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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Paradox Live THE ANIMATION」 6→6

 実は結構すごかった作品。これもちょっと感想書くタイミングを逸してしまったけど……トータルで観ると各方面に向けて重要な作品になった気がする。

 今期はこれと「ヒプマイ」が同時期に放送され、パイを食い合う勿体無い展開になってしまった……と序盤は思ってたんだけど、特に食い合ってなかったというのがまずは大きな誤算。どうしても類似作品というので事前に「ヒプマイ」のことが頭にあり、1話目を観た直後には「ヘンテコ設定だけどHIPHOPのことしか考えてないアホ世界ならしょうがないよねwww」って適当に受け入れようとしてたんだけど、ヒプマイがギャグアニメだとするならこっちはホラーアニメだった。最初に「なんやねんその設定ww」って笑い飛ばした部分が実は作品の根幹に関わる設定で、「なんやねんファントメタルって、そんなすげぇ物質があるなら音楽活動以外にも使えよ、そんで使ったところで単なる豪華な演出装置ってだけやんけ」って思っていたら「そうですよ、ファントメタルはすげぇ物質なんです、でもHIPHOPアーティストしか使ってない理由はこれとこれとこれです。そしてこのメタルがあるからこそこういうシナリオが展開していきます」って全部飲み込んだ上でお話を回された。俺ごときが思いついたような適当ないちゃもんは全部想定内で、それらをきっちり活かしたオリジナルの展開を見せた。そこがなんか悔しい。

 CGを多用した映像部分も無機質なライブのためのツールというだけでなく、今作最大の特徴であるメタルの描写は生々しさにもつながったし、それ以外のキャラ作画なんかも案外熱のこもったものが見られてお仕着せではないパワフルなステージになっていった。ヒプマイがゴテゴテに装飾した重爆撃だとするなら、こちらは細かい刺激で恐怖心まで刺激することを想定した全方位型の感情発露ステージ。このデザインはしっかり全体像が見えないと作り上げられなかったものだろう。

 まぁ、どこまで行っても「ライブもの」の範疇なのでそもそもHIPHOPのテイストが合わない人には興味を持たれないリスクもあるのだが……1話目の展開で心離れた人がいたら、ぜひもうちょい改めて見てほしい作品。多分「なんやねんこれ」って言ってるうちにどんどん迷宮に迷い込む感覚が味わえるんじゃなかろうか。分かりやすく誘致要因を紹介しておくと……「裏で石田彰がよからぬことを企んでたよ」。

 

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「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」 6→5

 長い道のりでしたね。とりあえず最後まで見届けられたのはよかったよ。

 ただ、いかんせん印象も記憶も薄れてしまっているのでまっとうに評価できる気はしない。一挙放送されたラスト3話だけ見ると「非リアに優しくないアニメだな……」っていう僻み根性が促進されるお話だったし……。「ゾンビみたいに生きるくらいならやりたいことをやろう」っていうテーマの裏側に「やりたいこと」がどれだけエゴイスティックなものかっていう話が横たわってたわけなんだけど、それが結局は「ゾンビ前の世界」に左右されてしまっているせいで世界の変革に大きな意味が与えられなかったっていうのはどう転んでも残念な結末。まー、敵キャラってのはそういうもんだろうけど。

 素体はとても良くできたアニメだったのは間違いない。映像クオリティの見事さは個別の感想で書いていたことだし、パニックホラーにギャグを交え、程よくシリアスを加えることでストーリーを進行させる展開もとても分かりやすい。漫画原作のアニメ化としては非常に恵まれたものだったんじゃなかろうか。ただ、それだけにほんとのほんとにこの製作遅延はもったいなかった。きっちり通しで最後まで観られたら絶対に評価は上げていた。それくらいにテレビシリーズにおける遅延ってのは印象が悪いのである。

 まぁ、配信がどんどん増えて時間に縛られないアニメ視聴が可能になった今のご時世、こうして毎週のテレビ放送形態にこだわっている俺みたいな人間はどんどん減ってるのかもしれんけども……「毎週決まった時間に30分放送される」っていう大きな足枷があることで生まれる文化ってのもあると思うのよね。それ以外の形態の作品への評価は、他の人に任せるわ。

 

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「鴨乃橋ロンの禁断推理」 5→5

 こちらは2期が決定しているという。確認したら原作は12巻あるらしいので、まぁ2期分くらいはあるのかな。やっぱジャンプ漫画は安定して続編制作されるナー(だったらダークギャザリングも何とかしてください)。

 あんまり熱心に見守る気もなかった作品だが、見ていて退屈もしなかったくらいのお話。強いて心揺さぶられる部分があったとしたら、「天野明はもうモリアーティから逃げられないのかよ」と思ったことくらいだろうか。でも、散々このブログで文句を垂れていた「ミステリとアニメの相性の悪さ」については、今作ではそこまでネガティブな印象はなかった。これはミステリ好きの皆さんにとってはあまりいい結論じゃないかもしれないが、やっぱりあんまりがっつりミステリしない方がアニメとしては穏当な出来になる気がする。これって、アニメでヒットしたのが金田一ではなくコナンだったことからも裏付けられているのかも。

 最近の作品でミステリ部分があまり効果的に働かなかった印象があった作品というと例えば「虚構推理」があるし「アンファル」もミステリ部分はやはり重たかった。これらに共通するのは、1つの事件に3話以上を割く展開になりがちなこと。つまり、事件パート・捜査パート・解決パートなどにそれなりに丁寧に時間を割いていること(「虚構推理」はこれに化物バトルパートも加わるが)。ミステリとして見た時にはそっちの方が誠意あるデザインなのだが、アニメだとやっぱりダレる。特に捜査パートは本当にやっつけ仕事になりがちで、「わざわざアニメで見ずに原作でいいんじゃないかな」となってしまう。そうした間延びした印象を与えにくいのが、いわば「コナン形式」とでも言うべき1話1事件の形式。これならすぐに一番楽しい「解決編」が見られるのでテンポが良い。当然その分捜査や構造自体が二の次になってしまうわけだが、結局アニメで得たい快楽ってそこではないということなのだろう。思い返せば「レイトン(カトリー)」のアニメなんかも1話1事件でそれなりに楽しめた記憶があるし。

 あとはそうしてテンポが速くなるとすぐにネタに詰まってしまいマンネリに陥るというリスクがあるが、そこは単品の事件そのもの以外の大きな流れでカバーしていく。今作で言えば「ロンの症状改善と過去の因縁」がそれにあたり、2期まで作成されてもおかしくないくらいにはきちんと興味を引く縦軸になっている。コナンだったら黒の組織との対決がこれにあたるが、流石に今作が100巻以上続くようなことにはならないだろうから、「どっかでゴールしてくれるんじゃないかな」っていう期待があるのも大事なこと。結局、推理アニメは「結論を早く見せておくれよ」っていうモチベがどうしても強くなっちゃうってことなのかもしれないなぁ。

 別に単品の事件自体がそこまで面白くなくても推理アニメは成立する。第2のコナンを生み出せるのはいったい誰になるだろうね。いや、あんなバケモンアニメが2本も3本も作られたらたまらんけど。

 
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「僕らの雨いろプロトコル」 5→5

 今期追いかけて感想を書いていた作品の中では一番ビミョーなラインでゴールした作品。まぁ、視聴中にも「びみょー」さについては割と意識的ではあったんだが……最終回の丸すぎるまとめ方がだいぶ期待からは逸れてしまった印象。いや、何されたら満足したかは分かんないんだけどさ。

 最終回でまとめた通り、それまで期待していた要素でうまいこと落とし込めた部分が少なく、結局「1クールでまとめ切るとこんなもんかぁ」というくらいの決着になってしまった。まー、元々「e-sportsをテーマにしたアニメ」ってんでどんだけのことが出来るかと訝しんでいたところからスタートし、「おっ、テーマと残念な作画力の割に、案外強い引きができてるじゃん」という印象で興味を継続していたわけだが、結局興味を引くために「気になる要素」を盛り込み続けて、それが最終話で全部霧散してしまったらあんまり印象に残らないってのも当然の摂理。そこまで理不尽な幕引きというわけでもないのだから、そこに文句を言うのはお門違いなのかもしれない。勝手にこっちが期待して、勝手にがっかりしただけなのである。

 でもなぁ、せっかくならもうちょい振り切って欲しかったなぁ。中盤の演出方向とかをみれば、もっとギトギトのドラマを作ることもできたとは思うんだよね。そしたらもうe-sportsとか関係ない単なるヨスガノソラになっちゃったんだろうけど(もしくは「星合の空」かも)、僕としちゃぁそれでも良かったんだ。結局、e-sportsみたいに表現するのが難しいテーマだと、もう他の要素で引っ張り続けるしかないんだし。今作をきっかけにプロゲーマー目指そうなんて人間はおそらく現れないだろうから、思い切り業界をぐちゃぐちゃにしてケツまくって逃げる勢いでやっちゃう選択肢がなかったもんか(そんなことしたら各方面から非難轟々だろうけど)。

 とりあえず、一定数以上の濃密な兄妹関係を楽しむことができたのでそこはヨシとするし、ROXや悠宇などの変なやつを描く時の筆致は面白かったのでそこも評価ポイント。作画がワンランク上で時野谷家の陰鬱な日常をもっと克明に描けていれば何らかの傷跡を残すアニメになれたかもしれんのが残念。とりあえず供養のために、誰かレトルトカレーを飲み物として普段使いしてくれ。

 
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「攻略うぉんてっど! 異世界救います!?」 5→5

 今期も中国アニメのお勉強が出来ましたね。ほんと、こういうデザインの製品だと大外れがなくなってきてるなぁ……「凹凸世界」の時代からもしかしたらこういう片鱗ってあったのかなぁ。

 キャラの可愛らしさが最初に興味を引いた作品で、その部分に関しては最後まで徹底していた。というか、CGだから大崩れのしようがない。直前に「ミリマス」について「CGメイクだからどうしてもレディメイドな印象が拭えない」と書いたが、今作のCGキャラに関してはそうした「省エネ」の結果じゃないのできちんと差別化が図られているし、動画にした時にもかなり表情のディティールまで表現できている。いわゆるジャパニメーション的な「カワイイ」デザインのCGアニメーションとしては、終始完成度の高さを見せつけてくれた作品である。

 また、異世界チートをテーマにした作品であり「ゲームの中に入っちゃった!」という毎度お馴染みななろう設定をコピーしたラインではあるが、ちゃんと「ゲーム世界」という設定を噛み砕き、「いかにもゲームらしい」部分をきちんと独自演出にしてあるところが有象無象のなろう作品とは大きく異なる点。ゲーム世界でチートするからって、システム上の時間停止やら位置転送まで駆使して相手をねじ伏せる鬼畜プレイヤーが出てくるとは思わないじゃないですか。そういうところでがっつり「ゲームとはなんぞや」という解体が行われているのは、「この設定をしゃぶりつくしてやろう」という貪欲な創作意欲の表れだと思う。まぁ、多少ゲームの感覚にインターナショナルなズレはある気もするが……ほとんど違和感なく「ゲーム世界アニメ」を共有できるようになっているという点で、現代社会のグローバル化を再確認できるようである。

 キャラの設定も充分にクセが出ていて魅力的で、中でもメインを務めるイノーの鬼畜チート設定と、その下で不幸を身に浴びながらもめげないエンヤァのコンビは普通に見ていて楽しい師弟コンビだった。ゲームキャラなりの色んな「かわいい」が見られるデザインもいいよね。

 こうして書き出してみると本当に欠点らしい欠点もなくいいアニメなのだが……なんだろ、そこまでどハマりした印象もないのは単純に「ゲーム世界」に私があんまり興味をもてなかったからなのかしら。あとはどうしても「中国アニメ」っていうと「万聖街」や「フェ〜レンザイ」と比べてしまうので、どうせなら日本アニメで見られないものを期待しちゃってるのかも。本当に「日本で作られてもおかしくないような筋立て」だったので、馴染みやすかった分だけかえって新鮮味が薄れてしまったのかしら……考えれば考えるほどに、これって単なる色眼鏡な気もするな。今後もっともっと中国アニメが輸入されて本数も増えてきたら、そのうちに国の違いなど気にせずに見比べることができるようになるのかもしれない。

 何はともあれ、最終話でひたすらくまちゃんが気合い入れてゲーム攻略してるシーンは耳が幸せでした。キャストもまじでギチギチに詰め込んでたなぁ。「翻訳アニメ」だとキャスト成分贅沢になりがち。

 
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「アイドルマスター ミリオンライブ!」 6→4

 1クールアニメだったんかい。何でこの人数を1クールで描けると思ったんだよ。

 新番チェックの時に書いた文言をそのままコピペすると、「ソシャゲアニメだからどーせキャラの陳列ショーになっちゃうんじゃないの?」。1話目を見た時点では「そうならないアニメっぽいよね!」と高評価をつけたわけだが、……見事になったねぇ。そういう展開になっちゃったねぇ……。そりゃ無理よ。外様に理解できる範疇を超えてるわよ。評価のしようがないわよ。

 一応理解できそうだった部分から書いておくと、特に中盤以降はとにかくライブシーンが多く、ファンにとっては一定の価値がある時間だったんじゃないかとは推察できる。我が推しフィールドであるバンドリにもそのもズバリ「FILM LIVE」という延々ライブをやり続ける時間があり、あれをファン以外の人間が見てもまぁ面白くはなかろう、というのは分かる。それをあえて地上波の時間を使ってやることを選択したのが、今作1クールだったというなら、ファンはそういう受け止め方ができたかもしれない。

 ただ、普通に考えたらファン以外の人間に訴求することを目的とすべきであって、中盤のよく分からん組み分けでドタバタする1話2話程度で溢れかえるアイドルのキャラなんて把握できるはずもなく、せいぜい「ここでもうえしゃまヒロインはトップアイドルだな!」と確認できた程度(?)。その後で「ハイ、このプロジェクトにはこんな奴らがいることは伝わりましたねー、じゃ、ライブするからねー」と言われても「知らんがな」でおしまいである。ライブシーンのきらめきってぇのはちゃんと個々の人間性に裏打ちされた状態で初めて輝くものじゃないのかい。

 そして、多すぎるキャラの認識を阻害してしまった大きな要因に、CGで組み上げられたキャラクターデザインがある。これもおかしな話でねぇ、1話目を見た時点では「CGだけどクオリティが高いからあんまり気にならんよね」と書いたんだけど、それはあくまで数人のキャラに焦点を絞って描いた場合の話。これは感覚的な要素なのでどういう影響を及ぼしているかは本当に印象論なのだが、CGでの画一的なキャラクター描出は、髪の毛や細かいパーツで差をつけてきちんと識別できるように設定されているはずなのに、何故か「無個性」に感じることが多い。もしかしたらCGだろうが手描きだろうが個々のパーツは同じように描かれるかもしれないのだが、何故かCGだと脳が「レディメイド」だと認識しやすい。この感覚、伝わるだろうか。

 そうしてキャラが「パーツを付け替えた同一素体」みたいに認識されてしまう部分があると、当然識別に割かれるリソースが増えて作品内容への理解が落ち、全体的な評価が下がる。まぁ、仮にお話を認識していたとして、中盤のドタバタ展開が面白かったかどうかは微妙なところなのだが……せめて半分の人数でやってくれればまだモチベも維持できたかもしれないけど……。

 残念ながら今回もアイマスへの架け橋は私に届かなかった。……このままだと149センチ未満の子しか受け入れられなくなってしまうのだが。事案ですか?

 

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「帰還者の魔法は特別です」 4→5

 1話目の印象も最終話の印象も全部Mr.マリックがもってっちゃうのは絶対に勿体無いと思うんだよな……。

 だいぶ悩んだし、誤解を与える危険性もあるかもしれないが、最終的に点数は上げることにした。何故悩んだかというと、どうにもプラス要因を説明しづらいから。とりあえず、当初与えられたネガティブな印象で払拭された部分から上げていこう。まずは「今期は偶然『何故かタイムリープして過去をやり直す主人公』が被ってしまったので飽きた」というマイナス点。こちらは完全に作品に責任がないいちゃもんなので修正。結果的に「ラグナクリムゾン」が別次元へと飛び立ち比較する必要もなくなり、「ティアムーン」もそれはそれで成立している作品になったので一応肩を並べるのは「東リベ」くらい。そして今作の場合、一応はタイムリープ設定にも意味を受け取ることができた。

 今作は「なろうのようでなろうでない」韓国の小説が原作とのことだが、なろうみたいだと思って侮って見ていたら、ちゃんとお話を書こうという意識が感じ取れたというのが関連する評価点。タイムリープ設定によって「ありうべき未来の更新」という明確な目標がつくられたおかげで、「転生したけどやることがなくて行き当たりばったりにチートをばら撒く」みたいなそこらへんのなろう主人公とは一線を画す「ちゃんとした主人公」になっている。おかげで味方パーティーに加える人材も明確に決まっており、不必要なハーレム設定なども付随せずに(少なくとも今期は)ロマンティカとプラムという2人の仲間にのみ、指導と友情を注いでいる。1クールで描ける関係性の物語としては程よい分量だろう。

 また、1話目で「なーんか好かん」と言っていたキャラデザについては、ぶっちゃけ慣れた。映像部分に関しては決して褒められたものではなく、作画を客観的に評価するならやはり点数は低いままになってしまうのだが……ここが一番言語化の難しいところで、なんかね、他の「とりあえず形だけでも作ったことにすれば言い訳はできるだろ」みたいな地獄のなろう作品と比べると、スタッフが「なんとかちゃんとしたものを作ろうとしている」感覚があったのよね。それはコンテ演出などの工夫なのかもしれないし、作画スタッフの小さなこだわりなのかもしれない。トータルで見るとどう足掻いても「予算不足のショボ作画」でしかないのだが、なんかこう、たまに「いや、でも面白く見えるとこもあるやん」と擁護したくなる、そんな不思議な空気があったのだ。これはまぁ、ある程度シナリオが見るに耐えるもので、そのためにある程度画面を注視できたからこそえられた結果なのかもしれないが。

 ただまぁ、そうして「案外悪くなかったのでは?」とは思いつつも、2期があると言われるとちょっと怯んでしまう情けない私もいる。……2期かぁ……内容覚えてられるかなぁ……。

 

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「ティアムーン帝国物語〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜」 5→5

 まぁ、想定内の作品。予想を裏切るだけのパワーがないというのはマイナス評価になるが、今作は一応「予想以上にアホ」というプラス評価があったので穏当な結果に。

 なろうが誇る「頭の悪そうな要素」ってほんとにたくさんあると思うんですよ。まぁ、別に私はなろうソムリエではないのでそれを細分化して説明なんて出来ないんですが、とりあえずざっくりと「周りの人間を無知に仕立てて、なんてことない振る舞いでも全部礼賛される脳死オレツエー展開」ってのは代表的ななろうのキツい要素じゃないですか。普通に考えたらノンストップマイナス評価になるはずなんですが、どんなことだろうと、突き詰めていけば長所になる可能性を秘めてるんですね。今作は「なんてことない振る舞い、偶然の適当な言動が全部礼賛されるオレツエー作品」なんですが、主人公・ミーアがやってることは本当に「どーでもいいこと」だけなんですよ。いわゆる無自覚にチートを発揮してしまったが故のムカッ腹の立つ「俺何かやっちゃいました?」ではなく、本当に何もしてないが故の「わたくし何かやってしまいましたの?」なのだ。どっちかってぇとなろう的文脈ではなくてラッキーマンの方法論。私の中ではザコのイキった振る舞いが結果的に武勇伝になる構造を「カメレオン文法」と呼んでいる(ところにより「刃森尊技法」ともいう)。つまりなろう文脈などを紐解かずとも少年マガジンを中心に古来より受け継がれてきた芸風なのだが、それをこうして「いかにもなナーロッパ世界の王族物語」にしたことが相性の良い部分だったのだろう。

 何が強いって、「理不尽であること」を最初からネタとして組み込んでしまっているので、「まーたマヨネーズでイキってるよ」「当たり前のことをやって褒められるのキモ……」みたいなツッコミを受け付けないのだ。ラッキーマンの立ち回りに文句を言う人間が誰1人いないように、ミーアが適当な振る舞いをしたせいで歴史が変わったとしても、「そういうもんだ」と飲み込めるのだ。これが認められてしまえば、多少強引に思いついたままのシナリオを紡いだとしても成立する。なろう世界の持つ「適当さ」そのものがかえって味わいになるという逆療法。これは良い思いつきだったんじゃなかろうか。まぁ、多分ごまんとあるなろう作品の中には同じ技法を使った作品も塵芥の如く積もっているのだろうが……少なくとも私が観測したアニメ作品の中ではこれが初めてだったし、幸にしてSILVER LINKの作ったアニメ映像は比較的高品質であった。徹底してギャグ演出を貫いてくれたのでお気楽にみられるし、「そういう作品だよ」ということを全身全霊で伝えてくれたので飲み込みやすさもアップ。ちゃんと「アニメ化した意味がある」映像になっていたのはスタッフの手柄だろう。

 まぁ、だからとて別に続きが気になるようなもんでもないが……特にゴールも決める必要がないふわふわした設定になってるのもおいしいところなので、案外アニメ続編も出てくるかもしれんね。はめふらに負けじと劇場版とか……いや、観ないだろうけど……。

 

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「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」 4→3

 今期後悔していることの2つ目は、このアニメの切り時を見失ってしまったこと。なんで最後まで観てるんだろう……。

 一応理由はございまして、まず、自分ルールとしてどんだけ受け入れにくい作品でも公平を期すために3話までは観ることにしてるんですよ。そんで今作で3〜4話目あたりに何が起こったかというと、2人目のヒロイン・黒瀬が登場して何かただならぬ空気を醸し出し始めたタイミングなんですよ。そこから闇落ちした黒瀬が無茶苦茶なことをやり始める展開があり、「えっ、この子ヤバいやつじゃない?」って地獄みたいな展開を期待しちゃったのよ。闇堕ちでも病み堕ちでもいいんだけど、サブヒロインがぶっ壊れておはぎに針を仕込んだり、片耳を切り取って送りつけてきたらだいぶ盛り上がるじゃないですか。そこまで頑張ってくれないかと思って黒瀬の顛末を見届けようと思ったんですよ。そしたら思った以上にしょーもない落としどころだったもんで、「まぁ、そうよね……」ってしょんぼりしたんですよ。そっからはまぁ、貧乏人根性で「ここまで観たなら最後までかぁ……」って惰性で。こういうところでの損切りがほんとに下手なんですよねぇ……。典型的なコンコルド効果。わたしゃソシャゲの課金とかもめちゃめちゃ下手で、時期を逸したズルズル傾向はどうしようもない。こういう人間は絶対に投資とかに手ェ出しちゃダメだぞ。

 アニメ視聴も人生における時間の投資だと考えると、無駄になった時間は返ってこない。後半の「いったい何を見せられているんだ……」感は今期アニメの中でも群を抜いており、何がすごいって、すでに「オタクの憧れる非実在性ギャル」ですらなくなってるのよ。「オタクにすら理解できない、何言ってるかよくわかんないギャルのような生き物」が描かれるんですよ。え、もしかしてこれが理解できないのが本当の陰キャの証ですか? まさかそんなことないよね? こんな概念、存在しないよね? もう、そんな「夢物語ですらない何か」にただただ呆然とするだけでしたとさ。

 まぁ、エルフもドワーフも実在しないけどなんの疑問も持たずに付き合えるのだから、もしかしたら今作もファンタジーの新しい潮流として受け入れるべきなのかもしれないですね。エルフ・ドワーフ・吸血鬼・非実在ギャル(CV大西沙織)。正式にMagicのクリーチャータイプとして採用されてから考えるわ。「タコ・ギャル」とか「ウーズ・ギャル」とかが出てきたらアツい。

 

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