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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「乱歩奇譚 Game of Laplace」 6→4

 オリジナルものを担当した時の岸誠二の法則。……うーん、うーん。

 画面はすごく良かったですよね。キャラのメリハリははっきりしてたし、サイケな画面造りも個性が際だっていて、舞台を意識した独特の進行様式も見た目に新鮮だった。もちろん、単に見た目の珍しさを引き出す目的だけでなく、例えば小林少年の認識の状態を表示したり、登場人物が多くなっては面倒な推理ものにおいて、どこまでが「関係者」であるかを示すサインとして用いたり、単に飾り立てるだけの演出で終わっていない。そうしたチャレンジングな画作り、構成については、流石に最先端を突っ走るノイタミナ作品だなぁ、という感心はある。

 でも……圧倒的にチープな内容だったんだよなぁ……。これ、乱歩じゃないよね。いや、乱歩ってのはこういうものなのだと認識されてるのかな? 確かに子供向け作品の印象も強いし、目先のエログロみたいな部分に注目が集まるのも分からないではないが、そこだけを掬い取ってアニメの土台にするのは駄目でしょ。そこだけを取り出すなら、わざわざ乱歩の名前を表する意味が無いんだ。乱歩をやります、というのなら、もっとあのじっとりとした湿気が欲しいし、どこか底抜けな明るさから導き出される狂気じみた空気が欲しいんだ。常人では理解の及ばないような、本当の暗さが見たいんだ。単にキチガイが出てくればそれでいいってわけじゃない。

 「Game of Laplace」という副題が示すように、物語の後半はナミコシと明智が「数式」を巡ってあれこれと対決する姿が描かれるわけだが、この「数式」の概念のご都合主義は作品作りをする上で致命的。運命論を主軸に置いて、何のドラマが広がるものか。いや、上手く書けばいくらでも広げようはあるのかもしれないが、本作における数式、そしてナミコシの存在はいわば神の道具立てであり、そこに人の情念も感じなければ世間の難しさも見受けられない。ドラえもんの秘密道具よりもあっさりと、無味乾燥な「運命」が押しつけられるだけである。妹のために殺人鬼に身をやつしたカガミ警視も、地下の牢獄で失禁する黒蜥蜴も、みんなみんな数式の下で任務を果たすだけの道具でしかないと言われては、そこに感じ入ることは出来ないだろうし、現実味の無さにどうしようもない距離を感じてしまうのも仕方ない。奇人変人だらけの世界観にしても、どこかに世界を規定するニュートラルが存在してこそ際だつもの。全部が全部おかしかったら、もう、それがおかしいのかどうかも分からないのだ。なんだか、「乱歩だからこういうものだろ」がすごく残念な方向に曲解されて出来上がった、何とも浅薄な作品世界であった。

 まー、以前の「UN-GO」と比べて大してかわらんだろ、と言われるとひょっとしたらそうなのかもしれないが……安吾の方が知識が乏しいから気にならなかったのか、あの世界がそこそこ納得できるものだったのか。いや、違うな、多分「UN-GO」は最低限ミステリの文法に乗せようという意識があったから見られたんじゃないかな。ちゃんと事件があって、捜査があって、解決があったんだ。こっちの作品は、事件はいっぱいあるけど捜査も無ければ解決も無いんだ。何となくそれっぽいことしてたのって最初の「人間椅子」だけで、あれだって本当になおざりだったんだ。1話時点では「まあ、最初の事件だからこの程度かな」とか思ってたが、まさかあれが最後の事件でもあったとは。

 ウーム、勿体ない作品。本作の収穫→高橋李依のショタが可愛い。あと、藤田咲のブチギレ検死官のお仕事も良かったです。作中一番ドキドキしたのって、「このBGMはキューピーに訴えられないのか?!」っていう部分だった気がしますね。

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