忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]

○「しゃばけ」 5

 どっかでタイトルは聞いたことがある気がしたけど中身も意味もさっぱり分かってない、そんなアニメである。

 前知識ゼロでは始まらないのでさっそくWikiへ行って情報を集めてみると、まず原作者は過去に「つくもがみ貸します」がアニメになった人。どうやら妖怪変化の類を扱うのが本業らしい。そんな作者の小説が最初に出てきたのはすでに20年以上前とのことで、そこから漫画やら実写ドラマやら、さまざまな形でメディア展開されてきた代表作とのこと。私も過去に名前を聞いたのはその辺のメディア展開のどっか一部で触れたのだろう。そうして巡り巡って、この度最終的にアニメ化にたどり着いたというわけだ。

 正直、なんでそんなに使われまくった作品がここにきてアニメ化なのかはよく分かってないが、ノイタミナ枠ってのは最近でも「謎解きはディナーのあとで」のアニメ化など、小説媒体やドラマ化作品の再アニメ化は割とやっていること。何かの縁で今作も「じゃぁ改めてアニメで」って話になったのかもしれない。その辺の背景は全くわからないが、こちらとしては出されたアニメをただ食べていくだけである。

 「妖怪譚」は好みのジャンルなのでその部分でちょっとした楽しみはあるが、同時に「時代もの」はアニメとしては明確に鬼門なのでどの要素がどう働いて吉と出たり凶と出たりするかは気になるところ。直近でも「鬼人幻燈抄」はどうにも渋い印象だったし、何故かアニメで時代劇をやろうとすると大外れするかどうかは分からないがピンとこない場合が多い。今作も1話目時点では映像もシナリオもマイナス点は一切無いものの、スタートダッシュをしたとは言いがたく、どうにも地味な印象は否めない。ここから脚本の力で大きく加速できれば話は変わってくるのだが、おそらくメディア化の傾向から考えてもそこまで即物的な刺激に溢れた作品とも思えないため、今後も地味にコツコツとお話を重ねていく以外の道はなさそうだ。まぁ、あくまで適材適所、素材に合う演出方向がそれであるなら全く問題はないのだが。

 一応、評価のポイントになりそうな点を挙げておくと、妖怪の描写は非常に「現実的に」、普通にそこにあるものとして描かれており、ぱっと見で明らかに「異質」なのは家鳴りくらいだろうか。妖怪譚を取り立てて異質な物として扱わず、「この主人公は生まれながらに怪異と接し、怪異に愛された存在だからそこらじゅうで妖怪と仲良くできるし、何ならポケモンみたいに使役して活用もできるよ」という設定は嫌いじゃない。主人公以外の人にも妖怪の姿は見えているらしいし、「江戸時代、人と妖怪はもっと距離が近かったんです」という世界観は夢があるものだ。まぁ、1話目でいきなり人が死んでる時点であんまりハートフルとは言えないのかもしれないが……あんまり肩肘張らずに、「そこにある」ちょっと不思議な物語として楽しめれば助かります。

 
Amazonアフィリンク

拍手

PR

○「Let’s Play クエストだらけのマイライフ」 4

 まだまだ出てくる困惑作品。ほんと、最近は作品の国境が曖昧になってきているな。

 とかいいつつ、今作の国籍は明らかに日本である。制作はOLM、監督も日本人だしどこをどう切り取っても日本製品。ただ、Wikiによると「原作は北米の漫画作品」とのことで、原作者と掲載媒体がゴリゴリの海の外ということになる。今回はどうしても気になるので「ピッコマ」に原作1話目を覗きにいってみたが、おっさんが一番苦手ないわゆる「縦読み」漫画で、絵柄もアニメとはややニュアンスが異なったものになっている。翻訳の都合で多少改変は入っているだろうが、ベースにアメコミの文法を採用しつつ、おそらく日本的な漫画に韓国のマンファの流儀も加えた作品になっているんじゃなかろうか。

 なるほどそういう出自なら何となく納得はできるのだが、今作視聴中にとにかく困惑したのは、どうにも「海外作品っぽさ」を感じてしまったから。アバンの時点で「どういう出自の作品だ?」と首を捻ったもんだからオープニングクレジットに気をつけて見ていたのだが、そこに流れてくる情報からはどう見ても純正国産作品であることしか伝わってこない。それなのに、そこかしこに「日本らしからぬ」要素が出てきて、頭がバグってしまったのである。これが、制作陣がしっかり狙って「海外っぽさ」を出したというならその狙いは寸分違わず成功しており、かなりの「らしさ」に仕上がっているといえる。

 ただ、その上での疑問は「この『らしさ』、いるか?」という話で。結局私が感じる「海外作品っぽさ」って、「小さな違和感」なんですよね。台詞回しとか、モーションの取り方とか、そういう部分でなんか「ん?」って思うことが積み重なって全体の雰囲気になっている。今作はキャラデザでいえばギリで日本の作品に見えなくもないが、どこかカクついたくせのあるモーションがだいぶカートゥーンっぽさを醸し出す。その上で意図的に「英字+字幕」で構成するなど、「らしさ」と「見づらさ」をトレードしている部分があり、「多分海外発信を前提に作っている作品なのだろうな」ということが伺えるわけだ。そのために、若干ではあるが「向き」ではなくなってしまったので没入感が下がったということなのだろう。

 あとはまぁ、原作者の感覚が多分に影響しているからだろう、シナリオラインがなんだかヘンテコである。主人公・サムの土台は把握したし、彼女をめぐってのラブロマンスが今後繰り広げられていくんだろうな、ということは充分理解できたが、よりによって相手役になるであろう配信者・マーシャルのやってることがいくらなんでも最低最悪すぎてちょっと理解が及ばない。マーシャルの配信1つであっという間にサムのゲームの評価がどん底になるのもやりすぎだし、そこでサムがプラットフォームにアクセスできなくなるのも謎だ。お話のためのお話がさすがに馬鹿馬鹿しすぎるため、どこかリアル路線のしっとりしたドラマを描きたいように見える方向性とギャップを感じるのである。「わざわざ作った違和感」がマイナスに働いてしまっている現状だと、このギャップは受け止めきれない。

 とはいえ、これもやはり頭の硬い私みたいな人間が勝手に「こうあるべきだろ」と押し付けているだけの可能性もあり、今作に関しては何か1つきっかけがあれば(つまり私が認識を改めれば)そこから先はスルッとおいしくいただける可能性も感じている。世界に向けて発信される日本のアニメ、こういう実験的な制作姿勢についても、しっかりと観察を続けていく必要がありそうだ。

 
Amazonアフィリンク

拍手

「瑠璃の宝石」 7→8

 かくも美しき有様を、宝石となむいひける。

 やはり別格だったという評価になりますね。映像制作のスタジオバインドの仕事ぶりがあまりに完璧すぎて、本当に「宝石」のような美しさがここまでアニメの画面に乗るものかと惚れ惚れしてしまった。毎回引き込まれるような風景描写と丁寧な「石」の見せ方は、本作に関わった誰しもが望んだ最上級のものであった。

 そして、実はこの評価はバインド作品の中でも最上級のものである。過去作だと「おにまい」に7点をつけていて、藤井慎吾氏というこだわりのクリエイターの影響が共通しているものの、さらにそこから突き抜けたのはやはり今作ならではのテーマ設定が刺さってしまったから。いやぁ、マジで「鉱物採掘」なんてこのアニメを観る前は1ミリも興味は無かったし、な〜んも知らん状態だったけど、そんなまっさらな状態だったことが逆に奏功したんでしょうね。入ってくる情報がいちいち新鮮だし、丁寧な豆知識の出し方もちょうど面白いと思えるところで出してくれる。これは原作のこだわりがそのままアニメにも反映された部分が大きいのだとは思うが、一見して「地味だな」と分かる題材なのに、それを臆することなく、まっすぐな表現で提出したアニメスタッフの判断も評価するべきだろう。

 振り返ってみれば別にドラマとしては大したことしてないんですよ。それこそガワだけ見たら「おっさんの趣味を女子高生にやらせる」やつだし、なんならWikiを見たら「女の子をメインにした方がたくさんの人に楽しんでもらえると思って」というストレートな作者コメントもある。女子高生ホビーものであるという事実は何も否定する必要はない。要は誰が主人公であろうとも、いかに本質的に興味が持てそうな情報を提供できるか。主人公・瑠璃の存在は、むしろJK要素なんかよりも「何も知らん素人」要素の方が大きく、おっちゃんは瑠璃と一緒にいちから鉱石について学ぶことが出来たのがとても嬉しかったし、おかげで今後は少し世界の見え方が変わった気がしたのです。ここまでの求心力を発揮するために、やはり映像美の力というのは大きかった。

 また、各話感想でも再三触れていたが、今作は「鉱石への興味」を刺激するだけでなく、「学術的研究の価値」というものを訴える作品でもある。何とも地味な分野であり、その有用性を世人が感じ取るのは難しい世界だったが、おそらく世の中の学問なんて素人から見たら大半が似たようなもんである。今作を通じて「学びとは人類が行える最大の娯楽であり、進歩のための方策なのだ」ということが伝われば、今後どこか全く関係ない分野にだって刺激を与えられるかもしれない。

 ぜひとも、小中学校とかで理科の時間には今作を視聴する時間をとっていただきたい。え? 思春期男子に今作はまずいんじゃないかって? …………保健体育と合同授業ということで。

 
Amazonアフィリンク

拍手

○「太陽よりも眩しい星」 5

 結局、アニメにおける自転車の二人乗りってどういう処理なんでしたっけ? 一時期色々と騒がれてた内容だと思ったが、今作では何の迷いもなく二人乗りを達成。自治体によってはOKなところもあるみたいなことを野崎が言ってたが、多分今の道交法だとどこでもふつーにアウトだよな。そう考えると1話目からなかなかアウトローな作品である。

 「ハイハイ、爆発爆発」てな作品。今期は「矢野くん」から始まって何とも甘々なシーズンになりそうな予感がするが、こちらは何と、高校進学前から描かれ始めたけど1話時点でほぼ両思いというとんでもない幼馴染から幕を開けた。一部界隈では幼馴染なんてそれこそ負けヒロインの代名詞みたいな印象があったが、小学1年生からずっと一緒で、しかもその時点でヒロインの方が一目惚れしてたってんだから、流石にここから負けヒロインルートに入るのはかなりの鬼畜。どう考えても脇道への逸れようがないので本当の意味で「爆発爆発」しか感想が出てこないのである。

 ぶっちゃけ、序盤は印象が悪い寄りではあった。憧れの彼が金髪で「ちょっとチャラくね?」とか噂されてる設定はハニーでレモンだったりする場合にもよくあるので構わないのだが、今作の男はなんと小学1年生からパツキン。あれはアニメ的表現でしかないのだろうか。流石に親がどうかしてるとしか思えないのだが、親御さんがおかしいという描写もないので、おそらくこの世界における金髪は一切アイコンとしては機能していないということなのだろう。その後も主人公の岩田さんはお相手の神城の思い出を次々にフラッシュバックさせていくのだが、小学校時代の思い出にはマジで1ページも「格好いい」要素がなくて、「この女、小1から惚れてる言うてるが100%顔だけで惚れてるやんけ」ってんでちょっとヒいた。そんな状態で純愛アピールされても……とか思っていたのだが、その後現代に戻ってきたら神城が次々と模範的なイケメンムーブをかましはじめ、「……さっさとくっついたらええやん!」と叫ぶしかないバカップルになってしまったので、1話目時点であとは放置である。勝手に幸せになったらええやん。

 ちなみにもう1つの気になる点として岩田さんが執拗に「でかい」ことをコンプレックスと主張しているのだが、女性目線ででかいのってそんなダメなん? 男からしたら女性の高身長って一切マイナスにはならないと思うんだが、その辺もギャップがあるもんなのかしら。「恥じらい引っ込み事案なデカ女」なんて萌えポイント加算要素にしかならんよな。その辺でもうちょい岩田さんが自分に自信が持てるようになれば、観やすくはなるかもしれません。

 スタジオKAIによる映像部分も特に落ち度はなく、あとは純粋にシナリオラインで見たいものが出てくるかどうかだけの話。ただ、個人的には決して無視できない要素として「岩田役に藤寺美徳」というのがある。「花修羅」で抜擢されて素晴らしい仕事を見せてくれた若き俊英・藤寺美徳。またまたいい仕事をしてくれそうで楽しみである。ほんで高校に進学したらいきなり空から羊宮妃那が降ってくる展開という……羊宮ヒロインが突然降ってきて恋路に割って入る展開はすでに「カッコウの許嫁」で足りてるので、余計なことしなくていいですよ。

 
Amazonアフィリンク

拍手

○「私を喰べたい、ひとでなし」 5

 ヤッター! 自分の命をないがしろにするタイプの上田麗奈だ! 2歩ぐらい引いたところから出てくるうえしゃまボイスはやっぱり良いものだ。「わたしの幸せなカニバリ」とかいうタイトルでもいい(よくない)。

 というわけでうえしゃま作品であり、おそらく純正百合アニメになると思われる作品。いや、別に1話目で方向性は確定してないし、ここから妖怪大戦争なバトルアニメになる可能性も微レ存ではあるが、エンディング映像ではいっぱいの百合を背景にうえしゃまが「リリィ」っていう曲歌ってんだから多分百合だろう。きちんと1話目でそういう標識が出てくるのは助かりますね。

 ただ、「上田麗奈+純正百合アニメとかお前からしたら手放しで喜ぶやつやろ」と思われるかもしれないが、1話目はうえしゃまボイスが堪能できた以上に大きな得点はなく、とりあえずは様子見という程度である。じっとりとした空気の中で描かれる物語なのでスタートは割と緩やかだし(突然の超常要素には顎が外れたが)、そこまで画で勝負してくる作品でもなさそう。止め画で美少女を美少女に描く部分は気を遣っているように見えるが、それ以外のパートに関してはそこまで作画枚数が割かれているわけでもないし、「まぁ、普通」くらいの映像。制作はスタジオLINGSという聞いたことないところだが、これが初の元請け作品ということなので完全な未知数。できれば地道に成果を出してほしいジャンルではあるのだが……百合アニメで思い出すのはどうしても「ささこい」の悪夢だったりするので……なんとか頑張ってくれと祈るしかない。

 うえしゃまモノローグ以外で評価点があるとしたら、徹底して「海」にこだわった舞台設定だろうか。終始波の音が聞こえるような沿岸部で話が進み、主人公の因縁もどうやら海にまつわるもの。執拗に「沈む」演出が繰り返され、画面にまで湿度が滲んでくるかのようである。この辺りの雰囲気の統制がうまいこといくなら、そこまで作画枚数を割かずとも良き画面が構築できる可能性はあるだろう。あとはプロフェッショナル上田、そして相手役の石川由依の仕事ぶりを信頼するしかなかろうて。「あんた、人魚じゃなくてパパイアだったじゃん」とかいうお約束のツッコミを思いついたが黙っておこう(黙った)。

 
Amazonアフィリンク

拍手

○「ある日、お姫様になってしまった件について」 4

 時代が進み、「なんか見たことない枠」はちょっとずつ増えている。今作は「いや、タイトルからして

ゴリゴリのなろう系だし、既視感しかないやろがい」と思われるかもしれないが、なんとも不思議なところが1つある。それは……放送時間が20分ちょいなのだ。私はAT-Xでの視聴なので他局でどういう扱いになっているか分からないが、オープンエンドを合わせても、既存のアニメ枠と比べると3〜4分程度短い。これが1話目だけの尺だったのか、今後も統一されているのかはよく分からない。元々中国で配信されていた作品らしいので、あまり時間は制限されていないのかもしれない。

 というわけでこちらは日本のアニメではない。Wiki情報を辿っていくと原作は「韓国の小説・漫画」で、原作漫画は日本のサイトでも翻訳版が配信されているとのこと。さらに昨年時点で中国でアニメが制作され、向こうの配信サイトにて発表済み。これが1年を経て翻訳版が日本にやってきたという流れである。この「韓国漫画が中国でアニメ化されて輸入される」流れ、もう忘れちゃったけど前にもなんかあった気がする。

 最近はチャイナアニメも色々と刺激が多い作品が増え、「よその国のアニメだからまだまだだね」とかいうマウントは一切取れなくなっているのだが、残念ながら今作についてはピンとこない側である。これまでも散々言語化できずに悩んでいる「なんか具体的に説明できないけどコレジャナイ感」がかなり強めの作品。以前から中国アニメを見て感じる「AIっぽさ」が今作もかなり強く、全体的に「ガワだけつくて魂入れず」てな感じがする。これは本当に肌感なので「どこが」ってのが説明しにくいのだが……誰か、日本のクリエイターとかがこの問題を切ってくれないもんだろうか。

 もうちょい頑張って観察してみると、まず、映像は「綺麗」なのである。ディティールもかなり細かいし、それなりに人手も費やしているだろう。「AIっぽい」はあくまで例え話であり、多分どっかに確実に使ってはいるだろうが、決して「全部AIに任せたような適当な出来」ではない。ただ、その上で最終的に出てくるものがびみょーに勘どころを外している。例えば細かいモーションを入れるタイミング、デフォルメにしてゆるい空気を出す間合いなどなど。すごく「見たことがある」構図は出てくるのだが、なんか色んなところに借り物感があるのだ。

 また、そんなツールを使って描かれるシナリオそのものもあんまり褒められたもんじゃない。いわゆる「はめふら」的破滅回避設定だが、これを主人公転生(?)後の3歳からスタートするという随分気の長い話。1話目では「予知夢は回避できる」ということを示すために盗人撃退の顛末が描かれたが、この盗人の行動があまりに馬鹿馬鹿しく、どこまでのリアリティラインで物語を進めたいのかがよく分からない。台詞回しに翻訳っぽさが強く出てしまうのも抵抗が出る部分で、色んなところが制作に絡んでいる果てに、なんかチグハグなものが出てきてしまっている。残念ながらあまり積極的に観たい方のチャイナアニメではなさそうだ。

 ただ、この「何となく合わない肌感」というのはこれまで散々日本のアニメを浴びてきたせいで無意識に身についたリズムみたいなものである可能性はあって、そうした要素を気にしない層や世代には単に「なんか綺麗な画面」というので受け入れられる可能性はある。そうなってくると、じわじわと自分の老害感が強くなっていく感がしてきついのだが……さて、日本でウケるアニメになるんでしょうかね。

 
Amazonアフィリンク

拍手

○「矢野くんの普通の日々」 5

 アニメの教室シーンといえば、メインキャラは窓際後ろの席と相場が決まっておりとなりの関くんも阿波連さんも、みんなその席に座っている。甘織れな子も確かその辺。これは「背景で追加の人物を描かなくていいから作画が楽」というのが主な理由だと言われていたが、それならば窓際じゃなくてもよかろう、というので最近は「廊下側真ん中」もチラチラ見かける気がしている。これは、人が出入りするドア付近さえ描かなければ同様に背景で楽できることが理由なのだろう。というわけで、今作で吉田さん・矢野くんが座っているエリアを「椎名立希エリア」と呼ばせてもらうことにする。すぐに杏仁持ってくるんだから。

 という全然本質とは関係ない話から始めてみたが、まぁ、何とも捉えどころがなくて困ってるだけである。「変な男子に積極的に女の子の方からアプローチをかけていくラブコメ、嫌いじゃないゼ」とか思いながら見つつ、「でもこの男子側の不幸体質、どっかで見たことある気が……」って作中ずっと考えてて、観終わった後に思い出した。そうか「式守さん」じゃん。男子サイドの「やたらトラブって怪我しそう」は完全に一致。ただ、式守さんの場合はナイト役に名乗りをあげたヒロインのおかげで未然に防がれるケースが多かったのに対し、こちらの作品の吉田さんは残念ながら無力だったため、矢野くんはボッコボコに怪我していると、そういう違いである。まぁ、普通に考えたら「理屈無視の超常不幸体質」を女の子1人で守れる意味もわからんので、こちらの作品の方が潔くはあるが。

 まぁ、この矢野の「不幸体質」をすんなり受け入れられるかどうかで作品の印象も多少変わってきそうだが、個人的には「そんなことより吉田さん可愛いから別にいいや」の気持ち。番組がスタートし、ワンショット目で「なんか変なキャラデザだな」って一瞬抵抗があったのだが、すぐに馴染んだ上に、放心してる時の間抜け顔が可愛らしく、ずっとそれだけ見ていたい気持ちにさせてくれる。甲斐甲斐しい献身キャラっぷりも憎らしく、そりゃまぁ、こんな子から気にしてもらえるんだったらどんだけ怪我したって学校は楽しくなるだろう。なかなか羨ましい爆発作品である。

 ここから先どういう形で2人の関係が掘り下げられていくか分からないので点数は据え置きだし、このまま日常ものっぽくマンネリ化していく可能性も低くはないが、全体的に「マイナス印象はない」作品なので、ダラダラと視聴する分にはちょうどいいあんばいなのかもしれない。

 ちなみに、吉田さんのCVについて「どっかで聞いたことがあるんだけど……誰だったっけ……ともりるじゃなくて……」とか悩んで結局出てこなかったのだが、正解は貫井柚佳でした。なるほど、割と強めに張った時の声質はこんな感じになるのね。相変わらず好きだわよ。そしてなぜかその親友ポジションにはまたまた種さんが……。ねぇ、仕事量セーブしてるんだよね? ほんとに?

 
Amazonアフィリンク

拍手

 今この瞬間がまさに「瑠璃の宝石」、最終話! 「次」を目指す最高のフィナーレをありがとう。

 最終回が温泉回! そんな暴挙はよっぽど極まったエロ作品でもなきゃ無理な相談だが、本作は「温泉は立派な調査対象なので」という斜め上の大義名分があるので堂々と最終話で温泉に挑むことができる。なんだかんだで海も温泉もクリアしてるんだから阿漕なアニメである。とはいえ、ぶっちゃけ温泉は光バリアがしっかりと入っているため、なんならいつもよりエロくないまである。序盤の徹底したフェティシズムに彩られたあれやこれやはヤバかったが、最近は(そりゃ大学生2人の乳のでかさはおかしいが)そこまでセクシャルな部分は押し出さなくはなっていたよね。まぁ、それでも視聴者は問題なくついてきてくれるって分かってるしな。

 エロはなくても学術的探究は欠かせない。伊万里さんがどういう関係性で高校生2人を温泉に呼び出せたかはよく分からんが(瑠璃の親はともかく、硝子ちゃんの親には「地学研究室で知り合った学術仲間です」っていう情報はシェアしてるんだろうか)、女4人での温泉旅行。普通に考えたらこんなご褒美シチュエーションもなかなか無いが、いかんせんそのうち1人が古美術にまで興味を伸ばす博物マニアで、残りの3人も全員鉱物と見れば食いついちゃう石好きってんだから色気も何もあったもんじゃない。一応最終回は瑠璃が進路について考えて「自分は研究職とかいうタマじゃないしなぁ」と思い悩むのがテーマではあるのだが、最初に石灰石リングを見せた時点で相当な食いつきを見せ、独自の調査で真相に肉薄している時点で、すでに研究職に何の不安も無いことは示されており、視聴者目線でも「何を今更」ってなもんである。ま、花のJK、思春期真っ只中ではまだ将来のことを考えるのは不安ですからね。おいおい、自分を見つめ直して適性を理解していけばいいでしょう。

 若者の未来には無限の可能性があるとはいうものの、すでに瑠璃の進路はじわじわと包囲網が狭められている。「地学系の就職先は少ない」とぼやく伊万里さんだったが、その割には高校生を自分たちと同じ魔道に落とし込もうという願望がバレバレ。まぁ、単に同じ趣味を持つ仲間が増えて嬉しいだけだろうし、当人たちの楽しげな様子を見ているからこそ積極的にサポートをしてくれているだけなのだが、このまま2人が進学してくることは必至。伊万里さんは出来れば2人の進路にも責任を持っていただきたい。まぁ、自分の進路さえ定かじゃない状態じゃ簡単なことではないけども。

 伊万里さんは温泉宿に2人を呼んだ時点ですでに研究の場になることを予測していたのだろう。まさかの顕微鏡持ち込み(しかも2台)で楽しい旅行がいつも通りの調査研究時間に。この状況で誰一人「温泉くらいゆっくりさせろ」と言わないあたりがジャンキーたる所以でね。楽しいことを共有してる仲間たちと旅行に行くと、観光やレジャーそっちのけで結局いつも通りのことやっちゃうよね。今回は「隕石探し」というちょっと目先が変わったターゲットも面白く、瑠璃たちもすっかり夢中であった。地学をやっているとどうしても下の方にばかり目が行きがちだが、これまで地球規模で考えていた話が今度は宇宙規模にまで広がっていると言われたら、そりゃ興味はそそられるものね。結局、顕微鏡をのぞいているときが一番楽しそうな瑠璃を見ていれば、誰も進路のことなんて心配には思わないのさ。

 好きが分かり、楽しいを知って、「次」が待っている。宝石のような瑠璃の時間も、しばらくは続くことだろう。

 
Amazonアフィリンク

拍手

Summer Pockets」 4→5

 まずもっていつも通りに謝らなきゃいけないのだが、だいぶ序盤から適当にしか観てませんでした。ほんならなんで最終回まで辿り着いて感想まで書いてんねん、という話になるわけだが、その辺の言い訳をまとめて最終評価としておこう。

 前提として、ギャルゲアニメに苦手意識があるという部分はいつも通り。今作も最序盤での台詞回しの薄ら寒さとか、細切れになったルート取りを見てさっさと見切りをつけようかとすら思っていた。個人的には、ギャルゲアニメの「同じ時間軸をループして個別ヒロインのルートを再攻略していく」っていう構造は、それ自体はなかなかの発明だとは思いつつも、やっぱりシリーズアニメとして見るのは億劫だな、という気持ちがある。一本筋の通ったアニメですら1クール2クールで描くのは大変なのだから、毛細血管のように枝分かれしたすべての枝葉末節を追う行為にあまり意味を感じない。

 今作も、1クール目の構造がそういう形だったからかなり序盤から適当な流れに。ただ、切るかどうか悩んでたタイミングでしろはパートが回ってきて、「まぁ、小原好美ヒロインのパートくらいは見てからにするか」ってんで視聴を続けていたら、そこから様子が違うぞ、という流れに入ったのである。最初に処理していたのは本当に「脇道」であり、2クール目を丸々費やして進めたお話こそが「本筋」。そこを描く前に舞台をなだらかにするためのパートが1クール目だったことが分かり、「もう、そういうことなら先に言ってよ!」と思った次第である(んな無茶な)。

 まぁ、おかげで「本編」と言えるしろは・うみのエピソードをがっつりやってもらったのに「いまひとつ着いていけねぇ……」という状態になってしまったのは自己責任であり、そこに申し訳なさを覚えつつもせめてもの罪滅ぼしで最後まで視聴。「マジで雰囲気でしか見てなかったけど……なんかこう、いい雰囲気だったな……」というアニメ視聴者にあるまじき結論でフィニッシュした。まぁほら、「小原好美ヒロインがほんとにいろんな表情を見せてくれるの最高だろ」という私にとって一番大事な部分は捕捉できたからさ。

 こんな事情を説明した後には何を書こうが虚しいだけだが、一応他の要素もお情け程度にサポートしておくと、映像部分の完成度はそれなりに高く、最後まで映像品質が保たれていたのは良かった部分だろう。鍵作品というと京アニやらP.A.やらと恐ろしくスタジオに恵まれる傾向にあるが、今作はfeel.の制作。最近のfeel.は地味に「高め安定」のスタジオ傾向にあるのでちょっと認識を改めたい。また、「全体的な雰囲気はなんだかなぁ」という入りではあったが、タイトルに冠した「夏」という要素に徹底した雰囲気作りは、純粋に良きものだと思った。やっぱり誰にだって「夏の思い出」ってあるわけじゃないですか。「夏休み」って幸せの象徴じゃないですか。無限の夏を続けた今作は、そこかしこに「夏」の情景を連ね、ノスタルジーを掻き立ててくれていた。この通底したイメージが2クールという尺をブレることなく支える基盤になっていたんじゃないかと思っている。画面にしっかり味わいを覚えるというなら、アニメにした意味もあったんだろう。

 いろんなところに、お疲れ様。

 
Amazonアフィリンク

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
09 2025/10 11
S M T W T F S
20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[10/15 とみしの]
[10/10 とみしの]
[10/03 とみしの]
[09/30 Serra]
[09/30 NONAME]
バーコード