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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 これまでとは随分イメージの違う演出になっていた第9話。確かにここまでのエピソードに今回の主人公である安川ヒロミが全く登場していなかったのは気になっていたのだが(ひょっとしたら気付かなかっただけでどこかにいたのかもしれないが)、今までのような同時並行演出はここでいったん終わりということなのだろうか。

 今回の患者、安川ヒロミ(羽田野渉)の症状は、残念ながらあまり共感を覚えるようなものではない。勿論「キャラを守らなければ」という防衛意識というのは誰しも多かれ少なかれ持っているものだろうが、流石に一般人はタレントのように自分のイメージに固執する必要は無いので、心の病に発展するようなレベルでの悩みというのは少ない。以前友人と話していて暴露話が盛り上がった時に「お前はそういうこと言っちゃ駄目だ」とたしなめられた記憶があるのだが、他人の押しつけるキャラというのは、時として「知らんがな」という場合だってあるのだ。

 しかし、子役として売れてしまった安川の場合、他者の見る目についてはそれこそ病的なまで染みついており、既に必要無くなった成年後も、それが心から離れなくなってしまった。症状として表れるのは「笑顔」という表情のみなのだが、今回は安川の「表情」が非情に印象的に描かれることで、その深刻さを表現している。序盤は笑顔を崩さない安川の口元よりも上の部分に影がかかってなかなか見えないようになっているし、ビタミン注射を喰らった後には(そして幼少期から既に)、シンボルとして登場したアザラシの顔が頻繁によぎるようになる。これは当然、過去に一世を風靡した「タマちゃん」などから連想される、かわいらしさだけが先行した「客寄せ」商売のメタファーであろう。これらの描き方を複数重ねることによって、序盤の安川は笑顔以外の表情が一切表に出てこないわけだ。

 そして行われる荒療治。とはいえ、放っておいても安川が事務所を首になるのは避けられなかったわけだし、伊良部が助言をせずとも安川が自分のイメージと現実のすりあわせを行うのは必要事項となっていたはず。たまたま都合のいいオーディションで都合のいい流れになったおかげで、「イメージチェンジするんだ!」という一大決心が、逆ベクトルに吹っ切れてあのような結末を迎えることになった。「伊良部の思いきった治療」とはいうものの、あの流れで吹っ切れるようならば、結局今までの路線でもいけてた訳だから……マネージャーの管理が下手だったってことになる? いや、バラエティ番組の出演を受け入れられるようになったのは今回の顛末のおかげなのか。オチの部分の安川がどのようなポジションに落ち着いたのかが分からないために、何がどう治療されたのかがよく分からない展開だった。多分懐かしさとスベリ芸で返り咲いたってことなんだろうけど、絶対あれは芸人生命が短いタイプだぞ。

 とまぁ、本筋はほどほどにしておいて、気になったのは今回からの「別路線」の演出である。例えば、安川は18日に集合の象徴であるファミレスに顔を出していないし、当然他のエピソードのキャラクターも誰1人として顔を見せていない。唯一今回のエピソードに関係があったのは安川が受けたオーディションの原作者である星山純一だが、彼もわざわざ名前を出しておきながら当日のオーディション審査員を欠席している。これまでのエピソードでは「顔を出していること」が明示的に描かれていたのだが、今回は敢えて「顔を出さないこと」を強調しているようにも見える。

 また、毎回バンクのように同じ映像が使われ続けていた注射のシーンが、今回は別アングルの別シチュエーションに書き換えられている。マネージャーが見ていたからついたての陰で注射したとも考えられるが、普通に考えたら注射は隠れてするもんじゃない。打っている時のマユミの恍惚とした表情の追加や、毎度のように汗だくで盛り上がる伊良部のカットの変更など、ことさらに「今までと違う」ことをアピールするような構成になっており、もちろんBGMも定番の物から新しい物へと変更されている。

 他にも、安川は診察中に歯車仕掛けのイスでくるくると回り続けていたり、伊良部がマネージャーの背後に瞬間移動したような描写があったり、伊良部が「ひろ君」の存在に気付いた時には3体の伊良部(大・中・小)が全てオーバーラップして驚く描写があったりと、これまで暗黙のうちに慣例とされていた部分がぶっ壊れたかのような変化が気になる。今後は本当にオムニバスとして作っていくのだとしたら、時系列いじりはあくまで作品の1要素でしかないので無くなっても構いやしないのだが、これまでのような賑やかな雰囲気が無くなってしまうのはちょっと残念。来週登場するキャラクター(置鮎)も過去のエピソードに登場していないので、また単独エピソードになってしまうのかなぁ(一応グレートパワーズはスワローズの対戦相手だったけど)。ただ、ラストシーンで伊良部の病院を訪れたのが誰なのか気になる(流れからすると次回主人公の田辺の来訪なのだろうが、ラストシーンは伊良部の見ているテレビから24日のことであると分かるし、田辺が来訪したのは17日であるはずなので、計算が合わないことになる)。

 最後にキャスト話。マネージャー役は折笠富美子。振り回される苦労人役にもしっくり来ます。不幸が似合う女性は格好いいね。そして今回メインだった羽田野君だが、役が役だけにイケメンの彼が奮起すればするほど中の人が滑ってるみたいに見えて可哀想だった。……いや、おいしいと思うべきなのか…… 

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