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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 だいぶ忙しなかったな、第7話。正直、今回はコンテ構成があまりにも性急過ぎて、ぶつ切り感が強いあまりよろしくない状態。クレジットを見ると監督も含めての3人コンテなんだが……人手足りてないってことは現場が厳しいんですかね? 次回予告も絵のない状態だったし……水島さん、万策尽きるのだけは勘弁してください。

 そもそも「やらなきゃいけないこと」が多いってのがこの作品の根源的な問題で、これまでのお話でも場面のスイッチやら会話の展開が忙しなかったのは間違いないのだが、それでも紙一重で「そうなる流れ」を維持していたのが今作。ただ、今回は会話のテンポが全部1.3倍速くらいになっていたので音響部分でも違和感が強かったし、画面の切り替えもあまり心を砕いている感が無かったのは残念。作画面で崩れらしいものが出ていないので気にならない人も多いかもしれないが、ここまで綱渡りのようにして構成を維持してきた作品だけに、なんだか粗が目立ってしまった気が。まぁ、上記のようにスケジュール的なものから練り込む時間がなかったのが、そもそもシナリオが無理をしすぎているのでどう頑張っても違和感を拭い切れなかったのかは分からないけども。

 「シナリオの違和感」というのは、「真咲=幽霊」説への全体的な推移が無理矢理だった部分についてである。まー、極限状態での集団心理なのだと言ってしまえばそれまでかもしれないが、チーム美影の面々のように「化け物」の影響が色濃く出た連中以外が、「さっきまで一緒にいた女の子は幽霊なんだよ」という荒唐無稽のお話をこうもあっさり信じ、挙げ句の果てに魔女狩りのごとき無茶なイベントに加担するまでになる流れは流石に説明不足である。恥ずかしい姿をさらして自尊心を傷つけられ、ぼろぼろになった美影だけは極論に走って自暴自棄になる下地が出来ていたので納得できるが、その話を聞いた他の面々については、普通ならば「何言ってんだこいつ?」っていう反応になるはず。いくら「化け物」の声を聞いたところで、人間が許容出来る「埒外の存在」なんてものは多くて1つまでだろう。「ひょっとしたら納鳴村には過去のトラウマ体験を具現化するお化けが出てくるのかもしれない」までは飲み込めたとして(つまり視聴者と大体同じ認識にまで至ったとして)、そのもう一歩先、「それらのお化けは真咲が使役していた」に至るまでには、さらにもう一段階常識をぶっ壊す必要がある。何しろこれまでずっと一緒に行動してきた「実体」であり、バスに乗って都会から一緒にやってきた存在なのだ。「幽霊の存在を認める」「その幽霊がバスツアーを利用して自分たちを陥れようとしている」などなどのハードルを、そう簡単にクリア出来るとは思えないのだ。

 ただ、こうした無茶な結論に達したからといって、美影が阿呆だと言うわけではない。むしろ、「トラウマが見える」という「現象」の答えにいち早く辿り付いたことを考えれば、彼は比較的柔軟な思考の持ち主で、物事を総合的に考えることは出来る人物だろう。しかし、彼は「現象」という最大の謎と、もう1つ、別側面から発生した「真咲」という謎を短絡的に1つに結びつけてしまった。まぁ、彼からしたら、その後実際に口にしていた通りに、「何か具体的に自分の怒りや恐怖をぶつける対象がほしい」という欲求から、真咲という分かりやすい「敵意の対象」を定めてしまいたいという欲求がとまらなかったのだろうが。同じように「対象の不明瞭さ」に怯える人間、チーム美影のミリタリーコンビやらぶぽんが美影の妄言に賛同するのも、まぁ納得できる部分だ。しかし、ここで「別派閥」だったはずのヴァルカナさんが割と自然に丸め込まれてしまったのがどうにも。脇で苦悩していたこはるんは彼女自身の言い出したことをきっかけに「真咲幽霊説」が場を支配してしまったことに責任を感じ、何とか方向修正をしようとしていたわけだが、ヴァルカナさんはそんなこはるんの様子をくみ取りつつも、何故か美影の言説に流されてしまっている。なんか、せっかく株を上げてきたのに残念な結果。まぁ、その後ろには考え無しのダーハラの姿もあるのだが……。

 そして、ここに来て問題児っぷりが加速しているのはスピードスターこと颯人さんである。美影チームがヒステリックになるのは分かる。実際に彼らは甚大な被害にあっているからだ。しかし、颯人に関しては全く別な理由で「アンチ真咲派」になっている。その理由ってのが「光宗をたぶらかしやがって」である。もう、下手したらこいつがメンバーで一番危ない可能性すらある。幽霊とか、トラウマとか、そういう問題とは全然別次元で、「俺の光宗を横から盗んでいった」真咲に怒り狂っているサイコホモなのである。回りの人間と異なる理由で動いているため、他の人間との意思疎通が図れず、今後のトラブル要因としては彼が一番重傷。なまじ最低限の思考力があるため、そうした自分だけの闇をらぶぽんのように表に出さず、表面上はただの「アンチ真咲」の1人として動いているのも質が悪いな。

 こうして見ると、各々にトラウマを抱えて納鳴村に転がり込んできたメンバーたちだが、流石に主人公、光宗のトラウマは二重に面倒臭いなかなかの設定になっている。今回明かされた「時宗」のエピソード。その名前から兄弟が関係していることは推測できた部分だが、双子の兄弟が存在し、しかもその双子自体ではなく、家族全体が彼の人格形成を蝕んでいたというエピソードはなかなかクるものがある。やるせないのは、彼に一切責任が無く、さらに誰の悪意も介在していないこと。つまり、光宗は誰も「憎むべき対象」がいないままで、ジワジワと時間をかけて自己を削り取られていったのである、自我の形成が成される最も重要な時期に、彼は他者としての生活を余儀なくされ、自己という概念を常に揺さぶられ続けた人生だった。その理由が全て頭では理解出来るお利口な彼にとって、日常生活にすっかり馴染んだ「時宗」の生活も、内に秘めた「光宗」があり続ける上では苦痛でしかない。しかも、母親との二者関係にのみ落とし込めるならばまだ対処も出来たのだが、ご丁寧に中学生のシーンでは父親がサラッと間違ってしまうというとどめのボディブローも喰らっている。ここまでの扱いになってしまうと、そりゃぁ現実から逃げ出したくなるのもしょうがない。先週までで紹介されたような「ダイレクトに痛い」トラウマバリエーションと違い、「社会を憎む」ことが出来ず、「社会がとらえられない」という重大な欠落を持っているのが光宗なのだ。

 さらに、この1つ目のトラウマだけでも充分なのに、彼には颯人という外付けのやっかい生成装置までくっついてしまった。おそらく、何らかの支配願望を持った颯人にとって、自我が揺れ動き、拠り所を求める光宗というのは格好の「素材」だったのだろう。自分が誰なのかも定かでない光宗のような「弱者」は、颯人が先にたって「導く」のにぴったりの道具である。だからこそ颯人は光宗に大きく「依存」してしまい、現在のような面倒な人格が作られた。光宗は、時宗という闇、それに颯人という闇の2つを打破しない限り、ゴールには辿り着けないのだ。まぁ、今回グーパンいれてたので、後者については案外簡単に打破出来るのかもしれないけども。

 そして、そんな光宗を導く真咲の正体については、ラストでひどい引きを見せたのでまだ謎のまま。流石に来週くらいには概要が分かるのかな? そんな彼女が示した納鳴村のゴールの1つが「トンネル」である。幽霊かどうかは定かでないが、少なくとも真咲が他の参加者とは違う「ホスト側」に位置するのは間違いないようだ。彼女が示した「トンネルの奥」に待っているのは「現実」なのかな。光宗が自分の心に打ち勝ち、奥へ進めることを期待した真咲だったが、光宗は決意して数秒でマッハ挫折。このあたりの弱さ、少年漫画的王道を平気でぶっ潰す容赦のなさは流石の脚本である。人間、そんなに簡単に一皮剥けたりはしませんて。男の子が女の子にほだされて頑張れるなんて、アニメの中だけで充分や!(じゃぁ頑張れよ)

 一応、光宗サイドにはもうひとつの朗報として「リオンとナンコが互いに理解し合った」というなんかワクワクする展開も。死者が見えるのか死相が見えるのか、未だ正体不明のリオンと、メンバーの中では唯一にして最大の知性派と目されるナンコさん。この2人が接近し、光宗サイド、真咲サイドから謎に迫る体勢が整えば、シナリオクリアまで大きく前進したような気分にはなれる。まぁ、ナンコさんがどういう能力持ちなのかはよく分からないんですけどね。彼女ははたして、どんなトラウマを見るんでしょうね。

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