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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「灼眼のシャナⅢ」 5→6

 お疲れ様、というのがまず一言目の感想かしら。長きにわたるこの「ラノベ大河ロマン」にもひとまずの終止符。長らくのおつきあいでしたが、なかなかどうして、悪いつきあいじゃなかったと思っています。

 ただ、先にきちんと断っておかないといけないのだが、正直この3期、私はさっぱり理解しちゃおりません。最初に悠二が突然敵側になった時点でちんぷんかんぷんだったところに、たたみかけるような大戦争、何の前触れもなく襲いかかる大量の紅世の徒、それに対抗するよく分からんフレイムヘイズの集団。誰が何をして、何を目指しているのかもさっぱり分からない状態で、とにかく「なんだか戦争っぽいもの」が起こっている様子だけを、ただぼんやりと毎週見守っておりました。

 こうして、「設定もよく分からない状態でなんかラノベ臭いことが起こっている」というアニメは、実はさんざんこき下ろした「境界線上のホライゾン」と同じ状態であるはず。となると、このアニメはつまらないということになってしまうのだが、不思議とそんな気もしなかったのである。思い出補正といえばそれまでかもしれないが、1つ1つのキャラクターの行動の裏側に見える「大望」については、作品を通じてしっかり見えているような気がしたのである。特に、イデオロギーが難しかったのは祭礼の蛇が率いる徒軍団の方だったと思うが、そちらは悠二がしっかり統率し、心酔して彼に付き従うバルマスケの3人の態度からその信念は疑いようが無かった。その下に連なる徒軍団になると色々と好き勝手な部分もあったように見えるが、それでも、内ゲバが起こるでなし、私欲をむさぼるでなし、最終的に悠二の大望に向かって皆が進む姿に迷いが無かった。それに対抗しようとするフレイムヘイズも同様である。紅世の王とフレイムヘイズが絡むと、画面を見てても誰がしゃべってるのか分からなくなってしっちゃかめっちゃかになってしまうことも多かったのだが、それでも何となく「全員がシャナと同じ方向を向いている」という了解があるので、シンプルに理解しようと思えばノイズは排除できたのだ。

 こうして「なんだか戦争っぽいもの」が2クールもの間に渡って延々描かれ続けるという、壮絶な「戦記物」としてのまとめ上げ方は、なかなか綺麗に仕上げようとしても難しいところだ。戦争といっても、作戦があって、布陣があって、個々の兵の働きがあって初めて「戦争」という大きな絵図が生まれる。これを雰囲気だけで「戦争」にするのは簡単ではない。この作品の場合、最低限ディティールに気を払いながら、流れをつかめるほどよいバランス感が維持されていたのではないだろうか。そしてその中にあって、ちゃんと主要キャラクターの感情の動きを描ききることになったのだ。恐ろしい数のキャラクターが大挙したシリーズであったのに、主要キャラの片付いた各々の到達地点には、不満を感じる部分は無い。皆、それぞれの目指すものがあって戦争に挑み、それぞれの未来に向かって、また明日から歩んでいくのだろう、ということが感じられる、よい最終回であった。「ゼロの使い魔」と同じように、クライマックスで流れたのが「緋色の空」っていうのはちょっと面白かったけど……それでもグッと来てしまうのが憎らしい。同時にシャナが叫んだのが「うるさいうるさいうるさい!」だったのもね。お約束って、守ってもらうとここまで安心出来るものなんだねぇ。

 こうして、また1つ長い歴史が幕を下ろした。「ゼロの使い魔」と「灼眼のシャナ」が同時に終了したというのは、なんだか因縁めいたものも感じられる。ラノベ文化の1つの時代区分が、ここで片付いたのかな、という思いだ。こちとらラノベは全く読まないので本当のところがどのような状況なのかは分からないが、いわゆるゼロ年代のアニメ文化としての「ラノベ」は、ここで一区切りという見方もあながち乱暴ではないんじゃなかろうか。1つの時代を作り上げたスタッフの皆さんには、ただ「お疲れ様」と。まぁ、渡部監督の場合、また新しいラノベ作品の看板を探して仕事を続けていくんだろうけどね。

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