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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「六花の勇者」 6→8

 無事に、放送終了後に原作を買ってとりあえず1巻は読み終わったので、アニメ感想をまとめていこうと思います。毎回の感想を見てれば分かるだろうが、今期一番楽しんでた作品なのは間違いないですわ。

 今作を視聴していて一番驚いたことは、作品そのものではなく、回りの感想の声などで漏れ聞こえてくる見当はずれな不満である。「いつまで内輪もめしてるんだ」とか、「ずっとこのままダラダラしゃべるのか」とか……いや、違うだろ。ミステリってのは、その「揉めてしゃべってる間」が真骨頂なんだっての。なんや、現代の若者はちょっと推理するだけでも人の話を聞く集中力がないんか。こういう部分に楽しみを感じない人間がいるっていうことを改めて思い知らされると、ミステリってのも結局はニッチなジャンルなのかと不安になってしまう。いや、実際そうなんだろうけどさ。

 「単にしゃべっている」だけでなく、その会話劇をどうやって「真に迫ったもの」にしていくか、会話だけで終わらせずに合間にどのような展開を挟んでいくか、そうしたシナリオの妙、演出の妙をしっかりと見られるようになれば、今作は俄然楽しくなってくる。そして、たっぷり1クール使ってたった1つの謎について描いてくれるという丁寧さ。中心となるテーマが分かりやすいのでどの部分に気をつけて見れば良いかも分かりやすいし、作劇するスタッフもそのあたりはちゃんと心得て、「衝撃の結末」に向かう山の作り方も手慣れたものだ。ミステリ劇の良いところは、最後に用意されている「解決編」というクライマックスが誰の目にも明らかで、そこに高揚感を覚えない人間はいないということだろう。そして、今作はこの「解決編」への尺の取り方が絶妙で、1クール作品のラスト1話に全てを集約させる事に成功している。11話準備して、ラスト1話で全ての開放。こんなに気持ちの良い作り込みは、現代アニメでは見たことがありません(ある意味、近いけど似て非なる構成になっていたのは「BLOOD-C」かも)。

 もちろん、「ミステリとして見たときの質」については色々と議論のあるところで、犯人の動きが不自然であるとか、いくらなんでも後付けが過ぎるとか、厳密性を突き詰めたら穴が多いのは事実かもしれない。もっと頭を固くして「限定ガー、伏線ガー」と言ってる時代だったら、私も色々と噛み付くポイントは多かっただろう。しかし、本作はガッチガチのミステリアニメと銘打っているわけではなく、あくまでも「人狼」程度の要素でファンタジー作品との接続を果たしているのだ。確かにご都合主義的なところはありながら、それはこの世界に生きるアドレットたちにとって充分な謎であり、論理であった。そして、それを我々視聴者も納得できる最低限のマナーは守ったシナリオになっていたと思う。そして、「人狼」にもとめられるのは細かい論理よりも疑心暗鬼で互いにせめぎ合うキャラクターの心理描写の方なのである。その点、この作品における人間関係の構築は本当に見事で、探偵役のアドレットを中心に、不穏分子のフレミーの使い方なんかが非常に「納得できる」人間ドラマに繋がっているのである。こういう、「どう考えてもトンデモ要素なのに、どこか人間味を残して共感を導くキャラ造形」は山形石雄の上手いところなんだと思う。「戦う司書」におけるモッカニアのドラマとかオリビア=リットレットのドラマなんて、理不尽極まりないと思うのにどこか引っかかる見せ方が気に入ってるんだ。

 そして、こうした人間ドラマの組み立てを見る上で避けて通れないのは高橋丈夫というクリエイターの手腕である。彼の作品を評する時には毎度毎度書いていることなのだが、本当に「人と人の距離」を描くのが上手い作家で、些細な画面の作り方から、絶妙な体温を導き出してくれる。「狼と香辛料」で惚れてからというもの、高橋監督のこういう特性を活かせる作品がなかなか登場しなかったのはもどかしかったのだが、この作品で、ようやくズドンとハマる作品に巡り会えたように思う。「狼と香辛料」におけるホロとロレンスの言外での心の交流、そして今作におけるアドレットとフレミーの歩み寄り(あとナッシェタニアとゴルドフのすれ違いとかも)。そういうものが、言葉でなく画で描けるクリエイターというのは本当に貴重。「疑心暗鬼の人狼劇」という設定の中で、そうした貴重なスキルが余すことなく活かされていたのではなかろうか。もちろん、最後まで秀麗な背景美術で見せ、要所のアクションシーンをびしっと締めてくれた作画スタッフの頑張りにも感謝。製作スタジオのパッショーネは、これでようやく胸を張って紹介できる看板作品が出来たことになる。

 視聴後原作を読んで驚いたのは、想像以上に「原作通り」にことが進行していたということ。まるで原作の時点でアニメ脚本にすることを想定していたかのようで、普通ならもっと説明臭く長引いてしまうはずの解決編が、原作でもサラッと短いページで終わっている。アニメの最終話にぴったりはまり、それが過不足無く読者に理解されるように構成されている。これが偶然なのか、はたまた作者の狙い通りなのかは分からないが、まるで誂えたように「アニメにハマる」ミステリ脚本だったというのは嬉しい偶然である。この後も同じような展開だと素晴らしいのだけども……とりあえず、原作の続きを読んでいきたいと思います。

 最後はやっぱり中の人。今作はほぼ7人だけで回すという、舞台演劇のような密度の濃い掛け合いが見もの。もう、7人全員が素晴らしいとだけ。あー、でもやっぱり2大ヒロインかな。ぴかしゃとあおちゃん、本当に素晴らしい仕事をありがとう。そして「おばちゃん」役を見事に果たしたサトリナ、ここから新境地が見えてきそう。

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