忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[2940] [2939] [2938] [2937] [2936] [2935] [2934] [2933] [2932] [2931] [2930]

 変わったり、変わらなかったり、第15話。激動の前回を受けて、どこがどうなっているのかを確認するためのエピソード。色々と入ってくるものは多いのだが、これでも山ほど残った問題があるってんだから驚きである。

 今回のテーマ(というか常にこうした作品に与えられるテーマ)は「変化」である。光という特別な存在を中心にして、「変わったか」「変わっていないか」をキーポイントにそれぞれの気持ちが揺れ動いていく。一番分かりやすいのは「変わっていない」光であろう。彼にとってお船引はついさっきのこと。突然のタイムスリップで回りが一気に年を取ってしまっては、流石についていけないのも仕方ない。真正直な彼ですら目を覆ってしまうほどに、この大きな変化は衝撃的なものであった。まぁ、そりゃ仕方ない。救いになるのは、回りの人たちもそんな光の異状をきちんと理解しており、それなりに配慮してくれていることだ。所謂タイムトラベルものとかだと、「未来からきました」「過去からきました」という事実を周りの人が許容するのは大変なのだが、今回はあくまで「冬眠」なので、周りの人も一応光がどんな状態なのかをイメージすることは出来る。町の人たちはお船引の立役者である光には優しく、色々と気を遣って接してくれていた。そんな中で最も光のことを思っていたのが、美海ということになる。彼女の光への思いは、対象がいない状態で何年も蓄積され、徒に大きくなってしまったものだろう。実際の光への思いが本当はどんな感情なのか、まだはっきりしていない可能性はある。しかし、なんとか光のためになろうという意識は強く、そこで、自分ばかりが何も分かっていないこと、自分だけが「子供のまま」であり、「変わっていない」ことを嘆くことになった。しかし、彼女も間違いなく時は刻んでいる。光の慟哭を漏れ聞いてしまったことで、ようやく彼の気持ちを察して、「あのときのままで」動くことが出来るようになった。彼女は、変わっていないわけがない。当然のように変化し、それは彼女のための、彼女が望む変化であったわけだ。

 良くも悪くも変わっていない人物というと、紡の存在がある。結局、彼はどこまで言ってもオブザーバーの立ち位置から出てくることが出来ない。常に冷静沈着、陸の人間としての視点を持ちながら、不思議と汐鹿生側のスタンスも持ちうる彼の思慮は、全てが「最善の方向へ」いくように舵取りされている。幼いころの「イケメンぶり」は常に彼が正しすぎたから起こっていたことであり、現時点においても、彼は物事の本質は見抜く力に長けている。光も、そんな紡にぶつかったからこそ、目をひらく切っ掛けを手に入れられたのかもしれない。ただ、紡が全く変わっていないかというと、そういうわけではない。彼だって立派な男になったのだ。一つ屋根の下にいる女性に対して、何も思っていないわけはないだろう。

 そんなわけで、今回の「変化」というテーマを全て背負い、体現したのが、ちさきということになる。彼女は冬眠に入らなかったことで、「普通に成長し」、「普通に変化した」。それは別に何も悪いことではないのだが、彼女は昔からずっと、「人のことしか考えられない」性格である。おかげで、彼女には「光の目に映る自分」が恐ろしくて仕方ない。変わってしまった自分。光を置いて大人になってしまった自分。そんなものは、光に見せることすらままならない。あのとき憧れていたはずの存在が、自分の「勝手な変化」によって、罪悪感の対象へと姿を変えていたのである。光が戻ったという報告を受けた彼女が、思わず後じさってしまったのは、非常にショッキングなシーンだった。光に自分を認識されたくないという思いが、彼女を責めさいなむ。

 このままちさきがふさぎ込んでしまうのか、と思われたが、そこは流石の主人公だ。光は、互いに恐れていたはずの衝撃の対面の席で、見事にちさきが一番欲しがっていた一言をくれた。「変わっていない」と。これによってちさきが救われることになり、結果、光自身も救われることになる。「光が眠っている間に全てが変わってしまった」のではない。変わったものは確かにたくさんあるが、変わっていないこと、地に足をつけて生きてきたあの村は、きちんとそこにある。ちさきだって、変わらぬ気持ちでそこに待ち続けていたのである。光はやはり、旗を振るのが似合っている。彼の力で、ちさきを救い、最終的にはまなかも救い出すことが出来るのだろうか。

 今後の焦点の1つは、「変わっていない」と笑ってみせた光と、「変わったな」と穏やかに告げた紡の差異である。奇妙な話だが、実はこの2つの言葉は、どちらもちさきが求めていたものである。幼い頃から大人びてはいたが、結局子供でしかなかったちさき。彼女は事件以後、成長しなければ、と思い続けていた。そして、光の前では「変わりたくない」という人類不偏の望みも口にしていた。どちらからも望んだ通りの言葉が聞かれた今、ちさきの心ははたしてどちらに振れることになるだろうか。まぁ、普通に考えると、流石に紡と一緒になった方がいいとは思うんですけど。結局、まなかがいつ目覚めるか、っていうのが一番の問題なんだけどね。

拍手

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/26 な]
[04/25 な]
[04/19 NONAME]
[04/17 NONAME]
[04/17 NONAME]
バーコード