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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「蒼穹のファフナー EXODUS」 5

 ファフナーかぁ。確認すると、1期の放送がなんと10年以上前の2004年。一応自分の手元に何か記録が無いかと探してみたが、残念ながらこの「新番チェック」の前身となった簡略感想を記録し始めたのがその直後の時期からだったので、この作品については何も残っていない。わざわざ記録を確認したことからも分かるように、全く詳細を覚えていない作品である。最後まで観ていたかと思ったのだが、いくら考えても結末を覚えていないし、多分途中で視聴をやめてしまったのだろう(当時は今のように強迫観念に駆られてアニメを見続けることはなかったので、肌に合わないと思ったらすぐに視聴を打ち切っていた)。覚えているのは、「ステルヴィアに続くangelaの躍進のきっかけ」っていうことと、何となく松本まりかの仕事がまずくて印象が悪かったこと。あと、この当時のまつらいさんは「まつらいさんが声を当てたキャラは儚げに死ぬ」と思っていたこと。やっぱり当時から中の人の記憶がメインであった。この当時は今以上に「ロボットものはちょっと」っていう苦手意識が強かったことに加え、ちょうど「ガンダムSEED DESTINY」がほぼ同時期に始まっていたり、なかなか取っつきにくい状況だったのですよ。これのすぐ後に始まったのが「アクエリオン」で、「こういう馬鹿しかいないアニメだと楽に見られるのになぁ」と思ったり思わなかったり。

 そんなわけで、1期のことはもう「覚えてない」じゃなくて「知らない」でいいと思う。その後もシリーズ作品としては劇場版があったりなんだりの展開もしていたようだが、流石に追いかけていなかったので、「新しいアニメ」と思って見て問題無いだろう。残念ながら「完全に別世界の話」とかじゃなくてがっつり1期と繋がっている様子なので一見さんにはやや辛い部分もありそうだが、1話目の導入はちゃんと世界観を説明してくれているし、決して敷居の高いものではない。身内同士の会話なんかは1期を知っていた人にのみ伝わる部分だろうし、知っていた方が楽しめるのは間違いなかろうが、それでも完全に置いてかれる、って感じではない。今からでもちゃんとキャラを追いかけていけば理解の追いつく部分ではなかろうか。

 となると、問題は「そこまでして追いかける価値があるのかどうか」である。1話目の印象としては、「それなりにありそう」。わざわざ10年の時を超えて復活した作品ということはそれなりに望まれたものなのは間違いないだろうし、制作チームだって相応の気合いを入れて作っているだろう。XEBECのロボアニメというと前クールにちょっと残念な作品があった気もするが、今回はまさにロボアニメ・SFアニメの専門チームによる、久しぶりに「マジになったXEBECのロボ」である。気合いの入り方は充分伝わってくるし、やっぱりどんだけクドくても気合いの入った平井絵は嫌いじゃない。あまりに1期の内容のウェイトが多くなるとギブアップしてしまうかもしれないが、出来る限りは追いかけていきたいところである。

 中の人については、1期からの続投がほとんどということで、今となってはあまり見なくなった懐かしい名前もずらっと一堂に会しているのが嬉しい。かつては抵抗を覚える理由になっていた松本まりかなんてのも今じゃ懐かしいばかりだし、最近あまり声を聞かなかったまこっつ、それに葛城七穂なんて名前も。なんだか同窓会みたいで、こういうのも悪くない。

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○「冴えない彼女の育てかた」 4

 すげぇ、1話目でここまで何も見えてこないアニメってのも珍しい。いや、見えてるけどね、エロいであろうこと、ハーレムであろうこと、そして主人公の独白はウザいであろうこと。でも、そういう要素は理解出来ても、何をする世界の何をするストーリーなのかが見えてこない。逆にここまで潔いと、かえって興味を引かれるくらいである。

 亀井幹太監督作品。個人的には「うさぎドロップ」の印象が強く、その後っていうと「俺修羅」になるから、「おっ、久しぶりにノイタミナ担当するのか」って思って確認したら、そういや「龍ヶ嬢七々々」ってこの人だったのか。すっかり忘れてた。過去4回の監督作品のうち3作がノイタミナなのね。「七々々」はなぁ……。まぁ、とにかく本作はそんな亀井幹太のカラーが非常に分かりやすく出ており、画面は見やすい作品である。縁取りを強めにとってパステルカラーを意識した独特の色彩で飾り立てる亀井スタイルは、「うさドロ」の時にはどこか浮世離れした、静かに動く世界に非常にマッチしていた。「俺修羅」の時にはポップな色彩がヘンテコヒロインアニメの賑々しさを引き立ててくれた。ただ、今回はどうだろう。なんか、キャラ絵が浮き立つな。これってキャラクターデザインの好みの問題なだけかもしれないが、今回はちょっと背景とのミスマッチが気になる。多分もう1話くらい見たらすぐに慣れる部分だとは思うのだけど、キャラがどぎついエロを展開する部分もあるので、いつも通りのふわっとした感じともちょっとかみ合わせが悪いような。いや、エロいボディラインの描き方はほぼ完璧なんですけどね。流石にずっと女の子の全裸ばっかり映してるわけにもいかないからねぇ(もし実現するならそれはそれでいいんだが)。画面のデザインをどういう方向性で落ち着けるのかが定まらない、っていうのが映像面での不安要素。

 そしてシナリオである。「松岡系主人公」っていう言葉を作っておけばそれでいい作品なのかな。「1話目の時点で既にハーレムが完成しており、特に理由も無く真ん中にいる主人公が肉欲の海に溺れている」という状態は前クールだと「異能バトル」と同じ設定なんだけど(いや、異能の方はずっと健全でしたけどね)、本作のヒロインの絡み方、台詞回しのラノベ臭い痛さはちょっと看過出来ない。冒頭からメタレベルの高い発現をするのは「ゲーム制作サークル」という設定から自然に出たものであり、作品世界の中では自然なのだろうが、どうしても昨今の「オタク向けラノベデザイン」のテンプレであるように見えてしまって鼻につくのである。おかげで黒髪ロングのかやのんヒロインが現時点では一番鬱陶しいという残念な結果に。せっかくのS系かやのんなのに。愛衣ちゃん大勝利なのに。逆に一番素直に見られるのは矢作パイセンがやってる近距離パワー型ヒロインかな。あけすけなエロが売りになるんだったら、こういうストレートなヒロインの方が見やすくてストレスフリーである。いや、今後エロが売りになるかどうか分かんないけどさ。

 結局、「どういう見方をすべきなのか」が一切定まらないのが不安材料なんだろう。別にアニメは1話目で全部見せる必要なんてないのだし、「さぁ、こういうメンバーが集まって今から楽しいお話が始まるよ」ってな1話目でも全然構わないのだが、最後のモノローグでは青春部活ものみたいに見えるし、冒頭はどう見てもポルノ産業だし、セッティング自体は脳みそからっぽハーレムラノベだし、振れ幅が大きくてオロオロしてしまうのである。次回からそういう視点も多少は定まるだろうから、今回の第一印象よりは見やすくなることは期待したいんだけど。その辺は決して下手な監督じゃないので、大丈夫だとは思うんですがね。しかし……ノイタミナっぽくないアニメだなぁ。

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○「新妹魔王の契約者」 3

 モウ、コウイウノ、イイカラサ……スコシ、アニメギョウカイノ、リソースヲ、ダイジニシヨウヨ……。

 どれだけアニメが終わっても、まだまだ新作はやってくる。SAOが終わっても! 魔弾の王が終わっても! トリニティセブンが終わっても!! まだだ、まだ終わらんよ。日本の原作力は化け物か……いや、もうほぼ死に体にも見えるんですが……誰が得するのかよく分からないアニメ。開始5分で力尽きそうになった。導入がひどい、話がひどい、そして致命的に画がひどい。「またか」とは言いたくないが、前クールに「俺ツイ」で汚名を残してしまったプロダクションアイムズのお仕事である。冒頭のファミレスのシーンの出来は現代アニメの1話目とは思えない仕上がりで、キャラ絵も悪いしパースもガタガタ。どこに発注したらこうなるのか。あげくそこから妹さんの騎乗位シーンへ移ると話の繋ぎも何もあったもんじゃなく、がんがんこちらのモチベーションを削ってくれるのである。マジでそっ閉じしようかと思った。

 幸か不幸か、そこから画面は持ち直し、オープニング映像の効果のかけ方なんかは見映えがしたので、おそらく1話目もクライマックスの後半シーンに作画リソースを割いた結果冒頭部分が壊滅したのだと思うが、「2話目以降は安定した方の画質でずっと続くんだよね」なんて好意的に解釈してくれる視聴者ってのはまずいない。普通に考えたら「1話目でこれかぁ」と不安になるばかりである。せめてストーリーの方で引き込んでくれれば思いとどまることも出来ようが、もう手垢で真っ黒になってるようなお話をいまさらやられてもなぁ……逆によく恥ずかしくないなぁ、とは感心するのだけど。なんか無いの? この作品のお勧め出来るポイント。

 盲目的に額面だけ捉えるなら、スタッフ陣は決して悪いもんじゃないんだ。何といっても監督は斉藤久であるから、ある程度ギャグに振れる内容になれば、魅せる画作りは出来るはず。シリーズ構成の吉岡たかをだって、使いどころを間違わなければ無難に仕事をこなせる人間である。ただ、その「使いどころ」がここなのかどうかは分からないけども。これからどっち方向にメインをおいて売り出す作品になるんでしょうね。「はたらく魔王さま!」みたいにシナリオ面でもきちっと笑わせてくれればいいけど、どうもシリアスメインみたいだし、シリアスなら真剣にやってくれればいいけど、どう考えてもエロが絡んでくる内容だし……目標設定はとりあえず直近の「魔弾の王」レベルにしておこう。ちなみに、作中で一番面白かったシーンは「バサラってだせぇ名前」って笑われたところです。良かった、そこは突っ込むんだ。どこぞの世界の弟さんの名前は「月光」だったのに完全スルーでしたからね。

 他になんかいいところないもんかなー……見あたらないな……。メインヒロインの中の人は新人さんらしいので、頑張って下さい。劇団青年座、っていう劇団所属からの声優業はあんまり聞いたことない。最近は色んなところが若手を送り込むようになったなぁ。いい事だと思います。

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○「神様はじめました◎」 5

 けもけもけー、狗神さん狗神さん、また帰ってこられたのですか? かぷめんを食しませう。まぁ、こっちの狗神さんは白髪なだけで残念でもおかんでもないのだけども……。

 前期がいつだったかと確認すると、なんとまる2年も前のことなのですね。相変わらず時代の流れの早さに絶望するばかりだ。その間にこの作品が何か変わるかというと、いい意味で変わってないのではないでしょうか。いわゆる分割2クールとかではなく、きちんと望まれて戻ってきた「2期目」であろうし、安定した1期目と同じようにやってもらえば良いかと。ちょっと前までアニマックスで「フルーツバスケット」の再放送をやっていたので、やっぱり変わらない大地丙太郎テイストは落ち着くということがよく分かるのです。テイストとしては昭和ギャグのはずなのに、なんか笑ってしまうんだよなー。

 改めて久しぶりにこの作品世界に触れて何となく思い出したが、似たような作品群の多かったなかで、今作は「取り立てて好きじゃないけど別に悪くもない」くらいの立ち位置だった。作品設定は嫌いじゃないし、味のある演出方向なので充分オリジナリティも出ているのだけど、どうしても「典型的少女漫画設定」にやや抵抗があるのでプラマイゼロくらいになってたんだな。巴衛の性格は割と身勝手な「少女漫画のイケメン」気質で、そこに奈々生が問答無用で惚れていくところに抵抗があるんだな。こればっかりは持って生まれた性分なので仕方ない。むしろ、そういう設定であるにも関わらずそこまで強い嫌悪感には繋がらず、何となくふわふわ観られるのは偉いとも言える。大地作品らしいゆる〜い抜き方と、バニラナレーションによるちょっとエキセントリックな味が利いているのが良いね。今回2期1話目ではいきなり「敵キャラにガンガンおそわれる」という少年漫画みたいなノリになり、巴衛がピンチになって不思議と重たい展開だったのだが、最終的にイチャイチャに落ち着くのが分かってるからあんまり気にならん。むしろ奈々生を襲う触手レ○プ描写なんかはもっとやってもええんやで。そういう作品じゃないんですけどね。もう、やりたいこと全部やればいいと思うよ。どうせここからのキャラクターも基本的に変態しか出てこないんだし。

 その他、この作品の良いところその1、オープンエンドの雰囲気。1期と同じアーティストで同じ世界観の楽曲。これがあってこそのアニメですよね。この作品の良いところその2、久しぶりに「花とゆめ」のCMが観られた。「それせか」の時に毎週楽しみにしていた有名人電話シリーズである。まぁ、当然アイツしか出てこないんだろうが。「それせか」の2期もいつかやらねーかなー。この作品の良いところその3、ぼちぼち主人公みもりんも安定してきた。正直1期の頃は「馬鹿ピンク以外の三森はちょっとなぁ」って思ってたんだけど、2年ぶりに聞いた奈々生はかなりいい感じで聞けるようになっていた。こういうときにいっつも悩むんだけど、これって「役者が実力をつけた」のか、それとも「俺が慣れただけ」なのか。みもりんはこの2年間色んな作品で声を聞いてきたし、前者であると信じてるけどね。そしてこの作品の良いところその4、クラスメイトの女の子が可愛い。特に声が。

 以上だ!

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○「艦隊これくしょん -艦これ-」 4

 今期注目作の1つと言っていいんだろう。うちの回りにも原作の熱狂的ファンが多く、「たかだかブラウザゲーのくせして随分息が長いもんだ」と感心している。先に書いておくと、わたしゃ原作ゲームについて何一つ知らない。流行りだした頃に乗り遅れたってのもあるけど、元々あんまりゲームに執着がないし、ブラウザゲーとか課金ゲーは極力触りたくない性分だからだ。おかげで今作については完全にフラットな状態の視聴ということになる。

 で、そんなまっさらな状態からの視聴であるが、初見の印象は「可もあり、不可もあり」といったところ。「可」の要素は非常にシンプルで、女の子キャラのCGワークの統制の取れ方である。キャラCGの技術革新も日進月歩の状態で、今作は「海上を滑走しながらのガールズトーク」というあり得ないほどに無茶な状況設定が、意外にマッチした状態で描写されているのは素直に感心した。PV発表当時はネタ要素扱いされていた部分だが、高速滑走している状態での戦闘や諸々の所作は、きっちり制動も意識したモーションで描かれている。この辺りの画に対する力の入れ方は、流石に人気原作アニメだけはある。キャラの表情なども悪くないし、そこいらの十把一絡げのラノベアニメでは実現しないレベルの技術力(と経済力)がつぎ込まれているのが分かる。今後、独自の世界観で見たこともないヘンテコ戦闘が行われるならば、その描き方次第では新しい「萌えバトル」方向への開花も期待出来るかもしれない。

 ただ、もちろん「不可」の部分もある。一番の難点は、1話目時点で「あ、これ原作ファン以外に見せるつもり無いな」というのがうっすら分かってしまう脚本構成。一応冒頭でナレーションが世界設定を説明してくれているわけだが、そんなあっさりした説明だけでこの無茶苦茶な光景を受け入れろっていうのが無理な話である。やってることは完全に「ストパン」なので、あの世界の無茶さ加減と大して変わらないのだが、あちらは完全にギャグというか、狙ってやっているズボン文化の世界。こちらはどこまでマジでやりたいのかがまだ見えてこない。

 ストパンとの大きな違いは2つあって、1つは「結局艦むすってなんなのさ」がさっぱり分からないところ。あれは何なの? 人なの? 船なの? ……「ストパン」は人だ。我々の世界と全く同じ感覚で中高生くらいの年端もいかない女の子がお国のために戦争に出向くお話で、人類のために命を賭して戦うなかで描かれる、熱い友情とかズボンとかが心躍る話だ。「アルペジオ」は船だ。突然現れた霧の艦隊は、元々自我を持った船がメンタルモデルという形で女の子の姿を取り、そこから人の機微を理解していこうという、ある種のアンドロイドSFに近い設定だ。翻って、この作品は何だ? そこが分からない。彼女たちは人なのだろうか。これまでの人生は、そのへんの女の子と同じように蝶よ花よと育てられた普通の女の子なのか? それとも、生まれながらに戦うことを宿命づけられた忌まわしい機械の申し子なのか。その辺の設定が分からない。単なる化け物の集団なのだとしたら、普通の感情移入は出来ないだろう。また、そんな化け物集団たちが、和気藹々と学園生活を送っている様子も違和感がある。あれは「人」の手によって管理された世界なのか。艦むすと人というのは、人が管理出来るような共存体制にあるのか。その辺のバックグラウンドがさっぱり無いので、どこからどう入っていいのか分からないのである。

 「そんなクソ真面目に観るもんじゃねぇよ」と言われればそれまでなのでそうした部分は気にしないとしても、最も大きな違いがもう1つある。それは、原作ゲームからの縛りで必然的にもたらされた驚異的なキャスティングである。いや、マジわかんねぇから。この世界にあやねるは何人いるんですか? すげぇ、あやねるとあやねるの会話にあやねるが割ってはいる状態やないか。普通、ヒロイン動物園のアニメを視聴する時ってのはひとまず中の人で識別して次第にキャラに還元していくのが私なりの視聴方法なのだが、今作はそのタクティクスが一切通用しない。これがどれほど困った状況なのか、分かってくれる人はどれくらいいるだろうか。そりゃまぁ、演じ分けを楽しむっていう意味では興味深い設定ではあるのだが、あまりに多数のキャラが出過ぎるので、演じ分けるとかそういう段階を認識出来る状態じゃないんだ。「今出てきた子と、その次のシーンのこの子は同じ? 違う?」っていうレベルで分からない。普通、声が違えば分かるので「ガールフレンド()」はそういう部分でも楽しめたわけだが、今作はわざと混乱させに来ているとしか思えない振り回し方をしてくる。原作ファンは絵を観れば分かるのだろうが、初見の人間からしたらちんぷんかんぷんである。一見さんは完全に切って捨てている。多分、個々のキャラクターがしゃべっている諸要素なんかも、原作ファンからしたら嬉しい部分が多いのだろうが、私からすると「何いってだこいつ」レベルである。これ、やっぱり初見の人間に興味を持ってもらう意識は無い気がする。

 さて、こっからどうなるんでしょうね。元々原作に骨子となるシナリオラインが無いだけに、アニメはやりたい放題で化ける可能性もあるのだが、どうも1話を観ている限りだと原作ファンに気を遣いすぎて八方美人になりそうな予感しかしない。あまり使いたくない言葉だが、「楽しい人は楽しいんじゃない?」という放置作品になりそう。草川さんの復権を賭けた作品というならば応援したくもあるが……あんまり彼の持ち味が活かせそうな作品にも見えないのがなぁ。

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○「ユリ熊嵐」 6

 あ゛あ゛〜〜〜〜〜あ゛〜〜〜〜〜あ゛〜〜〜染められていく〜〜〜何かあかんものが遠慮なく押し寄せる〜〜〜ようこそ幾原ワールド、さよなら人類。

 先人達は大切なことを言ったよ、「考えるな、感じろ」。しかし私は「ピングドラム」で反省したのだよ。幾原作品は「感じる」なんてお為ごかしの通用する世界じゃぁないんだ。考えなきゃいけないんだ。この人のアニメは、「何となく」で作られない。何がやりたいのかを読み解けば、きっとそこには唯一無二の素敵なものがざっくざっくと詰まっている。だから私は、この作品と正面から向き合いたいと思います。

 ……あ゛〜〜でも駄目なんじゃ〜〜、もう脳髄になんか張り付いてくるんじゃ〜〜。もうね、本当に極まっちゃってるわね。ピンドラの時から何一つ変わっちゃいないわ。「興味ねぇならついてくんな」とばかりの圧倒的理不尽第1話。どこから突っ込んでいいか分からないプロローグ、全てが謎だらけの幕開け。これを平気で垂れ流せるからこその幾原ワールドですわ。たまらんね。そして、「ちゃんとペイがある」って確信もありつつ見てるもんだから、いちいち気持ちいいのさね。いや、元々わたしゃ百合好きですしね。更に小動物も大好きですしね。ペンギンの次に差し向けられた刺客は熊。しかも一斉決起した人食い熊。さぞかし恐ろしい存在だろうと思ってみれば、なんなのこの可愛い生き物は。熊が可愛くて女の子が可愛くて、そりゃトータルで可愛くなるに決まってるんだけど、ガルガル言ってる熊のやる気のない野生にはラブしか感じられませんわ。一応「人を食う」らしいけども、百合が絡んじゃうお話だと「食っちゃう」も完全に別な意味になるしね……やっぱり「熊になって人を食う」っていうのは「本能」の還元なのかしら。つまり、人が人を食いたい欲求(食欲じゃない別な欲求の方)を表しているのかしら。こいつぁやばいぜ。1話目からガンガンスロットル回してたけど、「桜Trick」なんか鼻息で吹き飛ぶくらいに純粋な、肉と肉、精神と精神の交感が味わえそう。真正面から投げ込まれてるはずなのに何故か変化球に見えてしまうという脅威の「百合」に、私は立ち向かうことが出来るのだろうか。この情念、受け止めることが出来るのだろうか。否、やらねばなるまい。百合、受けて立とう。熊、甘んじて受けよう。嵐、……分からん。

 というわけで、何から何まで「知らん」としか言いようがない1話目でしたが、大丈夫、最後まで観ればそのうち40%くらいは分かるはずだから。多分。相変わらずのイクニ節といえばそれまでなので、かっ飛んだ脚本を心穏やかに受け流せれば、画面自体にはピンドラでそこそこ耐性はついているのさ。オープニングから炸裂する濃厚な絡みも、どこか時代遅れな感がありながらも絡みになるとねっとりしまくるキャラクターデザインも、どれもこれも「百合」と「熊」を描くための大事なセッティング。あとは「なんで百合と熊を描く必要があるんだよ」という根源的な問題さえ解決すればいいのさ。なに? それが分からないから困るだと? しょうがない、ここは一つカンニングしてしまおうじゃないか。ちょっとWiki覗いてくるわ。……「タイトルは『ユリと熊が出会って嵐が起こる』という意味が込められている」…………OK、俺が悪かった。しばらく待ってくれ。時間が、時間が解決するはずだ。

 もう私のなかで「ショ〜ック! クマショック!」が流行語になりつつあるくらいにキているのです。ここまで徹底的に自分ワールドをあけすけに展開出来る作家ってのは昨今のアニメ業界では本当に少ないので、やっぱりイクニワールドは大好き。遠慮も何も必要ない。このまま呆然とする我々を放り出してあさっての方向に全力疾走して欲しい。僕らはただその足跡を追い続けるだけなのですから。

 百合作品ということでキャスティングにも期待が集まるが、熊代表に選ばれたのは、なんと「ピンドラ」からの続投で荒川美穂姉ぇである。ピンドラで気に入られたかな。もう片方の熊である生田善子や主人公の山根希美はあんまりデータが無いので何とも言えない。でも2人してガウガウゴリゴリしたり走ったりしてる様子は可愛いかも。何故かこの若手2人はどっちも岡山出身っていう不思議な共通点があるのですが、多分何の関係も無いな。そして、百合仕事もお手の物の小倉唯。あおちゃんなんかを加えて後は自然な化学反応を待てばいいのである。楽しみだ。なお、ユリ裁判中の男面子の濃さについてはもう触れないことにする。1人キャストが男じゃない気もするけど気にするな。

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○「探偵歌劇ミルキィホームズTD」 5

 おい、これどういうテンションで見たらいいのかわかんねぇよ。1話目見終わった時点でもまだわかんねぇよ。「ミルキィホームズ」の名を冠した作品は、テレビシリーズだけで3作、たとえて言うなら、ものすげぇ珍味として重宝されるしょっぱいしょっぱい塩辛と、別に大して味は無いけどほんのり甘い麩菓子みたいな作品があり、今回は、目隠しされた状態で「そのどっちかが口に突っ込まれるかもしれません」と言われて口開けて待ってる状態。どっちの方で心の準備したらいいんだよ。結果的に、「ほんのり塩辛味の麩菓子」を口の中に突っ込まれたんですが、身体が受け入れるべきかどうか迷ってるよ。

 基本的なスタッフは3期(フェザーズ)を踏襲している。監督は錦織さんだし、キャラデザも沼田版ではない。その他ちょこちょことスタッフ変更はあるものの、基本的には3期準拠でいいはずだ。しかし、3期は正直「望まれざるミルキィ」であった。だって、基本的にミルキィホームズは添え物だったし、ギャグ無し尺無し捻り無しで、メインとなるフェザーズの友情物語を描いた作品。単品で見れば取り立てて悪いものではないはずなのだが、ミルキィ成分を補充したい人間からしたら慰めにもなりゃしなかった。僕らがみたいのはトイズを駆使するミルキィホームズじゃないんだ。延々ラードの神と戦い続けるミルキィなんだ。いや、ぶっちゃけるとトゥエンティが見たかっただけなんだ。

 今作は、はっきりと意識してギャグの方に揺り戻し、1期2期に近いテンションにしようという狙いが見て取れる。オープニングのシャロの泣き顔は不覚にも笑ってしまったし、理不尽なネタ回しは確かに1期2期を彷彿させるミルキィの世界だ。なにより、1期2期の記憶を「無かったことに」と言っているはずの本人達が、1話時点では一度たりともトイズを使ってない。ひょっとしたらまだ失われたトイズが戻ってないのかもしれない。しかし、これじゃまだ足りない。まだまだ足りない。この世の全てを放り投げたあのバリツの味を、我々は知ってしまっている。あれだけ頑張った2期ですら「ややトーンダウン」と言われてしまうほどの理不尽極まりない世界を知っている。やっぱり森脇版でないとあそこまでの最高球速は出ないか。なまじメインシナリオが存在してしまうので、なかなかそこから弾けて飛ぶのは難しそうだなぁ。「TDってなんやねん」って思ったけど、放送中のCMを見る限りではブシロードの新しいソシャゲタイトルなのか。確かに前からCMではちょこちょこ聞いた名前で、「トイズドライブってミルキィかよwww」と思ってたんだが、まさかマジでミルキィだとは思ってなかった。大アイドル時代ねぇ……まぁ、確かにアイドルアニメも群雄割拠、アイドルグループとして一日の長があるミルキィホームズには有利な部分が……無いよなぁ。いや、これからどんな方向に壊れるかはまだ分からない。きっとミルキィなら奇跡を起こせると期待しよう。この広がった無限の世界に期待しよう。「さっそく白と黒の存在持てあましてるじゃねぇか」とか、「怪盗帝国だせコラ」とか「こころちゃんさえいれば何とかなるよね!」とか、そういう邪念を捨てるのだ。シャロ達なら、私たちの待ち望んだものを、いつかきっと提供してくれるはずだ。「まだですー」。

 中の人については、「μ‘s結成まであと5人」っていうのが当然出てくるところよね。元々「シャロとネロと小衣ちゃんがアイドル活動してる」ってのはよく言われてたことで、今回はわざわざ穂乃果ちゃんが出張してきてくれた。このままいけばμ‘sも確実にトイズが使えるようになるな。その代わりにG4や怪盗帝国の面々が生け贄に捧げられてしゃべれなくなってたが……そのへんはおいおい出てきてほしいもんです。新田恵海は今回歌唱目当てでのキャスティングだし、またいい方向に活動が広がりそう。何が笑えるって、今回の音楽担当がエレガで、プロデューサーに上松氏が参加してるところよね。もう「作中で歌うアニメ」は全部ヤツに任せておけばいいっていう業界の決まりなんだろうか。また一暴れしそうだなぁ。

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○「アブソリュート・デュオ」 4

 ヤー、新番組の時間がやってきたよ! まだ前クールの評価も終わってないのに気の早い話だぜ! ちなみに、この冬の私は個人的に鉄火場っていうか、マジで修羅場になる予定だから、アニメ感想なんて大して書かないぜ! 書かないといいな!

 そんな記念すべき2015年一本目の作品は、タイトルだけ見て何となく「アルドノア・ゼロ」っぽいのを待ってたら、全然違うのが来た。いわゆるラノベだ。どっちかっていうとなんちゃら使いのなんちゃらとか、なんちゃらのなんちゃらに近いヤツだ(各人補完してくれ)。前クールからの印象だと「おっ、トリニティセブンの続きかな?」みたいな感じだ。単に主人公の声つながりだが、「美少女いっぱい学園」に入ってくる男主人公はやっぱり松岡キャラになるんだな。「俺の武器ってなんで弓なんだろう」主人公が前クールにいたけど、今回は「俺の武器ってなんで盾なんだろう」主人公だな。弓はミラクル起こせたけど、盾は難しそうだよなー。ティンベーで守ってもつくためのローチンがないとなー。いや、「鉄壁! よって無敵!」ってワンピースの初期のキャラも言ってるから多分大丈夫だよ。

 典型的ラノベスタートながら、一応「入学式でいきなりつぶし合い」という部分はちょっとだけ新鮮。「今から皆さんに殺し合いをしてもらいます」ではないが、たまたま隣に座っちゃったっていう理由で殴り合い、「こいつがメインヒロインかー」って思った戸松がまさかの1話退場というのはちょっと面白かった。普通、あの導入だとアイツがモッピーポジションになると思うよね。あの地味な子はもう出てこないのかな。更にタイトルにもなっている「デュオ」とやらもたまたま隣どうしになった縁で素直クールなロシアっ娘に決定。適当過ぎる展開なんだが、まぁ、新学期の出会いとか友達付き合いなんて運ゲーなところもあるので、ある意味リアルといえるかもしれない。

 いつも通りの導入ながらもそれなりに新鮮な部分もあり、「じゃぁ、ちょっと面白そうか?」と思う部分はありながら、でもやっぱり引っかかる部分ばかりが多くてスタートは渋め。まず、1話目だけどもそこまで画に求心力が無い。制作はエイトビット、監督はあんまり聞かない名前だけど、来歴を調べると撮影監督が主な業務で、そこからCG絡みなど全面的なコンポジッター業務を続けてきた人らしい。こういう来歴の監督ってどれくらいいるのかな。最近はちょこちょこ画作りの仕事もしていた人みたいで、同じエイトビットの「東京レイヴンズ」では副監督なんてクレジットもされている。ということは、とりあえず指標は「東京レイヴンズ」かな? あっちはまずまず可愛いキャラもいたけど、今作は本当に紋切り型の造形ばかりで、ずらっと「精霊使いの剣舞」や「星刻の竜騎士」と並べられると識別出来なくなりそう。一応メインヒロインだけは少し可愛かったけども……長続きするかなぁ。

 あと、どうでもいいところではあるのだが、画面のディティールがかなり適当。一番気になったのは大切な入学式の戦闘シーンで、あれだけの大人数が狭いホールにぎゅうぎゅう詰めになっていたのに、戦闘が始まると突然誰もいないカットが出てきたり、あんだけ並んでた椅子が全て消え去ったり、どうにもやっつけ感の強い画面である。そういや「星刻の竜騎士」の時も「そんな狭いグラウンドで竜を寄せ集めて実戦練習とかすんなや」って突っ込み入れててたけど、大体同じスタートラインってことだよな。あと、どう見ても洋風の宿舎なのに何故か主人公の部屋にはちゃぶ台があるとこなんかはギャグなんですかね。ラノベ原作アニメって、「具体的に描かれていなかった部分をいかに画にするか」っていうのが勝負どころのはずなのに、そういうところでサボるのはあかんよな。全体的に駄目要素は多いです。

 でもまぁ、とりあえずヒロインをモチベーションにしばらくは見学かな。一番驚いたのは、これのメインヒロイン、中の人がのじょさんなんだな。正直、普段からラジオテンションののじょさんしか聞いてなかったので全然分からなかった。やっぱり彼女は器用な役者なんだ。エンディングの歌唱も流石のシンデレラである。実はメインヒロインってすげぇ久しぶりだ(みならいディーバ除く)。のじょさんのためにも、なんとかいいアニメになってほしいもんです。

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○「寄生獣 セイの格率」 5

 毎度お馴染み読売いじめのおかげで、BSでも問答無用の2週遅れ。いつも通りにこの枠が最後の新番チェックである。いや、実は「蟲師」をまだ書いてないんだけど、まぁ、前クールと大体同じだから省略。「蟲師」も合わせると今期新番は38本。最終評価を書いたのが35本だから……あれ? 増えてる? ……15分枠が2本あるから(震え声)。これで今期視聴本数は45本です(ふるふる震え声)。

 さておき最後の作品は「寄生獣」というビッグタイトルである。ただ、これまた不思議なことに、わたしはこれの原作をまったく知らない。いや、「知らない」は嘘で、当然ネットなどで画像はいくつか見たことがあるのだが、知っているのはせいぜい一番有名と思われる、人の頭がかっさばかれて「くぱぁ」してる画像くらいのもので、一体どんな中身なのかは全然知らない。「進撃の巨人」も「テラフォーマーズ」もそうだったけど、どうしても青年誌の漫画ってのは興味がわかないのである。未だにジャンプなどの少年漫画のみに生きる、永遠の子供脳には致し方ないこと。しかもこれ、今確認したら既に「古典」と言ってしまっていい年代の作品やんけ。これの連載当時は実際に子供さんだったわ。しかもグロが極度に苦手な子供さんだわ。じゃぁ、知らなくてもしょうがない。

 というわけで、まっさらな状態での視聴である。既に他の地域では話数が進んでいることもあり、「原作と違って不満」とか「原作と違うけど悪くない」などといった感想も漏れ聞こえてくるが、「原作を知らないからどうでもいい」身としては非常に気が楽である。純粋に新作アニメーションとして見ればいいだけなので。そういう視点から見ると、まずまず無難な滑り出しといったところだろうか。直前に放送していた「東京喰種」と基本設計が同じであり、特別新鮮味は無いのだが(順序から言ったらこっちが先達だけど)、容赦無いグロ展開に、面倒な設定を排除した分かりやすい「寄生」の描写は、1話目としてはかなり親切な部類なのではなかろうか。この枠の作品のお約束として映像はすっきりと見やすく出来ているし、話のテンポも悪くない。このまま視聴を続けたいと思わせるだけのものは充分に備えた作品だろう。グロ部分についても、現時点ではそこまで嫌悪感を示すようなものではなく、あくまでも「寄生する怪物」の存在を際だたせるレベルでの舞台背景として機能する程度に留まっているので特別拒否反応を示さずに済むのである(容赦無いG描写がある「テラフォーマーズ」の方がキツいくらい)。

 そして、本作最大の見どころとなりそうなのは、自由奔放なミギーのデザインである。変幻自在の寄生生物のうねうね描写がなかなか魅力的で、基本パーツである「目と口」がそれなりのキモさを出しながらも、好き勝手に化けたり伸びたりする様子がスムースなアニメーションで描かれており、どこか小憎らしい愛嬌も持っている。「なんで今更こんな古い作品をアニメ化したんだろう」と不思議に思ったものだが、こういう部分でのぬるぬる感を見てると、確かに一昔前だったら描写が面倒な部分は多そうだ。人智を越えた「ヘンテコ寄生生物の変身ショー」が最大のセールスポイントになりそうなので、そのあたりのデザインが楽しめれば充分魅力は出るのではなかろうか。CVが平野綾というのも賛否両論あるようだが(原作ファンはこういう可愛い声でイメージしてなかったっていう意見が多い)、個人的には「右手が恋人(?)」ならこれでいいんじゃないかと思う。そもそも声の高さってのは体長に比例するのだから、あんな小さな「右手生物」は声が高くなって当然といえば当然。小憎らしい雰囲気も相まって、やっぱり平野綾は良い仕事をしてくれていると思う。こうして聞いてると、何となく「内田真礼って声質で言ったらこのラインだなー」ってどうでもいいことを思いました。

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