり、自然消滅したように見えるものもある。まず、今回一番はっきりと「決着」がついたのは祐と幸の関係だろう。前回の時点で既に決着はついていた気もするが、一応確認のようにして、幸はちゃんと2人に「告白」をしてみせた。そして、当然それに対する祐の答えも「月が綺麗だね」というもの。お互いになんだか不思議な距離感からスタートした2人の関係性だったが、困難を乗り越えて無事にゴールにたどり着くことが出来た。最初の関係性は一方的な「祐の努力」という側面ばかりだったが、そこから幸が祐を受け入れ、自分の行いを省みた結果行った今回の「同時告白」の儀式。相変わらずよく分かっていない透子は差し置いて、なかなか良いセッティングとなったのではなかろうか。きちんと、思いを伝えた幸に対して透子も「月が綺麗」という祐と同じ答えを返しているのに、意味がよく分かっていないせいで全然そこに籠められた意味が違っており、あっけらかんと空に響いたのはなかなか面白いシーンであった。

 次のシチュエーションは「伍時半の君」を中心とした一群。合宿から帰ってきた雪哉は、偶然町を歩いていてやなぎのやっていたことを知る。彼女が何故同じコースを走っていたのか、という答えは実は未だはっきりと得られていないし、今後もその真意をはっきりと語るチャンスはなさそうなのだが、やはり「雪哉がこの町にいないこと」を代替することが目的だったのだろう。このまま放っておくと、雪哉がこの町から消えてしまう、とまではいかずとも、いつでも彼が帰ってきて元のようにランニングに戻れるように、彼女は「等価の代替物」として「5時半の君」を引き継いでいた。この「対等である」という要素が2人の関係性にはとても重要なもので、実際、帰宅したやなぎを迎えた雪哉は、かつてやなぎがそうしてくれたように、彼女にタオルや飲み物を差し出すのである。2人はようやくここで「並ぶ」ことが出来た。「告白した側、された側」とか「兄と妹」という関係性ではない、2人の新しいつながりがここで完成し、2人はひとまずのゴールを迎えたと言って良いのかもしれない。ちなみに、「私の五時半の君」の存在にちょっと浮かれていた陽菜ちゃんも同様に片付いている(というか、最初から俎上に上がってきてないな)。

 さて、そうなるとやはり残されたのは最大の問題児である駆ということになるんだな。今回は回りのノイズがすっきりしたこともあってか、駆と透子がお互いに歩み寄る姿勢を見せて少しずつ核心へと近づいているようだ。透子は相変わらず「欠片」に悩まされながらも、何かを掴もうと改めて沖倉の家を訪れ、「ひょっとして駆の野郎がおかしいのはこの両親のせいなのでは……」と途方に暮れる。やっぱりあの大人たち、ちょっと変かもしれない。他方、駆はというと、「欠片」が聞こえなくなったことにいくらか戸惑いつつも、相変わらずセカンド自分やサード自分との1人会議は捗っているので、あんまり精神的に変化も動揺もないように見える。ただ、自分の力だけではどうしようもないことは分かっており、まずは祐を通じて幸にアプローチ。一体幸に何を聞くのかと思えば、透子の扱いについての身の上相談だったようだ。まぁ、駆の立場からすれば「欠片の謎」を解く唯一の手段が「透子の謎」を解くことと同じになってしまっているので、彼女の生い立ち、交友関係、そして精神性から地固めしていくのはある意味冴えたやり方といえるのかもしれない。幸からは「透子ちゃんを守れていない」ということへの太鼓判を頂き、2人で一緒に今後について神頼み。その後もう一度1人で神頼みをしていたが、おそらく幸がいなくなった後での願いには「欠片」についての事象が含まれるのだろう。2人でお願いするのは透子の幸せ、透子の未来だろうが、事情の分からぬ幸に「欠片」のことを話すわけにもいかない。結局、幸に相談したとはいうものの、最終的な問題は駆が飲み込む形になるのである。

 そして、何を知っているのか、ニワトリのジョナサンに連れられて、透子がたどり着くのはやっぱりあの美術準備室である。今回はサブタイトルが「ジョナサン」なので「またニワトリがどうにかなるのか! やっぱりP.A.やな!」とか思いながら見ており、一瞬校庭からジョナサンが消えていたので「ほらみろ!」とドキドキしたのだが単に校舎内にいただけだったな。あそこで透子を美術準備室に導く重要な役割を果たした、ということなのかも。そして改めて「欠片」の現状について意見交換を行う。キスしたことについてしどろもどろで説明する透子だったが、それを受けての駆のレスポンスは、「とりあえず未来にしてみよう」というもの。うーむ、相変わらずこいつの考えていることはよく分からない……。何の躊躇いもなくキスをする2人。透子の方も、面食らってる風ではあるがあんまり嫌がってもいないし、自然にそうなるか、みたいな顔でそれを受け入れた。この2人は……一体なんなんだ。透子からしたら「もう見てしまった景色」であり、それが「未来かもしれない」という覚悟があったかもしれないのでまたいいとして、駆があっという間にそこでアクションを起こす展開は流石にどういう心理状態なのかは読み取れない。彼は彼なりに追い込まれていたということなのか……。とりあえず次回の反応を待つしかないな……。

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 サブタイトル、雪・月と来たから絶対「花」だと思ったら次は「ジョナサン」だったよ、第9話。「雪月ジョナサン」、自然の美しいものを3つ表した言葉である……どないやねん。

 相変わらずの展開が続く本作。ホント、1つ1つのカットが本当に散逸的で、個々の意味内容を解釈するのが凄く難しい。ただ、前回は時系列すら危うい構成だったので困り果ててしまったが、今回は相変わらずカット数が多くてモザイク画のように散り散りになってはいるものの、話の流れで分かりにくいところは少なかったのは救いか。すごい構成だとは思うんだよね。割と平気で台詞無しの情景だけのカット繋ぎとか平気でぶっ込んでくるからね。これ、どこまで全体構成が見えてて作ってるのかなぁ。最後まで観た後に改めて個々のエピソードを振り返る必要があるかもしれない。

 さて、そんな大変な本作であるが、事態は少しずつ進行しているような、そうでもないような。まず、大きな変化ではなかったところから見ていくと、意外にも今回一番動かなかったのは騒動の中心人物であった駆。今回は自宅で両親と対話するシーンが1つと、そこから「欠片」が聞こえなくなったことを確認し、相変わらず透子に迷惑をかけに行くので1つ。例によって行動原理のさっぱり分からない奴なのだが、今回は透子のところにねじ込みに行った結果、「どんだけ欠片のことが気になってんのさ!」と怒られたことで、彼のモチベーションが改めて問われることに。確かに、これまであまり気にしていなかったことだが、彼の執着は透子に向けられているというよりも、彼の聞く欠片自体に向かっているという方が正しかったのかもしれない。そりゃ、他人となかなか共有出来ない超常現象なのだから気になるのは当然だろうが、聞こえなくなってホッとするんじゃなくて焦っているところを見ると、「欠片」そのものに依拠するような精神性もあったようだ。透子だってそんなこと言われても困るし、自分の中では少しずつ恐ろしいものへと変貌している「欠片」を追い求めている駆の存在は、なかなか相容れないものになっているのかもしれない(キスシーンの問題もあるし)。

 他方、距離は遠くてもどこか近づいた気がするのは、やなぎと雪哉のコンビ。その間には、何とも微妙な立ち位置の陽菜ちゃんがちょこんと座っている。相変わらずお外で水着でも平気な陽菜ちゃんがわざわざやなぎに声をかけに行ったのは、「お姉ちゃんが心配」が最優先事項としてあった。去り際のやなぎに声をかけた事からも分かるし、やなぎの部屋を訪れた時も、「姉に何があったのか」だけを気にしており、そこに雪哉の介入する様子は全くない。つまり、やっぱり陽菜ちゃんの気持ちが雪哉に向いてるってわけではなかったってことでいいよね。「格好悪くならないで下さい」という自転車での鼓舞はどういう感情から出たものだったのか気になるところだが、一応「姉の関係者(もっと突っ込めば「姉に告白した男」)」だからこそ、しっかり者の妹が気にしたっていうだけなのかもしれない。当然、その「気になる」矛先は謎の追従ランニングを始めたやなぎの言動にも向かい、今回のお宅訪問が実現したということに。陽菜ちゃんのお着替えシーンが描かれなかったことが、今回最大の不満点である(ただし、CM入りが姉妹の風呂だったことで許す気になった)。

 そして、そんな陽菜ちゃんが緩衝材になったのかなっていないのか、謎の日記メールを送り続けたやなぎに対して、ついに雪哉からのレスポンスが。本当に演出意図の読み取りにくいアニメではあるのだが、「お前の声で落ち着く」と言われた際のやなぎの反応はなんだかグッと来た。この2人は無事に解決出来そうな気がする。やっぱり一旦距離を置いて他のことに没頭出来たのが良かったのかしらね。

 さぁ、そしてクライマックス。これまでのお話ではおまけみたいな扱いだった幸・祐のペアにも大きな変化が訪れた。あの一件以来一度も顔を合わせず、メールのやりとりすらしていなかった2人。一方的に幸の方からメールは出していたが、祐はどうやって対応していいのか分からずに相変わらずの様子だった。しかし、そんな祐に対して幸から明確なアプローチ。まずは「夢十夜」という謎のメッセージが送られてきて、おねーちゃんの助言によりそれが本のタイトルであると認識。更に、その本を読んだところで更なる呼び出しがあり、透子と3人で麒麟館へ。そこで行われたのは、「月」をキーワードとした遠回しな告白イベントであった。

 さて、ここで問題になるのは、一体幸ちゃんが何を考えてこのように妙なイベントを企てたのかということである。簡単に考えれば単なる透子への告白イベントということになるが、そのためにわざわざあんな面倒なことをしたわけではないだろう。というか、それではわざわざ祐を呼び出す意味が無い。彼女がここ数回にわたって祐について抱いてきた感情は、そんな簡単なものではないはずだ。ここで「月」を使った告白というイベントが効いてくる。彼女は、『月が綺麗なこと』をそのまま「I LOVE YOU」というメッセージに置換し、自分の気持ちを他者に伝えた。しかし、その「他者」というのは誰だったか。もちろん透子である。幸が透子に抱いてきた感情というのはずっと変わらないもので、それをきちんと伝えることが今回のイベントの目標の1つだったことは間違いないだろう。しかし、ここでもう1人、「綺麗な月」を見せたかった人物がいたということを無視してはいけない。つまり、祐である。そして、彼女は「夢十夜」という「メッセージの答え」を透子ではなくて祐の方に伝えている。彼女が「月」を見せるべき人物は2人いたが、ここでの主体は祐の方だったのではなかろうか。彼女の目的は、透子へ気持ちを伝えるというのがまずあって、それは同時に、「祐にあの一件の理由を説明する」役割も果たした。そして、祐に自分の置かれた境遇を理解してもらうと同時に、祐への感謝と、自分の気持ちも伝える。これらを同時にこなせる見事なロケーションが、あの展望台だったというわけだ。この町の人たちは、なかなか手のこんだことを平気でやってくるし、回りの人間もそれを受け入れる心の余裕がある人たちばかりなので助かります。

 さぁ、これでひとまず幸ちゃんを巡る物語は一段落してくれるのではなかろうか(個人的願望)。あとは雪哉が心の整理をすれば、最大の難敵である駆が残り、そこからは「欠片」についての謎解きが出来る。上手いこと収束できるかな?

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 ぬくみ雪かな? 第8話。混迷を深めるこの世界、謎は謎を呼び、物語はますます難解な方向へ。

 前回から気になっていた「分かりにくさ」は今週も継続しており、やはり時系列に不自然な捻りが加えられている。一番「おや?」と思ったのは病院の屋上でやなぎと幸が話していたところで、幸がやなぎに対して「話しておいた方がいいかも」と言って話し始めるかと思った次のシーンは、病室に戻ってきて母親にクッキーが食べたいという幸である。その間に入っていたとおぼしき「幸とやなぎの相談シーン」は、その少し後に改めて描かれることになる。この断絶にどのような演出意図があるのかがよく分からない。前回首をかしげたので今回よくよく見てみると、屋上で2人が話すシーンは若干ではあるが画面外枠が白く飛ばし気味になっており、やや回想めいた効果がかけらているようにも見える。ただ、どうも時系列でずれてないような気がするシーンについても同様のエフェクトがある気もして、後半の透子と駆が校庭の階段で話しているシーンなんかも、ちょっと白みがかっているようにも見える(単に陽光が眩しいという演出なのかもしれないので何とも言えないが)。普通ならばあまり気にする必要のない部分なのかもしれないが、本作は元々「未来の欠片」というワードから始まったものであり、「未来」「現在」「過去」という時系列の配置が気になってしまうのは致し方ないことだろう。

 今回は、そうしたふわっとした部分以外でメインシナリオはあまり進行していないように見える。大きく分けると「幸・やなぎ連合」と「透子・駆連合(+陽菜)」の2チームに分かれて話が進んでおり、残りの野郎2人はまるで修行僧のようにどこかに旅立ってしまったために、今回は蚊帳の外である。ただ、その2人の影響が残りのメンバーには出ているのでややこしかったりする。まず、透子と駆のコンビについては、抱えている問題は前回の進化形。【欠片8】「襲い掛かるカラスの群れ」については隣接していたためか駆も視認していたようで、2人して「なんじゃいあれは」と頭を悩ませるのに加えて、それを見た時のオーバーリアクションをやなぎに目撃されてしまったために、「やなぎになんていったらいいのかしら」というのも新たな課題として現れている。まぁ、駆はどこまで行っても冷淡なので、「話すしかないかな」とか平然と言ってるし、見えた欠片についても、「美術準備室にいけばなんか分かるかもね」と意味深な発言。いや、透子も視聴者も何も分かってないよ。

 そして、今回は「欠片」がもう「欠片」と呼べないレベルで現実世界を浸食し始めており、その展開もこれまで以上に大がかりなものになり始めている。まず、【欠片9】「透子に向かって吹き飛ぶ工房のガラス」。「欠片」の中には今回買い物をしていたらしい観光客が映っており、どうもそのビジョンは「現在見えている映像の延長線上」にあるようだ。これは、前回の【欠片8】にやなぎの後ろ姿が映っていたことと同じ現象である。そして【欠片10】「雪の降る美術準備室と、キスをする2人」。これが一番の問題で、はたして「季節が進んで冬になったところで駆とキスをした」ものなのか、「カラスと同じように、何らかの心象風景を描いたと考えられる」ものなのか。現時点ではさっぱり分からないわけだが、接近していたタイミングなので駆も同じビジョンを視認していた可能性が高く、透子さんはテンパるしかない。そして外へ飛び出したところで、【欠片11】「雪の降る校庭」である。このアニメが冬にまで時間軸を伸ばす気がしないので、これは現実というよりもイメージの世界だと思うのだが……。

 混迷を極める透子の脳内ビジョンは、1人達観した駆だけが追撃可能なものであり、その他の回りの人たちは完全に置いてけぼり。その影響があるのかないのか、陽菜ちゃんは雪哉の話題を報告したり、お姉ちゃんの動向を気にしてみたり。同室にいるところに電話がかかってきて、陽菜が出ていくのをじっと待って、更にドアの向こうから気配が消えるまで透子が電話に出るのを待っていたシーンは、なんだか色々内面が想像出来てちょっと面白かった。陽菜ちゃんは雪哉のことをどう思っているのかよく分からないが、今回の様子だと、やっぱり好意ってわけでもない気がするんだよなぁ。

 そんな雪哉はどうやら陸上の合宿で遠征している様子。走っている時のやけに楽しそうな表情が印象的で、ややこしいドロドロコミュニティの人間関係からは解脱したかのようである。もちろん、やなぎちゃんがそんな身勝手なサボりを許すはずはなく、「雪哉がいないんなら私がそれを真似してあいつの思いをトレスしてみよう」とばかりに、「5時半の君」改め「5時半の姫」として登場。いや、5時半に着けるとしたら陸上部と同じペースで走れるってことだから、多分もう少し遅いとは思うけども。何故突然走り出したのかは想像するしかないが、その前の全裸シャワーからの全裸歩行を見るに、やはり「雪哉と同じ目線で世界を見よう」という意志の表れなのではなかろうか。

 もう1人、今回のシナリオから離脱していたのは、今や幸ちゃんから誘いのメールをもらう立場になった祐である。ただ、何を思ったか突然の単身登山で禊ぎを行いに行ってしまったので、今回は彼の心中を推し量る術はほとんど無い。一応、受信した幸ちゃんのお誘いメールにすぐに返事をせずポケットにしまったことを考えると、彼の中で前回の幸ちゃんの蛮行(?)はまだ消化出来ていないようだ。どうも、メンタルが弱くてスピリチュアルな野郎ばかりが集まってる気がするぞ。

 今回の結論をまとめると、「正直よく分からん」ということになるのだが、ここから、一体どんな物語をまとめていくつもりなのかは割と興味がある。期待半分、不安半分。この世界の理は、一体どんなものなのだろうか。ただ黙って見守るだけである。

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 スク水+パーカー+自転車=犯罪的、第7話。あんな幼女が駆け抜ける町に住みたい。

 ぴっちぴちの水泳女子に胸躍るお話ではあるのだが、正直言って、今回は非常に分かりにくく、もやっとするお話だった。「分かりにくい」とはシナリオの進行だけではなく、何を伝えたいのかの演出意図が見えにくいという意味。コンテは山本秀世なので何も拙い演出にはなっているわけではないと思うのだが、なんだか不思議な構図や、意味を素直に受け取りにくい演出の間が多く、その割にはシナリオに要請された内容が多かったために、なんだか雑多な印象が強い。だんだん当初想定していた方向からずれた物語が展開しはじめているのも、「分かりにくさ」に拍車をかけているのかもしれない。

 いくつかあげておくと、たとえば何故冒頭の透子とやなぎの海岸での会話は回りの風景を白く飛ばしていたのか。普通はああいう絵にしたら回想シーンを表すものだが、今回はそう言った狙いは1つもないのに、どこか浮世離れした風景になっていた。他にも、幸のために病院を訪れた透子を上から写したシーンは誰の目線なのか分からないのに不思議と視点が動いていたり、最後の海岸のシーンでは透子がジュースを買いに離れる時の台詞の余韻が引きずられるように画面に残る意味が分からず、後からやなぎがやってくるタイミングと時間的な違和感がある。なんだか、全体的にそうした「小さな違和感」の多いお話であった。止め絵に残光をのせるいわゆる西村演出の多様も飲み込みにくさを増す要因で、今回は特に「止め絵に台詞だけ載せる」シーンが何度かあったので、「そこは止めなくても……」と思う事が多かった。うーむ、意図を図りきれていないのだろうか……。

 さておき、そんな「飲み込みにくい」お話だが、何も分かりにくいのは演出意図だけではなく、なんだか斜め方向に受け取りにくいシナリオ展開になってきた。ぶっ飛んだのは、今回2度にわたって行われた駆の自分会議である。「自己との対話」というだけならば普通にあるシチュエーションだろうが、駆の場合、何故かこれが2人も増えて、完全に実体化(イメージです)している。挙げ句「君らがいて良かった」とか言ってる。もう、セカンド自分とかいうレベルじゃない。流石に未来の欠片のように超常的な現象ってわけではないと思うのだが(あの演出だとそうとも読み取れてしまうのだが)、これまで充分危なかった駆が、更に危ない奴になっている。また、今回だけでそれなりに穴埋めをしたとはいえ、やはり突如乱入して自転車滑走した陽菜ちゃんのモチベーションは理解出来るとは言い難い。ものすごく安易に捉えるならば「陽菜は雪哉に『恰好よく』いて欲しかった」ということになるので、彼女が雪哉に惚れている(もしくは憧れている)という話になるのだが、ただそれだけのために、突然水着で飛び出したりはしないだろう。もう少し掘りさげると「嘘の下手なお姉ちゃんは雪哉関係で悩んでるようだから、彼に面倒があると姉まで困る」という妹心という想像も可能。ただ、それにしたってあの行動の理由としては弱い。今回のサブタイトルは「自転車」なので間違いなくあのシーンが一番大事なはずなのだが、正直、その意図が見えてこないのである。

 他のキャラクターでぶれていないのは、多分透子と祐の2人だろう。透子はあれだけのもめ事があった後にもかかわらず、回りの駆への感情をまだ認識しきれていないようで、今回はついに嫉妬で幸ちゃんがへそを曲げる事態にまでなってしまった。それでも気にせず、駆や「未来の欠片」を相手取って回りをヤキモキさせるのが透子である。ただ、今回は「未来の欠片」の存在に新たな疑問が生まれたことで、彼女の内面にも未解決の問題が残っていることは確認出来ている。今回の欠片は【欠片6】「入院中の幸と、一緒にいる祐」。もう、これは今回のシーンで解決済みか。【欠片7】「落下する駆」。落下する景色のバックグラウンドには、透子が良く見ていた展望台(?)のだまし絵が確認できるが、背景との関連性は不明。そしてラストが【欠片8】「襲い来るカラスの群れ」。どうも、この驚くべき景色は駆の言うように「未来ではないかもしれない何か」のようなんだよね。見てしまった透子はかなりショックを受けたようで、これまでの「欠片」とは一線を画している。一体どこへたどり着く景色なのだろうか。

 もう1人、一応スタンスがぶれていないのは相変わらずの祐。多分幸ちゃんのいう「ボーイフレンド」は「男の友達」というそのまんまの意味だと思うのだが(もしくは、幸ちゃんが自分の性向を親から隠すためのダミーか)、まぁ、祐は喜んでいるから良しとしよう。しかし、順風満帆だと思っていた祐だったが、幸ちゃんが嫉妬にかられてちょっと悪いことをしてしまい、それに何の断りもなく自分が巻き込まれたことで、なんだか歯車がずれてしまった。憧れていた幸が、「汚いことをする」実体を見たことで、純心で自分勝手な男の子は、少なからずショックを受けてしまったようだ。その辺の感情をストレートにぶつけるのも祐らしいんだけど。ということで、幸ちゃんは今回ちょっと暴走。もちろん、後になって反省して涙を見せていたものの、流石に祐を使ってしまったという無神経さはよろしくないかも。ちゃんと謝った方がいいと思うよ。

 そして、相変わらず悩ましいのが雪哉・やなぎのコンビである。雪哉は今回、プール脇を走っていただけではあるのだが、勝手に回りが色々とちょっかいを出してややこしくしてくれている。雪哉からしたら「振られた上に気にくわない男にコケにされた」っていう状態でストレス発散のために走ってただけだと思うのだが、陸上で世話になったコーチにも声をかけられ、「もういいか」って感じでそちらに傾いているのかもしれない。逃避といえば逃避。現実といえば現実。そんな雪哉に釈然としないのはやなぎさんであるが、雪哉が「格好悪く」なってしまったそもそもの原因は駆ではなくて透子への告白失敗。もし成功していたらやなぎさんとしては忸怩たる気持ちを残さなければいけなかったわけで、良かったのか悪かったのか。とにかく、ほとんどの連中に共通してることは「ダビデさえ居なければ」なんだよね。

 現在、視聴者目線においても駆に肩入れする理由がほとんど無いのが、このアニメをいくらか見にくくしている原因なのかもしれない。結局、あいつ何やりたいねん。

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 結論を急ぎすぎる若者たち、第6話。ここに来て急に距離を詰めてきた感のある展開。みんなして物事を短絡的に考えすぎじゃないですかね。

 ここまでは割とのんびりと1つ1つの出来事を観察出来たわけだが、今回は4人のキャラクターがそれぞれの思いを急に行動に移し始めている。これまでの展開でも割と生き急いでる部分はあったのだが、今回はそれがかなり顕著に表れた形だ。

 順に見ていくと、まずはやなぎあたりだろうか。前回の日乃出橋での告白で勇気を見せたやなぎ。「告白できればそれでいい」とばかりの一方的な発言で雪哉にプレッシャーをかけ始めたわけだが、そんな彼女の今回の衝撃発言は「うちは何なの?」である。「返事は求めていない」と言いながらも、早くも「なんか意思表示しろよ」という無茶な言いがかりである。しかし、その気持ちは分からないではない。せっかくの仲良しグループが5人で和気藹々とやっていたところに、駆が乱入してきたことで歯車が狂いはじめ、その結果として雪哉が先走り、追いかけるようにして駆も行動に出た。その結果、やなぎの与り知らぬところで勝手に男どもがもめ事を起こし、自分はすっかり蚊帳の外。そりゃぁ控えめなやなぎさんでもイラッと来るのはしょうがないところだろう。やなぎ自身の「雪哉に結論を出してもらおうとは思わない」というスタンスは変わっていないのだろうが、まるで自分が部外者であるかのような男どもの態度が気にくわないのだろう(いやまぁ、透子というお姫様を2人の男が取り合っていることへのやっかみもあるのだろうが)。最終的に、駆の独りよがりな行動に腹を立てたやなぎは、パンチならぬビンタでメンヘラ気味の男を牽制。「自分が雪哉派である」ことを端的に示すことになった。これだけ気の強い性格ではあるが、別に透子との関係性は悪化してないあたりはこの作品の優しいところである。

 一方、事態がどんどん望まざる方向に進んでいらだっているのは雪哉も同じ。透子にぶつかって玉砕、更にやなぎにコクられてテンパるという、今までの人生で最も濃密な数日を経験している男子高校生。まともな判断力が無くなるのはしょうがない。そのくせ当のやなぎはあっけらかんとした様子で接してくるのだから、純真な男の子にはたまったものではない。必死に解決の糸口を探すも、駆というやっかい者が更に傷口を広げ続けるせいで、なかなか精神の平静は訪れないのである。多分、本作一番の被害者体質は雪哉だろう。空気を読まない祐の一言から、花火イベントに駆を招く案が持ち出され、「そんなん嫌や」と暴れるために駆のところに言ったら、気に入らないアイツは「やなぎから告白されたの? ん?」とか「まさか返事してないの? マジで?」と煽ってくる。そりゃ誰だって殴りたくなる。別にやなぎについては独占欲も無いし、恋愛感情はまだ芽生えてないが、それでもぽっと出の部外者がいきなり「俺の方が先にやなぎの気持ち知ってたわー」と言われたらキレるのもしょうがない。あげく、煽られたゴールが「もう、お前走るしか能がないんだろ? 走るぜ?」とか言われる始末。やなぎの啖呵のおかげでこの申し出は単なる駆のこけおどしだと分かったわけだが、それでも「透子の前でかっこわるい姿は見せられない」っていうプライドもあるし、結果的にやなぎにはどんどん迷惑かけちゃってるし、雪哉君は回りに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだろう。ホントに可哀想。

 そんな雪哉の気持ちを考えたくても考える余裕が無いのが透子ちゃん。彼女の凄いところは、こんだけ回りの勝手な感情に振り回されていても、まだ動き続ける「KYなバイタリティ」である。回りに煽られているせいだからか、超常現象が結んだ仲だからか、気にしないようにすればするほど、どんどん駆を意識してしまう負のスパイラル。駆の野郎が輪をかけてKYなものだから、2人の相乗効果でどんどん俗世から切り離された2人の世界が構築されている。今回登場した【欠片5】はまさかのキスシーン。画面上では誰と誰のものか明示されていないが、後で透子が「駆君ばっかり見える」と言っていたので、やっぱりあれは駆だったのだろう。そりゃ意識するなって方が無理な話で、頭がいっぱいだとどうしても他のことはおろそかになってしまう。透子は雪哉に対してはきちんと返事をしているので罪悪感を感じる必要はなさそうだが、それでもあの面倒極まりない駆をメンバーの内部に呼び込んでしまったのは(本人が望んだのではないが)透子に責任の一端があるのだし、このもつれ絡まった現状を打開するために、自分なりにできることをなんとかこなそうと必死である。んで、慌てて駆のところに行くと「うち寄ってく?」とか言われて更に泥沼なのである。現状を打破するために一番簡単な方策が「とりあえず透子が駆の扱いを特定方向に定める」っていうルートだと思うのだが、透子ちゃんの状況を鑑みるに、まだまだそれは難しそうである。

 結局、こうして並べて見ると一目瞭然だが、全ての原因は駆にあり、状況をややこしくするのは全部駆である。たまたま雨の坂道でやなぎの人生相談を聞いたのは彼の責任ではないが、そこで得た情報を雪哉に対して平気でぶつけていったり、一切の遠慮なく透子を「自分のもの」にしてみたり、彼の行動は基本的に自分本位で相手のことを考えていない。そりゃま、別にその必要がないと考えているからだろうし、幼少の頃から長年抱えていた「未来の欠片」案件の答えが目の前に転がっている(かもしれない)のだから、テンションが上がるのは分かるが……もう少しこいつが日本語の通じる奴だったら、話し合いで済ますことが出来ることも多いと思うのだけどなぁ。単なる阿呆に見えるならば処理のしようもありそうだが、駆の場合、なまじ「世間が見えている」風なのが質の悪さに拍車をかける。全部上から目線で物事を語るから1話で2人に殴られたりするんや。

 こうしてみると、やっぱり祐・幸コンビは平和でいいよな……今週の幸ちゃんはマジで本読んでるだけだったしな。この2人にはこのまま平穏無事で幸せになってほしい。幸の入院ビジョンは、単なる検査中の一幕であってほしい。百合精神については……まぁ、我慢してもらうとして……。

 今週は(今週も?)やたらと西村演出的な止め絵が多く、「画面はとまっているけど時間が動き続けている」というシーンが頻出したのだが、なんと、こちらのコンテも川面真也の手によるものであった。この人の引き出しの多さは素直にすげぇなぁ、と思う。まぁ、今回の演出方向はくどさが目立ってた気もするが。ちなみに、今回の作監は川面恒介という名前で、まさかのコンテ・作監の名前被り。なんで業界って珍しい名前で被ったりするんだろうね。

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 なんかキャラ作画がちょっとゆるい、第5話。まぁいかにP.A.とて画面が崩れることはあるし、そんなに大ダメージでもないので特に気にはならないのだが、こんだけキャラの1枚絵が印象的な作品だと、やっぱりちょっと目立つか。ただ、その分重要なシーンである木漏れ日、草原とか、橋の上の風景とかはがっつり決めてくるので文句は無い。

 相変わらず、1つ1つの断片を拾い集めてくるようなジリジリとしたお話が進む。ただ、今作の場合は割とキャラクター全員が衝撃耐性が高いというか、結構なことをやっているはずなのにあまり表に出さずに飲み込むタイプが多いので、インタラクションが明示化されていないという実態はある。たとえば幸ちゃんなんかはその最たるもんで、あれだけ明らかな祐のアプローチに対しても、淡々と受け止めてそれを透子に流しているだけである。このスタンスは非常にたくましい。しかし、あの2人の関係性もまだまだ何という名前をつけるべきなのか悩むようなものだね。祐の方は確実に「デートをする間柄」である。そりゃあんだけ頑張って部屋まで入れたのだから、そりゃぁ一大成果といえるでしょう。まぁ、やることといえば本を読むことだけなのだが、それだって充分に「デートの所産」だと思えば。無理してカミュなんか読もうってもんですよ。ただ、残念ながら幸ちゃんの方がそれをとても軽々しく受け取っているのでね……。さらっと祐の来訪を透子に漏らしてしまう時点で、彼女の中の祐の扱いなんてそんなもの。わざわざ間男みたいな真似して窓から逃げたってのに、その意味を全く考えてくれないのである。一体どんな気持ちで窓から逃げてく祐を見守っていたのだろう。「透子と顔を合わせたくない理由がある」とか考えてたのかしら? ある意味とても残酷な子。

 そんな透子は、今作では唯一と言っていい、「リアクションをちゃんと顔に出してくれる」子である。カフェでびっくり、幸ちゃんにびっくり、そして駆にびっくり。色んな世界が自分の知らない次元で動いていることに対処しきれていない様子。幸の件については置いとくしかないので直接的な関わりはないのだが、意外だったのはやなぎと駆の関係性。透子さんもこれにはびっくりであった。

 今回の主役となったやなぎさん。前回の「坂道」で何か変化したのは間違いないのだが、まさか、本当にダビデをダビデ像のごとく「独白の相手」として使ってしまうとは。もちろんそれは、彼に対する不信感の払拭、信頼の現れではあるのだが、何とも不可思議な信頼感である。自分の雪哉への気持ちを伝えてしまい、更にそれを「透子に伝えて」と伝言まで頼んだ。透子と駆の関係性はそれなりに深く見積もってもらっても構わないのだが、一番不思議なのは「何故直接自分で伝えなかったのか」という部分で、やはり、どれだけ気にしないとは言っても、「雪哉に告白された透子」というのは何らかの心理的障壁を持った存在なのだろう。その繋ぎとして使われた物言わぬ駆は、最後の最後で石膏像の職務をやや逸脱してしまったが、ほぼ狙い通りの動きを取っている。そういう意味ではやなぎさんの人を見る目は確かだったのかもしれない。

 現時点においても、駆という人間の心中は謎のままである。大胆不敵にも透子を呼び出して「親父の手料理」という謎の歓迎を行い、更に自分のお気に入りの場所に彼女を連れ込んだ。一体なんやねん、とは思うものの、彼が寝転んだ木漏れ日の中に光る「輝き」を見る限り、ぼんやりと彼の狙いが見えてくるような気もする。2人を繋ぐ唯一にして最大の接点であった「未来の欠片」。その欠片は、透子の目には「輝き」から飛び込んでくる。そんな「光」の形態として、駆は透子にあの場所を提示したのではなかろうか。ひょっとしたら、彼の耳にも、あの場所は何か特別な影響を及ぼしうるのかもしれない。なかなか本意のつかめない謎めいた男ではあるが、とりあえず「イケメン」なのは間違いないようである。前回、映画で寝ていた祐は大ブーイングものだったが、今回、勝手に寝っ転がってしまった駆は非難を受けるよりも先に幻想性が際だつ。まー、適材適所って奴ですかね。

 そして、最後のクライマックスは、当然サブタイトルにある通りに橋の上。前回のサブタイトルとは対照的で、「坂道」は一方的なのぼり、くだりという「差」を示すが、「橋」は「接続」を表す。予告通りに行われたやなぎの告白だったが、その「繋ぎ」方は彼女の強い意志を反映するように、実に一方的で、明確なものになった。彼女の心中は、おそらく今回雪哉にはき出したものが全てだろう。ここまではっきりと伝えた上で、雪哉にレスポンスは求めていない。あくまでも「自分のため」と割り切った告白。雪哉の方も、そんな彼女の独白を顔色を変えずに受け止めていた。一度「透子に告白したことを知っている」と伝えたところだけは顔をしかめたが、やなぎの好意自体については、特に驚きは表さなかった。普通に考えたら、彼の中には「透子」という優先項目があるわけで、前回の学校でふて腐れてはいたものの、まだその思いは変わっていないはず。そんな中で「家族」から告白を受ければ普通ならば慌てふためくだろうに、彼は至って冷静。「そんな風に考えられないから現実感がない」ってだけなのか、それとも、本当に興味が無いのか。……まだ分からんけど、やなぎの心情を考えるに、出来れば前者であってほしいね。一つ屋根の下にいると忘れがちだけど、なかなかいい女なのだからさぁ。下ネタへの軽妙な返しとか、たまらんよね。

 タイトルになっている「橋」は、本来岸と岸を繋ぐためにある。しかし、「橋の上」で告白をしたやなぎは、「渡る」ことなくその橋をとって返した。駆がどのように動いたかは画面の中では描かれておらず、その橋の下を、電車が割ってはいるように通り過ぎただけである。この描写の意味は、後々分かることになるのかなぁ。

 ちなみに今回冒頭で「未来の欠片」が出てきたのでチェックしておきましょう。【欠片4】「笑っている駆」。……まぁ、どうとでもなるシーンやな。

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 松葉杖の使い方が変じゃなかった? 第4話。普通は怪我した方の足を杖で支えるのでは? 幼い頃に読んだ「探偵入門」みたいな子供向けのミニクイズ本で「嘘つきは誰だ?」っていうクイズがあって、「怪我してる足の方に松葉杖をついてる男」が犯人だったことが。やなぎさん、仮病ですか? まぁ、ひょっとしたらそういう杖の使い方があるのかも分からんけども。いや、よろけて雪哉に抱きつくまでがシナリオなのか? だったらなかなかの策士だわよ。

 4話目。今回は汐鹿生の村だったらば絶対にあり得ないくらいにゆったりとお話が進む。1つ1つの関係性について、本当に必要以上の言葉を用いず、ただ画面の構成だけで心情を伝えていくことを目的としており、じっくりと個々のキャラクターの心情を考えることが出来る。「凪あす」みたいなジェットコースターも刺激的だが、こういうテンポでもきちんとP.A.してるのは良いことですよ。こんな素朴な脚本を持ってくるのってなかなか勇気がいることだろうし。コンテを切っているのは久しぶりに見た気がする加戸誉夫氏だが、割と脚本意図に忠実に、飽きさせないような見せ方が成立している。個人的に好きなのは雪哉と透子の2人のシーン。校庭でスケッチしてる透子の距離の取り方なんかは1つ1つが口に出さずともその時の心情を物語るものになっているし、廊下を歩くときの雪哉の目線の移動を一人称視点で追ったカメラワークの所在なさなんかも妙に実感がこもっている。告白したのなんて当然人生初のことだろうし、頑張った割に透子の方はどこ吹く風だし、どういう態度に出ていいか分からない雪哉君の悩ましい煩悩が漏れ出ております。「俺が振られたのはあくまで透子に本命がいるせい」と思い込みたいあたりも実にウジウジしてて良いね。そこで透子に詰め寄るのは筋違いも甚だしいが、本人も混乱してるってのは分かってるからなんだか可哀想。帰り道、ニワトリの間を突っ切る雪哉の足取りに、「とりあえず駆との関係性はぶっ壊してやりたいなぁ」という切なる願いが感じられるのである。

 「告白してきた男が、めげずにまた自分に接近して何か感じ取って欲しそうにしている」という針のむしろのようなシチュエーションでも、透子さんは一向に気にしない。いや、少なくとも前よりは気にかけているんだろうが、どっちかっていうとニワトリスケッチの方が重要。ガラスを吹いていない時のこの子はどうにも抜けている。その結果、雪哉からは「お前どうせ駆が好きなんだろ」と言い捨てられて困ってしまうわけだが、普通に考えたらこんな短期間で恋愛感情育む余裕はないよな。実際、雪哉に言われたせいでひどく意識してしまったいる状態だろうが、元々透子にそんな感情は無かったと思う。別に惚れる理由もないし(あと駆ちょっとイタい奴だし)。でも、雪哉との関係でちょっとあたふたしてるところに「お前、ひょっとして惚れてるんじゃね?」と振られると「あれ、そうなのか? だったらどうしよう!」となってしまうあたりが困ったもの。この子、本心からの恋愛が出来るほどに精神性が成熟してないんじゃないんだろうか。振り回される回りの人たちも大変である。

 ただ、そうした「未熟さ」のおかげで救われる面もある。普通ならばもう少し後ろ暗くなりそうなやなぎとの関係性が、本当に何のわだかまりもなく成立している部分である。「告られた、断った、でもちょっとドキドキした、ごめん」というあけすけな報告を受けて、そりゃぁやなぎだって怒れないだろう。別に透子に咎がないのは本人も言った通りなのだし、告白されるだのなんだのってのは、この歳の男女にとっては一大イベント。それを受けてノーリアクションでいろって方が無理のだから、「ドキドキしました」と言われても「せやろな」で終わりである。このあたりはやなぎさんがとても冷静で、ドロドロした感情が立ち現れないのは本当に助かります。まぁ、今回はちょっとしたアクシデントから雪哉と密着出来たので、そっちの幸せポイントが高騰してたせいかもしれないけども。「家族だから」と言われてしまったのは悩ましいところではあるが、多分雪哉のそういう態度は織り込み済みだ。そこからどのように攻略していくかが、やなぎさんの課題なのである。……ハードル高いけどなぁ。

 そしてもう一組のやきもきカップルである幸&祐コンビ。こっちも進展は……無いよなぁ。むしろあの感じだとどんどん幸さんに見放されていくだけな気もする。思いっきりがっついてるけど、幸さんは自分に向けられた好意に気付いていないんでしょうかね。好きなあの子に悪い虫がついてる気がしてそれどころじゃないのかも。

 と、ここまでの5人はそれぞれにいい感じで身の丈に合った感情を抑えたり、ほとばしらせたりしているわけだが、やはり分からないのは駆である。他の連中の「身の丈に合った青春」の近しさに比べて、駆はどこに軸足を置いて動いているのかがさっぱり分からず、はっきり言えば浮いている。今回のサブタイトルは「坂道」であり、駆とやなぎの対話がメインパートということになるわけだが、駆の野郎があまりにもポエミィなので全然感情は読み取れない。これに惚れるのはなかなか難しそうだが……気の利く奴ではあるんだよなぁ。こんな不思議ボーイを、やなぎちゃんはどのように見ているでしょうか。そして、回りから煽られた透子ちゃんは、2人の密談(?)を目撃してどんな感情を持つか。途中で気付いて欲しいけどね、「私別にどうでもいいわ」って。透子ちゃんは考え込み始めると全部真剣だからなぁ……。

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 ヤマノススメ! 第3話。「P.A.なのに山なのかー」って思ったけど、考えてみたら海作品より山作品の方が多いくらいやな。夜見山が山かどうかは定かじゃないけども。

 こじれると思った要素が夏の暑さの中でサラリと解決する。この辺りは、冬の暗さの中でじっとりと沈んだ「tt」とは好対照を成している。もとからあんまり重くなるような作風じゃないことは想像はついていたが、この作品のメイン連中は、割とアホ寄りが多いのも助かる要因かも。

 最大の懸案となっていたのは、もちろん透子に告白した雪哉の問題。それだけだったらまだしも、よりによってその現場をやなぎが目撃していたというのは、ある意味最悪の状況である。片や、「告白するなら応援するよ」と言っておきながら、相手の男に告白されてしまった泥棒猫。かたや、告白しようと思っていたのに獲物をかっさらわれた被害者。もし「アオハライド」の世界のように女の友情が紙のごとき薄さであるなら、もうこれだけで刃傷沙汰である。しかし、この世界なら大丈夫。

 1つ目の課題として、「透子がやなぎに事実を報告するか」という関門が待ち構えている。流石に透子一人では簡単に決心がつく問題ではなかったため、完全部外者としてのニーズがあった駆をわざわざ自宅工房へ呼び出し、「未来が見たい」という題目で人生相談。頑なにクールを気取る駆は明確な答えを提供するほど優しくはないが、とりあえず透子は「自分の問題である」ことを再確認。頑張ってやなぎへは話を持ちかけることにする。

 で、よくあるアニメだとこの報告がうまいこと行かずにどんどんこじれたりするわけだが、事の発端となった山登りイベントがうまい具合に二人の間を取り持った。結果的には透子の決心をやなぎが察知して先取りした形になったが、「雪哉の告白」という事象は無事に二人の共通認識となり、現時点では友情は維持された。「雪哉にOKは出さない」という透子の明確な意志も表示され、すぐに実行に移される。雪哉は思いの外あっさりと引き上げたが、これから彼が透子をどのように扱うのかが、今後の焦点になってきそうである。もう、ラッキースケベをたっぷり味わったんだから、この辺りで身を退くのもありかもしれませんよ。

 今回メインとなった透子・やなぎ間の関係性だが、透子があの通りのキャラであることが安寧に繋がっている。まだまだ全てが解決したというわけではないので予断を許さぬ状態であるが、少なくとも「友情の証」である紅ショウガを透子が山盛りで食べたことから、現在はその姿勢に揺るぎは無いはずだ。今回のサブタイトルは「ポリタンク」であり、前回の「ベンチ」に続いてあまり意味のなさそうなタイトルなのだが、おそらく、その回のキーとなるシーンを表す名詞なのだろう。今回ポリタンクがどのように機能していたかを確認すると、不安げな透子がしっかり自分の任を務めようとしていたところにやなぎからの茶々が入って手放してしまうが、自分の身を犠牲にしたやなぎがきちんとそれをキャッチしている。2人が川に飛び込んで「頭を冷やした」ことと、後半に雪哉たちが「頭から水をぶっかける」と言っていた話も無関係ではないはず。最終的に、用をなしたポリタンクを手にしていたのは雪哉であるから、まだまだ彼の仕事は終わっていない。透子→やなぎ→雪哉と移っていったポリタンクの移動にも、何らかの含意はあるのかもしれない。

 で、残った関係性というと幸ちゃんと祐ということになるが……こちらはまだまだ前途多難である。せっかくかやのんねーちゃんが気を利かせてくれていたのに、幸ちゃんてば、透子の関係していない自分の恋愛関係には鈍感ってレベルじゃない。普通はあのシチュエーションで「詩なの?」とか言われたら心は折れる。一念発起して作った文章、まさかのネタバレされたら色々挫ける。でも大丈夫、相手は幸ちゃんだから。何も気付いていないから。……まぁ、それはそれで心折れるな……。あと、一応残された関係性には駆×透子っていうのもあるんだけど、こちらは駆の方が全く接近してくる気配がないのでねぇ。透子も別に好意があるわけではなさそうだし。どういうきっかけから接近していくのか。まぁ、「未来の欠片」関係には違いないんだろうけど。

 というわけで、明るく推移している本作であるが、唯一の暗雲が透子の見た「欠片」である。やたらネガティブな映像ばかりなのがなぁ。一応、今後の伏線(というか予告)になってくるはずなので、一応メモだけしておきましょうね。以前から表示されていた「電車とみんな」を【欠片1】とすると、今回表示された「涙を流すやなぎ」が【欠片2】、「病院の幸」が【欠片3】と。さて、どうやって回収されるのか。欠片3は適当に理由をつければいくらでもありそうだけど、欠片2の方がどういうシチュエーションなのかが気になるな。

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