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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 それぞれの戦い、第6話。川本家を代表とするほんわかした絵柄と、いじめ問題を正面から扱うハードな絵柄がめまぐるしく絡むために、毎回ほんとに刺激の多い作品です。

 いよいよ本格的にひなちゃんのいじめ問題との戦いが幕を開けた。部外者でしかない零にはできることは限られているが、とりあえずのとっかかりから探して1つずつ打開していく。特効薬が無いということは先生からも言われていたことなので、地道な対策を続けていくしかない。今回零が行ったことは大きく2つ。そのうち1つが一番大きな「ひなちゃんの話を聞く」というフェイズである。これも先生が言っていたことだが、いじめ問題の難しいところは、被害者本人がなかなか対策に乗り出せないというところにある。ひどい時には自分が何か悪いことをしているのではないか、という自己否定に陥ってしまい、そのまま悪循環を続けることもあるだろうし、そうでなくても意に沿わぬ騒動を周りが勝手に起こしてしまうのも良くない。何をするにも、まずはひなちゃん本人が事態をどのように感じて、どうしたいのかをはっきりさせなければならない。もちろん、そこで詰問するような調子になってしまっては元も子もないし、前回あかりさんの抱えていた通りの「被害者を責めるようなことをすべきではない」という悩みとのバランスが難しい。零は、そこを解決するためにまずは将棋の指導という自分のフィールドから文字どおりにひなちゃんの部屋への一歩を踏み出し、そこから対話のきっかけを作った。

 零が打ち出した2つ目の対策は、唯一ひなちゃんの学校との接点が得られる高橋くんとの接触であった。以前、零は野球少年高橋くんから敬意を示されており、彼が協力的なのは明らかであったし、好青年だったので問題を素直に話せばきっと力になってくれるという確信もあったのだろう。実際、高橋くんはケロリとした顔でひなちゃんの教室に立ち入り、彼女の停滞した空気を解きほぐす手伝いをしてくれた。まぁ、やってることは脳筋じみたキャッチボールだけなのだが……でも、多分彼は賢い子だね。自分のフィールドにひなちゃんを巻き込むことで、新しい体験を提供して考えることを増やす。これでひなちゃんが余計なことを考えないようにする、つまりリフレッシュの効果を与える。力加減ができないのは野球少年だからしょうがない(?)。そして、彼がひなちゃんと話している会話の内容も、彼の人となりを垣間見せる「良い」部分だと思う。「いじめられているのか?」と問いかけるでもなく、自然に「零に力を貸せと言われた」「自分が味方である」「気にせず日常を過ごせるようにしよう」と、最低限の提案だけでひなちゃんの支えになってあげられているのだ。この気遣いは、単なる脳筋にはできない配慮だろう。

 こうして、学外では事情を調査しながら解決策を模索する零、学内ではそばに寄り添って心の支えとなる高橋の二段構えで当面の防備を図ったわけだが、残念ながらいじめ問題はそう簡単に対処できるものではない。高橋の出現により、「なんとなく」だったいじめに「やっかみ」という明らかな敵意がプラスされ、少しずつ動きが大きく、あからさまになっていく。零もそこまでは頭が回らなかったようで、思いの外闇の深いいじめ問題に胸を痛めることになる。

 しかし、戦っているのはもちろん零だけではない。何よりも、誰よりも、一番気丈に戦っているのはひなちゃん本人なのだ。いじめ問題の渦中にあって、彼女はただ打ちのめされているのではない。まっすぐな正義を掲げる彼女の根幹には、加害者側への明確な感情、「腹わたが煮えくりかえるほどの怒り」があった。「怒り」という感情は、なかなかプラスに捉えられることがないものであり、「とにかく腹が立っている、ムカついている」というとなんだかいじめっ子側の理不尽に感情でぶつかっているかのようで、零のような理路整然とした打開策に比べるとあまり表立って振りかざせないもののように思えてしまうこともある。しかし、「怒っている」という純然たる感情の発露こそが、ひなちゃんを支えているのは厳然たる事実。そこを隠すことなく、敵意を、害意をもむき出しにするひなちゃんは、真っ直ぐでこそあれ、決してそこに醜さを感じさせるものではない。怒っているからこそ戦える。怒っているからこそ立ち向かえる。

 そしてその日は訪れる。以前事なかれでひなちゃんの訴えを蹴ってしまった使えない担任教師。彼女の目の前に明らかな「いじめの証拠」をさらけ出したのは、いわばいじめっ子サイドの綻びである。これを好機とばかりに、まっすぐに、ただ正直に自らの正義を振りかざすひなちゃん。「まともじゃないことをしてくるやつらには、まともに立ち向かわなくてもいい」と零は言った。しかし、それでは終わらないのだ。いじめの問題も、ひなちゃん自身の怒りも。

 反撃の狼煙となるや否や。

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