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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「亡念のザムド」 6→7

 1度web配信が終了しているので正確には今期のアニメではないのだが、世間的にはどう考えても今期の新アニメだったので、ここで感想を書いてしまって大丈夫だろう。ただ、「プレイステーションストア配信アニメ」という形式はこれ以降まったく聞かなくなってしまったので、どうやらセールス形態としてはあまり結果を残せなかった模様。そりゃまぁ、わざわざ面白いかどうか分からんものに金を出すような酔狂な人間はそうそういるものではない。

 そんなわけで初回配信時に話題にならなかったのでつまらない作品なのかと思っていたら、これが今期最大の「空気アニメ」だったと思う。語彙として使い方は明らかに間違っているのだが、「空気のように存在感が薄れてしまったアニメ」という意味も勿論有りつつ、その上で、「空気感を非常に巧みに出すことに成功したアニメ」でもあると思う。配信形態が特殊であったおかげか、ボンズというスタジオの持つ優れた技術力が全編において維持されており、画面には一分の隙もない。そして、手間のかかる制作を経てこそ得られる「世界観の構築」が、この作品の唯一にして最大の持ち味であったと思われる。

 考えてみると、この作品の監督、宮地昌幸という人物の来歴が、実に分かりやすい形で反映されている。wikiから恣意的に過去の実績を抜き出すと、ジブリ作品からクリエイターとしての道を歩み始め、「キングゲイナー」「BLOOD+」を経由してボンズに携わるようになり、「エウレカセブン」「妖奇士」「絢爛舞踏祭」「獣王星」と積み重ねての、今回の「ザムド」である。こうして並べると「エウレカ」の流れが一番強く確認出来るが、その後ろには「キングゲイナー」に近い非常に含みを持った難解な脚本(いわゆる冨野節)や、ジブリの持ち味であるファンタジー世界の構築技法を感じさせる。描かれる世界は最新技術を持って現代とほぼ等しい生活様式を持ちながらも、奇妙な飛行船ザンバニ号や一連のヒトガタ兵器、ザムドのデザインなどは確実に「非現実」である。そして、この2つの側面が何の抵抗もなく融和し、1つの物語の背景を作り上げている。こうした「空気感」の構築が、本作最大の見どころといえる。

 脚本に関しては、非常に登場キャラクターが多く視点が散逸的になるので、分かりにくいところ、説明不足なところも見られたわけだが、それでも極力説明的になることをさけ、キャラクターの思考、足跡から全てを語ろうとしているところが白眉である。アニメーションなのだから語らせずに描けばいい、というのは非常に分かりやすい理念であるはずだが、これを実践することは容易ではない。今作は「考えること」というテーマを登場人物に課し、主人公のアキユキは最後の最後までこの「考えること」に追い立てられることになるのだが、同じことは、視聴者にも求められていたことなのかもしれない。ザムドとは、ヒルコとは何だったのか。ヒルケン皇帝とはどういう存在だったのか。様々な勢力の求めるそれぞれの正義は、一体何が正しく、何が間違っていたのか。シナリオの都合上、一渡りの説明は付されているものの、それはあくまで表面上の話。正直、1度見ただけでこの世界の全てを見通すのは難しい。是非とも、改めて1から見直し、この世界のあり方がどうあるべきなのか、そして制作者側がどういった意図で描いてきたのかを模索したいものである。

 そうした大局的な見方以外でも、この作品のシナリオは常に考えることを強いる。例えば人間関係などは分かりやすい例で、ざっと上げるだけでも、アキユキとハル、ナキアミ、フルイチ、ヒルケン。ナキアミとハル、クジレイカ、ヤンゴ。ハルとフルイチ、ミドリ。リュウゾウとフサ、垣巣。様々な人間関係が複雑に絡み合い、その全てが、単純な台詞などで説明を付けることを拒否している。この世界の人々はみんな「考えて」生きている。そして、現実の人間関係と同じように、視聴者はそうした「考えて」いる人々の心を、「考えて」観なければいけない。どんな作品だってそうした側面はあるものの、この作品の場合、この傾向は顕著であったように思う。リュウゾウはどんな気持ちであの弁当をほおばったのか。ミドリはどんな決意で自らを垣巣に委ねたのか、そしてアキユキはどんな想いでヒルケンと対峙したのか。ひょっとしたら観る人の数だけ見え方がある、そんな奇妙な作品だった。

 正直、視聴後も見事なクオリティの画面が見られた満足感はあるものの、まだどこか、「観足りない」部分があるような気がしてならない。それだけ、密度の濃い、取り替えの効かない作品であった。色々語りたい面もあるのだが、とりあえずは、面白かった。

 最後に当然、大量に出演したキャラとキャストの話。あまりに登場人物が多すぎてなかなか1人に絞って観ることは出来なかったが、個人的に印象に残ったのはフルイチ。彼の歪んだ愛情表現は、痛々しくもどこか血が通っていて、あまりにあっけない最期には胸が痛んだ。そしてその相手をするハルの心中も察するにあまりある。今作のヒロインは、やっぱりハルでいいんだよね。個人的には折笠富美子VS根谷美智子で接戦。いや、根谷さんは明らかに脇役だけどさ。他にも雷魚やアクシバ、リュウゾウなど、野郎キャラも実に格好いい。そして唯一不満点があるのは、ヤンゴの中の人だろう。だから子供のキャスティングに子供を入れる必要は無いと、何度言ったら分かってくれるのか。最初はちょい役かと思っていたので我慢していたのだが、結局ナキアミサイドのエピソードを左右するまでの重要人物になってしまった。あんなに難度の高い役なら、もっと安定感のある役者を置いてもらわないと、こちらも入り込めなくてものすごく勿体ない。子供は大人しくおうちで元素でも探してろと。 

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