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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 劇場アニメ色々観ようキャンペーン。こないだ「かがみの孤城」を観に行った時に「他に何かやってるアニメないかしら」って調べたらこれがもうほとんど上映がなくなりそうなタイミングだったので、どんな作品かもなんも知らんで観に行きました。まぁ、先入観無しでぶつかるのが一番良いですよね。一言感想を先に書いておくと、嫌いじゃない作品でした。パンフの文言に「今年の初泣き作品」みたいな売り文句が書いてあった割に特に泣くところは無いんですけど、まぁ、大きく心揺さぶられずにじんわり満足する、みたい感じかしら。2時間劇場で集中して、「あぁ、アニメ映画観たなぁ」という満足感がそれなりに得られる作品だったと思います。そういう意味では「かがみの孤城」も満足感は充分得られてたので、2作品とも大きな取りこぼしは無いとは思うわ。

 

<一応ネタバレ注意。ネタとか無いけど>

 




 というわけでふわっとした感想になってしまったのだけど、正直あんまり小難しい話をこねくり回すような類の作品ではないだろう。だってさ、導入の「昔から仲が悪くて喧嘩ばかりしている国がありました」→「片方の国のお姫様が、もう片方の国の青年と出会い、いい関係になりました」っていう切り出し方の時点でもう答えは見えてる話じゃない。いや、逆にほんとにそれだけでいいんか? と不安になるレベルで、「2人は国の未来を思い、国の中枢から両国の関係を改善することを決心しました」→「できました。めでたしめでたし」っていうお話なんだよ? 今時小学4年生の道徳の教科書でももうちょい捻った話が載ってるんじゃないか、ってレベルでプロットはシンプル中のシンプル。確認したところ、これって原作はコミックにしてわずか1巻分の短編漫画なのね。そりゃま、このくらいのプロットになるだろうよ。そして、この「漫画1巻分を120分のアニメに」という分量がちょーーど良い。これでもまだ若干シチュエーションが飛び飛びだな、という感じは無くもないのだが、普段ほとんどの劇場アニメに感じてしまう「尺詰め込まな入らんのよなぁ」という苦しさみたいなものはかなり少なかったんじゃなかろうか。序盤の2人の出会いの展開とかはかなり苦しいというか、ご都合主義すぎるところはあるのだが、多分それって原作からそのまんまなんだろうし。そこで「こんな都合のいい話があるか!」とか言い始めたら流石にお話が成立しないので、そこは「物語の始まりなんてそういうもんや」ということであまり不満はない。

 強いて視聴中に飲み込むのが大変だった部分を上げるとするなら、「壁を作ることで隔てられた隣国」にしては、いくらなんでも差がありすぎじゃね? という世界設定そのものの部分。アルハミドが「金の国」であること、そしてそこから締め出されたもんだからバイカリが経済的に苦しくなったこと、ここはまぁ分かる。交易の中心だったアルハミドから目の敵にされ、経済制裁を受けたと考えれば両国の貧富の差は説明がつく。ただ、気候の差に関しては……まぁ、水源を押さえているから「水の国」ってのはいいのだが、作中でサーラがバイカリに渡ったところで、いきなり森が鬱蒼としげり、雨もしとしと降ってくるっていう描写があるのだが、流石に壁を立てただけでいきなり植生が隔てられたりはせんやろ。降雨量だって壁如きで変わらんだろうし、二国の差がこんなにはっきりと自然レベルで生じるのは流石になんか変な気がするのである。

 ただまぁ、そこも「そういうお話だから」と言われればそれまで。「すぐ近くなのにとても違う」からこそ話が盛り上がるわけで、なんとかその設定だけゴクンと飲み下せれば、あとは宣伝文句の通り、「優しい」ラブロマンスが展開されていくだけである。恋愛ものとしての見せ方は素直に上手いと感じましたね。そりゃま、かたやえーとこのお嬢さんで、かたや才気あふれる若手の俊英という「持てる者」同士のカップリングってんだからうらやまけしからんというだけの話なのだが、サーラのキャラが阿漕なまでに「男が理想とする包容力の女性」なのでとても幸せな気持ちになれるんですよね。作中だと「ぽっちゃりで、いうても美人ではない」っていう設定なのだろうけど、どう見ても上のケバい姉3人の方がヤバそうだし、時間が経つに連れてどんどんサーラが可愛く見えてくるのは映像とドラマのマジックである。よくよく考えてみると、サーヤって作中で一番の決心をしたキーとなるシーンは「男と飲み食い対決する」というおよそヒロインらしからぬシーンで、最後のクライマックスなんて「自分の体重が原因で相手を困らせるかもしれない」というデブ・インシデントなんですよ。なんやこのヒロイン。別に身長もそんな高くないし、太ってる言うても女の子のぽっちゃりなんて大したことないわ。そういうとこ気にしちゃってるのがまた可愛らしい。もちろん、そうして「デブやで」っていうことはことさらに強調したりもしないのは配慮されてる部分だし、「言われなきゃそんなに気にならないくらいの体型の子」が内心ちょっと悩んで、コンプレックスを抱えてるなんてのが一番キュンキュンするもんですよ。なんで姉3人があんなんでサーラだけ違う性格に育ったんでしょうかね。王族の子だし、母親が違うとかいう設定なのかもしれんな。

 というわけでヒロインはまず可愛いです。そして、相手役のナランバヤルも最初から最後まで特に欠点のない「いい男」。特に有能さをひけらかすでもなく、ごく自然にベストの選択だけを選び続けることができるという類稀な雰囲気イケメンなのだ。イケメン度合いでいったらサラディーンが突出しており、初登場時には「おっ、こいつが姫連中をたぶらかして国を傾けてる原因なのかな?」とちょっと期待したのに、ものの数秒で「あれ、普通に有能なやつやんけ」ってなって、あっという間にナランバヤルの一番の理解者、そして作中で最も力を持つ正義の味方になった。右大臣VS左大臣のバトル、あんなに露骨にイケメン正義だと切なくなっちゃうよ。エンディングで舞台に立ってたんだが、あそこまで政策面で成功させておいて、左大臣のポストを抜けて役者に戻ったってことはないよなぁ。わがまま言って仕事以外の時間に舞台に立てるようにしてるんでしょうかね。

 大臣ついでに挙げておくと右大臣のピリパッパは作中で唯一にして最大の「悪人」枠ではあるのだが、エンディングではばあやに一括されただけで普通に存命。まぁ、王様からしたら処刑するまでの理由もないか。最後まで見れば本当に悪人も死人もいない「優しい」物語で、そこにあまり不自然さもない。「人間、考えて、思いやって動けば誰も不幸にはならないんだよ」というなんとも甘っちょろいが、とてもありがたいメッセージである。

 てなわけで、作中で一番死にそうだったのは学者の兄ちゃん(もう、あいつ1人で軍隊とか殲滅できるんじゃないかな)、そしてなんと言ってもライララさんですね。そう、ライララさん。大半の視聴者の方はお気づきだと思いますが、そりゃもう、私が一番気になったのはライララさんに決まってますよ。画面にいるだけで尋常ならざる存在感。作品の世界観とかビジュアルとかを一切無視したオリジナル・ライララワールド。CV沢城みゆき。色々とクセの強すぎるキャラ。彼女(果たして女性か?)のチャンバラシーンも妙な生物が蠢いてるみたいで面白いが、個人的には姫の装束を剥いで身代わりになる不条理さが好き。敵兵士もあんなんに騙されるなや。ライララさんの活躍を見るというだけでも見る価値がある作品かもしれませんね。ライララさん以外にもちょっとクスッとできるネタなんかも散りばめられているし、台詞回しなんかも気が利いてて退屈しない。背景美術、世界設定でがっつりとアラブ系の大国&近代中国のイメージの二国を新鮮に描いてるのに、キャラのトークには「イケメン」とかめっちゃ今風の日本語も普通に使われてるのが、なんかミスマッチでおかしいんだよな。ファンタジー世界なのでそういう言葉を使ってても何にもおかしくないんですけどね。

 最後にパンフ情報:ルクマンとオドンチメグの声は両方とも麦穂あんなだそうです。相変わらずの大活躍だった……。

 

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