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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 さぁ佳境、第11話。吸血鬼の物語なのだからそういう側面ももちろんあるに決まっている。単にエロティックで、インモラルなだけの話ではない。そこにあるのは怪物のお話。そして死のお話。

 最終回に向けての山場はどこに用意されるかと思ったら、意外にもガチシリアスな核心へ迫る展開が待ち受けていた。吸血鬼とはなんぞや、という話はナズナちゃんにセリちゃんなんかを絡めてここまでちょいちょい議論されてきたところだったと思うが、振り返ればここまでの話は全て吸血鬼が中心で進んだお話だった。吸血鬼から見た世界はどうか、吸血鬼はどう生きたいのか。コウはそのあたりのとんでも話に不思議と耐性があり、異種族とのコミュニケーションもしれっと取れてしまう主人公。おかげで視聴者目線でもその辺りの異常性ってのはすっかり忘れてしまっていたが、改めて眺めてみれば、あくまでもこれは化け物のお話なのだ。そこには常に死のリスクが付き纏っている。

 この展開を支えるために登場した新たなメインキャラ、鶯餡子。ふざけた名前だがキャラとしてはガチで、クライマックスを盛り上げるために大々的に持ち出されたことがよく分かる登場シーンだった。冒頭の歩道橋での光の演出、久しぶりに今作の持つパワーを感じさせてくれる素晴らしい画になってましたね。これまでコウが見てきた「夜」って、アキラちゃんの「朝」なんかと対比するために当然「暗く」はなっているのだけど、コウの見ている夜ってのは常に幻想的で、どこかキラキラと輝いたような彩りがあった。しかし、餡子の背負っている「夜」には色がない。登場時はタバコの火だけがかろうじて見える真っ暗闇だったし、その後も常にベタッとした灰色を背負って常にモノトーンを意識した色彩になっている。彼女がもたらす新たな「夜」の姿に、コウは今までにないくらいに動揺するのである。

 キャラCVは圧巻の沢城みゆき。彼女がかつて藤原啓治からタバコを借りて「タバコを吸うキャラの呼吸」を模索していたなんてエピソードが懐かしくも思い出される。今じゃすっかり業界のご意見版。そんな沢城節がこれ以上ない形で炸裂する。みゆきちが出てくるとやっぱり在りし日のシャフト文化、というか「化物語」シリーズの空気に立ち返るような印象がありますね。今作は1枚絵と会話劇で見せる部分が大きいので、一声で世界を持っていくだけのパワーを持つキャストが出てくるとそれだけで空気が変わる。1話限りのゲストだったが殺された教師役が山路さんだったのも強烈だ。考えてみると、添い寝屋に勧誘された客って「日笠→沢城」っていう黄金世代コンビなんだよな……やっぱりこのジェネレーションのパワーは桁違いだ。

 閑話休題。そうして出てきた探偵は一旦置いといて、突然真昼から呼び出されて学校探検に駆り出されるお友達3人組。朝・昼・夜の3人が集まると時間感覚がバグるのだが、ご丁寧にアキラにだけはちゃんと「おはよう」と挨拶しているのがこの3人の関係性の表れだろうか。青春を謳歌したいという素朴な願望は、妙なところで気が合う3人には案外共有されていたらしく、一見無茶苦茶な真昼の学校ツアーも3人なら笑い合えるくらいには楽しい。見方次第では単なる「素行不良」でしかないのだが、それを楽しめるのも若者の特権といったところだろう。

 しかし、残念ながらお話はそれだけでは終わらなかった。朝・昼・夜が混ざっていたとしても、世界は間違いなく「夜」であった。人ならざるものの時間を侵してしまった3人には罰が与えられる。偶然の出会いは、「吸血鬼」という存在についての別な視座をコウに与えることになる。以前もセリちゃんの死闘は見ているし、吸血鬼集団に殺されかけたことだってあるコウだ。今回のおっさんの襲撃もそうした吸血鬼の暴虐の一側面だと思えればよかったのだが、問題は「アキラが襲われた」という事実である。自分のことだけなら、死のうが吸血鬼になろうが、あまり頓着しないのがコウの精神性。しかし、それはどこまでも一人上手な独立思考であり、そこに親友が絡んで危機に陥ったとすると、さすがに無視できる話ではなくなるのだ。楽しいと思っていた吸血鬼への道。それが自分の将来に暗雲を落とし、さらには親友にまで迷惑をかけるかもしれない。そんな事実を前にして、コウは今まで通りにナズナちゃんとの関係性を続けられるのだろうか。吸血鬼のおっさんの死に際に彼が朝日に照らされた「十字架」を背負って退場したのはいかにも象徴的。吸血鬼と十字架は切っても切れないモチーフだが、今作の場合は、人の道を踏み外してしまった者の懺悔の表れなのだろうか。無遠慮に並んだ「止まれ」の看板。中盤のシーンで描かれていた「一方通行」の文字。この辺りも、もろにシャフト演出ではあるね。さて、ナズナちゃんは今頃何をしているのかしら?

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