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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ささめきこと」 4→7

 英語的表現をするなら、今期最も楽しんだ作品の1つ。1クールで終わるのがとても寂しくて、「さっさと原作重ねて2期作ってくれぇ!」と思わずにはいられない。まぁ、そのためにはDVDが売れなきゃいけないんだけどさ……

 この作品は、非常に地味な作品である。初回視聴時の点数が低いというのはその現れだと思うが、「百合」という根源的なファクターに琴線を揺さぶられない人にとっては、この地味さ加減はちょっとしたハードルになるだろう。しかし、実は1話目は原作漫画でも読み切り部分だったために若干テイストが異なっており、本気を出すのは2話以降。2話で描かれた朱宮君の登場と純夏の暴走によって、この作品の本質がようやく見えてくるのだと思う。

 昨今「百合」をテーマとしたアニメ作品は数多く、対象を絞っても「マリア様が見てる」「Simoun」「ストロベリーパニック」「BLUE DROP」「CandyBoy」など、それだけで1ジャンルを形成しているほどだ。他にも萌えファクターの中に百合要素を入れ込んだもの(「咲」とか「なのは」とか)まで含めれば、ほとんどの作品が「百合要素」を持っているといってもいいかもしれない。そんな玉石混淆の百合ジャンルの中でこの作品の白眉なところは、純愛として百合を処理しながら、その恋愛がきちんと禁忌として見られている点だ。上記の作品群を見れば分かるように、いわゆる「百合アニメ」の場合、前提として「女性は女性とつきあうものだ」という(非常にファンタジーな)設定が存在しており、その恋愛を描くための道具立ては、基本的に男女間のそれを描くものと変わらない。そのために世界まで作ってしまった「Simoun」や男性を隔離してしまった「マリみて」「ストパニ」あたりは一応サポートがあるとは思うが、その他の有象無象の場合、「アニメなら百合はあっていいんでしょ」とばかりに考え無しに使う場合も少なくないのが現状だ。

 そんな中で、この作品の百合は、非常にデリケートだ。汐自身、自分の性癖がおかしいことは理解しており、1話では純夏に揶揄されて落ち込みながらも悩んでいる。純夏もそれは同じで、自分の感情が普通でないと知っているからこそ、号泣しながら夜道をかけて「あたしじゃ駄目だから!」と絶叫する。あくまで彼女たちの恋愛感情は、「ささめきこと」なのだ。

 この、ある意味当たり前な前提から構築されているために、この作品の恋愛模様は面白い。ある程度オープンに感情を表せる汐に、決して前に進めない純夏。そしてそこに意識改革をもたらすために朋絵とみやこのコンビが現れて2人の関係を変質させていき、その歪んだ感情(禁忌を乗り越える勇気)を奇妙な形で決定づけたのが別視点から現れたあずさである(キョリちゃんは多分ノーマル代表)。様々な感情、倫理観が交錯することによって、「百合」という大命題はあけすけに描かれた他作品よりも濃密に浮かび上がってくるわけだ。

 もちろん、こうした作劇法は特に目新しいものではない。元来恋愛ものなんてジャンルはドロドロと歯切れの悪いものを描くジャンルであるし、それが「許されぬ恋」ならなおさらのこと。この作品はそれを女子高生たちの秘めたる思いとして昇華させ、最後の最後、汐の「良く聞こえるよ」という一言に集約させたのだ。これは、いいものだ。

 ま、百合好きといっても色んな方向性があるので、単に乳を出していちゃいちゃしてれば良いという見方も勿論間違ってはいないんだろう(そういう百合の人も実在するんだろうし)。ただ、一本のアニメとしてドラマを見たかったので、この作品の方向性がどストライクだったというだけの話である。とりあえず、放送が終わったので気兼ねなく全巻一気買いしてきます。

 そうそう、当然最後はキャストの話。感想文で再三触れているのでいい加減しつこい気がするのだが、やはりこの作品はキャストの力によって支えられた部分が大きいと思う。女優・高垣彩陽の素晴らしい伸びしろがみられるだけでも素敵だし、相方を務めた高本めぐみも確実なキャリアを重ねている。他にも若手からは原田ひとみ、牧口真幸などのこれからのがんばりに期待したい。歳は大して変わらないのに一歩抜きんでたイメージの英美里も言わずもがな。そして、ラジオでは「一番おねーさん」と言われていたのが、千和。あー……アラサーだなぁ。欠片もそんな様子がないですがね。 

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