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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ただ本当に、ありがとう。第45話。もはや何も語るべきではないのだろうけれど、感謝だけは表しておかないとね。この「わんだふるぷりきゅあ」という作品が伝えるべきメッセージが、紡ぐべきドラマがここに結実している。

 情緒だけで言ったら、先週よりもさらに号泣させられるお話になっている。そりゃそうだよ。先週の話だってもちろんグッとくる「命のドラマ」には違いないが、我々視聴者はいろはと違ってフクちゃんとは長年の付き合いはない。お別れのドラマにしても、まだ頭で理解して処理している部分はあったはずだ。しかし今回は違う。数ヶ月付き合ってきたトラメという明確なキャラクターがおり、彼との決着をつける話だったのだ。悲しくないはずがないけど、それ以上に、彼の迎えた結末が嬉しくないはずもない。この結論に辿り着けたのなら、いろはもきっと大丈夫だろう。

 今回の構造が素晴らしかったのは、挑戦を続けるプリキュアというシリーズの、その挑戦そのものが見事な形を成したからである。元々「戦闘しないプリキュア」という概念には賛否あった部分で、ただ浄化のみを目的とした変身と戦闘という構成は、プリキュアの制作理念に反するものではないかという考えもあったはずだ。しかし、最終的に辿り着くべきテーマは作品ごとに異なっている。わんぷりが伝えるべきテーマは強さを超えた優しさ。そして愛情を経た上での幸福にある。いがみ合う思想がぶつかり合う要素はあくまで過程でしかなく、その上でプリキュアという存在が導き、与えるべき結論さえ堅牢なものであれば、それは立派なヒーローであるのだ。

 今回、メエメエを通じてニコガーデンに全ての動物たちが回収されたという衝撃の事実が伝えられた。ラストに残ってたのがティラノサウルスだったというのはちょっと驚きだが、とにかくこれにてニコガーデンの心配事はなくなり、同時に、ガオガオーンの生産上限という前代未聞の事態に陥った。敵組織のモンスターが正式に「打ち止め」になるというのはプリキュアシリーズにおいて稀有な状態であり、残る数話でもうガオガオーンは登場しないと明言されたのだ。ますますバトルの要素はなくなり、浄化の必要すらなくなったプリキュアたち。その変身はなんのためにあるのかと言われ、ただ融和のために使われたのである。この振り切り方は、わんぷりという作品の骨子が信頼できなければ選べなかったものだろう。戦闘も何もなく、ただいがみあっていた相手と交流するためだけの変身。そしていろはは思い出した。「自分が変身したのは、ただこむぎと同じ景色を見て、同じ速さで走りたかったからだ」と。最初から、プリキュアに戦う目的などなかったのである。こむぎはただ「一緒に遊ぶ」ため、そしていろははただ「相手の声を聞く」ため。そのためのプリキュア。新たな世代の新たなヒーロー像が、ここで確立した。

 前回の一件ですでに心の整理はついていただろうトラメ。純粋な彼にとって、ガオガオーンは最後に残された「犯行の理由」だった。黒く染まった卵に込められた力は、彼が後押しすべき「過去の遺恨」の残り滓。それがなくなった今、ガオウの存在こそ気がかりではあろうが、彼が満たされれば後に残す不安はほとんどない。そして、交流を通してプリキュアたちこそが「ガオウを託すにふわさしい連中」だと確信することができた今、彼もまた魂の安寧を得ることができた。再びこの世から消え去ることに寂しさはあるが、新しくできた「友達」に見送ってもらえるなら、そのガルガルした心も消えようというもの。「浄化」は「手向け」となり、やんちゃな狼はあるべき場所へと還っていった。

 そんなトラメから言葉をもらえたことで、いろはの中でも何か決着がついた。別れは辛い。別れは悲しい。それは紛れもない事実であるし、ペットだけではない、人と人との関わり合いにだって、絶対に別れはついて回る。しかし、その一時の悲しさのために全ての関係性を否定することなんてあり得ない。今ある楽しさを、今ある温かさを大切にし、「わんだふる」を少しでも増やすために、日々を大切に生きて行くしかないのである。そして、そんな時間を共有してくれるたくさんの友達が、いろはの周りには揃っているのだ。友情を伝え、友情を知るプリキュア、キュアフレンディ。寄り添い続ける彼女の周りから、笑顔が絶えることはないだろう。

 ……それにしても本当に幸せな世界であった。いろはちゃんの場合はいろんな「愛情」を一身に受けているのが素晴らしくてね……。悟のさぁ、「嘘をつくのは下手なのに、元気なふりはとてもうまい」っていう分析が憎らしいよねぇ。ちゃんと見てるじゃん男の子。愛する人の一番の弱さを、きちんと守ってあげられる男になってくれ。まぁ、まだちょっと周りの手助け(おせっかいフレンドのお誘い)は必要かもしれないけどね。

 
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 やるのか、その話を……第44話。うららかな小春日和の日曜日、残りの1日をどんな気分で過ごしたらいいものかと大変な週末ではありますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 先週の予告時点でくることが分かっていたお話だが、改めて正座視聴で受け止めなければいけないので情緒的には大変だった。事前に「ドッグシグナル」で訓練してたはずなんだけどなぁ……もうだいぶ間が空いちゃったからなぁ……。しかし、今年度のプリキュアが「ペット」というテーマを選択した時点で、このお話は避けて通れないものだった。いや、避けようと思えば簡単に目をつぶってスルーすることもできるだろうが、ここまできちんとお子さんの情操教育を考えたデザインを心がけている作品において、ここを通らないという選択肢はなかっただろう。動物との関係性が「かわいい」「楽しい」だけで終わればこんなに幸せなこともないが、命と向き合うにあたって、そこには望まざる感情もあり、とてつもなく大きな責任も伴う。これまで「世話をする責任」については取り扱われてきたが、今回はいよいよ「看取る責任」である。これが出来ないならペットを飼う資格は無いし、耐えられないならペットを飼うべきではない。かくいう私は……それでも飼えるなら飼いたいと思ってしまうけどね。人生において、何度あの悲しみを味わってしまっても。これは人間のエゴなんでしょうかね。

 いろはは、これまで動物病院の1人娘として育ってきたのだから、普通の家庭よりもそうした「別れのシーン」に関わる機会は多い気もするのだが、今回の反応を見る限り、ママさんは公私をはっきり分けるタイプで、自身が見てきた辛い場面、苦しい状況を娘と共有していた様子はない。まぁ、そりゃそうか。もちろん最低限の心構えは教えていただろうが、ペットを飼うのはこむぎが初めてのことだろうし、いろは自身は今回のフクちゃんの件が初めての経験だったのかもしれない。大きな失望と悲しみを前に、飼い主以上に大きく揺さぶられてしまう。はたから見ればおツルさんの方がずっとずっと悲しいのだから受け止めろよ、とは思うかもしれないが、それが出来ないからこその犬飼いろはという人物である。この感覚は、どれだけ覚悟しても、経験しても慣れるものではないのだからしょうがない。

 そして、そんな人とペットの絆の終幕にあたって影響を受けた人物がもう1人。今回のお話はいろはたち人間側が考えさせられる話だとばかり思っていたが、意外や意外、ここで一番の揺さぶりをかけられたのはトラメだった。なんという運命の悪戯か、自分が呼び出したガオガオーンの影響でフクちゃんとおツルさんにちょっとした迷惑をかけてしまったトラメ。単なる人間に迷惑をかけるだけなら彼の狙い通りなのだが、そこで動物が、特に自分の近縁の仲間である犬が苦しむとなれば話が変わってくるし、それに連動して「犬をこの上なく愛する人」が苦しむというのも、何かしら「間違い」が紛れ込んでいる感覚になる。ガオウの教えでは人と動物は絶対に分かり合えないはずで、本来ならおツルさんがどれだけ苦しもうがトラメ目線では知ったこっちゃないはずなのだが、今まさに消えんとする命を前に、そんなお題目はもはや意味はない。自分は何か大きな間違いを犯しているのではないか、そんな疑念がトラメを蝕む。能天気で直情的なトラメだが、ここにきて自分の身の上を、自分たちの今後のあり方を考える時期に差し掛かっている。

 命のあり方からそれぞれに思うところのある面々。超然としたニコ様だって、決して事務的に処理しただけではないだろう。大きな責任を持つ者として、そこに毅然とした態度で臨むことが求められているというだけの話。彼女なりの心遣いがおツルさんに「最後の幸せ」を届けたことは忘れてはいけない。

 さて、フクちゃんを巡る命の物語はここで終わりだ。しかし、アニメ作品としてここからもう一歩踏み込むかどうかは、まだ分からない部分である。どうしたって大きな視聴者たちは気になってしまう「こむぎたちの今後」について。もしかしたら聡明な児童視聴者たちもなんとなく気付いてしまうかもしれない。「人と動物の寿命が違うなら、いろははいつかこむぎとお別れすることになる」ということを。劇場版ではこむぎが「おばあちゃんになってもずっと一緒」と言っていたが、それは絶対に叶わない願いなのだ。

 もちろん、今回のお話に触れたからといって、さらにその部分にまで踏み込む必要はないと思う。どう足掻いても解決しようがない問題だし、プリキュアというシリーズ全体のコンセプトを考えるなら、「命の話」は今週の扱いだけで文句なく責務を果たしたと言えるだろう。そこから先の話は、あとは我々が考えるべき部分なんじゃなかろうか。とりあえず、トラメくんに判断してもらうことにしよう。

 
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 次年度のプリキュアのテーマがアイドルに決定したそうですね、第43話。最強の天然アイドルたる犬や猫の翌年に、どうあがいても勝ち目がない人間のアイドルをぶつけてくるというのは無謀な勝負だと思いますが……せいぜい頑張るがいいさ。流石にこの手のひらはひっくり返らないぜ。多分ね。もしかしたらね。

 というわけで動物たちの絆を紡ぎ、まとめ上げる最終ピリオド。対ガオウ戦を前に、まずは1人ずつ「最後のお当番回」みたいなものが回ってくる。今回はサブタイトルからも分かりやすくまゆの成長を確認するエピソードになっており、本人が回想で振り返ってくれていることからもその趣旨は明白。かつては引っ込み思案で、過集中の癖もあってなかなか友人が作れなかった引っ込み思案のまゆだったが、いろは達との出会いを通じて人付き合いを学び、友情を育み、かけがえのない友を得た(あとちょっかい出せる最強カップルも得た)。そんな彼女の成し遂げたことを確認しながら、「同じことはきっとガオウにも言えるはず」というのでザクロさんを説得にかかり、狼陣営の牙城の一角を崩すという展開になる。

 同時にザクロさんにもスポットが当たり、彼女の純情さというか、単純さみたいなものもはっきりと示され、彼女自身が特段人間に深い恨みを抱いているというわけでないことも確認できた。いや、多分今回の昔話で過去ガオウさんの後ろにいた小狼2頭が多分ザクロ・トラメコンビになるんだろうけども。彼女たちは人間の仕打ちについて、「ガオウ様が怒ってるから」以上にものを持っているんだろうか。少なくとも現時点での行動原理としてはそれだけで充分なようだが、根本的な憎しみを抱えていないのだとしたら、2人が揺らぐことでガオウに与える影響というのもあるかもしれない。

 まぁ、そんな小難しいことは置いといて、単に「ザクロさんはほんとにチョロ可愛いなぁ」というのが分かればそれでいいんですけどね。「ガオウ様のどんなところが好きですか?」というインタビューに対して出てきた内容がだいたいルックス絡みだったのはどうかと思いますが……いや、過去の遍歴からして彼女が単なる面食いで惚れっぽいってのも分かってるんですけどね。単なる尻軽じゃなくてきちんとガオウ様への忠誠と純愛をもって今後の展開を支えてほしいもんだね。

 そして、そんなザクロさんの恋心が揺れ動いていたからこそ、まゆが対話する余地が生まれたというのがこのシナリオの周到な部分で。これまで散々ファンからいじられ、感謝された彼女のおせっかいババア体質。もうさといろのことばっかり気になってしょうがないハイパー文春体質のまゆさんだが、そんな彼女の「他人の色恋が楽しくてしょうがない」という性質が敵であるザクロさんと対話を始める原動力となり、決して無駄につけられた面白属性だったわけではないことが証明された。「とにかく色恋の話が聞ければなんでもいいんじゃい!」という彼女の節操のなさは護衛のユキさんがドン引きするほどで、マジでさといろにグイグイ行くのと同じテンションでザクロさんに突撃。ザクロさんだってガオウ様の良さを語れるならなんでもいいってんでまんざらでもない。余計なしがらみがなければ、これ以上しっくりくる茶飲み友達もいないはずだ。

 しかし残念ながらユキさんはまゆにわずかでもリスクがあるならそれを看過できない。空気を読まずザクロにダメ出しして癇癪を引き起こしてしまい、今回は結局対話成立ならず。でもまぁ、ザクロさんはまゆの態度についてはある程度感謝の気持ちもあるようだし、とっかかりとしては充分な成果だろう。さらに戦闘時にはまゆがひたすらに「結んで紡いで繋ぐ」というアイデンティティを突き詰める活躍ぶりで「何度でも繋げる」というメッセージを伝え、多方面からザクロさんを揺さぶりにかかる。リリアンネット、そんな修復保全の仕方があったのか……今回は事実上リリアン1人でガオガオーンを退治しており、今更ながら単体でのスペックの高さを示した形。まぁ、ガオガオーンがどれだけ数を重ねても結局眠り耐性がないってのが一番の問題なのだが……最強戦術がラリホー連打の戦闘、割とクソゲー。

 こうして日常も、バトルも、見事にまゆさんが存在意義を示し、文字通り次の展開へと「繋いだ」お話。個人的には前回に引き続きクラスメイトのみんなが大活躍していたのも見どころで、「烏丸さん、いい女だなぁ」とか「蟹江、今回の試合展開だけ見たらリリアンの対極にあるからこいつがラスボスだったらやばかったな」とか思いました。カニだから真っ先にハサミを持ち出してしまうのねぇ。ペットのサワガニが無傷で本当によかったです。

 さて、名参謀・兎山悟のおかげで因縁の出どころもだいぶはっきりした。最後のお仕事は残る犬組へとパスされる。フレンディの「声を聞く」力、そしてワンダフルの絆を信じる力こそが最後の武器。……最後にニャミーさんがどう折り合いつけてくるんだろうな……。まぁ、文句言ってきたらマフラーで絡め取ってもろて。

 
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 最上級の癒し空間、第42話。ここに来てこのエピソードかぁ。よいね、アニマルセラピーの極致だね。

 前回の予告時点で「まゆパパがメインってことはまた猫回か?」と身構えていたが、どちらかというと猫メインというよりも「アニマルタウン回」といった方がいいかもしれない。この後の最終回に向けて、ガオウ様と和解に必要な条件は「現代の動物たちは迫害される恐れなどなく、人間との共存計画は恒久的に維持できる」というなんの保証もない約束事を信じてもらうことにある。これってどこまで行っても「できたらいいな」の話なので、ガオウ様の恨みの深さと現実を俯瞰的に見るシビアな目線があると厳しいところなのだが、それを可能な限り信憑性のあるものに仕立てるために、アニマルタウンという「泰平の世」をしっかりとここで描いておく必要がある。少し前にはオイシーナタウンという別ジャンルに特化した町が最終的に総力を上げてゴーダッツ様を袋叩きにしたという実績があり、それをより平和的な概念に転化した上で実行しようとしているのがアニマルタウンなわけだ。

 おかげで今回は住民も総出、動物も総出で非常に賑やかな、いかにも楽しそうなお話になっているのがとても良い。大人気ヒロイン大熊ちゃんを筆頭(?)に、蟹江ちゃんもついに「愛蟹」を披露、猪狩くんが名前のオリジンとなる豚を見せにくるなど、ありえんくらいにバラエティ豊かなこの街の生態系と、そこに密接につながる住民たちの笑顔が提示される。以前すげぇ気になった長毛種犬の謎飼い主もしれっと再登場。当時は「キャラとして濃すぎるし、絶対なんか裏がある奴やろ」と思って見ていたわけだが、結果としては「この街の連中はみんな濃い」というだけの話だった。それだけ個々の「人と動物」の関係がフィーチャーされるということであるし、この下地があればこそ、最終的に融和を求める話し合いが展開できるようになるということだろう。

 そんなアニマルタウンの実情を客観的に提示するために駆り出されたのが、まゆの父・猫屋敷貴行氏。前回の予告時点でだいぶアクロバティックな動きがフィーチャーされていたので、いろは父に負けず劣らずの濃い人なのかと思われたが、濃いには濃いが実に良識ある、理想的すぎるプロ写真家であり、なおかつ理想的すぎるパパでもあった。プリキュアシリーズの両親の恵まれすぎてる感、ちょっとずるいのだがラストの猫屋敷夫妻の仲睦まじい様子なんかを見せつけられると、あとはもう「ぐぬぬ、こんなご家庭だからこそ娘さんがまっすぐ育ったんですね、素晴らしいです!」と讃えるしかないのである。親父さんがカメラマンとして「ただひたすらに集中と忍耐」を謳っていたところ、がっつり娘に遺伝してるのがなんともまぁ。

 そして、そんなパパさんは人型ユキと初遭遇。当然すみれさんから話は聞いてたわけだが、すみれさんがあの通りあっけらかんと衝撃の事実を受け入れてしまう人だったし、パパさんも娘さんや愛猫のあれこれを委細気にせず飲み込めてしまうおおらかな人物。動物カメラマンという職業柄、「人に化ける猫だって? もっとその生態を観察しなくては!」みたいなモチベーションがあってもおかしくないと思ったのだが、そこはまぁ、それなりの付き合いのユキさんのことである。「まぁ、よく分からんけど娘たちが幸せならOKかな」というざっくり判断だったのだろう。ユキさんから見て貴行さんがどんな人に見えてたのか、過去の記憶とかは特に語られなかったが、多分「世界で一番まゆのことを考えてくれている男」ということで悪しからず思ってはいそうだ。猫屋敷家におけるユキの立ち位置、ほんとに家猫のそれなので大変よろしい。ただしお父さん、その猫、娘さんとただならぬ関係にあることは覚えておいた方がいいかもしれませんがね……。このご両親なら将来的にまゆが斜め上の決断をしてもまるっと飲み込みそうだなぁ……。

 そして今回も注目してしまうのは無敵の男・兎山悟。「クラスの女子の父親2人からとても覚えめでたい男子中学生」、なかなかすごいポジショニング。貴行さんはまゆから事前に「悟くんはねぇ〜、いろはちゃんとお付き合いしてて〜」などと数時間にわたってレクチャーされている可能性もあるのだが、もしそうでない場合、ずっと撮影についてくる男子について、「この男、まゆとも随分親しげだが……もしかしてそういうことか?」とか不安に思わなかったんでしょうかね。いや、もうさといろのくっつきかたが露骨だから大丈夫か。獣医師・トリマー・カメラマンとどんな職業に対してもベストな対応で見事なアシスタントを務める悟はどこのお父さんからも好印象みたいだし、将来的にまゆちゃんが他の男見つけた時のハードルが高そう。

 そしてそんな悟のサポーターを見事に果たす大福ニキ。冒頭でユキがデレた時ににっこりしてたのがとてもとても可愛い。そういや大福は結局あの1回しか変身してないわけだが、彼の場合は変身できないってよりは、「人間の言葉なんて余計なものはいらないから自然体でいいだろブラザー」とか思ってそう。いうても動物態の方が自然なのは間違いないですからね。最後の猫屋敷家でのシーンはこむぎが人型だったのにユキは猫に戻ってくつろいでるのがとても良かったです。毎週毎週供給過多だにゃー。

 と思ってたら来週もサブタイトルに「紡ぐ」という言葉が。まゆ回になりそうだが、要素としてはザクロさんの掘り下げがメインか? 3週連続で猫組の方に話が寄ってしまっているが、まぁ、ラストの展開はどうしてもイヌ科に注目を集めざるをえないので、そのためのバランス調整だと思って犬派の人にはちょっと我慢してほしい。まぁ、今回のこむいろも別に不足はないですからね。

 
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 狐崎、こいつぁいいタマだぜ……第41話。演劇部の2人がやたらキャラが立ってたもんで、いっそこの2人を中心としたドタバタラブコメ「この演劇部には問題がある」みたいなスピンオフが出てきやしないかと埒外の期待を持っちゃうレベル。狐崎部長のビジュも性格も全部良き。とてもここからがハイライトっぽい。アニマルタウンのモブの人たち、みんな強いのよね。

 タイトルはユキだけど、言うてそこまでユキが中心って話でもなかった。まぁ、普段から猫組はゴリゴリに存在感をアピールしているため、ちょっとスポットが向いたところで通常営業にしか見えないってだけだけど。今日も今日とてユキさんはユキさんだし、まゆはまゆである。というか、今回はほとんどみゃー姉だったけども。まゆさんはさ、中学卒業後に本格的に服飾の道を目指すと思うんだけど、絶対にその過程にコスプレイヤーは通ると思うんだよな……問題は「その着せ替え人形」たるユキがどこまで付き合ってくれるかなんだけど……彼女も彼女で無限に「付き合ってあげる」なんだろうなぁ……。

 今回はそんなユキさんの才を見出してステージ上に担ぎ上げた狐崎部長の一人勝ち。今回主だった演劇部員が狐&狸の2人しか見えてないわけだが、部長の狐崎が脚本演出から主演まで全部こなしてしまうハイパー演劇人のようなので、どうしても他の部員の影が薄くなってしまうのだろう。サポーター兼お守り役の狸原君が彼女の気まぐれの負担を一手に引き受けているに違いない。多分、狐崎部長の才能を一番認めて支えてくれているのが彼なのだ。実際、インスピレーションを得てからの部長の仕事は速いなんてもんじゃねぇ。ゼロから脚本を作ったところはまぁ、ベタだったし「過去の日誌」というネタ元があるので理解はできるが、そっから衣装や大道具などを全部こしらえて本番に間に合わせるのは多分部員全体がこうした負担に慣れっこになってしまっているせいなのだろう。お察しします。

 さて、そうして演劇ものでユキまゆ路線をほんのり補強しつつ、今回はしっかりと本筋に絡むお話も進展させており、神社の巫女学生というこれまた強烈な個性を持つ烏丸さんの手によってかつての遠吠神社に関する貴重な資料を入手。どう考えてもガオウ様が人間と和解する道しかないことがさっさと提示され、既に最終回までのレールはばっちりだ。ただ、まだガオウ様がかつて人間を信頼していたところからその思想を翻すまでの顛末は明示はされておらず、彼が「裏切ったのは人間だ」と恨み骨髄で「オオカミを滅ぼした人間」を目の敵にする部分については最後にもう1回くらい重たい話を通過しなければいけないだろう。多分「狼を排斥して絶滅させた」は間違いなく事実なのだろうし、そんな排斥思考と現在のアニマルタウンの融和政策の間には何かしらの転機があるはずなので、その辺りがハッピーエンドへの鍵になるはずだ。

 そして、そんなことは知らずにしれっと融和の物語を紡いでしまったこむぎ&演劇部の皆さん。狐崎部長がデザインしたウルフルン……違う、ウルフェンのデザインはなるほど確かに秀逸。というか獣フォームと人間フォームを軽々と操りイケてるキャラに仕上げた部長の演技プランがすごいわ。だからザクロさんも自分の惚れっぽさをそんなに恨む必要はないんやで。いや、尻軽すぎるのはダメですけど、基本的にザクロさんって(そしてトラメきゅんも)人懐っこい性格ではあるのよね。ガオウ様が折れてくれれば、この2人も基本的に仲良くできる子らですからね。いっそ和解後のザクロさんも演劇の道に進んだらいいと思うわよ。

 そのほかにも相変わらずのトンチキ変身バトルとか、「狼の生態交渉で演劇部に技術協力してる兎山悟先生」とか、「もうニコ様お忍びでいる気ゼロやん」とか色々あるけど、結論としては「もはやユキさんもまゆの扱いに慣れてきたし、この2人は永遠にてぇてぇままで終わるんだろうな」という安心感が得られたので無問題です。そんで来週もゆきパパがメインってことですが、どこまで猫回になるか。まー、どっちかっていうとアニマルタウン総ざらいみたいなお話っぽいので、町の歴史も確認しつつ、コミュニティ全体での友愛を説く下準備かしらね。ガオガオーン候補がよりどりみどりやで。

 
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 ヤッター! 猫なで(られ)声でどうしようもない状態を晒すタイプの上田麗奈だ!!! 第40話! 謎のうえしゃまウィークを締めくくるには最適な作品だったんじゃないでしょうか。ラストのコーナーで名前を呼ばれたともきくん、貴様は今後一生「幼少期に上田麗奈に名前を呼ばれし者」という宿業を背負って生きていくことになるんだからな。

 2週間のお預けを食らった後に叩き込まれる「公式が一番の強火」でお馴染み圧倒的サービス精神。今まで数々のファンが生み出してきた「犬いろは」「猫まゆ」(あと「兎悟」)という概念を容易く実現し、供給してくれるありがたみ。我々は用意された満漢全席を貪り食うだけの卑しい獣と成り下がってしまうのである。なんでこんなに心得てるんでしょうね?

 しかも今回の動物化の展開、「ニコ様の気まぐれ」というほんとにどうでもいい要素から発生しているので本編の流れからは完全に浮いている、全く必要のないエピソード。いや、ちゃんと読み込めば「こむぎたちばかりが一方的に人間態になって両方の心理を理解できるのはフェアじゃないから、どうせなら人間側もアニマルになって気持ちを理解しましょう」というツーウェイの交流を描いていたということはできる。まぁ、ガオウ様やニコ様が目指す真の融和を目指すならこのエピソードに「動物目線だとこんなことが辛いんだぞ、苦しいんだぞ」っていうネガティブな感情も挟むべきなのだろうけども……そんなことやっても誰も喜ばんし、それこそ必須要項ではないし。それなら、「よりヒトと動物が近づけるよ」という1つのエビデンスとしての「動物化」を楽しく愉快に描くだけでも意味はあるってことだ。

 ……というのが建前で、単に「犬いろはと猫まゆは見たいだろjk」というだけのお話だ。短い時間に詰め込まれるファンの夢。OK、先週休んだことは許してやろうじゃねぇか。引き続き、絵心のある人は今回のエピソードからガンガンファンアートを量産してくれ。頼んだぞ(すでに休みの間に大量に補充されているのだが)。

 犬いろはは抗えぬ本能にのびのびと犬を堪能し、そのついでに犬形態を活用して悟とイチャイチャするのも忘れないという抜かりなさ。たまたま同じ週の「らんま」で豚フォームのリョウガがあかねとイチャイチャ(?)してたので、今後とも「アニマル化」は僕らの永遠の夢であり続けるのかもしれない。そして我らが猫屋敷コンビ。もうね、ユキさんがね。冒頭から若干ヤンデレ気味になってたり、愛情をミリも隠そうとしなかったりするあたりが完全に解釈一致の猫屋敷ユキだったのがどうしたらいいのか分からずにヒートアップしたりクールダウンしたり解脱したり悶絶したりとにかくありがとうございます。今後まゆたちも自由に猫フォームに行き来できるようになるキルミン展開とかあればいいのに。

 そんな完全「サプリメント」的な脇のエピソードではあったが、それでもしっかり本編に絡む設定を絞り込んでくるのも抜かりないところで、悟さんの明敏な洞察力によってあっさりとガオウ様のヤサが割れた。まぁ、すでに移動した後だったので直接の接敵とはならなかったが、これまでの展開の中から適切に伏線(?)を抜き出して絞り込む要素として活用していたあたりは抜かりない。ガオウ様の住まう神秘の神社のありかがネット提供情報で判明しちゃうあたり、悲しいまでの現代情報社会である。

 また、今回は久しぶりに狼トリオが勢揃いして各々の個性を発揮したというのも高得点。ザクロさんの色ボケっぷりは健在だし、トラメきゅんの純真さがどんどんフィーチャーされてもはやライバルではなく「ちょっとガサツな親友ポジション」みたいになってるのがとても愛おしい。この狼たちとは間違いなく分かり合えますね。緊張感がなくなりそうで申し訳ないが今からすでに安心しきっています。今作で一番の不安要素、というか不穏要素って、もはやガオウがどうこうじゃなくて「ニコの奴は本当に信頼して大丈夫か?」に絞られてる気がしますね。今回の騒動も何か裏がある計画だったらどうしたらいいんだろう。自在に人間をアニマル化できる能力、冷静に考えると「動物をガオガオーン化できる能力」以上に危ないのではないか。

 さて、こんだけ過剰供給の栄養を摂取させられ、なお襲いくる次回のユキ回。今週いいようになぶられたまゆさんの反撃の一手となるか。限界概念「お嬢様ユキさん」のトドメの一撃が来そう。時期的にほんとに「最後のお当番回」の可能性があるので、しっかり噛み締めていこうぜ。

 
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 悲報、猫屋敷ユキさん、3週連続で猫態にならず、第39話。もう、猫の姿はまゆにしか見せてくれないんじゃないかとガクブルですよ。さらに悲報、来週は放送お休み。もはやわんぷりのない日曜日が想像できない身体になってるんですが、なんとかしてくれ!

 しかしもちろん朗報もあるぞ。今回のお話でのニコ様の挙動からして、先週時点でいくらか懸念されていた「ニコ様が追加戦士枠になるのでは?」疑惑はほぼ払拭されたと見ていい。つまり、正式に今年のプリキュアは「追加戦士」枠無しの純正4人プリキュアということになる。例年、玩具の販促目的もあって追加戦士が大前提の商品展開をしてきたプリキュアシリーズだが、今作はそもそもリリアンの加入が19話とやや遅めだったこともあり、追加グッズは必殺技用のパレスのみで展開されたようだ。正式に追加戦士が存在しないプリキュアというと、(「最後の1人」と「追加戦士」の定義上の区別が難しいが)「ハグプリ」以来6年ぶりとなる。まぁ、ハグプリもマシェリ&アムールコンビが20話で事実上の追加戦士みたいなもんだったし、構造はかなり似てるかね。もしアムールを追加戦士と解釈するとハピプリ以来10年ぶり計算かもしれない。まぁ、とにかく基盤メンバーの濃密な関係性が描かれるのは大変良いことである(だからこそユキさんの猫態をだな……)。

 とはいえ、ニコ様が「大きく動かない」ことを表明したことも含めて、今回のお話はラストに向けての方向性をはっきりと定める予定調和的なものである。一応恒例のハロウィン回も兼ねているが「大隈がクマ、蟹江がカニ、猫屋敷がネコなのに、犬飼がウサギコスになった理由を考えると……ヲイ、そこのメガネ」と突っ込みたくなる気持ちを抑えればそんなに大きな要素ではない。ハロウィンにかこつけてメエメエとガオウが自由にその辺を闊歩できるアニマルタウンの治安が心配になったりもするが、まぁ、今更だしそれを見てニコ様が安心してらっしゃるなら結果オーライとしておこう。亀の甲羅を背負ったババア(お亀さん)は同じ東映作品からドラゴンボールの販促にきてるのかとちょっと疑う程度である(?)。

 さぁ、そうしてうまいこと下界に様子見に来たガオウ様。これまた分かっちゃいたことだが、今回は安易にこれでもかというくらいに「悪い人じゃない……っていうかどう考えてもいい奴なんだよなぁ」というフラグを立てまくり、同じイヌ科のこむぎとのリンクも繋いだことでもはやエンディングがどのように収束するかまでが予定調和となった。わんぷり全体での「絶滅動物との関係性」はどうあがいても円満解決はなさそうな重すぎるテーマだったが、ちょっとずつ「絶滅動物全ての人間への憎悪」というどうしようもない概念を「ガオウさん個人の拭いきれない復讐心」にすり替えていくことで、ガオウ個人さえ満たしてやれば解決するというフラグを立てていく。テーマ設定の重さを考えればやや逃げとも受け取れてしまう措置ではあるが、まぁ、こればかりは解決策が無いので致し方ないだろう。あくまで、いたいけな幼女先輩たちが今作を見て地球環境や生物種の問題を少しでも考えるきっかけになってくれれば良い。そういう教育的措置である。ちゃんとガオウ様の隣にはザクロとトラメという「仲間」を残してあげてるからね。ガオウ様単体であればハッピーエンドに納めるのはそんなに難しくないのよね。

 また、理屈でまとめるのが難しい問題なのでそこは「理屈抜き」の善性を誇るこむぎにフル回転してもらうことで解決を早める狙いもあるだろう。前回のエピソードや劇場版での奮戦など、こむぎといろはの関係性は充分な下積みを施して「それでもいろはが大好きだワン」は理屈抜きで成立する状態になっている。あとはその気持ちをガオウに叩きつけてやればいいだけなので話は簡単。今回最大の注目点だった「こむぎのガオガオーン化」がさらりと対策されてしまった時点で、ガオウ様に勝ち目はないだろう。ぶっちゃけ、「人間への憎悪や無理解を狙い撃ちするならまだユキさんを狙った方が勝率高かったのに」とか余計なことを思ったが、それを回避するためにユキさんはずっと人型だったのかもしれませんね。まぁ、そもそも犬と猫で相性がよくないのかもしれんが。

 さぁ、残りの話数でゆっくりとガオウ様の心を解きほぐしていきましょう。そして1週休んで次回はなんと「公式で犬猫変身回」!!!!! これまでファンアートとかで多数の「犬型いろは」と「猫型まゆ」は見てきたんですが、まさか公式での供給があるとは……ユキさんの猫態が久しぶりに復帰します。ほんとによかった。


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 全部が全部想定内の展開、なのだけど、第38話。前回予告された時点でこういう話になるなんてことは視聴者は100%分かってるわけですよ。でもそれでいい、それがいい物語。ハートフルでわんだふる。

 基本設定から確認しなきゃいけなかったんだけど、こむぎって今何歳くらいだって話ですよ。そっかぁ、言われてみりゃ「子犬の時に拾った」という認識だけで具体的にいくつくらいなのかってあんまりイメージなかったんだよな。今回のお話を経ても詳細な年齢は分からないけど、以前の記憶がほとんどなかったことを考えると、拾われた時に1、2歳くらいだったと考えるのが妥当かな? だとするとそこから2年経って3〜4歳くらいか。「こむぎが犬飼家に来てまだ2年」ってのが結構な驚きでしたけどね。ちなみにせっかくなので猫組にも意識を向けておくと、似たような境遇での出会いだったまゆとユキだが、こちらは出会ったタイミングでのまゆがかなりロリだったことから、多分1、2年レベルではなく前な気がする。今Wikiで確認したら「小学4年生の冬」らしいので4年前か。その当時がまだ子猫だったことを考えると……あれ、こむぎとあんま変わんないかな。「多分ユキの方がこむぎよりお姉さん」くらいのざっくりした認識でいいのかしらね。

 というわけでこむぎの「過去話」である。まぁ、野良犬を拾っちゃった時点でこういう話になる可能性はあったわけで、さらに近年は保護犬の飼育などがペット業界のスタンダードになりつつあることからも、今後ペットを飼いたいと思っている人はいつ遭遇してもおかしくないシチュエーションである(まぁ、迷子犬の保護の場合だけなのでレアケースには違いないが)。ただ、今回のお話の場合は「迷子犬」というか、元の飼い主との仲介業者の不手際でこむぎを管理できてなかっただけの話なので、原因を考えるとずさんな管理体制だったボランティアのおばちゃんのせいということになってしまうのだが。当時のこむぎさんの心情を考えるとさ、元の飼い主の栗原さんに会いたい一心でケージを自力で脱出したわけじゃない。そこから必死に外を出歩くも、子犬一匹の力ではどうしようもなくて力尽きてたところをいろはに保護されたわけでしょ? そんであまりの疲労やショックで記憶まで失ってるわけで。一歩間違えばのたれ死んでたことを考えるとかなりハードな状況に追い込まれていたわけだ。ほんで栗原さんの入ってる施設が電車で向かった山奥だったことを考えると、普通は栗原さんちもそこからそう遠くない場所にあるわけで、こむぎが当時どれだけの距離を移動してアニマルタウンに行き着いたのかを考えると切なくもなる。今が幸せだからいいようなものの……。

 ということで「ペットの管理はしっかりしろよ」が今回の教訓だ。いや、違うけども。今回実際に試練に立たされたのはこむぎではなくいろはの方。こむぎを飼い始めた時の両親との約束、そして栗原さん側の心情。それを考えたら「返還」もやむなしというのが理屈の上での答え。しかし、多感な中学生がそんな結論を受け入れられるはずもないし、こむぎとの絆を思えばイヤダイヤダと駄々をこねて暴れることだって出来ただろう。しかし、我らがいろはさんはしっかりと現実を受け止め、最大限の道理を通しながら、最後にはきちんと自分の思いを貫いている。ここまで礼節を守った行動ができる中学2年生もなかなかいないだろう。誰1人不幸にしない振る舞いができる、今回のMVPは間違いなくいろはである。まぁ、栗原さんが優しい人でよかったというだけの話でもあるんだけどさ。最後に本人(本犬)から訴えられちゃ、犬好きは断れませんよ。この世界の住人、動物の人間化に寛容すぎる気もするんだけど、そもそも日本人は割とその辺を受け入れやすい土壌があるのかもしれない。私だって常々「猫が恩返しにこないかなぁ」とか思ってたし。

 というわけで無事にこむぎのオリジンも分かったし、飼い主とペットの絆に不安要素は無くなった(流石にユキさんの「元の飼い主」は出てこないだろう)。残りの不安要素は……ニコさん、なんでどさくさで人間態になってたんでしょうね? 次回で久しぶりにガオウが動き出すみたいなので、そのための臨戦体制でしょうか。次回予告がアレな感じになってたけど……もうここまで来たらわんぷりは「追加戦士なし」を公式設定にしてニコ様はアディッショナルで処理してほしい。いくらなんでも40話で参戦する追加キュアなんていねぇだろ、と思ったが、ムーンライトが33話だそうで……うーん。

 他にも気になるトピックとして、今回はザクロさんがお休みでトラメきゅんが初の連戦。てっきり深い意味はない当番制だと思っていたので、順番がズレたのはちょっと意外。そして今回もユキさんが人間態オンリーだったため、なんと猫姿のユキは2週連続で登場せずという事態に。猫組がサブの話が続いているのでしょうがないのだが、そろそろお姿を拝見したい。まー、ユキさん自身は今回もこむぎを相手にいい仕事してくれているので文句はないんだけど。代わりに動物態で頑張ってくれているのが大福さんで、今回もワンポイントの出演ながら良い働きをしてくれていましたね。今回のいろはにとって重めのタスクを、きちんと「彼氏ができたあと」に回してくれるあたりはスタッフの優しさだよな。悟がブレなければいろはも心強いしね。その割に、今回ガオガオーンの正体解説をトラメきゅんがしちゃってたけどな。「高速移動のせいで分身して見える」相手を音で見破るという全く分からない理屈で打倒したのも、きっと悟のサポートがなかったせいなのだろう。勝てばよかろうなのだ。

 
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 中学生どうしの! 初デート!! 第37話!!! 先人たちは良いことをおっしゃいました。我々はただ、モールの壁や柱となって、ひっそりと2人を見守ることしかできないのです。犬飼いろはを。鎧塚みぞれを。

 新番チェックが累積して我が家のレコーダーは大変なことになってます。現在日曜日の午前中にこれを書いているわけですが、レコーダーはまだ木曜日あたりです。もしかして今期って新番組多い? ……でもそんなことは気にせずプリキュアは即時視聴。こんなん、気にならないわけがないのよ。

 我々視聴者にとって最も心強かった事実。それは、いざ関係性が成立したら悟くんがちゃんと強かったこと。お互い初デートってことで終始ドギマギしっぱなしかと思っていたが(それはそれで初々しくて大変結構だが)、いろはが慣れないシチュエーションに完全にテンパってしまったため、エスコート役の悟くんはある程度冷静になれた。もともとクレバーな子には違いないため、一度深呼吸して落ち着ければ状況判断と細やかな心遣いは本当に紳士のそれ。自然にいろはを誘導し、いつの間にやらデート自体もいい雰囲気に。ここまで外的阻害要因が多かった初デートが無事に成功したのは、ひとえに兎山悟という1人の男のポテンシャル故のことである。

 もちろん、いろはさんはいろはさんで頑張った。冒頭の服選びからの「どのリップがいいかしら」のハイパー乙女モード。ちゃんとそういう顔もできるのがいろはさんの魅力ですよね。野生児枠が小麦で埋まっているのでよく一緒くたで扱われる犬コンビも、よく見れば結構差がある。例えばこれが星空みゆきさんや夏海まなつさんだったらガチで普段着でへろっとデートに出かけていた可能性がある。きちんと意識してデート用に自分をチューンできるのは立派な女の子だ。まぁ、かつてプリキュアでここまでガチな中学生デートに至ったカップルがあんまりいないから他の次元と比較するのも野暮ってもんだけども。

 そんな素直で良い子な2人のデート。好事魔多しと申しますが、最大の敵は身内に潜んでいる。いろはの判断基準の中で、「こむぎも一緒に行こう」は当たり前のことなので問題はない。悟だって大福さん連れてきてるし、この2人のデートにおいてペット同伴はあまりに当たり前の前提条件。そもそもの馴れ初めからしてペットなのだし、相棒を置いてデートに出てくるような無責任な相手だったら惚れていないかもしれないのだ。なまじこむぎがしゃべれるようになったもんで「せっかくのデートなのに……」みたいなことを思われがちだが、そこは2人とも抵抗はなかったはず。しかし猫屋敷組の計らいもあってひとまずペットの切り離しにも成功。ついに完全独立2人デートが実現したかと思われたが……。

 あの羊畜生がよォ……。流石にこれだけ長いこと2人の様子を見守っておきながら、ここにきてお邪魔虫になるのはダメだろうがよ。そもそも2人の仲がこうなっちゃったのもお前の責任なんだからな? そこは男らしく責任とって身をひけよ。いや「身をひく」も意味分からんけどな。お前にとっての悟はなんなんだよ。大福さんはとっくの昔に理解しているこの世の摂理を全く認めようとしないメエメエ。羊のくせに馬に蹴られて死んでしまう気か。最後の最後でリカバーしようと頑張ってはいたが、今回のエピソードだけでいったら余裕でマイナス貯金の方が多いからな。今後は反省して悟にちょっかい出すなよ。

 一見すると邪魔羊と似たり寄ったりだと思われがちなのがおせっかいババアの極み、猫屋敷まゆさん。でも彼女は分かった上で色々やってますからね。これまでは「余計なちょっかい」も混ざっていたが、2人の仲が確定して具体的なデートにまで進行した今となっては、空気を読んで(本人たちではなしえないくらいの)最善ルートを選んでくれるおせっかいコーディネーターへとレベルアップ。まぁ、最大の動機は当人の楽しみのためなのが問題ではあるのだが……それでもいろはたちのことを思ってくれているのは事実なのでね。まぁ、流石に冒頭の「デート……ってコト? わァ……」はどうかと思うが、そこからの采配は完璧。

 そしてさらに、今回はまゆがずっと抱いていたいろはと悟に対する感謝も前景化され、改めてチームの結束が確認できた。そうなんだよな。ぼっちのまゆを今の位置まで引き上げてくれたのは間違いなくいろはたちだからね。彼女の荒ぶるおせっかい魂の根底には、2人に対する揺るぎない感謝があるのだよ。そのために必死で戦ってくれたまゆさんの成長も感じられたのではなかろうか。貴重な「3人変身バンク」が見られたのも嬉しいサービス。ちなみにユキさんはというと、今回は徹底してまゆのサポート役。水族館でさりげなく位置どりを変えてこむぎの視界を遮るムーブとか、流石の気遣いでした。そういえば今回ユキは猫フォームが1回も出てこなかったけど、もしかしてずっと人型だったのって初じゃない? そんで、こむぎの世話を名目にしつつ実際にはユキまゆデート回だったというのもこっそりポイント高い。「みんなで初デート」というタイトルは嘘じゃないのである。「一緒におでかけすることがデートなら今度こむぎともデートするワン」というこむぎの発言には「それはデートとちょっと違うんじゃ」とツッコミが入っていたが、多分ユキさんだったら「まぁ、私とまゆはデートだけどね」とかいいそう。

 こうしてみると、こむぎさんがなんか邪魔者みたいに見られがちだが……そんなことないんですよ。あくまで「中学生の恋心」を扱ったここ数話のお話はこむぎ向きじゃなかったから観客に回ってもらってただけですので。ちょっとおめかしして新しい自己意識を与えられたっぽいこむぎも可愛かったですしね。そしてなんといっても、一気に温度感が変わる次回予告。ふむ、こむぎさんのその辺の話はあんまり気にしたことなかったけど……さぁ、ここからまたお話は「人と動物」へと。今作はどこまで自由なシナリオでもちゃんとあるべきところに戻ってきてくれるっていう信頼感があるなぁ。

 

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