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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 気づけば3日連続で映画館に足を運んだな。こういうのってなんか巡り合わせがあるんですよ。まぁ、この作品を今日観に行ったのは純粋に「なんとなく」なんですけど。例によって「どっかのタイミングで観に行ければなぁ」くらいに思っていて確認したら、劇場での上映回数がガッと減ってて慌てて観に行くという。こうした作品はセールス的になるべく初週とかに観に行ってほしいらしい、なんて話も聞いたことはあるのだが……人間そう上手くスケジュールに組み込めるもんではないよね。

 一応折りたたみの前に印象点だけ書いておくと、直近で観た「アイの歌声」のようなガツンとくる衝撃がある作品ではない。内容もおよそ予告なんかで想定されるものからはみ出るものでもないし、そこまで驚くような作画的見せ場が用意されているでもない。優良可で言うなら可と良のあたりをフラフラしている……くらいのものかなぁ。フラだけに(劇中でもすでに言われてるわ)。

 

 

<というわけで以下はネタバレ、というか、観てないとよく分からないことを書いていこう>

 

 




 んー、まぁ、別に悪くはないんですよ。全体をとってみれば最終的にプラスの要素を評価して問題ないとは思う。「全体をとって」っていうのは、ドラマ的起承転結を考えれば当たり前なのだが、前半で鬱々とした気を溜めて後半でそれを次々とひっくり返してハッピーに持っていく形なので、ハレとケの落差が大きくて、とにかくケの方が集中する序盤パートがしんどい、という印象があったため。これは単に辛い話が出てくる、というだけでなく、何を拠り所に観てればいいのかがよく分からず、なかなか視聴者側にエンジンがかからない感覚があるためだ。例えば、およそ察してよ、という話なのだろうが、実は主人公の姉の生死が序盤には確定しない。「これって、亡くなってる……でいいんだよね?」と思いつつ観ていたせいで、墓参りのシーンが来るまでそこがぼんやりしていて、さらにその姉との関係性もどこかぼんやりしているため、主人公・日羽がフラを志したモチベーションの強度もどうにも見定めづらい(まぁ、一応ココネェさんの声を聞いてだいたいは察してたけどもさぁ)。こういう作品の辛い部分って、「初心者だからなかなかマスター出来ない。練習してても辛いばかりだよう」という話なので、当の本人が何を支えに戦っているのかがわかりにくいと全体的にぼやけた印象になってしまうのだ。

 他にも、何故か最初に描かれる本格的なダンスシーンがよりによってフラでもなんでもなく関係ないアイドルのライブシーンだったことも観てるタイミングでは謎で、「なんで俺らは名も知らぬよく分からん仮想アイドルのライブを見せられているのだろう」と首を傾げながら見守ることになる。もちろん、それらも含めてケがハレに繋がってくるというのは最後には明らかになることなのだが、そうした順序のせいもあり、観ていてストレスになる要素がちょいちょいあった。

 そして、全体の構成については本当に安全に、無難に、かくあるべしというシナリオのど真ん中を歩くことに終始している。おかげで視聴後にはサラリとした満足感はあるのだが、それが2時間のアニメ映画に求めるものなのかどうかがやや微妙。なんだかテレビシリーズのアニメの1話、2話、5話、7話、11話、12話のダイジェストを見せられているような、そんな印象だ。必要な要素は拾っているし、そこに致命的な不足があるとも思わないのだが、「これがベストの形なのかどうかは、3話と4話を観ないとなんとも言えない」みたいな気分になる。おそらくこの印象は、もともとの成り立ちが「福島+フラダンスで何か1本シナリオ組んでください」という完全なトップダウン式の作劇だったことによるんじゃなかろうか。「何がやりたい」というシナリオ上の要請からスタートするのではなく、与えられたテーマに応える形で2時間分の肉付けをしていく形のデザイン。Magicでいうなら(なんで?)イニストラードのようなデザインで、「ゴシックホラーをやりましょう」というテーマ設定から「じゃぁ、ゴシックホラーといえば何があります?」と考えてデザインを伸ばしていく。そこに狼男がいることには納得もあるし、吸血鬼の物語が観られればユーザーはそれなりに満足するが、そこに「じゃぁ、フランケンシュタインはいないの?」と思うユーザーだって出てくる。「ここはどうなの?」という余地が生まれてくるからこそ、何話かの要素が「抜けてる」ように感じられるのではなかろうか。別にそれが悪いとも思わないが、こうしたデザインの場合、テーマ設定に最初から興味が無い人間には響きにくい。「アイの歌声」の場合には、本当に2時間という尺が完成形だと感じられるような「これしかないというたった1つの構成」が組み上げられていた納得感があるが、今作の場合、「福島とフラ」を描く方法として、これがベストアンサーだったのかどうか、そこが分からないのでなんとももやっとする。

 普段ならアニメ映画を観ると「やっぱ尺が足らんからなぁ」とか、「ここをこうすればもっと観やすくなったよね」みたいなことを書いている気がするのだが、本作においてはそれが無い。思いつかない。だって何が描きたい最大のモチベーションなのかが分からないのだもの。フラなのか、福島なのか、青春なのか、お仕事アニメなのか。どのポイントで切り取ってもおそらく今作はベストではないと思うのだが、全部をひっくるめたトップダウン的な「福島のフラ青春お仕事アニメ」ならこれでもいいという気もする。「やりたいことが見える」が私の評価軸として大きいということは何度か書いている主張なのだが、今作はその「やりたいこと」があまり見えてこないので、私はもやっとするのだろう。

 例えば「フラ」が描きたいのだとしたら、やはり大会で披露したパフォーマンスは正しくない気がする。何しろ「普通のフラじゃ勝てないから飛び道具で行こう」という発想の演技だったのだから。私のようにフラのなんたるかがわかっていない人間からすれば、あの演目のどこがフラでどこがフラじゃないのかも分からない。何かを打ち破るには、まずその打ち破る対象の基本を知らねばならない。フラアニメなのだからもっと「フラとはなんぞ」という部分をきちんと掘り下げて、その上で「塗り替える」ことを声高に主張すれば、あのパフォーマンスの意義はもっと引き立ったはずだ。他にも日羽の恋愛要素とか、各々のキャラのバックボーンが語られる細かい掘り下げとか、どうにも「そこに置く必要はあったのかなぁ」と引っかかる部分が多かったのは事実。ただ、それはあくまで「○○をテーマにしたいのならば」という条件付きでの引っ掛かりであり、「それぞれを全部ひっくるめてこの作品で描きたかったことなんですよ」と言われたら、「まぁ、ほなしゃーないか……」と諦めるのも間違いとは言えない。

 うーん、でもやっぱり微妙に観たかったものとはズレてた気がするなぁ。どうせだったらこれもP.A.WORKSに任せて1クールアニメでやったほうが色々と掘り下げられてよかった気がする。それこそまさにアクアトープと同じようなお仕事アニメなのだし。オハナがいるからP.A.向けだし(オハナが「家族」の意味であることだけは既に知っていた勢)。もしくは徹底してフラダンスの技法に注目し、もっとバチバチにフラダンスギミックをぶっこんでいく一点突破型のシナリオも面白かったかも。というか、私はタイトルだけを見てそういうのを期待してたんだけどね。結局最後まで「これ、別にフラダンスじゃなくてもいいアニメだよなぁ」と思いながらの視聴だったので。

 個人的に1番楽しかったのは、作中でデブが少しずつ痩せていくところ。「最終的にデブが1番痩せてたらどうしよう」とかちょっと不安になった。アイデンティティ喪失させんといてな(東條希派閥なりの意見)。よって本作1番の萌えポイントは「あのデブ、実は新人5人の中で1番順位が高かったのよね」って言われて再評価されてるデブのシーン。東北民なんだからみんなもっと米を食え米を。やっぱご飯をうまそうに食ってくれる女の子が1番可愛いんだよ。

 最後にキャストの話だが、やっぱ福原遥は声が問答無用に可愛いし、きちんと声優として仕上がってきたので聞いてて多幸感がある。今回はまさかのカスタード・ホイップの共演(姉がはーちゃん)ということで久しぶりに脳内がレッツラ混ぜ混ぜされた。いや、ごめん、正直観てる時点ではカンカンの中の人がホイップだとは全然気づかなかったです。メインのキャストは新人も含めて案外悪くなかった気がします。あと、しれっとキャストに山田裕貴が混ざってるのも全然気づいてなかった。ニチアサすぎる作品である。

 

 

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