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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「夏目友人帳 漆」 ―→6

 エンドレスハイスクールライフ。友人帳、どんだけ分厚いんだよ。

 もはや「サザエさんに点数つけてください」みたいなもんなので今期だけで何かしらの評価するってのも野暮な話だ。毎回丁寧に、きちっと30分で終わる話をゆっくりと12話。なんの不満もありゃしません。ただ、そこに6期や5期との差をつけられるほどの記憶も残っていないので。まぁ、「永遠に続けばいいのにね」ということで置いときましょうよ。

 次がいつになるか分からないので一応「7期目」ということを考えてちょい書き連ねておくと、流石にこんだけ話数が重なると周りの環境も変わってくる。具体的には、最初は生まれ持っての体質のせいで周りとの差を感じることが多かった夏目も、今やたくさんの友達を得て、不自由ない人間関係を構築できている(まぁ、一部問題のある連中ともつるんではいるが)。おかげで初期の頃のように友人関係で悩むようなことも少なくなり、話としては割と「外へ」広がる展開が多くなった。それこそ今回は名取絡みの話が2本あったり、割とゲスト方向に注目が集まる展開が多かったんじゃなかろうか。多岐さん絡みの話がもう1本くらいあってもよかったのだが……まぁ、お兄ちゃんの存在がクローズアップされるだけでも充分な出番か。

 そうして夏目自身のライフスタイルに大きな影響を与える事件が少なくなってきたので、話が転がるのが意外な方向になる。今回一番驚いたのは「レイコが名を取った最初のやつ」が出てきたこと。それって結構大事な存在だよね。名を返すカットが、通常ならバンクなのにきちんと「最初のページ」って分かる描写になってたのが芸の細かいところで好きでしたね。こういう話が出てくるってことは、やっぱどこかで「終わり」はあるってことなんだろうけど……サザエさんが目指せるかなぁ。個人的には、もはや大森監督のライフワークになっているので大切に扱ってほしいところである。

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「合コンに行ったら女がいなかった話」 6→6

 今作を受けて「近所に男装カフェってあるんだろうか」って思って調べてみたんですが……大阪に2件あるだけでした。僕の出会いは男装カフェにはなさそうです。

 好きな作品でした。ぼくぁチョロいオタクなので、こういう男の欲望がゴリゴリに固まったような設定に素直にころり転げてしまいます。特にM気質な人間はこういう圧倒的に男が受け身な設定は幸せに見えてしまいますね。

 いや、でもこれって男装っていう薄皮をちょろっと被せただけで普通のラブコメなんだよな。ヒロイン勢がさ、「ちょっと素直じゃないけどいつでもついてくる犬系彼女」「凄く不器用でありえないくらい素直で親切な朴訥彼女」「ヒネてるけどオタク趣味全開で振り回してくれるマニアック彼女」と、ふつーにオタクが好きそうな女子に衣装着せてるだけですからね。それなのにちょっと趣向を変えるだけでこうして新しい扉が開そうなんだから、人の認知なんてチョロいもんである。そりゃコンカフェも流行るわけだ(その結論であってる?)。

 とはいえ、今作が一発ネタの出オチ作品だと謗るつもりはない。色々と上手い部分はあって、アニメとしてこっそり感心したのは、ヒロイン勢の「男装時」と「女性Ver」でほとんど見た目を変えていないという部分。古典アニメ的なお約束なら「男装を解いたらその下から見目麗しい美少女が!」ってんで明らかに「美少女」然としたキャラにごそっと変えてきそうなところだが、それだと(ただでさえ現実感は無いのに)さらに嘘くささも強くなっちゃうし、せっかく男装させて「男装モードでも素敵ですね」ってキャラ設定にしてる意味がない。アニメ的には「見た目そんなに変わんなくない?」くらいでちゃんと「男女のスイッチ」が観られる方が面白みにつながる。

 また、この手のラブコメ、しかも主人公が皆大学生ということでちょっと油断したらすぐにエロ方向に手を出してしまいそうだが、本作は作中でエロ絡みのネタがほとんどない。まぁ、藤という歩くBL同人誌がいるのでそこだけは若干漏れてはいるが、そこだって浅葱の性格のおかげでエロに話題がずれることはなく、あくまで藤のキャラ付けに留まっている。まぁ、そもそもあんまりエロが求められるような絵柄でも作風でもないし、そうして余計な邪念が入らずにピュアっピュアな純愛絵巻にしてしまった方が設定を美味しくいただけるというのは正しい。この設定で女子トリオの中で一番おっぱいがありそうなのが藤ってのも「分かるッ!」っていう設定なんだよなぁ。

 それにしても、「実在性」という意味では女子3人ともそれなりに嘘くさくはあるのだが、今作最大の焦点というか、最も「非実在」なキャラは実は浅葱である。こいつがダントツでフィクションすぎる存在で、「こんなイカれた大学生がおるか!」というツッコミ待ちだし、この歳で性欲が1ミリも存在していないという、現代版のフェアリーである。そんな浅葱が際立つおかげで、他のカップルはピュアピュアさがどこか紛れた感じが出るし、「浅葱に比べりゃ常盤の難聴っぷりなんてまだまだ……」と思えるので筋が飲み込みやすくなるという。一種のペテンなのかもしれん。そういう意味では、ネタとして楽しむなら藤・浅葱ペア、純愛要素を強めに楽しむなら琥珀・萩ペアという棲み分けができているのもニーズに合っててよかったかもしれない(メインの2人は好きにしてもろて)。

 キャラも全体的に(なんなら男も含めて)可愛らしかったし、アニメとしてのデザインも終始安定していたので今期の「声を大にしては言わないけど実は好きな枠」でしたね。実質なんも終わってないような最終回だったし、余裕があったら原作コミック覗いてみようかしら。

 
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「メカウデ」 5→4

 第一印象からあまり変わらず、そのままプラスに転じることがなかった感じ。頑張ってるというのは理解できるのだが……。

 「作ってみたいもの」は薄ぼんやり見える気はする。1話目時点で「キルラキルがやりたいのでは?」って何となく感じたわけだけど、最終的にそれも当たらずと言えども遠からずだったんじゃなかろうか。シナリオコンセプトはよく分からんが、とにかくTRIGGERのようなイカしたぶっ飛びアクションを、ある程度メカメカしい部分を主体に繰り広げたいってのが一番のモチベだったと思われる。そうなると、正直シナリオの巧拙は二の次三の次になるのも致し方ないのだが……最初から最後までおよそ引っ掛かりなくスルスルと終わってしまった。そりゃま、何をか成さんとして「マジカルデストロイヤー」みたいなのが出てきたらそれはそれで困るのだが……もひとつ弾ける要素が欲しかったよね。でないと目指してるアニメーションのデザインに合わない気がするんだ。1クールで収めてくださいっていう制約があったらどうしてもこれくらいのサイズになっちゃうのかなぁ。

 印象に残りにくいとは言え、シナリオだけだったら「可もなく不可もなく」というレベルだったので特にネガティブな評価になる必要もないのだが、加えて作画部分、映像制作についてはどうしても辛めに見ざるをえない。結局どういう制作体制だったのかは分からんのだが、なんかこぅ……「一流の真似をしたかったけど2.5流くらいまでしか再現できませんでした……」みたいなフィルムなのよ。やりたい完成図に実作業が追いついてない印象で、視聴中によく思い出したのは、「若手アニメーター見本市」みたいな企画で出てくる3分とか10分のショートフィルムのイメージ。暴れた動画を3分とかで見せてもらえるなら刺激的だし、多少のアラにも目をつぶれるかもしれないが、それが1クール延々続くとなると、やっぱり「もっと手慣れてる作劇で見たかったな……」となってしまう。単に「作画が悪い」じゃなくて「何かやりたいことは分かるんだけどコレじゃない」というのがどうにももどかしい。そんで俺も別に専門家でもなんでもないのでどこをどう直したら「らしく」なるかも分からんので具体的なコメントも出来ん。俺たちはずっと雰囲気でアニメを見ている……。

 というわけで「雰囲気がどうにも」というのが結論ということにしておきます。ちなみにどうっでもいいことだけど、フィストの存在を認識して初めて「あっ、アルマってarmだったのか」ということに気付かされるくらい適当に観てたのは秘密。

 
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「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる(第2期)」 ―→4

 3期も!? うへぇ。どっから金出てるんだ(製作委員会だよ)。

 佃煮にするほどあるなろうアニメの中では比較的まともな方に分類している作品。一番の評価ポイントは「なろう的臭気があまり強くない」という部分で、これはもはや、あまりになろうアニメを浴びせ続けられたせいでちょっとでもなろう的な思考放棄傾向が見られると過度に拒絶反応が出てしまうせい。俺的表現では「ステータスウィンドウと収納スキルが出てきたら点数下げる」というやつである。

 そして、今作はもう1つの大きな減点要素である「鑑定スキル」を主軸に置いた作品なので当然減点対象となりうるが、そこを強みにすべく、「鑑定」というスキルを人材発掘のためのスキルに限定し、主人公が自分に才があるわけじゃないことを認めつつ、周りにチートを侍らせることによってなろう的基盤を固めるという形にしたわけだ。一応、そうしてリクルート活動だけを目的に設定していた1期目はギリで「まぁ、なろう的にはまだ考慮の余地あり」くらいの位置で踏みとどまった。

 しかし、当然そんな一芸だけで長い筋立てを引っ張れるわけではなく、2期目からはいよいよ「手に入れた人材を使って何を為すか」という部分から本格的にシナリオを組む必要が出てきたため、どうしたって凡庸さは浮き彫りになってきた。いわば「ならでは」に設定した武器を使い切ってしまったので、あとは徒手空拳で戦わなければいけなくなったのである。そうしてみると、特段匂いがせずとも「凡庸」の域は出ない。結局はご都合主義的な甘やかし英雄譚になってしまうのである。

 とはいえ、余計なガワを外して「周りに才を集めて出世する男の話」という中身だけを取り出してみれば、これはもはやなろうという文化すら前提に必要としない、より古式ゆかしいトラディショナルエンタメの形態でしかない。言うたらジャンプ漫画だってそうだし、ラノベも、なんなら時代小説みたいなものだってこういうフォーマットはたくさんあるはず。その中で今作だけを殊更に毛嫌いする必要もないし、そこまで大きなネガティブ要素があるとも思ってはいない。ありがたいことに制作スタッフは頑張ってくれているので映像部分は割と安定してるし、キャラ作画なんかは決して嫌いじゃない。少しずつ主人公が存在感を大きくしていく出世譚が、どこまで行けるものかを追いかけることはまだ可能な段階だろう。

 まぁ、3期が楽しみかと言われたらまったくそんなことはないのだが……これ以上に才能を勧誘しまくった時に、チームとしての統制が取れるのかどうかだけがちょっと不安である。麦わら海賊団だってあの人数で大変そうにしてるわけだからなぁ。

 
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「株式会社マジルミエ」 5→4

 「アクロトリップ」が点数維持でこっちの点を下げるってのは制作側からしたらありえん暴挙な気もするんだけど……刺さり具合からいうとなぁ……。

 先にフォローしておくと、映像部分はほんと頑張ってる。エフェクトばりばりの魔法戦闘シーンは、単なる効果だけで終わらずにちゃんとアクション作画を作ろうという意志が感じられるし、ほうきにのった魔法少女という一風変わった戦闘スタイルでこそ描けるファイティングスタイルを魅せようという工夫も感じられる。全体的に作画クオリティも高く、画面単体でも文句言われないだけの結果を出していたと思う。

 ただ……それだけにどうにも刺さらなかったのが勿体無い。なんだろね、最初に期待した「魔法少女+会社勤め」というトンチキ設定の無茶苦茶さが、あんまり作品の旨味として出てないのよね。さらに、アクション作画が良かったとはいうものの、それは「魔法少女もの」の旨味だったかというといささか疑問で、単に「ド派手なビーム戦闘」の旨味だったという気もするのよ。本作で見せたい「企業勤めで、プログラミングを駆使してシステムアップデートを繰り返しながら戦う現代魔法使い」というギミックは、なかなかアニメとしての面白さに繋げるのが難しい要素。必死にキーボード叩いたところでそれが戦闘にどこまで影響しているのかが伝わりにくいし、どんな怪異が登場しても、結局処理はビームがボーン!になってしまうため、あんまり「状況に応じたピンチの打開」っていう雰囲気が出ない。簡単に言えば「なんか毎回おんなじことやってるなぁ」みたいな印象で、途中から退屈になってしまった。ヒューマンドラマの部分にあんまり目を引く部分がなかったってのが一番の理由だとは思うんだけども……最近はやった言い回しを使うなら、「もっとくだらないものを見たかった」ってことなのかしら。

 一応2期もあるようなので、主人公の桜木が会社にしっかり馴染んでからの発展がシナリオラインとして活きてくれば、今後何かしらの膨らみはあるのかも。

 
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「きのこいぬ」 5→6

 これもまた不思議なアニメだった……いや、ゆるキャラアニメとしては真っ当なデザインなのかもしれないけど、しっかり1クール分のドラマがあるってのは意外な広がりだったよなぁ。

 きのこらしくじわじわとその勢力を広げるがごとく、なんか気になっちゃう作品だった。「面白いの?」と聞かれたら「分からん」と答えてしまいそうなくらいに自信が無いのだが、結局私はペットを題材にしたお話が好きなのである。愛玩動物を愛玩したいだけである。最初は「下手したら可愛いを通り越して怖いまであるやつやぞ」と警戒していたきのこいぬも、すぐに「これはこれで愛嬌あるよな」になり、さらに「家に一匹欲しいな」まで上がっていく。わざわざアニメ化した一番大きな目的に「きのこいぬの愛らしさをアニメで伝える」があるわけで、もこもこノタノタしたきのこいぬの動きを見ているだけで癒される時間は、しっかり制作側の意図通りに成立していた。

 その上で、単に「なんか可愛いキャラがほわほわしている」というだけでなくて主人公・ほたるが生活を立て直していく様子を描き、周りの人々との交流を紡ぐヒューマンドラマとしても過不足なく機能している。ペットロスだけだったらテーマとしてはちょい小さい気がするが、最終的には周りの人のあれこれ(恋愛含む)も巻き込んで「人の成長」につながるお話になっているので、ちょっとずつ視界が晴れて明るくなり、大人だらけのお話でも立派に「成長」って描けるんだな、というのが伝わってくるので温かい気持ちにもなれる。やっぱり、ペットセラピーってのは偉大なのさ。いや、そういう問題でもないが。

 まぁ、冷静に考えると「識字が可能な謎の知的生命体」は引き続き怖い存在ではあるのだが……登場人物たちが総じて「理由とかどうでもいいか」って言ってるんだからどうでもいいだろう。多分きのこいぬは悪いやつじゃないのは間違い無いのだし、むしろ一般的なペット以上に教育が可能であると思えば「ペット」以上の「家族」としてかけがえのない存在になっていくのかもしれない。将来的に大量発生したきのこいぬに人類が支配される「きのこいぬ・オブ・ザ・デッド」みたいなシナリオが登場しないことを祈るばかりである。

 映像部分も肩肘張らずに、かと言って抜きすぎず、ほど良きところで安定していましたな。こういうアニメは、深夜じゃなくてそれこそ朝とか夕方に放送して子どもたちに見てもらえばいいのにね。等身大ぬいぐるみ、ちょっとほしい。

 
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「ソードアート・オンライン・オルタナティブ・ガンゲイル・オンラインⅡ」 ―→7

 やっぱ好きな作品だなぁ。時間の都合で最終話感想とごっちゃになってしまうので申し訳ないが、ラストのエンディングの映像めっちゃ好き。誰が誰なのかよく分かってないけど(それでええんか)。

 というわけで、はるか昔の1期に引き続き、トータルでの評価は「よかったんじゃないでしょうか」で。流石に2期目なのでプロット自体は多少の義務感というか、やらされてる感が出て鮮烈さは劣るが、それでも求められている味は出せていたと思うし、総体で大きな不満はない。まぁ、ラストバトルのわちゃわちゃに関しては積み上げた設定があんまり活かされてないのでは? とは思ったけどね。事前に「誰か隠れてそう」と思ってマジで隠れてたクラレンス組とか、随分あっさりだったし。まぁ、相手が物量で押してくるパワーファイトなので、もうごちゃごちゃやらずに正面から押し返すしかなかったってのはしょうがないところか。

 むしろ、その後の「ネタバラシ」の部分のひどすぎる設定なんかはリアリティそっちのけで「今作で求めていること」をぬけぬけとやり通してくれたのでそこは満足度が高い。いや、実際の軍人さんがこんなおままごとみたいなゲーム程度で人生観変えられるのはおかしいとは思うが、それくらいにGGOというゲームがリアルに侵食しちゃっているという、本家を思い出した時の危うさとか、何度も死線をくぐってきた歴戦の猛者の覚悟をスナック感覚で追い抜いちゃう「ナチュラルボーンサバイバー」たるレンちゃんの狂気とか、そういうものをまるっと分かりやすく表してくれる展開だったからね。ガチムチ軍人が「何故我々は戦わなければならないのか……」って哲学しようとしてるのを、ウサ耳ロリが「楽しいからね!」の一言で一蹴していくの、場所が場所なら戦争の火種になっちゃうくらい酷いオチやぞ。

 というわけで、楽しそうなガンファイアーガールたちの戦いはこれからも続いていくエンド。中盤にはどう落とし前をつけるのかとハラハラした構成だったが、最後はレギュラーキャラ総出演のお祭りイベントをちょっとやって、そこで和気藹々と殺し合いすることでレンちゃんが「殺し合いって楽しいですね!」とモチベを取り戻すというハートフルエンドってことで結果オーライ。結局ボスとの対決は最後まで目の前にぶら下げられた人参だったが、視聴者目線では「対ピト戦」はこなしてくれたので責任は果たしてくれてると思えるし。

 3期があるとしたら、次こそはフカとタイマンやってくれ。

 
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「君は冥土様。」 6→6

 その最終回は最終回であってはならないよ……。えー、ここまで追いかけてきたのに……続きは原作読めってことなんでしょうか。2期の報があれば……。

 というわけで、最終回の幕引きでウーンとなってしまったのは事実なんですが、まぁ、とりあえず1クール楽しませてもらったのでよしとしましょう。「お前が一番楽しんだのはヒロインの声ではないのか」という詰問がどこかから飛んできそうな気がしますが、もし聞かれた場合には「そうですが、何か問題でも?」と返しておきますね。

 まぁ、ラブコメとしては割と凡庸な作品だったとは思います。アサシンメイドの設定だって今となっちゃ様式美の1つみたいなとこあるし、周りを彩る要素についても、全て回収できるならよいが、この終わり方だと「あそこも、あっちも、全部なんだったんだ」ってなもんで。個人的には最終回まで引っ張った割に横谷家の内情が言うほど秘密にする必要もなかったってのが肩透かし要素でね。まぁ、多分親父さんにはまだ語られてない秘密もいっぱいありそうだが……「アニメ本編でそこまで話さないよ」みたいな要素で引っ張られたのはちょっとご不満である。そして当然、メイントピックであるヒトヨシの恋模様についても、言いたいことは分かるがよりによってそこでぶった斬るんかい、というのはいかにも「はしごを外された」感があって今までワクテカしながら観てた身としては「おもてたんとちゃう」はしょうがない感想だろう。

 とまぁ、締め方については結構不満が多いのだが……でもトータルだと品質は高い方のアニメだったと思ってるんだよね。それこそ毎週楽しく感想は書けたし、映像美術の独自性は高品質な作品が多かった今期作品群の中でも一際目を引くものだった。なんなんだろね、特に「金のかかったアニメ」というわけでもなさそうだが、独自のデザインワークできちっとオリジナリティを出せているという。ここまで書いてきた作品だと「ネガポジアングラー」の「薄寒さ」、「魔法使いになれなかった〜」の「淡さ」と並んで、今作の「ざらつき」みたいな味わいはちゃんと魅力になってたと思いますよ。

 あとはまぁ、81プロデュースにファンレター送ればだいたい片がつく話かな……アサシンメイドだけでも設定過多なユキさん、終盤には「涙腺崩壊滂沱マシン」というよく分からない属性が追加されてお目目が可愛らしかったですね。メイドブームは遠くなりにけり、ではあるが、やはりどこかにこのゴシックメイドに憧れる気持ちってのは残ってるものなんでしょうね。

 
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「魔法使いになれなかった女の子の話」 5→6

 これまた評価が難しい作品だったな……。軸としては「ネガポジアングラー」と似てる部分がある。ちゃんと考えさせるだけの土台がある作品だというなら、その部分を評価してもいいかな、っていう。

 まずネガティブな要素からあげていくと、正直中盤はちょっとダレた感はあった。「ダレた」ってのも違うのかな。いったいどこに向かって物語が進んでいるのかがよく分からず、主人公のミライのモチベーションにしても「魔法使いになりたい? なりたくない?」ってんで困惑させられる部分はあったし、最大のキーパーソンであるミナミ先生の動向についてもあまりに読めない部分が多すぎて、それを追う考察が捗るわけでもなくよく分からんテンションのクラスメイトやマギ研の面々との絡みをどんな気持ちで見守ってればいいのかが迷子になってしまった。

 とはいえ、こうした「先行きの不透明さ」は実のところ作品の本質的要素であり、そこを安易なお約束に落とし込まずに考えさせ続けることこそが本作の狙いであったのだから、そこでちょいストレスがかかったのはむしろ狙い通りとすら言える。本作で描きたいのは学園生活を通じての青春模様ももちろんだろうが、そこから先の“未来”を常に考えさせ、無限に広がる可能性を想起させること。この世界の魔法は何でもできる力でありながら、その裏に横たわる問題は極論すれば「他人から借りた力なんて結局は一時的なものでしかないんだ」という教訓であり、ミライはそうした魔法の姿を受け止めた上で、「その先」を模索する道を選んでいる。「魔法使いになれなかった」という一見ネガティブな言葉の裏に隠れた「だけど魔法使い以上のものを見つけた」というハッピーな要素。この切り出し方はとても印象が良い。

 根本的な部分ではミライとユズのダブルヒロイン体制がしっかりとこのメインプロットをサポートしており、「魔法使いになれなかった女の子」と「魔法使いになった女の子」を全く同じ視座に立ち、同じ方向を向いた仲間として描くことにより、決してミライの選択がネガティブなものではないことを端的に示してくれている。友情物語としても素直に受容できる筋立てだったし、ユズさん御一行が分かりやすく楽しい狂言回しに徹してくれたことで話も膨らませやすくなった。登場時にはほんとにトンチキなだけかと思ってたクラスの連中についても、なんだかんだで絡んでいくうちに少しずつ肉付けされていく様子も「学園もの」の要素をうまいこと消化してくれている。第一印象の薄かった作品ではあるのだが、じわじわと滲み出すようにして世界の全体像を炙り出すその構造は、1クールの間ゆっくりと浸るには充分な味があったと思います。

 そしてこの「淡い印象」を補強する絵作りも見どころの1つ。特徴的な絵本のような色彩は最後まで徹底しており、今期大量の作品を抱えて不安視されていたJ.C.STAFF制作のアニメの中では、安定して評価できる映像になっていたんじゃなかろうか。どの辺の年齢層を狙うかは難しいが、思春期間近のお子さんの情操教育、進路教育の教材として使ってみてもいいかもしれませんよ。

 まぁ、その場合にはラストの不穏な引きの部分だけカットしてもろて……。

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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