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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「M3〜ソノ黒キ鋼」 5→5

 特に話題になることもなく、粛々と進行して閉幕した作品。2クールもあったのに、良いとも悪いとも噂は聞かず、なんだか勿体ない話である。

 話題性には乏しかったが、終わってみればこれはこれでなかなかにすっきりした作品である。元々のテーマが、「最近ハートフルな作品ばっかり作っていたので刺激が欲しかったサトジュンが黒い話をやりたいので立ち上げた」というものであり、その目的だけで言えば、100%の出来で達成している。何しろ黒い。画面が黒い、人間がシバガネ化するのでとにかく黒い。もちろん、お話の方も存分に黒い。中盤の展開の「救いようのなさ」は、理想的な展開であったといえる。興味深いのは、どこまで「黒い」作品にしようとも、最終的に「人と人とのつながり」というテーマ性に帰結することになり、最終話だけを観れば、そこに横たわっているのはいつものサトジュンイズムであるというところ。終わってみれば案外すっきりした、というのはそのためである。結局メインのメンバーで取り返しのつかない「死亡」に至った人間はほとんどおらず、正式に死んだことが確認されたキャラクターで「正義」側ってアオシくらいなんじゃなかろうか。あ、ミメイさんもカウントには入るけど……まぁ、彼女のことは昔の話だし。夏入さんは「正義側」とはとても言えないのでノーカウントね。

 面白いな、と思ったのは今作があの岡田麿里脚本であるということ。岡田麿里脚本でサテライト製作のロボットアニメといえば当然「アクエリオン」になるわけで、「この面子でロボットものなんか出来るのかいな」と訝しんでいたのが放送開始時だったわけだが、まぁ、ぶっちゃけ全然ロボットものではなかった。サンライズお手製なのでお馴染みのデザインとすら言ってしまえるロボットが動くには動くのだが、ロボがどう戦うかとか、ロボが格好いいか、っていう部分は作品の本質とは一切関係無く、脚本の中心となるのはどこまでも「人」でしかなかった。憎らしいのは、スタート地点では「無明領域」という圧倒的な「未知の外界」を打開することをテーマにしていると思わせておいて、シナリオが進めば進むほど、問題がどんどん内へ内へと入り込んでくるところ。「村? 何それ?!」から「ツグミ? 誰それ?」「ミナシさん、何してるんや!」と、どんどん身内の問題ばかりが大きくなり、最終的には敵も味方も全部身内の初期メンバーだけのお話。そしてそこには「孤独」と「共振」をテーマにした人と人とのつながりの形がある。そう、やっぱり脚本を取り出してみても「岡田麿里イズム」全開のお話なのである。「サトジュンらしいメインプロット」と、「岡田麿里らしいじっとりした脚本」という2つの基本線を、何となくサテライト風味なロボットの外箱でくるんだアニメが、このM3なのである。

 それが分かってしまえば、サトジュンファンであり、岡田麿里ファンでもある私には非常に観やすい作品になった。1つ1つの心情はとても丁寧に読み解かれていくし、ドラマはどれも決して軽率に扱われておらず、ちゃんと納得出来る部分から収束に向かうようになっている。あらゆる部分がオカルトで、ファンタジーで、SFなのだが、あくまでその中心にいる「人」のドラマは分かるようにできているのである。設定優先で上っ面だけを突っ走るラノベ原作なんかではなかなか出来ない屋台骨の太さである。ただ、そうした全容が見えてくるのがかなり遅く、序盤の下拵えが長かったのは商業的にはマイナスだったんだろうなぁ……。なんだかよく分からない無明領域、なんだか分からない骸。伏線は張ってあるとはいえ、その全体像がすっきりと見えてくるまで、かなりの時間を必要とした。「これが収束するんだ」という確証を持っていない人間にとっては、ちょっと視聴継続のハードルの高かったかと思われる。サトジュンも「2クールは長かったかも」と漏らしており(多分作業がしんどかったんだろう)、そのあたりの問題意識はあったのかもしれない。でもなぁ、この内容をきちんとやろうとすると、1クールだとどうしても駆け足になるし、こんだけきっちりとシナリオが成立しない気がするんだよなぁ。悩ましい。

 「黒いお話」で一切ギャグを挟まない硬派なシナリオなので、当然中の人目当ての視聴だとかなりおいしい思いが出来たのは純粋に良いところ。かなりヘヴィーな役回りが多かったおかげで、「実力派」カテゴリの面々がかなり濃密な時間を作ってくれました。個人的にはマアム役の福圓先生を推したいし、難しい役どころを見事にこなした小岩井ことりも素晴らしいと思ったが、実はそれを上回る文句無しのトップは夏入役の飛田展男だ。やっぱり飛田さんのキチガイはたまりませんわ。あの理不尽さ、そしてあの尊大さ、存在感。今作を視聴し続けられたのは、まず間違いなく「今週の夏入さん」を楽しむためでしたからね。

 というわけで、個人的には「新世界より」に続く「最初はしんどかったけど、観といて良かったよ」作品です。まー、腰を据えて観られる作品が増えるのはむしろ良いことだと思うけどね。アニメの速度も、少しスローダウンさせようよ。

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