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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「艦隊これくしょん -艦これ-」 4

 今期注目作の1つと言っていいんだろう。うちの回りにも原作の熱狂的ファンが多く、「たかだかブラウザゲーのくせして随分息が長いもんだ」と感心している。先に書いておくと、わたしゃ原作ゲームについて何一つ知らない。流行りだした頃に乗り遅れたってのもあるけど、元々あんまりゲームに執着がないし、ブラウザゲーとか課金ゲーは極力触りたくない性分だからだ。おかげで今作については完全にフラットな状態の視聴ということになる。

 で、そんなまっさらな状態からの視聴であるが、初見の印象は「可もあり、不可もあり」といったところ。「可」の要素は非常にシンプルで、女の子キャラのCGワークの統制の取れ方である。キャラCGの技術革新も日進月歩の状態で、今作は「海上を滑走しながらのガールズトーク」というあり得ないほどに無茶な状況設定が、意外にマッチした状態で描写されているのは素直に感心した。PV発表当時はネタ要素扱いされていた部分だが、高速滑走している状態での戦闘や諸々の所作は、きっちり制動も意識したモーションで描かれている。この辺りの画に対する力の入れ方は、流石に人気原作アニメだけはある。キャラの表情なども悪くないし、そこいらの十把一絡げのラノベアニメでは実現しないレベルの技術力(と経済力)がつぎ込まれているのが分かる。今後、独自の世界観で見たこともないヘンテコ戦闘が行われるならば、その描き方次第では新しい「萌えバトル」方向への開花も期待出来るかもしれない。

 ただ、もちろん「不可」の部分もある。一番の難点は、1話目時点で「あ、これ原作ファン以外に見せるつもり無いな」というのがうっすら分かってしまう脚本構成。一応冒頭でナレーションが世界設定を説明してくれているわけだが、そんなあっさりした説明だけでこの無茶苦茶な光景を受け入れろっていうのが無理な話である。やってることは完全に「ストパン」なので、あの世界の無茶さ加減と大して変わらないのだが、あちらは完全にギャグというか、狙ってやっているズボン文化の世界。こちらはどこまでマジでやりたいのかがまだ見えてこない。

 ストパンとの大きな違いは2つあって、1つは「結局艦むすってなんなのさ」がさっぱり分からないところ。あれは何なの? 人なの? 船なの? ……「ストパン」は人だ。我々の世界と全く同じ感覚で中高生くらいの年端もいかない女の子がお国のために戦争に出向くお話で、人類のために命を賭して戦うなかで描かれる、熱い友情とかズボンとかが心躍る話だ。「アルペジオ」は船だ。突然現れた霧の艦隊は、元々自我を持った船がメンタルモデルという形で女の子の姿を取り、そこから人の機微を理解していこうという、ある種のアンドロイドSFに近い設定だ。翻って、この作品は何だ? そこが分からない。彼女たちは人なのだろうか。これまでの人生は、そのへんの女の子と同じように蝶よ花よと育てられた普通の女の子なのか? それとも、生まれながらに戦うことを宿命づけられた忌まわしい機械の申し子なのか。その辺の設定が分からない。単なる化け物の集団なのだとしたら、普通の感情移入は出来ないだろう。また、そんな化け物集団たちが、和気藹々と学園生活を送っている様子も違和感がある。あれは「人」の手によって管理された世界なのか。艦むすと人というのは、人が管理出来るような共存体制にあるのか。その辺のバックグラウンドがさっぱり無いので、どこからどう入っていいのか分からないのである。

 「そんなクソ真面目に観るもんじゃねぇよ」と言われればそれまでなのでそうした部分は気にしないとしても、最も大きな違いがもう1つある。それは、原作ゲームからの縛りで必然的にもたらされた驚異的なキャスティングである。いや、マジわかんねぇから。この世界にあやねるは何人いるんですか? すげぇ、あやねるとあやねるの会話にあやねるが割ってはいる状態やないか。普通、ヒロイン動物園のアニメを視聴する時ってのはひとまず中の人で識別して次第にキャラに還元していくのが私なりの視聴方法なのだが、今作はそのタクティクスが一切通用しない。これがどれほど困った状況なのか、分かってくれる人はどれくらいいるだろうか。そりゃまぁ、演じ分けを楽しむっていう意味では興味深い設定ではあるのだが、あまりに多数のキャラが出過ぎるので、演じ分けるとかそういう段階を認識出来る状態じゃないんだ。「今出てきた子と、その次のシーンのこの子は同じ? 違う?」っていうレベルで分からない。普通、声が違えば分かるので「ガールフレンド()」はそういう部分でも楽しめたわけだが、今作はわざと混乱させに来ているとしか思えない振り回し方をしてくる。原作ファンは絵を観れば分かるのだろうが、初見の人間からしたらちんぷんかんぷんである。一見さんは完全に切って捨てている。多分、個々のキャラクターがしゃべっている諸要素なんかも、原作ファンからしたら嬉しい部分が多いのだろうが、私からすると「何いってだこいつ」レベルである。これ、やっぱり初見の人間に興味を持ってもらう意識は無い気がする。

 さて、こっからどうなるんでしょうね。元々原作に骨子となるシナリオラインが無いだけに、アニメはやりたい放題で化ける可能性もあるのだが、どうも1話を観ている限りだと原作ファンに気を遣いすぎて八方美人になりそうな予感しかしない。あまり使いたくない言葉だが、「楽しい人は楽しいんじゃない?」という放置作品になりそう。草川さんの復権を賭けた作品というならば応援したくもあるが……あんまり彼の持ち味が活かせそうな作品にも見えないのがなぁ。

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