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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 観に行きました。とりあえず、これでこの夏観たかった劇場作品は一段落かな。8月(9月)だけでもこれで4本なので、やっぱり一昔前に比べたら劇場作品って増えたよね。あとはなんだか地味に公開しているらしいマッドハウス制作のなんちゃら言う映画も気にはなってるのだが、わざわざ観に行くほどのモチベーションが湧き上がるかどうかが微妙。「今見ないと多分もう見る機会がない」くらいがモチベだとなぁ……。

 

 

<以下、多分ないけど一応ネタバレとか含みで未視聴注意>

 




 

 とりあえず、最初に持ってくるべき言葉は「おもてたんと違う」。

 だってさぁ! プリヤの映画って聞いたらさぁ! 本編がっつり観てた人間からすればさぁ! 児童ポルノ映画になるんだと思うじゃん! 大勢の大きなお友達と一緒に、「これ、どう処理したらいいの?!」って困惑するようなコテコテの濡れ場が大スクリーンで展開されて「嗚呼、日本の倫理観!」って叫ぶような作品になると思うじゃん! え? いや、別にそう言うのを期待してたってわけじゃないですけど……今晩のおかずは何かしら? みたいな感覚で観に行ったわけじゃないですけど……「劇場作品も放送コードって同じなのかなぁ」とか考えてたわけじゃないですけ……。でもさ、アニメ本編見たら、そうなるじゃない! そうなる……じゃない?

 すみません、全部僕の認識不足によるものです。そういう映画じゃないんです。「ノゲノラ」の時も同じようなことになりましたが、ネタバレとかシャットアウトする意味で一切事前情報を入れずに観に行くからこういう齟齬が生じるんだよな。いや、さすがにポスターとかキービジュアル見た時点で察しろよ、って話だけども。しょうがない、原作知らんし、そもそもFateシリーズ全般に疎いし、勘違いして「あれ?」ってなるところまでが必要経費だ。そこから気持ちの軌道修正が間に合えば問題ないのだ。

 えー、でもこれって看板詐欺じゃないの? プリズマイリヤって書いてあるのにイリヤ(ほとんど)出てこないじゃん。はっきりしたセリフなんて最後の一言だけじゃん。タイトルを「プリズマ美遊」にしないと駄目じゃん。いや、むしろ「プリズマ士郎」にしないと駄目じゃん。プリズマってなんだ(今更)。いやー、まさかこんな骨太で壮絶なアニメだとは思ってなかったよ……完全に「イリヤ」じゃなくて「Fate」ですね、これ。そういえば俺、劇場に足を運んで士郎さんが苦しむ姿を見るのはこれで2度目な気がしますな。「イリヤ」の世界って、「あれだけ本筋で苦しんでいた士郎がのほほんと暮らせる平和な世界線(命の危機がないとは言ってない)」が特徴で、お兄ちゃんが一切荒事に巻き込まれずに幸せそうにしているのも1つの売りだと思っていたのだが、「イリヤ」本編が「ドライ」まで進み世界を渡ったことでその安心感も消え去り、「やっぱりエミヤはエミヤじゃないか」と言う絶望的な状況になってしまった。今回はそんな「美遊の世界」の発端、というか「プリズマイリヤ」シリーズ全ての発端となったお話。

 この物語に対してしっかり頭が切り替えられれば、今回の劇場版は、非常に収まりがいい。パンフを見ると監督らは「詰め込みすぎてきつい」とか劇場作品にお約束な話をしているのだが、原作を何も知らずに見に行った身からすると、視聴中になんらかの過不足があるようには感じなかった。それどころか、ぶっちゃけ、今まで観てきた「Fate」シリーズの中で、一番士郎の心情が追いやすい話だったとすら言える。衛宮士郎という1人の少年からスタートする物語に美遊というヒロインがカチリとハマって、1つの兄妹の物語、女の子を救う英雄譚として立派にまとまっている。おそらく、これまで「エミヤ」というとものすごく漠然とした自己犠牲の中で抗う姿ばかりが目立っていて、例えば本作同様に桜がいたり、凛がいたり、切嗣やアーチャーがいたり、様々な「英雄になるべき理由」が与えられていたのだが、本人や切嗣も分かっている通りに、「世界全てを救う」という大望(願望)があまりに大きすぎて、英霊にまで上り詰めてしまった「エミヤの血」は、正直理解の及ばないところがあった。「stay/night」は2作ともそのあたりが未消化だったと言ってもいい。

 それに対し、今作の場合は世界だの人類だの英雄だの、そんな面倒なことは置いといて、とにかく「美遊を救いたい」というただ一心で士郎が動く。途中までは切嗣の教えに従っている部分もあるが、最後の最後にはっきりと切嗣に決別の言葉を述べており、その上で、彼は英霊としての力を得る。ちょっと文脈は変わってしまうのかもしれないが、こちらのエミヤの方がわかりやすい「英雄」の姿であり、物語の中軸に据えるに相応しい人物だったと言えるだろう。

 そうして士郎が戦い続けるモチベーションとしての「美遊」という存在も、今作ではしっかりフィーチャーされている。まぁ、過去にテレビシリーズを何作も重ねているおかげで美遊というキャラクターはすでに出来上がっているのだが、私の知っている美遊に至る前段階でも、彼女はしっかりと「美遊」であり続け、そのことが士郎を突き動かす最大の要因となっている。ボーイミーツガールの実に綺麗なデザインだ。劇場作品のヒロインだというのに、彼女はそこまではっきりと前に出てくるわけでもなく、常にそっと士郎に寄り添い、彼に「救うこと」の意味を与えているというポジションもニクい。これでお姫様然としておおっぴらに助けを求めるような大味な劇場版になってしまったら、美遊のキャラが崩壊してしまうところだった。あくまでもメインは士郎。そして、まさに美遊は(残酷な話だが)士郎を突き動かすための「道具」である。そんな「使われるだけの存在」が、一人の少女として歩き出す第一歩、いや、第0歩としての物語。なんとも健気ではないか。

 軸が定まっているおかげで、シナリオは本当に一本道。他の要素に目を奪われることはない。唯一、わずかに横道が見えるのは桜との関係性だが、彼女もやっぱり美遊と同じ「道具」として生まれてしまった女性なのでなぁ。まぁ、ワカメを激しく燃え上がらせる助燃剤みたいなもんだろうか……。今作で何と言ってもぶっ飛んでいたのはやっぱりワカメ(慎二)だろう。神谷浩史も久しぶりにこういう完全ぶっこわれのゴミクズ悪役でフルスロットル。考えてみりゃ彼が仕事を始めて売れ出したあたりで初めて出会ったこの役、案外愛着があるのかも。何が酷いって、公式のパンフレットのキャラ紹介にワカメいねぇんだよ。あんだけ大活躍したのに。ルヴィアとか凛はちゃんと載ってるのに。あまりに不憫すぎるよな……まぁ、そこも含めての美味しい役回りですけど。彼のおかげで英霊エミヤが覚醒したのだから、ある意味本作最大の功労者と言えるのかもしれません。そういえば、こういうデザインでの「エミヤ」見るのって初めてだなぁ。変化した後にCVが変わったらどうしようかと思ったけど、さすがに(まだ)大丈夫だった。こっちバージョンでのUBWも格好いい。劇場作品なんだから当然といえば当然だが、映像部分については文句なしですね。

 思い返せば初めて「Fate」がアニメ化されてからすでに10年以上が経過している。あの頃からずっと、杉山紀彰は「トレースオン」と言い続けているわけだ。それでも、今回のお話ではまた新しい形での士郎が見られたし、しっかりと「プリズマイリヤ」の世界の土台が見えた気がします。でも、これで終わっちゃ駄目よね。アニメ本編でもエインズワースとの対決はさっぱり解決してませんからね。そして、こんだけ大変な思いをして、士郎の強い願いを受けて旅立った少女が、本当の意味で幸せになる結末は訪れてませんからね。さて、続編はどうなることやら……。

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