忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[107] [108] [109] [110] [111] [112] [113] [114] [115] [116] [117]

○「A3!」 5

 やぁ! P.A.WORKS大好きだけど最近その自信も危うくなってきたしそもそも今作の場合は言われるまでP.A.だって気づかなかったおじさんだよ! 名前が長いよ!

 意外と盲点だった、純正の「舞台役者」をテーマにした女性向けアニメ。これまで「アイドル」っていうステータスを中心に演技方向に仕事を広げるアニメやミュージカルアニメはあったが、純正の「役者」っていうだけのテーマは案外なかった気がする。箱を用意された上で劇場付きの役者を育てるっていうコンセプトなら近いのは「少年ハリウッド」だろうか。一応あっちも「アイドル」ではあったけど。ドブ板感というか、「育てる伸び代しかないわ……」みたいな絶望感は「少ハリ」に似ているといえば似ている。まぁ、リアリティの解像度は全然違うけども。こっちの方は例によってソシャゲ原作とのことなので、かなりデフォルメが強いというか、いかにも「キャラ物」のデザインである。

 基本的にNot for meである前提だが、1話目のむちゃくちゃでなおかつベタな出だしはのみ込みやすくて悪くはない。「借金まみれで潰れかけの劇場を立て直すために個性強すぎのペーペーたちが頑張るんやで!」っていうのはゲームスタートの設定としてはおなじみのものだろう。謎があるとすれなば、どうやらこの世界は現実世界よりもかなり「演劇」というものへのハードルが低いようで、その辺で適当に役者志望が即興芝居をやっていても怒られないし、なんなら民衆から拍手だって起こったりする。普通、路上で衣装も何もなく、単にセリフの読み合わせして突然終わらせたシーンをみても拍手は起こらんだろ。多分、あらゆる民衆が「演劇慣れ」している世界なのだ。まぁ、背景に「演劇の街」って書いてあったから、多分そういう街があるってことでしょう。石を投げたら役者に当たるレベルなので、潰れかけの劇場が泥縄で役者を探してもギリギリ見つかるくらいはあり得る事件なのである。うーん、どうなんだろう。

 まぁ、あとはどこまでこの「よく分からない現実レベル」の中でドラマを真に迫ったものとして掘り下げられるか。リアル路線で攻める作品とも思えないが、だからって「うたプリ」みたいな超現実で展開するわけにもいかない、どの辺りを落としどころにするつもりなのかはちょっと気になる。P.A.が携わっているのだから映像部分での心配はないだろうし、肝心要の演劇シーンがどんな見せ方になるかはまだ分からないので不意打ちはあるかもしれない。過度な期待はしないで見守っていこう。

 それにしても、かもさんは「野郎に囲まれた乙女ゲー主人公」が馴染むなぁ。そしてあのボロボロ支配人にこにたんという謎キャスティング。こういう甲高い声でも面白いな。

 

拍手

PR

○「ソマリと森の神様」 5

 観た順番が最悪だったもんだから「この世界の異種族も全員エロいことしてんだよな……」っていう思考にしかならなかった。俺のせいじゃねぇ。

 小野D保護者とロリっ子っていうだけで「ばらかもん」を思い出したが、こちらの舞台は長崎の田舎ではなくて異世界である。しかも人間が全部食われて絶滅したと思われてる物騒な異世界。作品の売りとなりそうなのはそうした異世界を表現した異質な背景設定だと思われるのだが、初見で「おっ」ってなったけど背景作画に比してキャラ作画がやや安っぽいため、「花子くん」みたいなビビッドなイメージは長続きしなかった。身もふたもない言い方をすると「普通のアニメ」である。ロードームービー的な展開になると思われるがセールスポイントはあくまでメイン2人の関係性の掘り下げになるのか、それとも様々な街を旅して歩く異世界散歩の目新しさになるのか。正直、後者になってほしいなぁという思いはある。というのも、ゴーレムとソマリの関係性を描く場合、ソマリの持つ幼児性というか、不用意さみたいなものがどうしてもフィーチャーされることになると思うが(ゴーレムが何かやらかしてトラブルを起こすとも考えにくい)、全くもって個人的な感想として、「子供の思慮に欠けた行動が引き起こすトラブル」っていう題材が苦手なのである。実際の子供を見ていても「なんでそんなことすんの?!」とキレたくなることがあるのはわかるだろうか。その上で「子供には理屈が通じないからしょうがないねん」というのは頭でわかっちゃいるのだが、そうしてアンコントローラブルな要素で何らかの不利益に繋がってしまうのは、子供を恨むわけにもいかないし、何とか管理したいとは思うし、フィクションでもノンフィクションでもイライラしてしまうのである。これで私が子供を持てば感情も変わるのかもしれないが……子育てって大変ですよね。

 1話目がまさにその展開で、ソマリがフラフラとどこかに行ってしまう様子は見ていてハラハラするし、特に理由もなければ責めるわけにもいかないので、「なんでそんなことすんねん」とイライラしてしまう。悪びれもしないソマリを強く叱らないゴーレムに対しても「もうちょいちゃんと管理してよ」と思ってしまう。そういう感情のせいで、こうした子育てが題材のお話ってのはなかなかさじ加減がむずい。「よつばと」くらい子供がぶっ飛んでれば諦めもつくんだが……できたらそれこそ「ばらかもん」くらいの関わり方、お利口さんな子供の方がありがたいっすね。

 もう1つの本作の楽しみは何と言っても「水瀬ロリ」であろう。そちらの方は掛け値無しで正しいと思うが、それだけで1クール引っ張れるってこともあるまい。何かもう1つくらい強烈な誘致要因が欲しいところだ。まぁ、1話目は導入だし、本当にメインキャラが2人しか出てこなかったので、今後世界が広がった時に、メインの二人に新たな魅力が追加される可能性はあるだろう。もう少し綺麗な心になって、観察していくしかないな。

 

拍手

○「異種族レビュアーズ」 5

 このアニメを見て真っ先にやったことは、富田美憂の所属事務所の確認でした。……アミューズかぁ。声優専門の事務所じゃねぇからイマイチ判断基準はわからんなー。えぇと、とりあえず初登場シーンからシームレスに「ガヴリールドロップアウト」のBD-BOXのCMに繋がったのは仕様ですか?? 奇跡かよ。

 何やら話題騒然の作品。よくネット界隈で「まだアニメ化されてないジャンル、もう残ってない説」みたいなのが定期的に囁かれるのだが、これがありましたね。「風俗アニメ」です。うむ、そりゃねぇよ。いや、18禁アニメなら該当作品もあるかもしれないけど、地上波で流すとなるとなぁ……(ちなみに、今作1話目を地上波で視聴しました。後で「そういう作品かぁ」と気がついたので、余裕があったらAT-X版も確認しようと思います)。まぁ、この程度のネタ回しなら地上波でも問題はない……かな、どうかな……どっちかっていうと表現規制よりもコンプライアンス的なところにひっかかりそうなご時世だからな……。

 まぁ、「なんかひでぇらしいよ」という噂を聞いた状態で見たこともあり、そこまでびっくりするような内容ではなかった。いや、オープニングとエンディングは純粋にひどい(褒め言葉)と思ったが、一応過去にもB地区戦隊SOXみたいなものも存在したわけで……あれ、そういやどっちにも小林裕介が関わってるな……そういう声優なのか? とにかく、ネタ回しは「エロさ」とかよりも「物珍しさ」の方に焦点があるので、そこまでドギツいネタがあるわけでもない。たぶん、モザイクを外してもそこまで問題はない……かな、どうかな。少なくとも、主人公たちが真正面から「エロいことするで!」と宣言している分だけ、「なんか遠回しにエロいこと描いてやろ」っていうひねた作品よりも健全な気はしますね。

 制作はパッショーネ。名前だけ見ればこれほど適任のスタジオもないが、最近は評価も上がっているところだし、1話目を見る限りでは動画の取り回しも良い。デフォルメの強いデザインなので割とダイレクトな描写でもそこまでエロく見えないようになっているのは良いのか悪いのか悩むところではあるが、だからこそ成立しているネタ回しではあるだろう。是非とも制作陣には限界ギリギリに切り込む勇気を持って作劇していただきたいところですね。不安があるとすれば出オチ気味でネタが持続しないっていうのがありそうな話で、例えば「モンスター娘のいる日常」なんかはかなり重なる部分が多い作品だったのだが、モンスターのバリエーションを増やすだけだと単に印象がとっちらかってうまいことまとまらなかった気がする。今作はただひたすら外へ外へと広がるだけの作劇なので、話数を重ねた時にストーリーに重みが出るかどうか。いや、この作品の「蓄積」ってなんやねんって話だけども。……天使ちゃんが無駄に性豪になっていく展開とか? ……絶対ないやろな。

 まぁ、盛り上がれるところは盛り上がる作品だろうし、このまま前例のない道を突っ走って欲しいところ。案外こういうところから「異世界ものの新しい次元」が切り開かれるのかもしれない。「違う文化・違う価値観の世界での広がり」を見せようとしているっていう点では立派に異世界ファンタジーよね。作り込みがあるかどうかは知らんけどさ。しかし……数年前の俺に天原帝国の漫画がアニメになるなんて言っても絶対信じなかっただろうなぁ……。

拍手

○「地縛少年花子くん」 6

 相変わらず「右から来たアニメを左に受け流す」ライフスタイルなので、特に内容もわからないままに片っ端から録画して消化していくわけだが、どうしても先入観ってのはあるもので。今作の場合、レコーダーに記録されたタイトルをみて(予約したことなどさっぱり覚えてないから)「なんか、しょうもなさそうなタイトルやなぁ、おもんないやろ」と思って視聴開始。そして、視聴1分で「なんか変な画面出てきたぞ」と意表を突かれると、そのままずるずると見入ってしまう。こういう不意打ちがあるから、やっぱりアニメ視聴はやめられない。

 そんなわけで原作未読。連載が「Gファンタジー」ということで、もう、今となっては「まだあったんや、その雑誌」みたいな印象である。今確認したら、連載作品として掲載されているタイトルもピンとこないし、雑誌としての性格もよくわからなくなってるな。たぶん、漫画喫茶で手に取りにくいところにあるんだろう(今期そんなんばっかだからな)。しかし、目立たないからと言って面白くないかといえばそんなはずもなく、アニメ化した作品なのだから一定のファンはいるはず。そして、きちんとその魅力を伝えてくれるクリエイターもいるはずなのだ。

 今作の最大の見どころは、何といってもそのサイケデリックなデザイン性である。珍妙な色彩設定に、丸っこくてクセの強いキャラクターデザイン。ぶっちゃけ、好きなデザインなんですよ。他の漫画家でいうとTAGROみたいなデフォルメデザインね。普通、こういうキャラってアニメ化するにあたって多少なりとも「アニメ的に」リビルドされるものだが、今作の場合はおそらくかなり原作に近いデザインになっているのじゃなかろうか。元が丸っこくてかなり頭身の低いデザインなので、ちびキャラゆるキャラ変幻自在。そして、それを取り巻くプロップの数々も行き届いたデザインの理念がある。色と、形と、そして動きで、世界全体を独特の雰囲気に仕上げている。こういう異彩を放つデザインが出てくると、それだけで俄然興味が湧いてくる。

 ともすると現実感が乏しくて全てがギャグ寄りというか、軽く見えてしまいそうなデザインなのだが、ここに一味加えているのが、安藤正臣監督の演出論である。彼の得意技である「枠」と「コマ」の演出が、今回は文字通りに「コミカル(漫画的)」な間合いとテンポを生み出している。コマを割ることですぐにキャラが世界から乖離するのだが、それによって多少なりとも背景作画にかかるストレスを軽減する役割もありそうだし、何よりもぽんぽん展開するお気楽パートの雰囲気にマッチしている。氏が得意とする「コマ割の演出」はこれまで「クズの本懐」「ハクメイとミコチ」「彼方のアストラ」など担当した全てのアニメにみられるものだったが、その都度「何故コマを割るのか」ということに違う意味合いを持たせているのが興味深い。それが「空虚さと動かなさの補強」であったり、「ゆるりとした時間の流れの可視化」であったり、純粋に「時間の節約と説明の効率化」であったり。今作も、手癖で描いている部分はあるのかもしれないが、丸っこいキャラのテンポの良い掛け合いがコマの持つ空間的な狭さによって収まるところに収まっている。この感覚は実に気持ちが良い。

 まぁ、ぶっちゃけこれだけ褒めていても「お話はたぶん普通の漫画」ってことになる気がする。1話目は何もわからない状態で見た恩恵もあり、「ギャグなの? シリアスなの?」と最後までハラハラしながら見ていた。2話目以降は花子くんとヒロインの関係性も固まった上で進行していくのでこうしたドキドキ感は薄れるだろうが、まだまだ花子くんの底が見えないので、度肝を抜くような「怪異」の話が出てくることに期待してもバチは当たるまい。最悪、ヒロインの可愛い様子だけを見ててもそれなりに時間は繋げそうだしね。

 そして、当然のように大きなウェイトを占めている重要な要素として、「緒方恵美のねちっこいお仕事」がある。この人の演技も、ぼちぼち立木さんとか若本節とか、そういうお家芸にまで昇華された感があるよな。お相手は鬼頭明里。ほんとに引く手数多で大忙しになってきたわね。ちなみに、安藤正臣作品といえば何と言っても安済知佳である。いや、ごめん嘘、「アストラ」には出てないわ。単に「クズの本懐」の印象が強いだけだわ。今回も登場したんで、なにかちかぺストリームが起こらないかと勝手に期待してるだけです。

拍手

○「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 6

 わたしゃここ最近の推しを初めて生で見たのが武道館だったんだけど、死ぬか。まぁ、当日は確かに死を覚悟したな。次の死に場所はメットライフになるといいな。

 原作既読。これまた「ランウェイ」「ケンガン」同様の漫画喫茶パターンだが、確か2巻くらい出てるタイミングで手にとって、それ以来新刊が出たら読むようにしている。何が面白いかと聞かれると答えにくいけど、「女オタクもの」でうまいこと波長があうとキャラがすごく馴染みやすいんだ。これとか「トクサツガガガ」とか。女オタクならなんでもいいのかってぇとそうでもなくて、腐女子推しの別作品なんかで「なんか違う……」って刺さらなかった作品も結構あるんだけど、本作のえりぴよの場合、フルスイング具合が生々しくて良い。あとはまぁ、この設定でナチュラルボーン百合漫画になってるってのも意外なところでね。いや、後から考えりゃ普通のラブコメと解釈できるんだけど、この設定で男女間の物語じゃなくて百合デザインにしようって考え方はなかなか斬新だったと思いますよ。世間一般の流れを見ればわかるけど、一つのものにハマった時のパワーって、案外女性の方が強かったりするし。

 今作も「いつかアニメ化したらいいなぁ」と思っていた作品で、少し前にCMで声がつくようになったところで「そろそろ来そうだな」とは期待していた。その時のCVが早見沙織だったのでみさおの声で限界クソオタクをやってくれたら最高だと思っていたのだが、流石にそこは変わってしまった。早見バージョンも聴いてみたい気はするが、変わった先がファイルーズあいならしょうがない。実際、このパワーは文句なしで適役だ。まさか主役に抜擢された2作品がどちらも「臭そうな女」役っていうのはなんの巡り合わせだ……(臭くないよ、たぶんね)。

 そうして無事にアニメ化されたわけだが、スタッフが山本祐介+エイトビットというのはかなり嬉しい展開。テンション高めのギャグロマンスなのでどんな切り口で飛び出してくるかはまだまだ未知数だが、真剣さが増せば増すほど病巣が重篤になるタイプでいえば監督が以前やった「ワルキューレ・ロマンツェ」とも繋がっているといえばそうかもしれない。キャラデザの線の細さなんかも近いものがあり、思い切りブラッシュアップされたアニメ版のキャラデザは、アイドルの可愛らしさも含めて問題なく楽しめそうだ。

 今作はオタク側の視点が中心になるのは間違いないのだが、地下アイドルという悩ましい対象についての描写も手抜かりなく展開していく。そして、アニメで動くチャムの面々は、そこらのアイドルアニメよりも気合が入っているようなしっかりした動画で彩られている。そっち方面でも見せ場が増えてくれば、もしかしたらアニメファンからチャムファンが出てくるかもしれない。まぁ、なんだかフランシュシュを彷彿させるアイドルだが……(センターしか共通点ないけど)。オープニング歌唱なんかもあって2、5次元としての活動も期待できるところだし、アホな作品なのに予想外の広がりを見せてくれることを期待しています。

 そして、アイドルグループは割と若手で占められてるのに、その周りのスタッフに無駄にがっつりキャストを据えているという謎……。このアニメの誰かと握手会があるなら、わたしゃ当然売り子の太ったおばちゃん(の中の人)の列に並びます。

 

拍手

○「ケンガンアシュラ」 5

 ダンベル何キロでも持てる?! ダンベルでおなじみサンドロビッチ・ヤバ子の2作目のアニメ。多分アニメ業界的にはそっちの方が座りがいいけど、普通に考えたらこっちの方が代表作。改めてひでぇペンネームだ。

 まぁ、正直新番組でもなんでもないんだけど、ネトフリからようやく地上波に降りてきての放送なので一応書いとく。正直、ネトフリでしかみられない作品はわたしゃノータッチなので、こうして改めて枠が確保されると助かりますね。今後はこういう形態で制作・放送される作品も増えてくるんだろうか。アニメ業界の業態変化に、オールドファンはついていくのが大変である。

 さておき本作。原作は既読。いつも通りの漫画喫茶だが(今期だけ見ると俺の漫画喫茶依存率やばいな)、今作の場合は割と序盤の方から気に入ってて、ずっと漫画喫茶に通うたびに新刊をチェックする感じで通読していた。「オメガ」の方も現在ちゃんと読んでます。まぁ、そうして漫喫がメインなのであんまりディティールまで詳しく読んで覚えてっていう作品でもないのだが……面白いという印象だけは間違い無いので、アニメ化が決まった時には「やっぱりな」と思いつつも喜ばしかったですね。そして、その形式がCGモデルバリバリのこんなスタイルだと知った時にはなんとも複雑な気分にはなったが……まぁ、時代も進んで、CG筋肉もだいぶ見られるようにはなったかもしれない。正直言って「普通のアニメで見たかったなぁ」という気持ちはあるが、まぁ、そこまで邪魔になるもんでもないので、ひとまずシリーズをちゃんと最後まで作れそうな体制になっているならそれを喜ぶべきなのかもしれない。

 映像面に慣れてしまえば、あとは中身を楽しむだけである。私の考える今作の魅力は大きく2つ。1つは、「闘士と企業」という二段構えの陣営描写。いわば「金色のガッシュベル」みたいな体制といえば当たらずと言えども遠からずだが、プレイヤーと出資者の間の関係性にドラマがあり、加えて闘士どうし、経営者どうしのドラマなんかも裏に表に複雑に絡み合って物語が進んでいく。陰謀策謀が渦巻くケンガン仕合は一筋縄ではいかぬのだが、最終的にはやっぱり野郎どもの拳と拳のぶつかり合いになるので収束点がわかりやすいのも良い。「オメガ」に入った今になって、山下一夫が辿り着く境地が凄まじいのが本当に笑えるんだ。これ、もうキャスティングするなら本当にチョーさんしかいないんだよなぁ。

 そしてもう1つの売りは、シンプルなバトル漫画のくせして、ほんとのほんとに、読み終わるまで仕合でどっちが勝つかわからないというドキドキ感である。実際の仕合になるととんでもない量の選手がひしめくようになるのだが、これだけ大規模なトーナメント戦を、序盤からラストまで一切手抜きせず、中だるみ無しで緊張感を維持しながら描き切った漫画というのは寡聞にして他に思いつかない。王道バトルなのに、展開に王道が通用しないのである。普通の漫画なら強いだろうキャラが、思わぬ伏兵にポンと負ける。それでいて、その仕合の顛末にわだかまりはなく、勝つべくして勝つという演出が成立するのだ。そのあたりのショーマンシップが非常に気持ちの良い漫画だ。上記のような読書スタイルだったのであまり推しキャラみたいな概念はないのだが、今回CMに映った闘士の面々を見てて、あえてあげるならコスモとアギトは好きかな。全然違うタイプだけど、「番狂わせっぷり」がすげぇ盛り上がった印象がある。

 まぁ、そんな感じで原作は面白いので、アニメも是非その面白さを踏襲できるように願っている。今のところ1クール分みたいだけど、どの辺りまで進むんですかね。できればあんまり性急にならず、腰を据えた展開を期待したいところだ。

拍手

○「虚構推理」 5

 推理しろよ。いや、何を推理したらいいのかわからんけども。そう言えば今期はまだなかった妖怪もの(妖怪ウォッチ除く)。何故かこういう作品って安定供給される傾向にあるけど、日本人と物の怪たちの切っても切れない関係性の表れでしょうかね。

 原作はちょっとだけ既読。例によって漫画喫茶のあのあれである。原作者が城平京だということが目に留まり、まぁ、知らない作家でもあるまいと思って漫画に手を出したのだが、冒頭の一言の通り「いや、推理しろよ」と思ったことだけぼんやり覚えている。手に取った当時は2巻だか3巻くらいまでしか出てなかったと思うのだが、そこまで読んでも特にミステリになる気配もなく、単なる妖怪バトル漫画になりそうだったので興味を失ってそこから先は追いかけてない。今回アニメ化されたと聞いて久しぶりにみたわけだが、やっぱり「推理しろよ」と思ったわけだ。いや、目的が違う作品なら違う作品で開き直ってもらえればいいだけなんだけど、作者とタイトルから持ったイメージとは随分かけ離れてたもんでな。

 正直、今回はそうして「推理しないけどな」ということをわかった上でみているし、なんとなく筋立てに見覚えがある(そりゃそうだ)ので割とフラットな状態での視聴が叶った。おそらく今作の場合は推理がどうとかバトルがどうとかいう以前に、メインヒロインが可愛いことの方が大事なのだろう。なまじ会話がメインの筋立てになってしまっているのでアニメでも画面の動きに乏しく、1枚絵で可愛い女の子がどれだけ写せるかが勝負みたいなところがある。幸い映像に関しては悪くないデザインではあるので、いっそ開き直って一眼一足の少女萌えというよくわからないジャンルに花開くならそれはそれでOKなのかもしれない。まぁ、その場合は結局没個性になるので他の作品との差別化に苦労しそうであるが。

 監督の後藤圭二に関しては随分久しぶりに名前を見る気がしたのでどれくらいぶりだったのか確認したら、最後に監督した作品に「エンドライド」の名前が掲載されててそっ閉じした。忘れよう、最後に監督したのは「戦国コレクション」だったことにしよう。良い作品だ。

 

拍手

○「22/7」 4

 ぼくぁこういう作品好きですよ。だってほら、こういうのがあってこそ、相対評価で「あぁ、職業声優って大切な仕事なんだな」って理解してもらえるし……。

 というわけで、とにかくキャストが気になりすぎる作品。我々の精神の限界に挑戦しているかのような棒と棒の競演。ここまでいくといっそ清々しくて見応えがあるが、SAN値がゼロになる方が早そうだ。メンバーの中には案外達者な子もいるものだが、それだけに出来ない方の印象が強烈である。ただまぁ、こうしたメディアミックス・リアルライブ前提のアイドルアニメってのは構造上致し方ない部分があるのも事実。ライブなどのイベントで露出する時間を確保するためには、どうしたって新人枠から青田買いをする必要があり、シリーズ開始時には声優としての技術は伴わないものである。思い返せばラブライブだってWUGだってバンドリだって、どれもこれも最初は「うえっ」となったものである。そこから「声優」としてやっていきたいかどうかは、あとは個人レベルでの判断になる。声優業界全体の志の問題ではなく、あくまで作品単位、ジャンル単位で長期的に見守る必要はあるだろう。

 そうして中の人問題に必死に目をつぶり耳を塞げば、ぶっちゃけ面白そうな部分は多い。秋元康ってのはアニメオタクからすると悩ましい存在で、現在のアイドル業界の荒稼ぎっぷりはあまり良い印象を持たれていない。ただ、やっぱりそうして毛嫌いしている部分以外に見るべき部分があるのは事実なわけで、流行の仕掛け人として、間違いなく埒外のセンスを持ち合わせた人物ではあるのだ。過去にアニメ作品に関わった事例には「AKB0048」があり、あちらも今作同様の棒問題を抱えながらも、「アイドルアニメって言われてこんなプロジェクトが飛び出す発想力おかしいやろ」と度肝を抜かれたし、デザインそのものの斬新さは評価されるべきものであった。まぁ、個人的には作ってる音楽自体にも疑問はあるんだけど……知り合いの影響で某グループの某曲くらいは聞いたことがあるのだが、全体評価だと、グループとしてのダンスパフォーマンスは良いが歌唱は壊滅的、音楽についても、曲は良いのに歌詞があまりに薄っぺらでバカバカしくなるっていうのが率直な感想。

 閑話休題、今作のプロット自体は面白そうな部分も多いのがなんだか腹の立つところで、これまでアイドルアニメは掃いて捨てるほど存在したが、すべての起点を「そういう運命だから」でばっさり切り捨てたのは初めてみたわ。さらにネルフもびっくりの地下組織に、アダムもびっくりの「壁」の存在。アイドルアニメを打ち出そうとしてこの発想はなかなか出てこないだろ。そういう意味では、今後どんな展開になってくるのかは非常に気になるのだが……ただ、大外の枠で攻めてる分、基本構造で損してる部分は多いと思うんだよね。アイドルものとかソシャゲアニメで、とにかくダダダッと差別化しないキャラを乱立させる導入は印象が悪いってことを、なぜ業界は学んでくれないのか。初見だと本当にキツいんだよな。まぁ、それも中の人エフェクトのせいかもしれないけど……あとは自分のメンタルとの勝負だなぁ。

 ところで、途中で出てきた雪かきのたとえって、何一つうまいこと言えてないよね。最初「どういうことや?」って思って、説明を聞いた後でも「うん……どういうことや?!」ってなった。どうにも台詞選びが拙いなぁ。

拍手

○「ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。」 5

 網野さんが可愛かったんですが、あれはどこでコミカライズされてるんですかね?

 タイトルと冒頭の入り方だけで「あぁ、これは中病激発ボーイの2期ですわ……」と思ってハナから点数下げたろ思って観てたんですが、だいぶ様子が違った。よりギャグ寄りで、よりゆるくて、なんか最終的に憎めなかった。ちょっと悔しい。まるっこいキャラでコロコロされるとそれだけでなんとなく好感度が上がってしまう部分があるんだけど、これもリズムの良さのおかげなのかしら。

 ネタ回しは「厨二病いじり」以外の何物でもないはずなんだけど、1話目からしてすでにあんまり厨二病が関係ないところまで派生してる。というか、今作でメインのギャグキャラって、厨二病のあいつよりも隣にいるひでぇやつの方なのでは。そこと主人公の空回りっぷりで笑いに繋がってるので、「激発ボーイ」で感じてた「厨二病をバカにしちゃうと、それはそれで痛々しいんだよな……」みたいな抵抗感が薄い。まー、どっちもテンプレとして切り出しているという部分は同じなのであんまりそこに執着は感じないんだけども。あとは多分、厨二病の方のボケよりも突っ込み側の見せ方がメインの作品なので、純粋に分量のおかげでそこまで厨二病描写での負担がかからないってのも理由かも。キャラの数もメインが3人って決まっちゃえば見やすくなるし、一話目としてはありがたい入り方ですよ。

 あとは中の人要素ね。だってルルーシュとスザクがこんなところで立場入れ替えてドタバタしてるって考えるだけでちょっと面白いじゃん。福山側が厨二病じゃないってのもなんだか不思議な気分だが、櫻井のノリ的にそこまで重篤な厨二病っぽくならんのでギャグが軽く済んでいる部分もあるかもしれない(福山側が厨二だと、どうしても隣に六花が欲しくなる)。そして厨二病と言われる作品ではもしかして皆勤賞なんじゃねぇかと思ってしまう赤﨑千夏の謎の巡り合わせ。ちーさま、もしかしたら真礼以上に厨二要素てんこ盛りなのでは?

 

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[07/13 デュッセル]
[07/13 デュッセル]
[07/12 seachicken]
[07/09 とみしの]
[07/07 NONAME]
バーコード