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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 小野×冬てえてえ、第4話。すげぇな、こんな無茶苦茶な世界観でまだまだ分かんないことも多いのに、1つ1つの関係性の重みが何故かズシンとくるんだ。

 平田広明演じるおっさんは必ず喫煙者じゃなきゃいけない法則。いきなり三田を狙撃した「赤衣の特捜隊」柳生田。ちょいと古めかしいリボルバー銃ではあるが、狙撃したら普通人は死ぬ。だが残念ながらサンタは普通の人ではなかったようで、何発撃たれても痛がる程度でケロッとしたもの。かつてサンタ討伐で活躍したと噂のエースだったが、そんなタフすぎるターゲットに打つ手無し。散々に暴れ回ったサンタを一時的に抑えつけることには成功したが、その際に漏らした「サンタがこの世界にいちゃいけない理由」は三田にとってはむしろ朗報。色々と分からないこともヤなことも多い変身だったが、少なくとも「子供に夢を届ける」という伝説自体は間違いではなかったらしく、そのためになら小っ恥ずかしい外見だって気にせず生きて目標に邁進できるかもしれない。

 開き直った三田と押される柳生田。すったもんだの2人の乱闘は最終的に体育館の小野の葬儀を文字通り「ぶち壊して」エンド。天井から煙突も通らず落っこちたあわてんぼうに生徒たちは騒然。「神のおっさん」と呼びトラウマとはちょっと違う妙な憧れを植え付けてしまったようである。三田もさ、あの状況でのん気に小野の遺影を引っ張り出して手ぇ合わせてたのもどうかと思うけど、冬村のことを考えたらそうせざるを得なかったってことなんですかね。

 Aパートまるまる全裸のジジイが暴れ回るというクレイジーアニメだが、この情景は作中世界の純粋培養な子供たちにとっても充分なイレギュラー。彼らはなんと、あまりにも保護されすぎて「大人」という存在との接触すら少なかったという。当然「大人の生態」についてもよく知らなかったらしく、神々しき姿のおっさんが余計な刺激になるのも仕方ない。そして、そんな刺激を一番受けたのが冬村さんだったという……。

 やはり今作の中心は冬村さんだ。彼女はかつて、盟友の小野さんが図書館で見つけてきた美術的価値のある資料から「大人の身体」の情報を得ていた。そんなものを見せつけられた女性中学生2人はベッドの中で発情し……たかどうかは分からないが、おそらくほぼ性知識など皆無な状態でもインモラルな雰囲気は感じ取ったのだろう。迫る小野、はぐらかす冬村。この2人の関係性がほんとにキャーでワーですわ。別にこのアニメは百合アニメを標榜しているわけではないが、こうして自然に生まれくる同性間の感情こそがまさにてえてえのである。冬村さんが執拗に小野の身柄を追う情念も、これなら理解できるというものだ。

 そしてややこしいのは、そんな冬村さんが純正の百合に目覚めてしまったのかというとそんなこともなく、アニメの構造的にはまさに「百合に挟まるおっさん」として登場したサンタがややこしさを加速する。冬村さんは小野が大切だ。でも、そんな小野を見つけるために自ら関わってしまったサンタというややこしい存在も気になっている。これまで大人たちによって接触を禁じられてきた純然たる「大人」のサンタ。生まれつき高身長でガタイがよかった冬村からすれば、自分よりでかい男に抱きしめられる経験なんてのもほとんど無かったのだろう。でかいサンタに憧れて、彼に色々と求めてしまうのもしょうがないのだ。これを恋と呼ぶのかどうかは、まだ結論が出ないところだけど。

 そんな冬村→サンタという矢印について、煮え切らないものを抱えている人物が2人。1人はおっさんじゃなくて子供の方の三田。三田はすっかり仲良くなってしまった冬村に対して少しずつ特別な感情を持ち始めたようで、2人きりの教室という定番ドキドキシーンにちょっと心ときめいたりもしている。しかし冬村はおっさんのサンタの方に熱視線を送っている。そのことが分かってしまうと、三田としては抱きしめてやるにしても複雑な心境。大人が子供と関わっていいのか、そして関わった場合、まだ「子供」の自分はどういう扱いになるのか。実に青少年らしい葛藤である。

 そして意外なことに、そんな複雑な三田の心情について、当の冬村も理解しちゃって「困ったモンだ」と自省しているのがすごい。「おっさんの方に惹かれちゃってごめんね、子供三田も困るよね」ってんで一旦自分の感情にケリをつけたらちゃんと子供三田にも話を聞いてあげるという。この冬村さんの超然とした振る舞いもなんとも珍妙なものである。まぁ、やっぱりそれだけ度量のでけぇ人物ってことなんだろうなぁ。ほんとに可愛い顔するんだよ、冬村さんは。

 さて、そんな状況に次は新キャラ投入か? 今まで画面に出ずっぱりの女性キャラは冬村だけだったので、流石にこの辺で女の子を投入してくれると助かる。CV松岡美里らしいぞ。最近はほんとに引っ張りだこやな。あれ? 柳生田ってほっといて大丈夫なん? 三田の正体知ってるはずなんだけど……。

 
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 約1ヶ月のご無沙汰でした。「選抜声優いない月間」である10月も終わりに差し掛かり、久しぶりの「声優名鑑」再開は我らがリーダー、彩陽である。事前にSphereメンバーは全員登場することが確定していたわけだが、このタイミングでまだ戸松と美菜子の2人だけ、ここで一気に残りの2人が登場するという偏ったバランスであった。彩陽はもう、出会った頃からほぼ彩陽かな。最初はもちろん「高垣」って呼んでたとは思うんだけども……気さくに呼ばせてくれるその人間性こそがリーダーの素質よ。

 

 


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 エンディングで全部なかったことにしていくスタイル、第4話。ここまでやられちゃ、「一旦落ち着こか」ってなるよな。

 というわけでよく言われる「勝負の3話」ではなく、「異変の4話」といった状態に。すでにぐっちゃんぐっちゃんになってしまった比名子の日常ではあるが、めんどくせぇ人魚の他にも、ガンガン人外はやってくる。汐莉が「ほんといっぱい出てくるわぁ、今までよぅ生きてきたわ」と比名子の「引き寄せ」体質に感心していたが、どうやらその答えはすぐそばにあったらしい。1話目から登場してきた「親友」の美胡ちゃんに異変の兆し。

 先週の引き時点で「えっ、お前もあやかしが見えるの? その名の通り、どこぞの巫女とかの血筋ですか?」と思っていたのだが、正解は「こっちも人外」。よく得体の知れないものを形容する表現に「海のものとも山のものともつかない」という言葉があるが、すでにベタベタに接触していた「海の者」汐莉よりも先に、「山の者」である美胡が比名子にツバをつけた状態だったようだ。……それにしても、この世界のあやかし、本当に他芸で出自とかに関係なくチート能力使ってくるよな……記憶改竄からの生活への闖入について、汐莉は「よく使われる手口」といっていたが、それってつまりあやかしのデフォルト能力に「認識改竄」が含まれてるってことでしょ? やばくない?

 しかし、現代社会は個人の記憶をいじったとしても色々と大変だというのは汐莉の愚痴混じりのお話。戸籍やら何やら、一昔前だったら紙の帳簿をどうにかしたら解決したかもしれないが、現代社会はどこもかしこも電子データばかり。そりゃあやかしだって頑張ってデジタルに詳しくならなくちゃ。美胡ちゃんがそうして現代JKらしさを手に入れたのかどうかは知らんが……まぁ、事前にその辺の改竄は済ませていたという。

 「いつから隣にいたかも定かじゃない隣人」である美胡。普通に考えれば気持ち悪い存在のはずなのだが、アニメが示している印象は「悪い奴じゃないんで大丈夫です」なんだよな。別に比名子を食べようとしているわけじゃないし、汐莉のボヤきと合わせて考えると、多分これまで比名子が人外に襲われそうになった時に陰ながら守っていたのは美胡ちゃんだったんじゃなかろうか。いろんな意味で比名子がモテモテすぎる気はするのだが、だとしたら一応汐莉と美胡の利害関係は完全に違えているわけではない。ただ1点、「自分が一番比名子を欲している」という点を除けば。……これって単なる三角関係の話だよなぁ。ちょっと「肉食系女子」の解釈が違うだけで。

 というわけで、美胡ちゃんフィーバーでだいぶ盛り上がった印象のお話だったのだが、実際はどうにも尺の間延びは気になっている。今回のお話、多分もうちょい詰めれば10分くらいで全部片付く話だったと思うんですよ。尺調整の影響なのか、なんか進行がダラけてしまっているのがちょっと勿体無い。話数ごとの切れ目を作るのが難しいのだろうか、後半に入ったショートアニメのポジションがなんだか微妙。まぁ、一応あれでもって「いやいや、ちゃんと美胡ちゃんとの大切な記憶はいっぱいあるんですよ」ということの提示をしているので大事なパートとは言えるのだが……シリアスやサスペンスに寄っているのか、ギャグや百合に寄っているのか、ちょっとわかりにくい構成になっちゃったね。まぁ、あのパートが入ってないと、急転直下な本編と空気読まずなエンディング映像で完全にバッティングしてしまっていただろうが。

 エンディング映像によれば、どうやら美胡ちゃんの正体は「狐」。狐と魚かぁ……狐が有利じゃね? そうでもない? あと、このお話って愛媛が舞台なんだよね。 ……四国に狐がいるのは看過できねぇけどな。

 
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 属性的にはカイなのに名前がソルなのややこしいよね、第3話。いや、そんなこと誰も思わないだろうが、いちいち中田譲治ボイスが再生されそうでドキドキ。

 なんか今期はなろう的令嬢ものを割と観てる気がするのだが、今作はまずもってなろう作品ではないので設計思想からちょっとズレている点が興味深くはある。1話目を視聴した時点では「ずっと悪役令嬢だと勘違いされたままで悪戦苦闘する流れかな」と思ってたのに2話目でほぼ王子様&ヒロインからの誤解は解けちゃってるし、抱えている問題はソルに対するものだけ。そこだって着実にラブのフラグが積み重ねられ、「なるほどこれがLala掲載のなろう的物語か」と妙に納得できる構造だ。こっから先はずっとラブ中心になるのかしら。そうすると今期は鮮血姫に加えてコレとメイドロボ(ロボじゃない)で「命を狙われながらのラブコメファンタジー」がだいぶ並ぶことになるわね(どれもそこそこ楽しんではいる)。

 凝り固まったなろう的文脈で考えようとした時に、今作は不確定要素が2つ存在している。1つは当然「舞台になっているのが過去の自作黒歴史小説」という要素。そして、都合のいいことに(悪いことに?)、作者であるイアナ自身がそのディティールを忘れてしまっており、ピンチが訪れるにしてもギリギリで設定を思い出したりと、先のことがなかなか読めないのである。過去の破滅フラグ作品といえば大抵はゲームをやりこんでる奴が転生したもんだからあらゆる要素が既知の状態でフラグをいじっていたわけだが、今作においてはそこもふわっとしてるし、困った時には「厨二病だった時の自分が全部悪い」という責任転嫁に使えるというのはずっこいが上手い設定ではあると思う。これは作中にご都合主義を適宜追加する方便にもなるし、アホみたいな展開が出てきてギャグとしても転がせるというのが便利。「既存の乙女ゲー」という設定だとあんまり無茶な展開は設定できないからね。まぁ、悪役令嬢転生おじさんとかはだいぶ無茶やってたけども。

 そしてもう1つの不確定要素が、「すでに1話目時点で原作小説から随分はみ出しちゃってるので、今後何が起こるかはマジで作者本人も分からなくなった」という要素。これが実はこれまで悪役令嬢ものに対してネガティブな感情を抱くことが多かった理由で、「ちょっとでも既存の展開からズレたらバタフライなエフェクト的に破滅フラグなんて回避できるんちゃうんかい」という不満が真っ先に出てしまうからだ。もし「運命修正力」みたいなものが働いて強引にでも既存のルートに引き戻されるという設定があるなら、その時は「何をやっても破滅ルートは回避できない」と同義になり全てが徒労になるし、あまりに「シナリオ」という概念を都合よく使いすぎだ、と思っていたわけだ。

 今作においてもその要素は完全に排除はできないのだが、一応ベースになっているのが「自作小説」という時点で割とゆるゆるだし、何よりも「作者自身が作品内にいる」という状況がすでにイレギュラーなわけで、「運命修正力」については「過去の自分の規定に現在の自分が抗っている」と考えれば、これは勝負として成立する。なんなら「厨二病時代の自分の歪んだ情念と、現在の自分のコノハ推しの気持ちの強さでどっちが勝てるか」という対決としてみてもいいだろう。運命力はきっと今後も働き続けるだろうが、この設定なら一応は「抵抗」が意味を持って成立しそうなのである。今回のヨミのお話も、そんなせめぎ合いがよく分かるエピソードだったんじゃないでしょうか。

 まぁ、原作がそこまで考えてるかは知らんけどな。

 
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 エンディングの謎コスなんなん、第16話。すんげぇユルい映像になってるけどこのアニメならしゃーないか、みたいな気持ちになるのが不思議……要所で入るちゃんとエロ可愛いカットのおかげで許されてる感はある。

 というわけで、びっくりするくらい何も動かないお話でした。「最終的になんか起こるかなぁ」と思ってたら最後までずっといつも通りだったもんで正直肩透かしではある。2期目に入ってずっとこの調子だとちょっとモチベ下がっちゃうな。今回のお話も同じ流れを2回繰り返す天丼でしかなくて、もうちょいクライの「鬼謀」とやらが(嘘ではあるが)見える展開にしてほしいところ。ここまでの全部が今後のどんでん返しの種蒔きだってんならしょうがないのだが、流石にそうは見えなかったし……今回のお話での見どころといったら、もはやスマート姉妹のエロいあれこれしかないんだよな。……シトリー、各所に隠れ家を持ってるのは解釈一致だから別にいいんだけど、その全ての施設にエロ夜這い用の設備が設定されてるのは流石にヤベェだろ。この姉妹、なんで同じ遺伝子なのにこうも体型が違うんでしょうね。

 無敵の姉妹を引き連れて、その姉妹の力の影響が各所に漏れ出てしまったせいで災難だったのが悲劇のアーノルドさん。いや、彼が不幸を一身に背負ってくれるならまだ笑い話にもなるかもしれないのだが、問題なのはそんなアーノルドさん御一行にギルドの面々も同行してることなんだよな。クライたちのせいで引っ張り出されてきたモンスターがギルドの若い衆に襲いかかっているのはほんとに人災なのよ。まー、クライは人格的にも別に「善人」ではないし、1期の頃から周りに迷惑かけることに大して心痛める様子はなかったのだが……このままだとマジで単なる悪役になっちまうぞ。このアニメの倫理は大丈夫か。

 もう、こうなったらほんとにティノちゃんに頑張ってもらうくらいしか解決法がなさそうなのだが……もう、まともに冒険(バカンス)できるメンタルじゃなくなってる気がする……どうか、ほんとの意味での療養をお願いします。

 
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 長きにわたる新番チェックもようやくゴールイン。毎度のことなので最後にデータを整理しておくと、今期執筆された新番チェックは53本。これに前クールから継続する5本を加えた58本が今期視聴本数となる……わけではなく、今期もサクサクN話切りは進行しているぞ。最近は多少なりとも切ることに慣れきており、現時点では8本切りで50本である。元々の58本という数字はここ最近の平均よりはやや少なめな本数であり、「ようやく業界も自粛し始めたか?」と一瞬思いそうだが、これは私の涙ぐましい視聴本数削減の効果がちょっとずつ継続的効果を発揮し始めた恩恵でもある。具体的には「事前に切った作品の続編」は最初から視聴しないことにしているので、その分母数が減っているのである。さらに、具体的なタイトルはあげないが今期は初めて「1期は一応最後まで視聴していたが、もはや追う価値を見出せない」というので2期目を0話切りした初の事例も現れた。この調子で少しずつ、真人間の生活を模索したいところである。

 閑話休題、こちらのアニメはモンストである。モンストは私が一切触れていない文化の1つであり、アニメに関しても「Not for me」と決め込んでほとんど見たことがない。一応過去ログを漁ったら10年ほど前に「モンストのアニメは切っちゃった」という記述が残っているのだが、確認したら元々アニメはYouTube配信しかされてないようなので、当時わざわざ視聴したのかどうかは謎。当然新番チェックも残されていないため、当時の私がこの作品のアニメをどのように扱ったのかはもはや記憶にない。ちなみにアニメ自体はかなり長いこと制作されていたようだが、そんなもんは闇の中である。

 「過去に切ったアニメの続編」というのであればこれもスルー候補だったはずなのだが、事前の確認で「なんか思ってたのと違うタイプかも」という認識があり、きちんと地上波の深夜枠で、しかも日本全国広域放送という媒体になっていたのでせっかくなので1話目は視聴。実際、点数は低いが別に何が分からないということもなく、ふつーに「あんまピンとこない1話目」というだけの話である。1話目ではほとんど話が動かず、「なんかよく分からないものと戦った」という情報だけが伝わってきた。長い作品になるのであればこのもったりしたスタートもそこまで悪い話ではないし、逆にややこしい設定が一気に押し寄せてきてモチベを削がれることも危惧していただけに、「まぁ、こっから少しずつ作品世界が見えてくるのかな」と思えば案外ポジティブには見られるかもしれない。立ち位置としては「接点が無いからいつでも切れるけど」という「デジモン」と同じくらいの想定になった。

 でもまぁ、面白いかって言われたら即答でNOでしたけどね。お話の先が見えないことは別に構わないのだが、1話目時点で肝心の戦闘描写もだいぶもっさりしており、物語が始まった高揚感もなければこのアニメじゃなきゃ得られない独自性も感じられない。制作のゆめ太カンパニーはそれなりに歴史のあるスタジオだし、やるときゃそこそこやれるイメージはあるのだが……現状は期待値低め。一番の発見は「へぇ、モンストってミクシィの製品だったんや」っていう知見くらいである。てっきりもう仕事を終えた会社だと思ってたので、こんなとこでしぶとく稼いでたのはちょっとびっくり。堂々の1社提供アニメ、今後に繋げることができるかしら?

 

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 才能は何かとのトレードオフ、第3話。毎回ちょっとずつ新キャラが追加されていくけど、その都度どこかしらおかしなニュアンスが漂ってるのが良いですね。

 前回のお話だと双見がはーさんと2人きりの世界で閉じてしまっているかのような錯覚を覚えるが(佐藤さんはおるやろがい)、社会人としてお仕事をしていくのだから当然その周りには世界が広がっている。そして人間は追い詰められて自分だけの手に余る難題にぶち当たって初めて、外の世界へ目を向けるのである。……いや、普通の人はそんなことなくても外に開かれてるもんなんだろうけど、双見はそれでしょうがない。この人、いわゆるアニメ的な「コミュ障キャラ」の中ではまだ正常な社会生活は営めるレベルではあるんだけどね。後藤ひとりなんかと同じで、コミュ障であることがその才覚と繋がってるもんだから単なる欠点とも言い切れず、直した方がいいんだか、悪化させた方がいいんだかはよく分からない。

 というわけで、Aパートでは新たなるアシスタント追加の相談が持ち上がる。はーさんが有能すぎるもんだから作家1人アシ1人の体制でもこれまでなんとかなってきたし、なんならはーさんはそのままでもやり切れると思ってるかもしれないが、順調に連載が進めばお仕事も増えてくるわけで。このタイミングでの増員はちょうどいい頃合いだろう。当然課題は双見のコミュ力ということになるが、現代はネット経由で最小コミュニケーションでもなんとかなるから大丈夫……とはいうものの、コミュ障ならほんとはチャットのみの接触でも充分面倒臭さは発揮できるんですけどね。なんなら推敲に終わりがない文字コミュニケーションの方が症状が重篤になったりしますけどね。えぇ、私がそうですから。1本のメール、1本のレスを返すだけでも必死に文面を考えて疲労困憊。人類はなぜメールなどというツールを発明しやがったのか(まぁ、電話はもっと嫌いだけど)。ちなみに、揉め事が怖い私のメールやチャットのやり取り、だいたいは今回双見たちが「めっちゃ丁寧……」って言ってたくらいのスタイルになります。まぁ、ろくに接触が無い人間に対しては最大限の丁寧さで接するのが一番事故が少ないですからね。

 幸いにして双見はそうしたコミュニケーションにはそこまで負担を感じないレベルのコミュ障だった様子(以前佐藤に連絡する時の方がよっぽど悩んでたよな)。さらに、ちゃんと社会で活動できることを語るエピソードとして過去のアシ時代の話もちょろっと出てきた。……やっぱり漫画家って人格破綻者しかなれない職業なんでしょうかね……(個人の感想です)。能登ボイスの大迫力漫画家、今後再登場することはあるんでしょうか。

 新しいアシスタントを手に入れ、一応は制作体制も安定……するかどうかは分からない。現代の漫画家先生って、自分の手でやる作業をどれくらい削減できてるんでしょうね。

 Bパートはそんな双見先生のガチのお仕事、取材・インタビューからのネーム作り。ここで新キャラのプロ棋士・角館塔子(CVカッター)が登場。この人も何やらクセがありそうで今後の関係性が気になりますね。双見に「天才」って言われた時のちょっとざわっとした感覚は、彼女の自負なのかなんなのか。でもまぁ、基本的にはいい人っぽいし、双見の才能を目の前で見せつけられて互いにリスペクトしあう関係性は築けていそうだ。唯一の問題は彼女にばっかりフォーカスしてるとどんどん将棋アニメになっちゃいそうなところであるが、多分心配する必要はないだろう。「ちゃんと漫画の取材もしてるし、双見自身もそこそこ将棋への興味はあるみたいでよかったなー」くらいの感想。双見がなんでこの題材で連載を始めることになったのかはちょっと気になるけど、なんとなくデザイン的に好きなんでしょうね。

 そして披露される双見の「天才性」。やっぱモノづくりができる人間ってのはどこかしら異常性を孕んでいるものだが、双見のそれはどこか鬼気迫るものがあり、彼女の根底に宿る漫画への執念みたいなものが滲み出る描写が良かった。やっぱこの人はすごい人なんだ。はーさんがうだうだ言いながらリスペクトしてるのも頷けますよ。まぁ、「ここまでやらないとプロにはなれないんだ……」って思ってはーさんが生涯アシで終わっちゃったらそれはそれで悲しいけども。できれば双見からの刺激を受けて、はーさんにも今後は頑張ってほしいもんである。

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 かわいいですね、第2話。可愛いだけで押し切ろうとしている姿勢だけ見ればだいぶ剛腕な作品ではある。

 ほんとに「可愛い」を押し出したいだけの作品なので本来ならあんまり感想を書くこともなさそうだが、今後は多分あんまり触れないだろう前提で、新番チェックでは拾いきれなかった気になる点を3点ほどピックアップしたい。

 まずその1、やっぱ構造としては「阿波連さん」が近いと思うのだが、個性派ヒロインの属性として、結局この世界において月菜の「ちっちゃくなる」という特性がどういう扱いになってるのかよくわかんねぇよ、という話。単に「血を吸う時の様子があまりに赤子じみていて母性本能を刺激されまくる」という状態を戯画的に表現しているだけなのか、それとも本当になんらかの特殊能力でメタモルフォーゼしているのか……普通に考えたら前者でしかないと思うのだが、どうも作中キャラの視点からも「変形してる」前提で話が進んでるような部分もあり、彼女の「可愛い」については謎が多い。まぁ、今後も特に突っ込むことなくこの辺の設定は処理されていくのだろう。実際にデフォルメ月菜ちゃんはほんとに可愛らしいので、視聴者目線でも別に不満はないのである。

 2点目、そうして「可愛い石川さん」という中心地が存在している作品なのだが、「ちゃんと吸えない」というタイトルと1話の進行から「クールビューティーを気取る月菜ちゃんを周りの事情を知る人間がサポートしていく」話になるのかと思ったら、なんと2話目にしてクラス全体に彼女の実情が周知されることとなった。つまり、これ以降はもう「石川さんのギャップ萌え!」みたいなネタ回しは使えず、周りのみんなから平等に「石川さん可愛いなぁ」という感情だけが一方的に浴びせられることになる。……その設定でここから話は保つものだろうか? まぁ、原作が大丈夫ならいいのだけれど……なんか想像していたのとはちょっと違う方向に進みそう。ちなみに「メイン2人に次ぐ最初のお友達1号」のCVがM・A・Oネキだという点も「阿波連さん」と共通するイメージを持つ要因だったりする。

 というわけで気になる3点目だが、この作品、実にキャスティングが濃い。メインのみにゃみ、それに佐久間さん役のM・A・Oネキの2人だけでも割とカロリー高めの布陣なのだが、周りを取り囲むクラスメイトや今回思わせぶりに登場した2人組など、出てくる女の子のキャスティングがいちいち気になるセッティングになっている。具体的には今回のエンドロールで流れた名前が長谷川育美・若山詩音・稲垣好・伊藤彩沙・遠野ひかる。ここまでが「毎度お馴染みパワー枠」だが、さらにここに「ムームー」でいい仕事をした春海百乃、そして「うたミル」のクマちゃん役だった相川遥花の名前も連なっている。人気声優から注目株まで、ほんとにいいところを総取りしてるキャスティング。若手声優チェッカーとしては無視できない作品である。ザ・楽しそう。

 
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 痛みを伴わない決着は無い、第3話。まさにサブタイ通りではあるんですが、一介の高校生が「けじめ」をつけなきゃいけないってのは、見ていて辛いものがあります。

 ここまでのお話はおっそろしく既視感のあるものになっていましたね。何しろ部活で楽器を弾き続ける女子高生が、ご家庭の事情(特に母親の圧)によって部活に時間を割くことができなくなってしまう状態に。練習に参加できなくなると何も知らない部活の連中からはやれサボりだのやる気がないだのと中傷され、家では向き合わなきゃいけない母親が一方的に喚き立てるだけ。頼れる者もおらず、脳裏によぎるのは以前部活を辞めていった仲間のこと。そんな状況で、少女は1人どんな決断をすればいいのか。

 そう、北宇治高校、田中あすかの物語だ。まー彼女の場合は必要以上に(ほんと必要以上に)我が強く、練習せずとも周りの連中になど負けやしないという絶対的な自信があったからこそ副部長という立場がありながら飄々と問題をかわしていたが、最終的には全てがぶつかり合い、たった1人の「性格の悪い」後輩の力によってブレイクスルーが起きた。

 それでは、今作における滝本はどうだったか。彼女は周りの人員配置の関係で「パート転換からのリーダー」というとんでもない重積を背負わされ、それがすでに望まざる状況だったというので余計な苦労1つ目。さらに田中あすかほど要領は良くないため、母親の望んだ進学ルートでの成果も芳しくなく、学業と部活の二重生活が全く立ち行かなくなってしまったのが苦労の2つ目。そして、1期ではそこまで気にしてなかったのだが、どうにもこうにもこのオケ部は治安が悪い。何かあるとすぐ他人になすりつけようとしたり、そこかしこのパートで陰口が横行したりでどんどん立場が悪くなっていくのが苦労の3つ目。背負いきれない三重苦を受け、ついに滝本が壊れてしまった、というのが前回までのお話。

 残念ながらこの高校には黄前相談所は設立されていない。しかし、だいぶニュアンスが違うポジションの後輩・青野君がなんとか頑張った。偶然にも壊れかけの滝本を見つけ出し、彼女が溜めていた事情を一通り知ってのアドバイス。まぁ、先輩に対してかけられる言葉なんてなかなか見つからないわけだが、たった1つだけ出来たこととしては「親言うてもしょせんは一人の人間でしかない。一方的に抑圧されるくらいなら、文句の1つも言って話をしてみろ」という提言である。まぁ、別に青野はそんな意図で言ったかどうかは分からないし、それで問題が根本的に解決したわけでもないが、なんとか滝本の中で1つくらいは縛りを取っ払うことはできたらしい。

 「コンクールまでの期間限定参加」。それが滝本の選んだ唯一の譲歩案。部活仲間からはそれでも文句は言われるが、何か1つ「けじめ」をつけろと言われたらそれしかないという落とし所。別に彼女だって母親を邪険にしたいわけじゃない。親の心配は理解できるのだし、先生も言っていた通り、これは部活だけの問題ではない。将来に関わる選択は、慎重に行わねばならないのだ。

 部活一筋の人間からは、滝本はどう映っただろうか。もしかしたらこれでも「中途半端」と謗る人間は出てくるのかもしれない。けれど、ここでの彼女の決断は、彼女自身の人生を決定づける、大きくて苦しい決断だったのだ。そのことに、周りの者は文句をいう資格などないのである。

 若者の決断は、いつだって身を切るものなのだ。

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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