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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 突然研ぎ澄ました百合の刃で一閃するのやめろ、第3話。ソフトエロが売りのアニメでソフト百合。これが、時代のニーズか……。

 1期の頃からそうなんだけど、中学校が舞台の学園エロコメバトルのくせして、相変わらず人の命が簡単に失われそうになってしまう作品である。すそがえしのリターンが大きくて、今回も最終的に車椅子生活を強いられるレベルにまで落ちてしまっているのは恐ろしい。まぁ、一応回復はするらしいが……それでも、中学陸上部が練習できずに数週間休んだら、大会結果には致命的な影響を及ぼすだろうしなぁ。あくまで「因果応報」の一環として描かれてはいるものの、やっぱり可哀想ではある。

 まぁ、そんな結末にたどり着くまでの愛憎の物語が、百合というかなんと言うか。そういや今作はラブもエロも色々と描かれてはきたが、正面からの女性どうしの愛情表現ってのは今まで無かったか(怪しいのはそこかしこにあるけど)。一応本人の口から「そういう趣味は無い」と明言されているので一応友情の範疇ではあるのだが、憧れと嫉妬、そして独占欲が入り混じったこの感情は、やはり得難いスペシャルなものには違いあるまい。まぁねぇ、ちっちゃい時って、ほんの些細なことからでも優劣関係が動いちゃったりするからねぇ。友達どうしで「上下」を気にしなきゃいけないってのも、因果な話である。

 なんか、地獄少女でこんな話見たことある気がするよな(そう考えるとやっぱりすそがえしくらいで済んでるのは優しい方なのかね)。

 

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 ハッピーエンドだったな! 最終話。まぁ、これはこれで期待通りの終わり方と言えるのかもしれない。

 最終話に至って、改めて「素人はサイドカーレースのことなんてさっぱりわからんからキツいぞ」という当初の懸念が浮き出してくるという奇妙な展開。最後に三宅女子が勝つことは予定調和なので問題ないのだが、その勝利の要因が、「天候不順でなんかよく分からないけど全車横並びの状況が出来上がった」「よく分からないテクニックを駆使して1台ずつ抜いていった」という、今まで特に使ってこなかった要素による勝利。うーむ、まぁ、これについては伏線張るのは難しかったと思うが……F1レースとかのファンなら、あのイエローやらグリーンやらのフラッグのルールは割と馴染みがあるんですかねぇ。こういう時に視野の狭いオタクは難儀しますね。

 まぁ、レース中にあれだけの大喧嘩で時間を潰してしまったら、なんらかのルールの穴でもついていかなきゃ勝てないですからね。ラッキーでもなんでも、とりあえず勝てたという要素はそれで飲み込むことにしましょう。今作で重要なのは、レースそのものよりもそこから生まれる人間関係の方なのでね。ただ、そちらも残念ながら割と即興だった気がするのはちょっと惜しい。ゆり&めぐみペアはこれまでそれなりに筆を割いて描かれてきたキャラクターではあるのだが、大体毎回喧嘩してばかりだったのであまり追加情報がなく、「昔は同じ夢に向かって仲睦まじくしていた」っていう印象があんまり無いんだよね(1話目くらいでちょろっとやってたかなぁ)。その2人が、怪我や天候トラブルなどの不運が折り重なってレース中にめげてしまい、そこから互いの不甲斐なさをなすりつけ合うという展開までは良いのだが、そこから何をきっかけに立ち直ったのかは分かりにくい。「コーチなんていなくても本当はレースって楽しいんだよね」ということを思い出せたということなのだが、せめてもう1つ2つ、明示的な復活の手がかりがあった方が説得力はあっただろう。多分、普通に構成するなら今回の大喧嘩は前回のうちに処理しておき、今回は決裂した状態から仲直り→激走という流れにした方がよかったんだと思う。まぁ、そのほかのエピソードとの尺の折り合いもあるけどねぇ。

 個人的には、ゆりがマウントとったときにグーじゃなくて平手でペチペチめぐみのほっぺたひっぱたくところがなんかしょうもなくて好き。まぁ、女の子同士のキャットファイトならこれくらいがいいですかね。実際はグーよりも痛みは大きいなんて話もありますし(だとしたらひでぇな)。アニメでもなかなかみる機会がない、女の子同士の激情キャットファイト。殴り合ってからの友情タッグは定番中の定番だが、王道展開をこなして臆面もなく優勝をかっさらう展開は個人的には嫌いではないんだ。そして、その後にコーチがなんかよく分からない理由でフラれる→可能性が残ったってんでまた元の木阿弥、っていう展開もお約束っぽくて良い。しかし2人とも、あれだけサイコパス気味のゴミクズ野郎だと分かったのにまだ諦めないのか……。怪我で落ち込んでる教え子に「ポジション変えれば決勝出られるぞ」とかとんでもないこと言い出すコーチだぞ。オメェがどっちも出来るからって誰でも出来ると思ってる時点でちょっとやばい(そして実際にできる2人もちょっとやばい)。

 とりあえず、特に奇をてらうでもなく、無難に終わった最終話。これはこれで文句の出るもんではないが、果たして我々はこの作品に何を求めていたのだろうか。シリーズ全体を通じて考えると、なんだか座りの悪い話である。

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 もう、いっそコーチ殺して心中エンドでよくね? 第11話。もう、何もかもうまくいかないのは大体あいつのせい。

 予想通りにモチベーションがた落ちのゆり&めぐみペア。そりゃそうだ。本人たちも言っていた通り、「目標が勝手にこっちに帰ってきちゃった上に、そこにいるのにそこにいない」のである。これでもし優勝でもしてマン島に行っちゃったらむしろ本末転倒である。そんな状況にしてしまった諸悪の根源である棚橋がどんな男なのか、というのが今回描かれたわけだが、これまたゆりたちが言っている通りで、一言でまとめるなら「レース馬鹿」である。実力はそれなりに世界レベルなのだろうし、非常に真摯な姿勢でレースに挑むのでプレイヤーとしては優秀なのだろうが、いかんせん人間というものに対しては配慮がなさすぎる(この辺りもゆり達が言っていた通りである)。そのくせ、何故か世界トップクラスの女性レーサーに粉をかけてあっという間にものにしてしまったり、天然ジゴロの気があるのでよりたちが悪い。バーチャル姉の方がこんな面倒な男にコロッと落とされてしまったのは可哀想であるが、まぁ、同様のレース馬鹿だったらこの真面目さは確かに武器にもなるのかな。

 しかし、あくまでもコーチとして、下から見上げる形で憧れていたゆり達の場合、突然レースでの繋がりを喪失してしまうと自分たちの憧れすら虚ろに見えてきてしまう。今後も追いかけるべき夢だったのか、忘れ去ってしまうべき過去なのか。なかなか割り切れない中でそんな夢を奪ってしまった「泥棒猫」を目の前にしたら、持ち前のひねくれ根性も働いて、酸っぱいブドウを馬鹿にするかのように散々にコーチの悪口が出てくるのもしょうがないところか。ちゃんとまっすぐ見ていたコーチの姿も、突然崩れたコーチへの憧れも、全部ひっくるめて、自分を納得させるためのあまりにもみっともない虚勢である。でもまぁ、婚約者だって言ってる人の前でそれを漏らしちゃうのは単なる嫌なやつよね……。「かつて自分が憧れていたものをあしざまに言うようになってしまった人間」って、本当に情けないし、醜くも映るのである。

 そうして成り行きで開催された世界トップレベルの強豪との突発レース。三宅島の公道は24時間いつでもレースに使っていいものなんでしょうか。さすがに夜間に爆音鳴らして疾走するのは近所迷惑なような……ちゃんと許可申請は出したんでしょうかね(そんなわけないよな)。しかし、急な試合で圧倒的アウェーであったにも関わらず、世界レベルはマジで世界レベル。高校生が必死に抗おうとも、完全なる技術力のみで地の利も情念も捩じ伏せてしまう。ぶっちゃけ、「あとを追えばあらゆる情報が漏れてくるから追いかけられる」は理屈としてはわかるんだけど、そこから一気に追い抜いて突き放せたのは何でなんでしょうかね。もしかして周回レースにしたから1週目でコースの特徴は全て把握したとか、そう言うことなんかな(周回してるかどうかは知らんが)。夜間で路面状態すらよくわからないと思うのだが、そんな状況でもぶちかませるあたり、世界レベル怖い。

 こうしてあらゆる戦いに敗れたゆり達は、もう抜け殻状態。そんな彼女達に追い討ちをかけるようにしてコーチ本人から「しっかりしやがれ」とか言われ、「黙れこのクソ野郎」と叩きつけて荒れ放題。ご丁寧にコースにはイレギュラー。そりゃもう、事故ってくださいって言ってるようなもんでね。ここでもし復帰不可能な怪我でもしてたら、決勝で戦えないって言うまさかの展開で笑えるのだが……。なんだろう、多分めぐみを大切に思ったゆりが必死に彼女を救い出し、お互いがお互いの存在を再認識、互いのプライドのために優勝を目指すって言うモチベーションの解決があるんじゃないかな。

 結論:男よりも百合が良い。真理である。

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 コーチ、人を見る目とか人の気持ちを考える力とか、色々なさすぎやろ、第10話。人に物を教えるのって、完全な専門バカではやっぱダメなんやなぁ。

 冷静に考えりゃ、「どっちか片方がコーチとくっつくエンド」って絶対ありえないわけで、それなら同時に潰される展開になるのが当たり前なんだよな。まぁ、元からあんな鈍感男に脈があったかどうかと言われればかなり怪しかった気はするのだが。圧倒的なタイミングで選手のモチベーションをボッキボキにへし折るあたり、コーチとしての才能はスクラップである。

 しかし、前回に引き続き今回もまたとんでもない構成にしてきたもんである。どっかで見たことのある光景が続くと思ったら、これって1話目でやっていたエキシビション。1話目はサブタイトルがそのものズバリ「Exibition」だったんだよな。もちろん、映像を全てそのまま持ってきているわけではないが、レース中の様子はマジでそのまんま。これは「総集編」ではないし、一体なんという言葉で表現したものか……。なんで「SILVER LINK10周年記念作品」でこんなチャレンジングな構成にしてるやらな。

 しかし、もちろんこれはサボりとか省エネってわけではない(まぁ、そういう側面もあるのかもしらんが)。この11話を見てから改めて1話を見直すと、全く同じ映像を使っていたにも関わらず、様々なシーンの意味合いが1話時点とは全く異なる意味(印象)を持っていることが分かる。明確にその辺の差分が出るのは、きちんとお当番回がもらえたコンビの描写だろう。例えば鈴鹿のコンビなんかは、1話目だと「ほーん、仲ええんやろな」くらいの印象だったところを、あのエピソードを見た後だと、ちゃんとドライバーのちゆきがパッセンジャーのみさきの挑戦を受け、それに応えられるように遠慮無しにチャレンジしている姿勢が見て取れる。SMコンビの筑波はドライバーのいずみが「主導権は私にある」と必死に主張している様子が、今となっては痛々しい。

 そしてもちろん、一番の変化があったのはメインとなるゆり&めぐみペアということになる。なんとまぁ、1話では全くわからなかったが、実際は目の前にコーチがいて、その前で全力を披露しようとしているシーンだったのである。そのためにエキシビションであるにも関わらずフルスロットルで挑んでおり、持てる技を全て出し切った見事な走行の後には、あのダブルノックアウトが待っているのである。そして、1話では「2人がコーチを呼び出した」シーンが間に挿入されていたが、今回は最後に「コーチが2人を呼び出した」シーンで終わる。この辺りの重層的な演出も面白いところ。

 これまで、「結局毎回おんなじようにコース走ってるだけなんだよなぁ」ってんで、コースをグルグル回っているのと同じようにお話までグルグル回っている気分になっていた本作だが、まさか、そうした「繰り返し」がここにきて「完全に同じシーン」に重なり、そこからずれを生み出すことで変化の大きさを際立たせることになるとは。珍妙な構成には違いないが、最小限の労力にも関わらず面白い効果が生み出されているのは実に興味深い。まぁ、「詐欺やんけ!」って怒る視聴者もいるかもしれんけども。1話目の「答え合わせ」回がここに入ってくるっていうのは案外真っ正直な作品と言えるのかもしれませんよ。

 さて、来週が最終回かな? ……ゆり達はまともに走れるんですかね?

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 なんやねんこの構成、第9話。これで京都と大阪のスルーはほぼ確定かよ……なんで7チームも用意したんだろうな。

 一応中身としては「新しい話数」のはずなのに、動画素材の7割が再利用でほぼ総集編仕様という、なんともスタッフに優しい一本。序盤の「各チームのダイジェストにナレーションを乗せる」っていう編集はお約束の総集編構成なので「こんな楽しやがって」みたいな気持ちで見ていたのだが、後半パートの昼ドラ映像は既存の映像に完全に新しいアフレコ入れてドラマを作るとかいうわけのわからんことをやっていたので「そんなんアリかよ」とちょっと感心してしまった。完全声優頼みでずっこい気はするけど、一応お話としては成立してる(?)からな。こうして正式に三宅女子の2人にスポットが絞られていくわけだね。それにしても、「これまで作中に使われてきた映像も、実は全て報道部が最低のピーピング技術力を駆使して撮影してきたものです」っていう設定は叙述トリックみたいで新しいな。

 ここでメインのチームにスポットが絞られたということは、結局メインのお話がなかったチームが3つ残されてしまったということであり、こいつら一体なんのためのキャラだったんだよ、という気もするのだが、まぁ、大阪はまだいいだろう。一応「ボケとツッコミ」というコンビ構成は前面に押し出して主張していたわけだし、前に出てくるキャラなのでそこそこ台詞もある。しかし京都の方は……ほんまに空気やんけ。こっからもう一山あるのかなぁ。そして、毎度毎度変なところで話題をさらっていくヅカコンビは……いやいやいやいや。単なる畜生だったやんけ。さすがにパートナーの事故死でリスクヘッジしてるのは笑うけど引くわ。もう、あいつらまともに車に同乗できないのでは……フォーエバーちゃうんやで。

 というわけで、結局この話はゆりとめぐみの2人のところに戻ってきたわけだが、2人して1話目から何一つ成長せずにいがみ合って互いに目的が迷子なのは次週からどのように影響するのだろうか。普通、この手の作品だったら仲の悪いチームがよそのチームの様子を見て、そこから学習して結束力を高めていくっていうのが定番な気がするが、今作の場合、周りのチームも割と欠陥品が多くてあんまり参考にならないのよね。双子とか、SMとか、絶対真似できない関係性だから参考にもならん。ゆりたちはコーチの登場を目の当たりにして、本番でちゃんとモチベーションを維持できるんでしょうかね。

 

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 まさかのそこかよ、第8話。本当に何が最終目的なのかさっぱりわからんアニメだよな。いや、「バディ」を描きたいというのは分かるが……。

 ここまで、1話が導入、2−3話で鈴鹿、4−5話で筑波、6−7話で茂木という風にきっちり2話刻みで進めてきたお話だったのだが、次に来るのは流れとして大阪か京都だと思われていたのに、なぜかぶっ込んできたのは1話完結の実況チームだったという。レーサーですらない。なんでこんなところで脇役にスポットが当たるんだろう、ってところを考えると、多分、レーサーばっかりだとマンネリになってしまうからだろう。毎度毎度「なんか喧嘩する」→「互いの価値観の相違を探る」→「埋め合わせて仲直り」→「タイム上がったんじゃない?」みたいな流ればかりでは、いくらコンビの内容をいじったところで限界がある(ぶっちゃけ、マンネリ感は5話目くらいでとっくに出ている)。そこで、今回はバディはバディでもレースに全然関係ないコンビを中心に据えてみよう、と脚本会議で思いついた、のかどうかは定かじゃないが、そんな感じでの変化球エピソードだったんじゃなかろうか。

 正直、これがグッドアイディアだとは思わない。そもそも「1話目から一気に7組出して、なんとなくその内情を探っていく」という構成自体がとっつきにくいのだし、島の中で延々回り続けるだけの展開に限界があるのは間違いないのだが、その打開策として「より影の薄いものを入れる」っていうのは単なる尺の無駄遣いになりかねないからだ。現在まだ出番がないのは大阪と京都の2チームで(ヅカコンビはもういいや)、この4人についてはちょこちょこ出てくるにも関わらず未だパーソナリティが明らかになっていない。そんな状況で、わざわざレーサーを犠牲にしてまで脇のエピソードに時間を割いてよかったものかどうか。まー、全13話だとするなら残り4話で各校をやって、ラスト1話が締めっていう展開もあり得るのだが……もうちょっと掘り下げようはあったんじゃなかろうか。

 これで暴走実況アナのあいちゃんが回想エピソードで際立っていればそれはそれで面白くもなったんだろうが(キャラ自体は立ってるからね)、残念ながら(嘘かもしれない)回想の中で彼女がテンションを上げたのは1度きり。その時のテンションだって、実況中のわけのわからないパワープレイとはかなり毛色が違い、一体どういう経緯で今みたいなモンスターになったのかが結局分からなかった。一応、歴史を紐解くエピソードを利用して過去の三宅島のレーサー達の様子が描かれるという意味はあったのかもしれないが……大事なのってゆりたちの監督がいたことくらいだよなぁ。

 後、個人的にすげぇ気になったんだけど、別にサイドカーってメットの着用は義務付けられてないのかね。今回子供達が乗るシーンではドライバーたちがノーヘルで乗ってたのだけども……大丈夫だったとしても万が一のことを考えたらやっぱり怖いよなぁ。

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 イイハナシダッタノカナー、第7話。まぁ、2人がいいんならそれで問題ないが……結局巡り巡ってスタート地点に戻ってきただけだし、記録も伸びずにもどってきてそう。

 ツインズが過去に抱えていたトラウマは、思った以上にしょうもないが、やるせないものだった。なるほど、二人とも自分が告白されたと思って、二人して同じ行動に出てしまったのね。男の方はどういう連絡のやり方で待ち合わせ場所とか伝えたんでしょうね。2人して知ってたってことは、複数回のやりとりがあったってことだけど……目の前でリアル双子トリックやられてた男の方もかわいそうといえばかわいそう。どっちが悪いって案件でもないし、お互いに秘密は持ってたはずだけど全く同じ行動に出てる時点で罪状も一緒。何ともモヤっとした状態になったからこそ、特にゆりあの方が「変わらなきゃ」って思ったんだろうね。

 しかし、「変わらなきゃ」が内的要因ではなく、外部からの強制だったことでちょっと無理をした。違いが見えなくなった双子のコンビネーションが破綻し、これまでの違いから焦りも生じる。その結果、責める相手は隣にいる人間のみ。これまでは「あなたは私」状態だったのでたとえ責めたとしても歪な自己言及にしかならなかったところだが、目の前に「違う存在」がいればこそ、責任のなすりつけ合いも発生するというわけだ。そりゃまぁ、短期的に見ればトラブルの種だが、冷静に2人の今後の人生を考えたら、もうちょい我慢してしっかりと自我を育てておいた方が……。でも怖いよなぁ、ゆりあが言っていた、「自分でもあなたでもない、誰でもない双子という人格」っていうお話がさ。たとえ話ではあるが、実際に他者の認識においては間違いなく「まりあでもゆりあでもない何か」が存在しているのである。そう考え始めたら、そりゃおっかなくなって「アイデンティティを確立しなければ」って焦るのもわかる。

 しかし、ことレーシングニーラーにはこのアイデンティティの創出は枷にしかならなかった。互いに相手のことをみろ、って言われてるのに「相手と違うこと」ってことばかり考えていたら、ちぐはぐになるのも当たり前。当面は差別化計画もお蔵入りである。離れてしまった互いの心をもう一度つなぐためには何かとっかかりが必要だ、と思っていたら、なんとまぁ、ここでゆりとめぐみのアホさ加減が活きて来るとは……。髪型見ても区別できんか。ダブルヒロイン設定なのにどっちもアホってのはなかなか斬新だぞ。

 まぁ、今回はそうしたすったもんだを演出するためにいつも以上にシナリオラインがむちゃくちゃしてるのが見どころですかね。夜の車庫で喧嘩して、突然乗れもしないマシンに乗って走り出すゆりあ。いや、ここ島やん。走ったところで一周して戻ってくるやん。でも追いかける3人。レースさながらの全力で追いかけたら、そりゃ全力で逃げるやん。いや、ゆりあさんは幾ら何でも命知らずが過ぎるとは思うが。サイドカーってマジで「板一枚下は地獄」みたいなデンジャラスな世界なんだな。

 とりあえず、これで3組目のカップル(?)も処理完了。さて、残るは京都と大阪が残ってるけども……ズカコンビは……なんもしないやろな。

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 ミラクルぺっちゃん劇場、第6話。多分これ、双子の演じ分けで別撮りしてないと思うんだよね。声優・洲崎綾の本気の仕事ですよ。

 3組目のお当番となったのは双子レーサー・宍戸姉妹の栃木県茂木女子校。「雇い主と労働者」→「主人と下僕」ときて、今度は「双子」。分かりやすく2者関係が変遷していきますが、今回は前提条件がいがみ合いでなくて「仲良し」っていうところが毛色の違うところかな。

 双子ってのは、我々のような一般人からすると想像も出来ない存在なので、ある種の憧れもあるし、アニメのフィクションに最適な神秘性がある。私はまだ兄弟姉妹が多いのでそういう血の繋がり程度ならば理解できる部分もあるのだが(電話口とかならよく兄や妹と間違えられることがあった)、やっぱり「実際に見ても自分と同じ顔で他者が見分けられない」ほどの現し身っていうのはスペシャルである。その存在がいい部分もありつつ、どうしようもなく恐ろしい時もあるに違いない。双子を持った親御さんってのは、その双子をどのように「個人」として扱っていくのでしょうかね。

 幸い、宍戸姉妹は仲が良いタイプの双子であり、仲が良すぎて次第に自我が怪しくなるというおっかないレベル。ただ、本人たちもこれまでそれでいいと思って人生を歩んでおり、そこに現し身への嫌悪感は感じられない。双子がテーマの物語っていうと、定番の筋書きは「双子のどちらか(もしくは双方)が強い自我を抱え、自分をきちんと個人として見てほしいと願って反発する」というものだろうが、今作の場合、そうして「自我」を根拠にした葛藤は今のところ描かれていない。あくまでも外的要因から「これではひょっとして駄目なのだろうか?」と、やっぱり2人一緒に、同じように思い立っているのである。一応、少し前に「同一性の問題」を浮き彫りにする事件は起こっているようで、まだ詳しくは語られていないがおそらく「どこぞの野郎が片方(まりあかな?)に告白したんだけど、そいつはどうせ区別がついてなくてどっちでもよかったんだ」みたいな問題だろう。まりあは自分だけ告白されたという秘密を抱え、ゆりあはそれを見て傷ついたという秘密を抱えた。まぁ、その後仲良く手を繋いで帰っているので、すぐに打ち明けて2人で思い悩んだのだろうけども。

 この2人に限って、喧嘩別れの心配はなさそうである。問題は、こうした問題を起点にして義務的に「個性を持たねば」と思わされた結果、急ごしらえで差別化を図ったせいで、無理が生じてしまうという部分だった。これまでの人生をずっと一緒に、同じようにして歩んできた2人。それで全てが上手くいっていたはずなのに、無理やり個性を探そうとして急すぎる変化を遂げたせいで、コンビネーションがついてこなかったのだ。興味深いのは、この差別化を引き起こすために「まりあの髪を切る」という物理的な変化を選択したこと。さらに「別々の宿をとる」という方法で周辺環境にも変化を与え、少しずつ「ドライバーとしてのまりあ」、「パッセンジャーとしてのゆりあ」という個性を形成。「ちゃんと違うことができるんだ」という確証が得られた時点で、最後のトリガーとなる断髪を決行した。こうして外見が変わることで、周りからの視線も変わってくる。目の前にいるのが確実に「自分と違う存在だ」と認識できることで、自然に立ち居振る舞いまで変わってくる。率先して自分に変化を与えた姉のまりあは、関係性を引っ張る「大人」の方向へ。変化の契機を委ねたゆりあの方は、まりあについていく「子供」の方へ。本人たちは意識していないにも関わらず、外的要因から少しずつ「個」が生まれていく過程は非常に興味深い。

 内的要因から発生したわけではないこうした変化は、2人の人生にとってもいい影響が与えられるばかりかと思ったが、やはりサイドカーレースにおけるコンビネーションはデリケートなものだった。ドライバーたらんとするまりあ、パッセンジャーたらんとするゆりあ。二人は「自分が変わらなければ」という強い思いが先行し、分け身たる相手のことがおろそかになってしまった。常に相手が見えないからこそ見て、声が聞こえないからこそ聞く。バディの基本とも言える繋がりはこれまで意識する必要すらなかったはずなのだが、皮肉なことに、個性の芽生えと共にそのリンクは不確かなものになってしまったのだろう。二人が事故を起こした場所は、カメラが設置されていなかったことを考えるとなんてことないコースの一部だったに違いない。そんなところでのクラッシュを起こしたということは、何かよっぽど致命的な連携ミスが生じたということだ。果たして、双子の繋がりは再び結ばれることになるのだろうか。

 なお、もうズカコンビは完全にギャグ要員として定着したらしく、今後お当番回が絶対にないことが確認されたっぽい。まぁ、毎回何かしら傷跡を残してくれるので、こっちの方が美味しい存在と言えるのかもしれないけども。

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 SとMの精神性な、第5話。よく言われるやつだ。真性のMってのは、結局相手になんらかの行為を強いて自分を満足させたい奴だから本質はSっていうやつ。まぁ、それを言い出したらきりがないのだが。

 本作は「すげぇ面白い」っていう作品ではなくて、毎回「次は感想書かなくてもいいんじゃないかな」って思うんだけど、何故か当落線上ギリギリでずるいところを突いてくる。今回だって、筑波の顛末が収束することはわかっていたのだし、いつも通りに「なんとなく乗ったら解決」という展開に変化はないのだからしょうもない内容のはずなのだが、その中で描かれるコンビの関係性が、絶妙に「ウムゥ、百合……であるか……」という代物なのである。難しい。

 ドライバーがS、パッセンジャーがM。全てのチームがそうじゃなかろうし、そもそもそんな役割分担なんてなさそうだが、少なくとも筑波の場合はそう思われていた。幼い頃から常に上にいたいずみと、それにずっと従ってきたなぎさ。誰がどうみても、いずみがSでなぎさがMだ。しかし、果たしてその関係性は本物なの? というお話。前回に引き続き今回も似たような内容の淫夢からスタートしており、しかも今回は夢を見ていたのがいずみの方。結局、2人して精神の奥底では同じような絵図を描きながら感応しているのである。

 前回のラストでいずみが突然キレた理由は今ひとつ分からなかった。まぁ、「他の女といいタイム出しやがって」という嫉妬で問題ないと思うのだが、なぎさの謝罪をあっさりと受け入れて再び同乗しているので、あんまり本気でキレてたというわけでもなく、単なるヒステリーだったということか。どうもなぎさの対応からするとよくあることなのかもしれない。今回はゆり達に背中を押されて多少積極的な「ガツン」になぎさが動いたため、関係修復も早かったのだろう。

 結局、周りのチームもなぎさの決意も、特に二人の関係性を動かすには至らなかったのである。しかし、世界が変わったのはちょっとした偶然から起こった事故の後である。バイクなんかと同じでバードストライクが命に関わりかねないこの世界、不慮の事故でいずみが初めて気づいていしまったのは、「実は自分の命がなぎさに握られているのだ」という当たり前の事実。サイドカーに乗ってる人間だったらそれくらいは最初に覚えそうなものだが(実際、ゆり達はそのことをコーチに教え込まれていたのだし)、これまでそうした認識がなかったのは本当になぎさが諾々といずみに従っていたためだろうか。とにかく全てを決定するのはいずみの方。そこに紛れが起こらなければ、あらゆる決定は「いずみが正しい」前提で進むわけで、あらゆる決定権は彼女が握っていると思っていてもおかしくはない。

 しかし、事故によって命の危機を実感し、それを回避できたのは明らかになぎさのおかげ。つまり、なぎさがヘマをしていたら、もしくは命を投げ出してやろうと一瞬でも考えていたら、いずみはもう車どころじゃない身体にされていたのかもしれないのだ。そのことに気づき、後ろにいる人間が下僕じゃなくて「命綱」だと気づいた時、いずみの中での優位性は終わりを告げた。そして、彼女のドライビングからなぎさが感じ取るのは、いよいよいずみが自分の存在を認識し、主導権を譲り渡したという実感である。表面は変わらずとも、運転中に限っては、その主従は逆転する。そのどうしようもないトランスに、なぎさは異様な興奮を覚え、極まってしまうのである。いずみに出来ることと言ったら、車を停止させた後に精一杯の強がりをぶつけるくらい。今後、この2人はどんな距離感で日常生活を過ごすことになるんだろうな……。まぁ、あの淫夢から察するに、いずみさんの方も薄々わかってはいたんでしょうね。これもまた、1つの友情なのかもしれない。

 それにしても……あのズカコンビは結局幕間のギャグ担当で終わりそうだな。いや、今更オリジナルのシリアスエピソードとか持ってこられてもどうしようもないけど。お客さん、バーカウンターでESPカードはやめてください。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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