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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 お正月休みもこれでおしまいやなぁ、という寂寥感とともに見てきました。封切り日に観に行くプランもあったんだけど、どうせ混むだろうし、わたしゃなるべく一人でゆっくり観たい派なので、多少落ち着いたところで観に行くのです。あとはまぁ、できれば知り合いに見つからずにひっそりとね。

 

<以下、内容のネタバレなど含みますので、未視聴注意>

 

 




 さて、何から書いたものか……まず、劇場版ラブライブといえば、先代の劇場版の印象が強く残っている。あちらは地上波アニメ2シーズンでくらくらしていたところにとどめの一撃を打ち込まれるようなピンポイントの中身で、ラストの「ぼく光」では文字通りの涙腺崩壊でとどめを刺されたことも鮮明に思い出される。1つのアイドルアニメの理想形として、先代はすでに金字塔を打ち立てている。そして、今作「サンシャイン」の方はというと、地上波シリーズでそこまでのめり込むこともなかっただけに、劇場版への期待値はそこまで高くないものだった。ぶっちゃけ放送終了から今日のこの日まで改めて触れることもなかったし、本当に久しぶりにAqoursに会いに行くのである。そうした状況も鑑みての話だが……。

 今作の出来を考えるに、最も端的に検討すべき部分は「今作は『新しいAqours』の姿を示すことができたのか?」ということだと思う。作中でなんども語られた「これからのAqours、6人のAqours」。その姿を刻み込むことこそがこの作品の目的であり、あるべきゴールだったのではないだろうか。それは先代・μ’sの終焉であったあの劇場版とははっきりと対比をなす部分であり、μ’sは作中で解散を決意し、見事にラストライブを劇場版で飾った。それに対し、Aqoursは「新たなAqours」として活動を続けることがすでに決まっており、本作はその第一歩となる節目だったのだ。それなら、やはり劇場版の最終目標は「新しいAqoursの姿」である。

 そして、個人的にはこの部分の答えは「否」なのではないかと考えている。あのエンディングでは、結論が出ていない。終わったような感じもないし、何か新しくなった感も無い。そこがすごく勿体無い。最後にけじめをつけなかったことで、なんだか作品全体がぼやけてしまったような印象があるのだ。

 先にフォローをしていくと、そこに至るまでの各パートは楽しい部分がたくさんある。変な言い方だが、なんだかこれまでシリーズを愛してくれた人に対して、「ファンが喜ぶガジェット」をとにかくたくさん詰め込み、おもちゃ箱をひっくり返したみたいに雑多に乱れ飛ぶような作品作りだ。個人的にはヨハネの活躍シーンが多かったことは嬉しかったし、1年生トリオは各パートでしっかりと個性を主張して牽引役としても、かき回し役としても魅力的に映った。また、セイントスノーを絡めた「節目」の演出も悪く無いプロットだったと思う。Aqoursと違い、2人ユニットだったセイントスノーはどうあがいても存続などできるはずがなく、この春の卒業で確実に終わりを迎える。そんなセイントスノーの姉妹の物語をしっかりと描き、けじめを付けることで、(ある意味でμ’sと同じだった)終わりを告げるスクールアイドルの姿はちゃんと描けていたと思う。そして、そんな「終わるアイドル」と対比して「続くアイドル」を描くという対比も良い。それを体現する代表者としてルビィが選ばれ、本編同様に「妹の戦い」がメンバーを引っ張る最大のモチベーションになったのは良い判断だったのではなかろうか。

 ただ、そうして良い部分はありながらも、どうも今作は「結末」を何とか逃がそうとしているように見えてしょうがない。前半パートは良い意味での賑やかさもあったが、その分シナリオラインも「とっちらかって」いる。わざわざ鳴り物入りで登場したマリーのママンはあれだけ場をゴタゴタさせておいて、ものの数分(ライブ1本分)でさっさと折れて退場したのは流石に腰砕けだ。まぁ、先代映画の「謎の歌い手」と同じくらいのポジションだと言われたらそれまでなのかもしれないが……単にメンバーをイタリアに引っ張り出して3年生チームとのラストライブをやるための「口実」として縁談だの家出だのの話が出てきて、ライブをやったから用済みとばかりに消えていく。なんだかそんな取ってつけたような展開は気になった。あとはまぁ、誰もが思っただろうけど、「廃校になった学校が合併先から冷遇されてる」という設定時点ですでに大問題だが、それが「部活に影響が出るとPTAが文句を言っている」「だからちゃんと部活できるということを示せばOK」とか、スタート時点での理由づけがガバガバなんだよな。いや、ちゃんと「あの世界」でラブライブ優勝っていう結果残してたんだから、親御さんだって観てたんじゃないの? この世界のラブライブってそれだけの影響力がある存在だったんじゃないのか? そうでないとしたら、もう一回ライブやったからって心変わりするもんでもなかろうし……うーむ、よくわからん。もう、これなら先代映画みたいに「なんか知らんけどアメリカから手紙がきたからライブしにいくぞ!」くらいの適当な設定の方が気にならなくてよかったのだが。

 ただ、こうしてよくわからない設定をいくつも重ねているのは、やっぱり最終的に「3年生をどう扱ったものか」ということに難儀して、扱いきれなかったが故の消化不良だったんじゃないかと思うのよね。一度は「去った」はずの3年生を改めて呼び戻す理由がいる。呼び戻したけど、最後には3年生なしのAqoursを見せなければならない、そんな板挟みの状態で雰囲気を押し通すために、今回のシナリオが組まれたのだろう。おかげで、ぽっと出の月ちゃんという謎キャラがよくわからない存在感を放っていて気になってしょうがなかった。最初のマリーママとの対話シーンでセイントスノーと訳知り顔で目配せしてたのは一体何だったんだろう。他のシーンでも意味深に月ちゃんが一人で抜かれるカットが多く、「もしかして、こいつラスボス(?)なのか?」というよくわからない疑念がちらついてしょうがなかった。あの子、別にいなくてもお話は成立した気もするのだが……。驚いたことに、公式のパンフでも一切触れられてないんだよね(まぁ、随分手抜きのパンフでがっかりしたが)。

 とまぁ、これだけ引っかかる部分がありながらのラストパート。ぶっちゃけ、今作も実は泣いたシーンは結構あるんですよ。セイントスノーのライブは「こんなにムード盛り上げといてなんだあのエロ警官みたいなコスは!」とか思いながらもちゃんとリアの気持ちが伝わってきて泣いてしまったし、その後に待ち構えていたAqoursのライブは「サンシャイン」の演出が絶妙で「あぁ、これが新しいAqoursの日の出なのだ」と思ったら感極まった。そしてラストライブ直前のカウントアップ、「7、8、9」のところは本当に好きで、あそこだけでもがつんとやられるくらいのパワーがあった気がする。そうして盛り上げた、万感の思いでのラストライブだったんだよ。

 でも、実際にはそのラストライブで、結局9人で歌ってしまった。いや、実際にステージに立っていたのは6人だし、「いつまでもずっと、変わらずいるよ」ということを示す心象風景としての「9人」なのは理解できるのだが、結局、あそこで9人のフォーメーションをとり、9人で歌っているように見えてしまったのでは、それは「新しいAqours」ではないだろう。せめてあそこだけは6人だけでライブを完遂してこそ、新しい姿になりえたのではなかろうか。アニメの構成上必要とあれば、エンドロールで改めて9人のライブをやればよかったのだ(先代のSUNNY DAY SONGとぼく光の関係性)。どうしても、その部分だけが釈然としない。

 もちろん理由はわかっている。作中でのAqoursは6人になるが、「現実世界のAqours」はそうもいかないからだ。現実アイドルユニットAqoursはまだ解散していないわけで、もちろん今後6人になる予定もないだろう。それなら、せっかくの新曲はどうしたって9人でやる必要がある。そしてアニメとのリンクをセールスポイントにしている今作は、どうしても今後のライブで演奏するためにも「9人のステージ」が必要になるのだ。その要請はよくわかる。しかし、しっかりとアニメ世界でのけじめを付けるためには、やはりそこは分けて考えて欲しかった。あそこで幕を引かれると、アニメのみで判断するしかない人間は、Aqoursが結局「6人になった」のか「9人のままなのか」が定まらないのである。開演前に3人の「気持ち」はステージに届いている演出があったのだから、もう、そこはそれでよかったではないか。ラストの歯切れの悪さは、どうしても気になってしまう部分なのだ。

 そんなわけで、「全体的に賑やかな映画で、ファンには楽しい要素がいっぱい。ライブシーンも多くてMVとしての楽しさはてんこ盛り」という部分は保証できる作品だが、一本のドラマとして観たときに、どうしても釈然としないものが残ってしまったというのが素直な感想だ。これ、マジで「結局マリーが駄々をこねてライブのたびに自家用ジェットで飛んでくるハイパー豪遊スクールアイドルが爆誕する」っていうストーリーだったらそれはそれでよかった気もするんだが。いや、やっぱりダメかな。「スクール」アイドルを銘打っているが故に、どうしても3年生の処理が難しいというのは、シリーズ通しての永遠の課題なのだなぁ。

 

 

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