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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 さぁ、予定通り、空前絶後のタイミングでスタートする「真紅の契り」のプレビューです。正規セットの発売が9月と11月(と2月)という頭のイカれたリリーススケジュールを提供しやがる集金係のWizards社が憎い……。いや、でも新しいカードがガリガリ正規の環境で作られて環境が変わっていくのはたのちい……。どうしたもんでしょうかね。わたくし、9月は割と余裕があったのでフルでスポイラ書けたけど、今回は通常業務との並行作業になるので、リタイアする気満々でございます(一応、アニメの改編期と被らなくなったのは救いですがね)。さて、イニストラードの「追加セット」となる今回、同じ環境に「2つのパック」は久しぶりの展開だが、いったいどんなグレードアップがなされるものか……。

 

 

 


○新ギミック
・「訓練/Training
 クリーチャーが持つキーワード能力で、「このクリーチャーが、これより大きなパワーを持つ1体以上のクリーチャーと攻撃するたび、このクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置く」というもの。一目見て分かる通り、ボロスが生み出した教導能力の裏返しのような効果になっている。教導と違って自身のステータスが低いところからスタートできるのでウィニーの構造とそこまで大きな齟齬は生じないが、自軍の布陣次第では当然頭打ちとなる。誘発の安定感だけで見ればそこそこレベルだろうか。また、効果は強制なので場合によっては集会能力と噛み合わなかったり、逆にきれいに噛み合ったりと妙なシナジーも起こりうる。当然クリーチャーの数が必要になることから考えると、イメージとしてはやはり白緑の人間向けで、パワーの高い赤との共闘なんかも見据えた効果と言えそうだ。

 


 
・「濫用/Exploit
 「タルキール龍紀伝」からの再録キーワード。「このクリーチャーが戦場に出た時、クリーチャーを1体生贄に捧げても良い」という、それ単体ではほぼデメリットのみの珍しい能力である。もちろん、これを持つクリーチャーのほとんどは「あなたがこのクリーチャーで濫用した時」という文章が続くことになる。もともとは青黒のシムルガル氏族に与えられた特徴だったし、今回もどうやら青黒ゾンビに与えられている様子。つまりは腐乱トークンの新たな利用先が大量に提供されるということに。いわゆるサクり戦術の幅が一気に広がりそう。

 


 
・「切除/Cleave
 独自に「切除コスト」が設定されており、そのコストで唱えた場合には、なんと「カードテキストの一部を切り取って解決する」という素っ頓狂な能力。「カードテキストを直接いじるとかどんだけメタな能力?!」と驚いたが、思い返せばイゼットが開発した超過能力も「テキストの「target」を「each」に読み替えてね」という能力だったのだから、全く新しい発想というわけでもないのか。いや、でもやっぱりカードデザインが何とも珍妙なので……実物見てもらった方が話が早い。「角括弧の中の記述を削除する」っていうルールテキストは斬新だ。パターンとしては、切除すると強くなるタイプもあれば弱くなるタイプもあるだろうし、「1つのテキストでモード選択を与えよう」というだけの話なのでカード自体はそこまで目新しいものではないかも。1つ気になるのは「なんでこれがイニストラードのギミックに?」という世界観の部分で、「悪いものを切除する」的なニュアンスなのか、それとも単に肉屋の包丁でぶった切るイメージなのか。おそらくあまり色にこだわらずに色んな呪文に採用されるだろうし、もしうまくいけば今後も再録されるギミックになりそうだ。

 

 


・「血・トークン(Blood token)」
 新たに登場した汎用トークンで「(1)(T)、カードを1枚捨てる、このアーティファクトを生贄に捧げる:カードを1枚引く」という効果を持つアーティファクトトークン。手がかりトークンよりも起動は1マナ軽いが効果はドローじゃなく赤ルーターに調整された。当然吸血鬼関連のカードに紐づけられているため、赤っぽい能力なのはフレーバー面というよりはシステム面での都合だろう。そのままでも手軽にルーティングできるので悪い素材ではないが、今回はこのトークンを色んなコストや参照値として使い倒すようである。ちなみに、過去に「血文字の羽ペン」という「血液カウンター/Blood counter」を参照するカードがあったのだが、何故か日本語訳は「血液トークン」ではない。チトークンて発音しにくい気がするのだが、何でこうなったんだろう?

 

 

 


以下はカードの個別レビュー。

 





招待制/By Invitation Only 
 いきなり「注目のストーリー」。「呼ばれてない奴はあたいの結婚式に来るんじゃないよ」という、オリヴィアさんからの至極当然のメッセージ。今回は吸血鬼セットということで、明らかにオリヴィアさんの所業と思われる事象もこうして白に登場したりする。どう見ても「すべてのクリーチャーを生贄に捧げる」と書いてあるわけだが、自軍の方が1体でも多くのクリーチャーをコントロールしていれば、強い方から順に残して盤面を圧倒的有利に持ち込むことができる。そう考えると「砂塵破」や「命取りのうぬぼれ」の亜種とも言えるだろう。ラスゴ系のはずなのに、自軍クリーチャーが多い方が有利という変わったデザイン。うまいこと使いこなせるデッキが作れるだろうか? まぁ、普通に全体除去として優秀だけど。
 
 
ドラグスコルの歩兵/Drogskol Infantry 

ドラグスコルの武装/Dragskol Armaments 
 今回、白青のスピリットは引き続き降霊を持っているわけだが、2セット目ということでちょいとひねりを加えて裏面が非クリーチャーのものが登場している。こちらは単なる白熊が死んだら武器になるというデザイン。別に仮面ライダーセイバーみたいに爺さんが直接剣とか盾に変身するわけではない。どちらのカードもそこそこレベルだが、結局降霊持ちの「餌鉤の釣り人」あたりも普通に使える性能だったわけで、これだって二の矢が使える想定だけで悪くない相談だ。
 
 
グリフ乗り/Gryff Rider 
 飛行に訓練を組み合わせたシンプルなコモン戦力。飛行持ちのパワーが上がるっていうだけでもそれなりの評価だし、軸がずれている分強化がやりやすいっていうのは見逃せない。もし地上クリーチャーならパワー2が3にアップしたところで相打ちの的だし、同じコスト域で先にパワー3以上を用意して殴るのはホネだが、例えば2マナ3/1くらいからこいつを展開して3マナで3/2飛行を作れるってんなら悪くないスピードだ。攻めのデッキの基盤となるだろうか。
 
 
オリバクの救済者/Savior of Ollenbock 
 神話レアのくせに訓練される側の駆け出しカード。しかしその訓練はあまりに凄絶で、何故か周りから人が消し飛ぶという。もしくは墓地から消し飛ぶ。この手のカードのお約束で「攻撃するたびに追放って言っても、どうせブロックされたら相手にクリーチャー帰っちゃうんでしょう?」という悩みはつきまとうが、こちらのハゲは対象を「墓地のカード」にまで広げることで一気にプラスへと転換している。なんと、墓地のカードを確保しとけば、こいつが死んだ時にリアニメイトしてくれるという。それなら相打ち歓迎。むしろさっさと殺してくれ。状況に応じてリアニのタネとクリーチャー除去を兼ねられる、ちょっとずるすぎる能力の持ち主。除去専門なら現在は「スカイクレイブの亡霊」で安定だが、攻撃力としてカウントしたり、リアニ戦術を組み込めたり、そもそも除去としても複数体除去れたり、いろいろ乗り越える要素が詰め込まれている。神話だったら何やってもいいのだ。
 
 
シガルダの召喚/Sigarda’s Summons 
 こちらも「注目のストーリー」。ストーリー後半、多分ゲートウォッチの面々が頑張ってオリヴィア攻略してるんだろう。隙をついて唯一の頼みの綱であるシガルダさんが仕掛けている図。ソリンさんはどんな気持ちでこれを見守っているんでしょうな。さておき、全軍が天使になっちゃうはっちゃけエンチャント。決まれば当然一撃必殺だが、「まず、クリーチャーを用意します」「それらに満遍なく+1/+1カウンターをまぶします」「最後に6マナのエンチャントを置きます」といろいろなハードルが待ち構えている。まぁ、コストを考えれば2〜3体だけでも元は取れそうだが、きちんと組んだデッキでないと安定運用は難しそうだし、きちんと組んだカウンターデッキだと多分このカードはあまり必須ではないだろう。リミテッドで1引きしちゃったら、とにかく住み分けられるように祈るしかない。ギブミー「セレスタス防衛」。これでもって「物騒な群衆」が「物騒な天使集団」になる様子は見てみたいかも。
 
 
スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben 
 なんとまぁ、あの伝説のヘイトベアーがまさかの再録。人気キャラ・サリアさんの再登場は確定事項だったが、まさかそのまんまの形で出てくるとは思わなかった。2代目「異端聖戦士、サリア」も悪くない性能ではあったが、やはりサリアさんといえばこちらのコンパクトかつシュートなイメージだ。今後のスタン環境にどんな影響を与えるのか、要注目である。残念ながら、初登場時のシャープなイメージのイラストはなりを潜め、顔は割と怖い。残念。ちなみに初登場時のセリフは「スレイベンは私たちの故郷です。このような不浄のもの共に攻め落とさせるわけにはいきません」。今回もだいたい同じようなセリフ。いつになったらスレイベンが浄化されるってんだ……。

 


 
婚礼の発表/Wedding Anouncement 

婚礼の祭典/Wedding Festivity 
 コングラッチュレーション! 「オリヴィアの真夜中の待ち伏せ」の時には「こいつの結婚式に呼ばれたらたまったもんじゃねぇな」と思っていたが、吸血鬼界隈ではやっぱり名誉なことなのか、殊の外嬉しそうである。吸血鬼連中はすっかり落ちぶれたのかと思ったが、まだまだおハイソな生活を続けてる奴らはたくさんいたのね。結婚式にお呼ばれしたら、まずは身だしなみを整えて準備をしよう。自らの武を誇示して暴れまわっていればカードの補充が、まだまだ準備が整っていなければ兵員が送られてくるぞ。そして3日後にはいよいよ本番当日。出席するとなれば一家のものはみんなやる気満々。見事に鳴り響くのは「栄光の頌歌」だ。全体強化に至るまでにタイムラグがあるのは痛し痒しだが、その間にもサブスクじみたボーナスがもらえるので決して粗悪品という感じではない。複数並べることにも意味があるため、今後の白ウィニーでは気になる1枚。それにしても吸血鬼の人生は楽しそうだな……。

 


 
霊灯の罠/Geistlight Snare 
 今回のカウンター。基本デザインは「巻き込み」ラインだが、3マナの割に「マナ漏出」と同じく3マナしか要求しないというバランス調整。その代わり、エンチャントかスピリットでコスト削減が可能となり、最高値までいけばなんと1マナ「マナ漏出」。そりゃ強いや。まぁ、なかなか完全条件を達成するのは難しそうなので、どっちか片方が満たされてればリーク、っていうだけでも強すぎず、弱すぎずの絶妙なラインじゃなかろうか。スピリットデッキが成立するなら必須のカウンターと言っても良さそうだが。
 
 
過充電縫合体/Overcharged Amalgam 
 濫用を使ってのカウンタークリーチャーということで、過去のカードでいえば「シルムガルの魔術師」の焼き直し。レアリティが引き上げられたおかげで4マナ3/3瞬速飛行という容赦ないステータスが与えられ、とりあえず肉としての性能は文句なし。そしてカウンターの方も一切制限無しの確定カウンターに、ついでに能力まで射程に入れちゃったもんだからやりたい放題である。今後の青コンはとりあえず放り込んでおけのレベル。クリーチャーがいない場合でも、最悪自身をサクって4マナカウンターとして使えるので持ち腐れの心配もないはずだ。ゾンビなのでいろいろサポートしやすい点も◎。
 
 
悪魔の取り引き/Demonic Bargain 
 開発スタッフが見つけた新たな「13」の使い方。「真夜中の狩り」では意外に13が関係するカードが少なくて「どうして?」なんて質問がマローに寄せられていたが、このデカい数字をカードに落とし込もうとしたら、案外用途が制限されて大変なのである。そうして必死に探した結果見つけ出したのがこちら、なんとあの伝説の「Demonic Consultation」に流用しちゃおうというアイディアだ。デモコンといえば、最初にランダムに6枚追放した後に残りのライブラリを犠牲にしながらカードを探す究極のサーチ呪文。今回はデモコンデスが起こる心配がないようにはなったが、最初に13枚をランダムに消しとばすので多用は不可能だし、最悪、4枚積んだカードもこの13枚に全部入っている可能性もゼロじゃないのだ。なかなか面白いところにこの数字が活かされている。実際は、構築レベル欲しいカードが決まっているデッキなら、4枚突っ込めば13枚削ってもそこまで大きな問題はなさそう。さて、新たな時代の悪魔の誘惑に絶望する人間は現れるんでしょうか? ちなみにフレーバーを見れば誘惑しているのはオーメンダール先生である。ちゃんと元気に活動してるようで何より。
 
 
不吉なとげ刺し/Fell Stinger 
 濫用時に「血の署名」をしてくれるサソリ。なんでサソリがそんな小器用な効果を持っているのかは謎だが、まぁ、もらえるものはありがたくもらっておこう。パーマネント1つを犠牲にしているのでアド自体はそこまで大きくないが、こいつ自身が接死持ちのサソリステータスをクリアしているので、サクる餌を間違わなければ堅実に盤面を強化できるはずだ。アンコモンらしい渋いサポートである。
 
 
大食の客人/Gluttonous Guest 
 今回吸血鬼たちが注目している血トークンギミックのサポーター。コモンなのであんまり劇的なことは起こらないが、3マナ1/4でがっちり止めつつ、ちょいちょいライフを増やしていけるのでルーティングを進めて勝ち手段にたどり着くまでの時間は稼いでくれるだろう。ところで、右手のグラスはどうみても自立しない気がするんだけど、パーティーの間じゅうずっと持ってるんだろうか。
 
 
腐浪のガルガンチュア/Rot-Tide Gargantua 
 考えてみりゃよくわかってないのだが、「ガルガンチュア」って「単にデカいばけもん」くらいの意味なのか。元ネタを探ると一応「巨人」のようだが……Magicにおいては初代である「ファイレクシアのガルガンチュア」以降、特に共通点はなくて種族もホラーやビーストなどがある。アラーラ次元のナヤ領域では「でかくて神格化されたもの」を意味してたけど、今回の種族は「ゾンビ・クラーケン」とのことで、とりあえずでかくてやばければガルガンチュア。ちなみに確認したところ、黒単色のクラーケンは史上初。ついでにいえば「青くないクラーケン」も史上初ということで、意外とレアなクリーチャーだ(コモンなのに)。5マナの普通ボディに、濫用を介した生贄ギミック。まぁコモンなら悪くない。同じく5マナ現役の「モークラットのビヒモス」とどっちがいいかは難しいところ。
 
 
不笑のソリン/Sorin the Mirthless 
 お手本のように「壁の花」してるソリン。この度のご婚礼、なんとオリヴィア様のお相手はソリンのおじいちゃんのエドガー・マルコフとのことで、オリヴィアと全く気が合わないソリンも列席しないわけにはいかなかった。ソリンの目指すイニストラードの姿はオリヴィアとは全く異なるものなので、本当は顔も合わせたくないのだろうが……精一杯正装していやいや突っ立ってるお孫さん、マジでかわいそう。これでご祝儀もナンボか包まされたんだろうし……災難やねぇ……。ちなみに英語名の「mirthless」は「マジで面白くなさそう」というテンション下がりまくりのニュアンスがある。
 さておき、そんなやる気のないソリンだが、それでも4マナとかなり使いやすいコスト域で現実的なデザインにまとめてきた。プラス能力はなんとボブ能力。しかもコストの重いカードで痛すぎると判断したらボブらなくてもいい。かつてのボブは「土地がめくれたら宇宙ですよ」という格言がある通りに土地さえめくり続ければ最強なわけだが、このソリンは自らの意思でその宇宙だけを選び続けることができる。1回プラスを起動しての忠誠度5も4マナとしては固く、このプラス能力だけでも侮れないカードであることがわかる。そして攻めと守りをほどよくブレンドしたトークン能力、そしてヤケになってワインを浴びるように飲み始める感じの奥義と、どれもきっちり使えるデザインにまとめられている。今後黒を交えたコントロール寄せのデッキでは常に検討される存在になるだろう。相手の盤面に直接触れないのはちょっと気になるが……。多分、今のソリンさんにそんな元気はないのだ。
 
 
ヴォルダーレンの投血士/Voldaren Bloodcaster 

血コウモリの召喚士/Bloodbat Summoner 
 この度、結婚式場を描いたイラストではハラハラと花びらが舞っている様子が描かれているが、それをばらまいてたのはこの人。……つまり、花びらじゃなくて「血液びら」でした。わぁ……凄惨……。結婚式を盛り上げる裏方のホールスタッフみたいな人なんだろうが、その血液を自分で調達できるからこそスタッフを任されたのだろう。自軍クリーチャーを文字通りに血肉へと変え、たっぷり貯金が溜まったらめでたく宴もたけなわへ。血液をコウモリに変えるイカした手品で盤面を制圧してくれる。まぁ、変身後も効果が流布するまでに結構な時間がかかるため、かなり隙の多いクリーチャーではあるのだが……こいつ以外にも血液補給部隊を揃えておき、登場後すぐに変身できるようにしておくと割と安心。さぁ、血で血を洗いましょう。
 
 
威圧する吸血鬼/Dominating Vampire 
 赤のお家芸であるパクり効果を吸血鬼の人海戦術で実現させたレア。場に出た時に1体パクる傑作といえば「士気溢れる徴募兵」がいたが、こちらの吸血鬼は同じステータスで2マナものコストダウンに成功。その分選べる対象は減ったし、自身にも速攻はないが、一番大事なのは3マナ3/3というそれなりの肉を盤面に追加しつつ、多少のブロッカーは排除しながら攻めを続けられるというところ。「徴募兵」が大技担当だとするなら、こちらはあくまで吸血鬼特攻ラインの中継ぎ役なのだ。先手2ターン目に先んじて吸血鬼が出ていれば、相手2マナクリーチャーを避けながら殴ることが可能。そしてその後のターンにもう1枚出せばおかわりってな流れ。そこまで切り詰めた吸血鬼デッキが成立するかどうかは分からないが……可能性の1枚。
 
 
困憊の在監者/Weary Prisoner 

憤怒の脱獄者/Wrathful Jailbreaker 
 狼男も忘れないでくださいね。もうメインステージは終わったけど今回もちゃんといるからね。とはいえやはり多少控えめにはしなきゃいけないようで、おもて面が防衛付きの平和主義者。まぁ、拘束されてて殴れないだけだが。そして夜が来たら今度は殴らずにはいられない暴力主義者。両極端すぎるねん。現在4マナコモンの狼男は2/5から6/5になる「酒場のごろつき」。それでさえ割とクセがあったのに、今回はさらにピーキーである。ちゃんと夜が迎えられるデッキになればいいのだが……。
 
 
名射手の弟子/Apprentice Sharpshooter 
 パワーさえ低ければ成長は達成しやすい。これはかつて、緑が似たような能力である「進化」を持っていた時の方法論。こいつと同様に到達を持っていた「両生鰐」のお世話になったり、逆に1体にビタ止めされてイライラした人も多いんじゃなかろうか。今回はデフォルトで1/4到達の「あばら蜘蛛」ステータスをクリアし、1回でも殴れればおそらく2/5になれる。3マナで2/5は、マジで対処できない領域だ。守りを固める信頼感だけでいえば現役の「鳥の賞賛者」よりも上なんじゃなかろうか。ただ、アタックが前提条件になっているために中盤以降に出てくると1/4で打ち止めになるのはやむなし。飛行対策はなんぼあってもいいですからね。
 
 
掘り起こし/Dig Up 
 普通に使うと「地勢」なのに、テキストの一部分を隠すとあら不思議、「魔性の教示者」に早変わり。なんとも珍妙なギミックである切除能力。今まで「地勢」も「魔性の教示者」も長い長いお付き合いをしてきたカードだったわけだが、その2枚にこんな共通項があるなんて考えもしなかった。また新しいMagicの一面をみたような気がする。そうして汎用性を手に入れたおかげで、カードとしてはすこぶる普通。「地勢」は1マナソーサリーだし、「魔性の教示者」は4マナソーサリーなのだから。でもまぁ、この2択は確かに便利。リミテッドでもいくらか気軽に入れやすくなってるかも。レアだけど。
 
 
巨大な力/Massive Might 
 ありそうで、実はなかった新呪文。亜種は大量に存在しているがどれもこれも微妙に違う、菅田将暉でも難しいくらいの間違い探しである。一応手近なところで比較しておくと、2マナでアンタップも付いているのが最近までお世話になっていた「雄牛の力」。効果は全く同じだが1マナ重いのが「踏み付け」。2マナで+3のバージョンが「捕食者の一撃」だ。1マナでシンプルに使えるデザインってのが新しい要素となるわけか。当然このセットのトリックの第1候補としてデッキに入れるかどうかは常に検討されることになるだろう。トランプルが手軽につけられるようになると環境は考えることが増える。
 
 
復讐に燃えた犠牲者、ドロテア/Dorothea, Vengeful Victim 

ドロテアの報復/Drothea’s Retribution 
 どこのどなたかは存じませんが、とにかく犠牲になってしまった伝説の人。その犠牲っぷりは筋金入りで、登場後も1回戦闘するとすぐに犠牲。その性質は昔懐かしい「濃霧の精霊」と全く同じだ。2マナ4点本体火力だと考えれば、これだけでもまぁ、一応の戦力にはカウントできるだろう。しかし、伝説の幕開けはもちろん犠牲になった後。お化けとして他人に取り付いたあとは、なんと毎ターンこのドロテアさんが出撃可能に。そう、その姿はイニストラードブロックの英雄、「聖トラフトの霊」のまるコピーではないか。一応トラフト能力を与えるオーラってことは正確には「聖トラフトの祈祷」と同じ。微妙に変更されているのは、トークンが天使じゃなくスピリットになったこと、そしてトークンの処理が追放から生贄になったこと。微妙な違いだが、これでサクりトリガーの能力も一応誘発することができる。「聖トラフトの祈祷」の方はオーラという弱点があったためにそこまで使われたカードではないが、こいつならおもて面での仕事もそれなりにニーズがあり、さらに伝説なのに場持ちを気にしなくていいから4枚投入可能というメリットも考えれば、新しいデッキが組まれてもおかしくない愉快さがある。降霊が3マナと軽いのはかなりずるい気がするのだが、さて、どうなることか。

 


 
雑食するもの、グロルナク/Grolnok the Omnivore 
 なんと、この次元の青緑レアは2連続でカエル関係になった。「真夜中の狩り」で登場した「カエル声の写し身/Croaking Counterpart」の名前にもなっているカエル声(Croak)カウンターを使う、史上3体目の伝説のカエルである。ただ、そこにカエルらしさがあるかと言われるとあんまり無くて、存在するのはただただ貪欲にアドを得ようとする純然たるシミック精神。こいつの雑食性は尋常ではなく、なんと切削したカードは全部食べちゃう。そして胃袋にあるカードは出し入れが自由自在なのだ。一応パーマネント限定ではあるが、土地も置けちゃうってことで外れくじの確率は相当に低い。恒常的な切削エンジンが組めれば見た目以上の化け物に違いない。自身の攻撃でも切削できるが、やはり安全にいくなら手下のカエルに任せたい。それこそ、カエルトークンが出せる「カエル声の写し身」の出番ではなかろうか。
 
 
真紅の花嫁、オリヴィア/Olivia, Crimson Bride 
 こちらが今回の主人公(?)・オリヴィア様でございます。玲瓏たるドレスに身を包み、大量の血に彩られたその様子はまさにブラッドバージン。いや、そんな言葉はないが。さて、今回はどんな悪さをしてくれるのだろうか。過去のオリヴィアさんは基本形となる4マナの「オリヴィア・ヴォルダーレン」、エルドラージ退治のためにおっとり刀で駆けつけた3マナの「戦争に向かう者、オリヴィア」と意外にもユーザーフレンドリーなコストだったが、今回は何と言っても主役である。クライマックスに登場するためにコストはかなり重い。そして新郎は誰なのかってぇと、その場で初めて墓地から連れてくるっていう。どんなヴァージンロードやねん。こうして墓地から連れてくる能力は吸血鬼ではお約束だが、本体が落ちちゃうとお連れのものも退場しちゃうので、何としてもお姫様を守ってやらないとだめ。一応、他のレジェンド吸血鬼にあとを任せることはできるが……一応確認しておくと、現時点でスタンにいるレジェンド吸血鬼はドラーナ、ザグラス、フロリアン、そしてまさかの「血流の学部長、ヴァレンティン」の4名。幾ら何でも1マナに相方は任せられねぇか……いや、でもあいつ大学の学部長なんだよな。ソーシャルクラスで言えばオリヴィアさんのお眼鏡に叶う可能性はあるが……(多分邪魔者トークンで遊んでるおっさんに興味はなさそう)。とりあえずリミテッドなら鬼には違いないが、あんまり構築向けではなさそうやな。
 
 
結婚式への招待状/Wedding Invitation 
 わーい! お呼ばれされちゃった! 「招待制」というカードからも分かる通り、これがなければビッグイベントである披露宴には参加できないのです。なんか、「合格通知」から物語が始まったストリクスヘイヴンといい、最近の物語はやたらお手紙から幕をあけるな(まぁ、このお話はもっと前から続いてるが)。さて、このお手紙があると何ができるかというと、まさに「顔パス」である。1度だけどんなクリーチャーでも相手本体へのフリーパスを獲得し、さらに吸血鬼ならプレミア特典として幾らかのライフもセットでお届け。2マナキャントリップの効果としては悪くない。「焼印刃」みたいなカードと違ってとりあえず出してカードを引いておき、後で必要になった時に手軽に起動できるという自由度の高さも魅力。相手のライフルーズという吸血鬼条件の達成にも貢献してくれる良い補助である。とりあえずキャントリップアーティファクトというだけでなんとなく滾っちゃう勢。どこぞの卵とか、どこぞのプリズムも好き。
 
 
死天狗茸の林間地/Deathcap Glade(黒緑)
夢根の滝/Dreamroot Cascade(青緑)
砕かれた聖域/Shattered Sanctum(白黒)
嵐削りの海岸/Stormcarved Coast(青赤)
日没の道/Sundown Pass(赤白)
 「真夜中の狩り」で登場したやや遅いデッキ向けの2色土地、通称「スロウランド」だが、敵対色サイクルが次でくるかどうかと噂されていたところ、ちゃんとすぐに収録された。この辺はもう、「とりあえずレアの土地は刷ったら売れるんやから」という分かりやすいセールスが見えるようになっている。これで今後の環境では敵対色にも問題なくサポートが行き渡るようになり、多色化の選択肢は一気に広がったことになる。気になることがあるとすれば、多分この手のカードは今後の再録も視野に入れて名付けをしているはずなんだけど、「死天狗茸」ってイニストラードの固有種じゃなかったんや、っていうくらい。一応「death cap」って2語に分けると実在の毒キノコの名前になるみたいだけども。
 
 
ヴォルダーレンの居城/Voldaren Estate 
 今回の披露宴が行われる舞台。単なる土地のくせに「注目のストーリー」に選出されてるんだからそれは間違いないのだが、いったいどこに注目したらええねん。さておき、オリヴィアさんのお住まいなのでとりあえず吸血鬼を全力でサポートしてくれる。加えて、ちょいお高いが血液サンプルを取ってくるという面白い能力も持っており、下働きの吸血鬼が増えれば増えるほどその採取は簡単になっていく。今後の吸血鬼デッキを作るためには常に必要な1枚……になるかどうかはまだ分からない。何しろ血トークンがらみのギミックは今回のセットにしか登場しないので、下の環境とかでわざわざこれを使う必要があるかどうかは微妙だからだ。吸血鬼デッキだとだいたい赤黒2色だろうし、広げたとしても赤黒白でしょ。色マナのためにこれ使う必要あるかしら。まぁ、統率者デッキなら一応。
 

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