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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 その展開は予想してなかった……第10話。ここにきてクライマックスにきっちりあげていけるシナリオラインは素直に魅力的。ちゃんとやりたいことができているアニメ。

 今回はとにかくサブタイトル通りの内容。当然「幻影」と書いて「ファントム」と読むわけだが、オーディション開催にあたり、自分の限界に挑まんとするメンバーがそれぞれに自分の武器を振り翳し、6者6様のファントムを作り上げる。そう、ここの数字が「6」というのがとんでもない事態になっているわけだ。

 まずはぱんだと知冴。こちらはまぁ、形式上はエントリーしてるけど、実際には早期リタイアするだろう噛ませ枠。一応先輩たちに花を持たせる意味で今回きちんと「ぱんだも知冴も、それぞれに個性を発揮していいファントムが作れそうやなぁ」という様子を見せておきつつ、各々が「でも脇役も面白そうだよね……」とちょっと欲を出している様子も描かれている。流石に先輩であるぱんだ達がオーディションでなすすべもなく破れる展開はちょっと可哀想なので、多分次週のどこかで「やっぱエントリー取り下げて脇役に回りまーす」っていうスタンスになるんじゃないだろうか。ぱんだはともかく、知冴の方はそこまで主演を狙うモチベも高くなさそうだしね。まぁ、仮にどっちかがファントムに選ばれてれば、相方は意地でもクリスティーヌを取りには行ったんだろうけど。

 役のイメージに合わないので出てこないかと思われていたがここで出てきた、新妻八恵。魔人役の時と同様、彼女のオールマイティな最強センスにより、ファントムだろうがなんだろうが、さっさと役に「潜って」大枠は掴んでしまっている様子。ここで八恵がいなきゃオーディションが茶番に成り下がってしまうので、まぁ出てくるのは必然だろう。そして、そんな八恵のエントリーに尻込みしていたが、同様に出てこなければお話にならない鳳ここな。彼女も「アラビアンナイトの奇跡よもう一度」とばかりに、難しいファントム役に名乗りをあげたが……まだまだ自信は持てていないようで、さて、ここから主人公パワーで巻き返しが図れるかどうか。

 そしてこの度一気に台風の目となったのは我らがカトリナさん。前回時点で「ラスボスは八恵じゃなくてカトリナにやってほしいなぁ。彼女の方がここなに向ける熱量がクソでかいし、いっぺん挫折を味わった天才は、ここから再び立ち上がるドラマが盛り上がる」と書いていたが、まさにその通りの展開。彼女は一度辛酸を舐めた経験をファントムの怒りと孤独に移し替え、「超集中」という近距離パワー型で一番強力な己がセンスを徹底的に磨き上げる。その集中力はまさに鬼神の如く、ひたすらに潜って潜って、落ちて落ちて。普段なら神々しいばかりの光を放つ「センスの目」がこの度は暗闇にギラリと赤い光を放つ悪魔のごとき様相。「堕ちた」天才の演技に、なんとあの新妻八恵までもが飲み込まれてしまう。もう、あの一幕で此度の格付けは終わっている。少なくともファントム役に限っては、もうおそらく八恵がカトリナを超える術は残されていないだろう。

 そうしてカトリナが捲土重来を成し、最後の試合は大々的にカトリナVSここなの同期対決になる……と思いきや、それだけでは片付かないのが今作の妙味。そう、6人目の可能性、静香の内に燃え上がる「演じたい」という欲求。そこに、新たな役者がいた。

 静香という存在は間違いなく「ここなのセンス」である。だからとて単なる写し身ではなくちゃんと自我もあり、独自に動くことができる「別個体」であることはこれまでも何度も確認されてきたはずだが、「ここなを置いて自らが舞台に立ちたいと願う」流れは全く想定していなかった。いや、現段階でもまだ静香がそのように願っているかははっきりしていない。あくまでここなの演技を押し上げるための「システム」に徹するならば、此度の自らの情動すらもここなの力へ変転させて頑なに舞台に乗らない可能性ももちろんあるだろう。しかし、今回の演目、中心となる人物が「舞台を見続けながらも、決してその上に上がることなく、暗闇の中に潜んでいたファントム」であるというのがあまりにも残酷で、業の深い部分である。ファントムの孤独を演じながら、静香は何を想ったのだろうか。ここなという名の「クリスティーヌ」を舞台にあげ、華やかに彩ることだけを使命に生み出され、決して表舞台には上がらない影の存在。静香こそが、まさにシリウスにおけるファントムである。静香もそのことをどこかで認識している節があり、「潜る」ことの精度がまだまだ深まっていないのは、これ以上の深淵を見た時に、静香自身のレゾンデートルをも揺るがせにするリスクを感じているからなのかもしれない。

 しかし、彼女は観てしまった。自らの命すら削り、人生の一部をファントムにもぎ取られたかのようなカトリナの演技を。そこにカトリナが至ることができるのなら、何故自分に出来ないものか? 静香という存在は、スポットを浴びるために生まれてきたのか否か。

 彼女の中で、結論は出たのだろうか。ここなと対峙し、静香は何を語るか。純然たる「舞台で演じるためだけの存在」が、このアニメのフィナーレを大きく左右する。

 

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