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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 悩み多き第10話。まぁ、まさに1クール作品の10話目って感じの展開になってきたな。ここまでの展開、ディティールは割と雑なんだけど今回はとりあえず置いといてのダウナー展開。流石にナツメの心情を整理するのには1話まるまるかかるよね、ってお話。

 そもそもの発端がカブラギさんの衝動的な無茶行動だったわけで、残念ながらその先まで見据えたような計画にはなっていなかった。おかげでガドル工場破壊までは何とか成功したものの、それ以降の展開には全く責任が持てない状態。そんな中で案外何とかなったのは、地下施設からの脱出プランである。多分今作で一番設定がガバガバなのがこの地下施設に関しての部分で、まずもって何でそんなもんが存在してるのかよくわからない施設だったのだが(キン肉マンの超人墓場みたいなもんなんだろうか)、そこを起点にしてデカダンスそのものをぶっ壊してしまうようなクーデターが起こったにも関わらず、システム側からの対処は割と適当。一応討伐部隊が派遣されたが、大した規模でもないし、あっさりと出し抜かれてしまった。まー、ジルさんが有能すぎるってのもあったのだろうけども。結局、なんでジルは施設内であれだけ好き勝手やれてたのかもよくわからんし、脱出不可能だと言われてた施設を抜け出し、車まで調達できてたのはほんとに意味がわからんのよな。湖の底深くだから脱出できないっていう壁はどうやって乗り越えたのだろう?

 まぁ、とにかくそっちは全部がトントン拍子でうまく行ったわけだが、うまくいかないのは地上サイドのお話である。まず、本来なら良かれと思い、ナツメのためにやったことだったのだが、それを知らされたナツメさんは「知りたくなかった」と素直な感想。まぁ、ことの真相は女の子一人でいきなり飲み込めるようなもんでもないので、彼女の反応は致し方ないところだろう。急に世界の真実を知らされ、それをカブラギはずっと黙っていたということだけがわかる。彼が何故それを話さなかったのか、今までどんな人生を送ってきたのかなどのバックグラウンドが分からずに最短コースで答えだけ叩きつけられても、そりゃ納得しろという方が無理というもの。

 加えて、今回明らかになった父親の話もある。これ、今まで出てこなかった話だと思うのだが、いきなり知らされた「真実」の中に、「秘密のせいで父親も死んでたんやで」とか言われたら、そりゃ全ての負の感情をカブラギに叩きつける以外に無くなってしまうだろう。想像以上に理不尽な世界に、ナツメさんはにっちもさっちもいかない状態。そして、そんな状態になることをカブラギはどれくらい予想できていたのか。「悪いことしたなぁ」で立ち去るだけでは、追跡者フギンからナツメを守ることもできない。施設内で顔を合わせて完全に面が割れているのだから、フギンがナツメを放っておくはずがないことくらいは想像できそうなものだが、カブラギさんはそれを考えずに「お前は大丈夫だ」とか適当なことを言ってお別れしてしまった。そりゃいくらなんでも無責任だ。

 しかしまぁ、そうしてカブラギさんがショックを受けて突き放した行動があまりにも無茶過ぎたせいか、前向きノーブレーキ少女のナツメさんはそれを発奮材料にして立ち上がることは出来た。むちゃくちゃ過ぎる自分の人生を振り返り、「むちゃくちゃにしたのがお前らなら、責任とれやボケ」と逆ギレからの開き直り。まぁ、とりあえず再び歩き出す気力が湧いたなら結果オーライ……だったんだけど、やっぱりフギンさんの目はごまかせなかった。そりゃね、システム側からすれば、一度認識したら追跡は容易なわけでね……これ、どう頑張っても詰みの状況なんだけど、あそこからどうリカバリーするんだろう。

 そして、おそらく最後のむちゃくちゃ要素についてはシステム側も感知していなかった部分。全滅させたはずのガドルの遺伝子が残り、あろうことか全てを吸収して「特大バグ」としてデカダンスの前に立ちはだかる。どういう状態なのかはさっぱり分からないが、おそらくサイボーグ内になんらかの細胞的な奴を残して、全滅プログラムからの抗体を得た「サイボーグ由来のガドル」みたいな存在なのではなかろうか。流石に「万が一ガドルが全滅させられた時のためのバックアップ」なんてものをシステムが用意していたとは考えにくいので、こればっかりは純正のイレギュラーであろう。

 さて、問題はシステム側がこのイレギュラーにどう対処するかである。もちろんタンカーを守るためにはこれを排除しなければならない。しかし、今回の一件はいわばタンカーサイドが暴れやがったせいで起こったトラブルであり、システム側も「もう面倒だし、デカダンスごと廃棄しよっか」という選択になってもおかしくはない。システムにとっては、それでも別に痛くも痒くもない。せいぜい、システムエラーでしばらくゲームサーバーがダウンし続けてるくらいのもんである。わざわざ助けてやる義理はない=タンカーだけでなんとかしなきゃいけないということになるが……まぁ、多分ミナトさんは手を貸してくれるとは思うよ。ラストはデカダンスの特大パイルパンガーパンチで決めきれるのかどうか。うーむ、最終回が近いのなぁ。

 

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 そうか、パイプもガドルには違いないから……第8話。出かけた時の様子からして、カブラギさんはそのことに気づいてたみたいだね……。私は全然気づいてなくて、「これ、もしミッションに失敗して2人とも帰って来られなかったらパイプは餌がなくて死んじゃうじゃん」って思ってたんだけど、それ以上の問題だった。

 予定通りといえば予定通りの進行である。無事に製造工場の破壊には成功し、おそらくデカダンス内でのガドル生成はしばらくの間は不可能な状態になっただろう。そして、地下施設の方も事実上の壊滅。ターキーは因果応報で死亡、サルコジはまさかの特攻。ジルは生存で、ドナテロもあの調子だったら大丈夫かな? ただ、施設自体がほぼ壊滅状態になってしまった上に、システム側は万一施設内に取り残された人員がいたとしても助けてやる義理もないので、ドナテロたちはこのまんまだと水没して死んじゃう気もするんだけど。ジルさんはその辺の解決案は持ってるんだろうか。

 そうして多大なる犠牲を伴いながらの作戦決行だった。不安要素としてはターキーの反乱によって「地下施設が侵攻される」という部分と「地上で事前に阻止される」という2点の不安があったわけだが、驚いたことにフギンさんが「直接出向いてフィジカルでカブラギを叩く」というあまりにダイレクトすぎる方向での対処に出たため、わちゃわちゃしてる時間が増えて割となんとかなった。ジルさんがあまりに優秀すぎたってのもあるんだけど、それにしたってシステム側も対処が割と適当。まー、何か良からぬことが起きますよってのも下々のもんからの怪しいタレコミ一本だったわけで、あんまり本腰を入れて対策してなかったのかもしれないけども。

 普通に考えたら、「カブラギが昔の素体を手に入れて施設破壊を狙っている。相棒としてバグのタンカーを帯同している」という情報まで得られたのだとしたら、システム側は例えばカブラギの素体のデータを照合して追跡とかできそうなもんだけどね。いっぺん死んだ扱いでミナトさんが回収した時にそのあたりの識別コードは全部取っ払ってしまったのだろうか。ナツメにしても、たかだかタンカー1匹、フギンさんが本気になればおそらく秒殺だったろうし、いくらでもシステム面から叩くことが可能だったと思うのだが……案外タンカーサイドのことは集中管理せずに放牧状態なんですかね? まぁ、だからこそカブラギさんもナツメを連れて行く決心をしたのだと思うけども……。ナツメから見たら、今回の戦闘は本当に理解不能なことだらけで大変だったろうな。最後の最後には「世界の真理」まで伝えられてしまうし、今後、彼女はデカダンスに戻って同じような生活に戻ることができるんだろうか……いや、そもそもフギンに見つかっちゃった時点でバグはアウトだよなぁ。

 これが9話目ってのが謎なんだよな。構成から考えてもう一山何か事件が待ち構えているはずだが、誰がどこで何を革命することになるのだろう。個人的には、全部わやになってしまった後のミナトさんの胃痛っぷりを考えるだけで辛いんだけど、ラスボスがミナトさんになったとしたら、カブラギさんは大人しく従うしかないよね。流石に迷惑かけすぎてるわ。

 

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 求ム、ナツメさんにもっと出番、第8話。まー、サイボーグ側のお話がメインなのでナツメの出番が減っちゃうのはどうしようもないんだけど……むしろ数少ない見せ場でもいつも通りの百面相と鬱蒼しいくらいのエネルギーを見せて我々を楽しませてくれるナツメさんに感謝しないとね。

 テロの計画は進行していく。もう、ここまで来ちゃうとカブラギさんも「自分がバグだから」ってのを開き直って免罪符がわりに使っちゃってるとこあるよね。かつての英雄がテロリストになっちゃうとヤベェってのはいろんな作品でお約束のシチュエーションではあるのだが、うんこ処理場に落とされたカブラギさんは、本来なら抵抗の余地などありはしないはずだった。しかし、なんの因果か可能性の芽はどこにでもあるもんで。彼にはトントン拍子で道具が揃っていく。もちろんそれなりの苦労をした上での話だが、「ここしかない」っていうポイントにアイテムが散逸している様子は、あたかもアドベンチャーゲームのようである。「ミナトが素体をキープしてくれてるよ、多分」っていうカブラギの勝手な憶測が、満場一致で賛同されてるのはちょっと笑った。ミナト司令、みんなからどんなキャラだと思われてたのよ(カブラギさんの熱狂的なファンか)。

 こうして、デカダンス側から直接ガドル工場を叩くプランが固まっていく。ご丁寧に「1人じゃ無理だ、最低2人」とか言われるもんだから、そりゃもうここしかないってタイミングでナツメにも声かかるよね。現時点では「2人じゃなきゃダメ」の意味は全く分からないけど、まぁ、サイボーグ側のバグとタンカー側のバグが協力して世界をぶっ壊すという大まかな絵図はこれで完成した。ジルさんが有能すぎてこのあたりの設定がすげぇ都合がいいことはどうでもよくなってくるな。ジルさんボイスを聞いてると、とりあえず何があっても大丈夫な気がしてくるから不思議。イタチじゃないよ、ミンクだよ。

 そしてもちろん、そんなテロには逆風も吹いている。常に不穏な行動で周りをビクつかせるスクウェア子安ことフギンさん、そして、地下世界では無茶苦茶なドナテロに対する反乱の芽もある。サルコジさんが今のテンションで裏切っちゃったらちょっと寂しい気はするんだけど、考えてみりゃ、別にあいつとカブラギの間に熱烈な友情があるかって言われたらそうでもねぇな。そして全てを知ってしまったミナトがどんな動きを見せるか……一応、今回の一件でもすんでのところで不法行為が明るみに出ないようになったんだから、ミナトはカブラギに対して借りが1つある状態なんだけどね。まぁ、だからと言ってこれ以上カブラギに加担しちゃうと、貸し借り以前の問題になっちゃう気もするけども……。

 当座の関心は「たった2人でガドル工場破壊とかいけんの?」っていうのと、あと「ガドル工場壊したところで、時間さえかければまたデカダンスのシステムは復活するのでは?」っていうところなんだけど……まぁ、ナツメさんが充足した人生を送れればそれでいいのかなぁ。

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 無ですよム〜〜〜〜〜! 第7話。たかだか牛乳くらいで無から有を生み出せるナツメちゃん本当に愛おしい。ところで、この世界の牛乳ってどうやって作られてるんでしょうか……デカダンス内で一応酪農も出来るのかしら? ギアが持ち込んでるってこともないだろうしなぁ。

 カブラギさんの復帰と再会は思ったよりも早く実現したが、当然新しいアカウントなのでめでたしめでたしというわけにもいかず。別アカでわざわざ乗り込んできたのも勢い任せみたいなところがあり、いざ再会できたからって、じゃぁ何をしたいっていうわけでもない。ここで正体を明かすという手もなくはないが、それをやるためにはデカダンスの真実の全てを明らかにしなければいけない。そうすると、以前カブラギ自身が言った「この世界は平和になんてならない」という真理をナツメに突きつける必要があり、カブラギさんはそんなことできるわけもない。最終的に選んだのが「デカダンスをぶっ壊す」だったわけで、ゲーム内のモブキャラの平和を守るためには、ゲーム自体をめちゃくちゃにして、フィールドとして成立しないように諦めさせるしか手はないのだ。

 今回は、そんな「ゲーム内のモブ」としてのタンカーたちの生態が色々と明らかになった。以前私はタンカーのことを「保護センターで飼育されてるトキ」と例えたが、そりゃま、トキたちはフェンスの外の世界なんてものを知らないわけで、飼いならされた豚のごとく(トキのごとく)、与えられた環境で静かに死を待つのみの存在である。多くのタンカーたちは自分たちの人生はそういうものだと半ば諦めており、ナツメやクレナイさんみたいにわざわざ死地に赴くような「外向きの意志」を持つ連中は異端呼ばわりされるわけだ。別にそういう風習があるというわけでもないのだろうが、ナツメのお友達のフェイちゃんの言動にそうしたタンカーの習性はよく表れており、なるほどそういうわけだからナツメが戦士を目指すと言ったときにあんなにも嫌そうにしてたのだな、と今更納得がいった。

 加えて、保護センターのトキは常に絶滅と隣り合わせだが、タンカーの場合はどうやら限られたセンターの敷地に比べて増えすぎてしまったという。「増えたならガドルを撤廃して地球上のフィールドに自由に住まわせたらええやんけ」とも思うのだが、どうやらサイボーグ側にそのような選択肢は無いらしい。今くらいの数で、今の状況で管理している方が楽だし、今までそれが成立してきたのなら、わざわざ次のステップに進めるのではなく、面倒なものは「間引く」方向に進めようとしている。まぁ、三國無双の味方陣営のモブが何人斬り殺されようと、気にするプレイヤーなんているわけないし、ギアからしたらそのくらいの選択は当たり前のものである。

 しかし、カブラギさんだけは、それを許すことが出来ない。今回も改めて描かれたナツメとの交流。モブだって生きている。タンカーだって夢はある。それをこれ以上無いリアリティを持って突きつけるのが、ナツメという少女なのである。生きることに夢を持ち、平和な世界のために、人々のために戦うと誓った少女。その夢を無下にすることなど、カブラギには出来ない。

 だからこその反乱。バグはバグとして振り切れるところまで。はてさて、矯正施設の中から、どれくらい働きかけができるものやら……。こうなるとドナテロは頼りになりそうなのが面白いところよな。カブラギさんは絶対にミナトさんに迷惑がかかるってことは考えないようにしてるよね……。

 

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 烈海王と寂海王(の中の人)がコンビ組んでてワロタ、第6話。なんかもうね、最近青山穣が出てくるだけで面白くなっちゃう身体になってるわね。しかも今回はそれに加えてうえだゆうじ・村瀬迪与と、地下世界にはクセの強い連中しか揃ってねぇ。この濃さはなかなか他じゃ味わえません。

 今回のタイトルはラジエーター。つまり冷却器を意味しており、デカダンス全体での生存競争は一旦お休み。つまりタンカーサイドの描写がほとんどなく、それすなわち普通の人間ボディのシーンが無いので全編冗談みたいなサイボーグモードで話が展開するということである。キャラクターデザインだけを見たらウゴウゴルーガみたいな世界であり、どこをどういじってもシリアスになんてなるわけがないふざけた世界。実際、このコミカルなんだかケミカルなんだかもよくわからないようなキャラデザをいいように使っているのは間違いなく、帝愛グループも真っ青のブラックな地下労働施設への誘導も、このヘンテコサイボーグ連中だと全部ギャグになってしまう。ケツに何か注入してぶっ飛ぶあたり、一歩間違ったらヘボットである。絶対にありえない想定だが、これがもしカブラギさんのギア形状で描かれていたら、冗談でもなんでもない、単なる地獄絵図なのだ。あくまで「人ではないサイボーグ」だからこそ描出し得た世界観だ。

 ただ、そうして「ふざけた」キャラが画面に踊っているからといってずっとふざけたシーンで気が抜けるのかというと、むしろ逆である。今回はサイボーグパートが大半だっただけに、どんどんそのサイボーグの面々に生の実感が宿っていく気さえする。設定は凄まじく適当なのだ。なんでこんな施設があるのかもよくわからないし(多分この世界なら燃料処理なんて全自動でも可能だろう)、そこに送られた連中がどのように生き延びてきたのかも定かじゃない。お先真っ暗の世界なのかと思ったら、ちゃんと娯楽が用意されてたくましく生きてる連中だっている。システム側はどこまでを黙認してこの世界を作っているのだろうか。

 しかし、そうしてよくわからん部分はあまり問題にはならない。地下世界ではカブラギだけが変わらず存在し、バグとして落ちぶれた様々なサイボーグの姿が、時にコミカルに、時に救いもなく描かれている。そんな状況に「生への活路」としてのサルフジが現れ、さらにそこからドナテロたちへとつながっていく。そうして少しずつ「サイボーグの生き様」が掘り下げられ、最後にはまさか実現するとは思わなかった「サイボーグ形状での軽快アクションパート」が実現するのである。こっちの形状でも、迫力あるバトルパートが展開できるのは純粋に技術力の勝利。キャラデザを詰めて、世界観を詰めて、演出を詰めていなければ成り立たない見せ場なのである。

 「何としてもオンラインゲームに接続したい」なんて、キリトさん連合軍でもなければ「単なる病気やんけ」で終わりの欲求なのに、カブラギさんのそれに「命をかける価値がある」ことは誰も疑わないだろう。デカダンスの向こうに、ナツメが待っている。それだけで、カブラギさんはどこまでも強くなれる。こんなナリのくせに、やたら格好良く見えてくるのだから困ったものである。

 そして、まさかの「NEW GAME」から改めてナツメと出会うことになる……もう、どこに行くのかなんて考えるのも無意味だろう。後はひたすら、なすがままに見守るしかないわ。

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 祝・クレナイさん生存、第5話。先週時点で絶対死ぬと思ってたので、彼女からしたら世界の在りようはショックではあろうが、とりあえず生き延びたことを素直にお祝いしたい。その分、ナツメとお友達になれそうだった隊の別な子は何人か死んでるみたいだが……まぁ、そうなれば、そうなるやろ。

 今回は割と真っ当な展開、というか、このアニメが始まって以来、ようやく想定内と言えるお話になった気がする。カブラギさんがどこまで無茶するかは定かでなかったわけだが、結果的には、一番分かりやすく「次に繋がる」処理になった。まぁ、まさかカブラギさんだからってあの化け物ガドルを殺せるとは思ってなかったが……。普通、敗北確定のイベント戦闘なら、ボスモンスターは無敵に設定しておくよなぁ。今回のミッションは運営側からすればアルファガドルが死んじゃったら終わりなわけで、わざわざ「殺せる」ステータスを与えておく意味がない。まー、運営側もまさかチート兵器抱えた内部人間が突撃してくるなんて思ってなかっただろうし、とんでもないイレギュラーが介入してしまった結果ってことなんだろうけども……。カブラギさんのリミッター解除、そこまで人知を超える効果があるのかよ。そりゃ限界の先も見えるわ。

 結局、カブラギさんは最悪の選択をしてしまう。しかし、戦地に乗り込んだ後の彼はほとんど迷っているような様子もなく、乗り込むと決めた時点で、自分がどういう処罰を受けるかはもしかしたら覚悟していたのかもしれない。ナツメの行動次第では、単に彼女だけを確保して逃げ出すことも可能だったのかもしれないが、やっぱり最悪の展開を迎えてしまい、ガドルは殺す以外の選択肢がなくなった。それでも、カブラギさんは躊躇もせずにサクサクとガドルを殺してみせた。もう、この世界とかシナリオとかはどうでもよくて、自分を「救って」くれたバグのために、新たな一歩を踏み出すことを決めたのだろう。かつて自分のせいで失ってしまった仲間への贖罪の意味もあったのかもしれない。その結果が順当な「処罰」だったとしても、別にそのことを悔いるようなこともない。

 ただ、1つ気がかりなのは今回のことではっきりとナツメの存在が表沙汰になってしまったということである。これまでも「なんであんなにおおっぴらに人生を謳歌しているバグのナツメが処分されてないんやろ?」というのは疑問だったのだが、今回カブラギさんはミナトに対して「ナツメが理由で動いてるんやで」ということをはっきり見せてしまい、「運営側も想定してなかった大チョンボ」の原因がたった1人のバグであることがこれ以上ない形で示されてしまっている。事実上唯一の擁護者だったカブラギさんが退場してしまっては、ナツメは処分待った無しだと思うのだが、運営側はどのように落とし前をつけるつもりなのだろうか。

 ちなみに今回のコンテ担当は「幼女戦記」の監督を務めた上村泰氏。確認したらあの作品も同じNUTの制作なのね。丁々発止の空戦バトルの充実っぷりは、いかにもってん感じでしたわ。

 

 

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 クレナイさんとパイプが同時にしゃべってると訳のわからないことになるよね(ならない)、第4話。最悪、2人の声が同じことが伏線になったりしねぇかな、って期待してるが、もし実現したらかなり絶望的なことになりそうなのでやっぱりいいです。

 設定もすっかり馴染んだので、あとはこの世界の中でどんな話を回していくかっていう部分にじっくり注力できるようになった。そしていきなりのクライマックス感。基本的に出し惜しみは考えない作品なのよね。今作をみていて面白いな、と思ったのは、よくよく考えりゃ、この世界の設定って「SAO」とかのバーチャルゲーム設定と全く同じなのよね。その上で、何が違ってこんな味わいになっているのかを考えてみると色々と気づきがある。

 そもそも、「SAO」にしろ「ログホライズン」にしろ、ゲーム設定の作品が抱えている課題に「いうてもゲームだしなぁ」という切迫感の欠如が挙げられ、これを解消するために「ゲームで死んだら現実でも死ぬで」という設定を加えると、「じゃぁゲームである必要がないのでは……」というさらなる煩悶に巻き込まれる。SAOはさらにこれが一歩進んで、いつのまにやらキリトさんたちがゲームキャラたちと共同生活を始めるようになり、次第に現実レベルがゲーム内に引き落とされていく。最初のうちは「別にAIが死んでもなぁ」みたいな引っかかりはあったものの、前クールあたりからそのような印象もだいぶ薄まり、「ゲーム世界でも生きてるものは生きてるって言えるんだな」という認識を生みつつ、最終的には「あんまりゲームの外とか中とかいう話は本質的ではなかったかもね」という気づきに至る。まぁ、それら積み重ねを全てかなぐり捨てた「防振り」みたいな潔い作品もあるが、とにかくこの手の設定ってのは色々と課題と興味対象が多いということだ。

 そして、今作の場合は視点レベルが最初から「ゲーム内キャラ」に落とし込まれた状態でのゲーム作品だったと言える。これがもし、一話目からずっとギアたちの視点が中心だった場合、タンカーはあくまで「ゲーム内の一要素」でしかなく、初期のSAOと同じような問題を孕んだ可能性があった。しかし、最初からタンカー目線で話が進み、その後に2話目で一気に「天上」に話を引き上げるというデザインになっていたため、「ゲーム内」と言えるデカダンス内での命の価値についても、色々と真に迫って考えることができるようになっている。また、単なるゲームデータという処理ではなく、あくまでもタンカーたちは「普通の人間」として間違いなく生きている存在であり、視聴者と同じ次元での「生命観」で言えばむしろタンカーレベルの方が「リアル」であるというのも設定の妙だろう。サイボーグ次元の「上の」レベルについてはかなり大胆にシステマティックな処理がなされ、むしろそちらの方が無味乾燥なAIの風味を醸し出しており、「ゲーム外にはゲーム的生命体、ゲーム内には生身の人間」という倒錯した状態を生み出しているのが、今作最大の妙味と言える。

 この設定のおかげで、割り切れるような、処理しきれないような、なんとも言えないもやっとした感情が醸成されるのがまだまだ気になる要素になっており、例えば「実際は攻略不可能の全滅イベントなのさ。基本的に参加プレイヤーみんな死ぬわ」とか言われると、現実レベルなら「ひでぇイベントや、そんなんあるか?」程度で片付く話なのに、この世界でそういう展開にされると、なんとも心が痛むものになる。今回、ナツメ以外だと初めてと言っていい「血の通ったタンカー」としてのクレナイさんが掘り下げられ、おそらく彼女はこのイベントで死んでしまうのだろうことを考えるだけで、なんとも心が痛む。また、それを見たカブラギは当然ショックを受けつつも、仲間内の会話では「まぁ、ゲームのことだし、そうアツくなってもしょうがないよね」みたいに取り繕っているのがなんだか薄情にも見えてしまって心が痛む。彼は彼なりに、ナツメの命だけは守ろうと苦しい内情を必死に片付けながら頑張っているのだが、どこまで言っても「神の視点」を持つ彼らの気持ちがナツメに届くはずもないというすれ違い方がまた辛い。サイボーグ連中からすれば、ゲーム内の一要素(しかもバグ)でしかないナツメに感情移入してしまっている時点でカブラギさんの方が異端なのだ。そう考えると、改めて我々は「ゲーム内の生命に感情移入して物語を楽しめるのか?」という命題を、根本から問い直されているかのようではないか。

 色々と悩む部分はありつつも、間違いなく作戦は進行していく。外から見れば単なるクソイベ、中から見れば人類の存亡をかけた総力戦。カブラギさんがここでどう動くかで、今後の展開も大きく変わってくるはず。常に来週が気になるアニメであるなぁ。

 

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 初見でキモかったパイプがすでに可愛く見えている不思議。ちなみに中の人がミーティと同じっていうのがいろんなところで罪作りな気がする。

 前回やや曖昧だった設定部分も補強され、世界は随分見やすくなってきた。デカダンス自体がどの程度の意味を持つ施設なのかっていうのが測りにくかったのだが、「地球がいっぺん滅亡して、人類の忘れ形見であるサイボーグが統一意思の下で管理している新たな世界」という設定だとするなら、本当に「娯楽」以外の何物でも無いみたいね。別にガドルがどんだけ暴れてその地域を滅亡させようとも、「上」の連中にとっては大したダメージではなさそう。ガドルってのも地球滅亡に関わる因子ではなかったようだし、純粋にサイボーグ軍団が娯楽のために生み出した「敵性」生命体なのかもしれない。

 そうなると問題になるのは「じゃぁ、人間(タンカー)って何?」という部分だが、イメージとしては保護センターのトキみたいな感じなのかなぁ。すでに絶滅のカウントはほぼゼロになってるようなもんだけど、一応管理下で少数が生存することは可能で、ついでにその飼育・繁殖を利用して環境産業・娯楽として活用しようというくらいの認識。サイボーグ目線だと人類が滅びようが生き残ろうがさほど大きな問題ではないだろうが、一応「一娯楽施設の管理運営」で一定以上の価値が見出せるので、保護環境下でその数を統制されるくらいの立場。ナツメの話で「チップが埋め込まれる云々」という話も出ていたので、まさにトキみたいな存在な気がする。ただ、管理されてるトキ側は、残念ながら自分たちが事実上絶滅してるみたいなもんだ、っていう認識は無いんだよなぁ。

 さらなる追加情報として、カブラギさんの人となりみたいなものもだいぶ見えてきた。なんでナツメに対してこれだけ親身になってくれるものか、というのが不思議ではあったが(まぁ、単にナツメが愛くるしいからかもしれないけどネ!)、どうにも彼は「バグを排除する」ということに対して大きな抵抗があるらしく、それが理由でパイプを保護するにも至った様子。まぁ、彼からしてみればガドルの成れの果てであるパイプも、人類の成れの果てであるナツメも似たような存在ってことかもしれないが……。実際に似たようなところあるしね(おバカなとことか)。うまいこと良いコンビを作れた気はするのだが、カブラギさんからすれば、常に「バグを匿っている」という負い目をシステム側に隠し続けなきゃいけないのはプレッシャーだなぁ。ただ、前回も気になったけど、これだけおおっぴらに生きているナツメを体制側が把握できていないっていうのも妙な話。バグ狩りは一定数が存在しているはずなのだが、ナツメは偶然その目をかいくぐって生きてきたのだろうか。まぁ、地域ごとにバグ狩り担当者が配備されているとするなら、カブラギさんが見逃した時点でフリーになるのかもしれんけど。

 もう1つ不思議だったのは、ユムシとやらを退治して特訓する「チュートリアル」の存在。おそらくガドルの発生に関しては「上」がコントロールできる要素なのだろうし、まさにチュートリアルとして練習用モンスターが延々湧き続けるフィールドを生成することは可能なのだろうが、そうして全体が管理されているとしたら、デカダンスの管理を担当している連中は、そのあたりの「ガドルスケジュール」をどれくらい把握しているのだろう。今回発生した大規模襲来なんかはデカダンスを走らせている上層部からしたらいくらかイレギュラーな要素だったように見えるが、デカダンス内に入っているギアには、イベントスケジュールは知らされないということなのか。まぁ、でないとゲームとしては緊迫感が無いから、「運営」と「ゲーム内管理」は完全に別認識にしていいのかもしれないけどね。

 それにしても、チュートリアルで苦戦して特訓パートに突入する主人公なんてほんとに久しぶりに見たな……一連のなろう世界じゃチュートリアルなんて存在しないし、修行からスタートするバトル自体が最近じゃ珍しい(絶望的な初心者戦闘というと「グリムガル」とかだろうか)。そうして必死に頑張っているナツメさん……相変わらず可愛いのである。ほんと、今作はナツメの百面相を見ているだけで満足できてしまうパワーがあるし、ラストシーンの広大すぎる地下空洞の描写とか、いちいち絵の構え方がうまいので画面に見入ってしまうことが多い。唯一懸念があった「戦闘動画はシャキシャキしてるけど武器自体は地味じゃね?」という部分も、なんとナツメの右手がサイコガン(?)になることで解決を見た気がする。右手を換装してパワーアップしていくヒロイン、ロックマンかよ(いいぞもっとやれ)。

 

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 ???? 第2話?! いや、そりゃ新しいものが観たいとは言ってたけども……まさかこういう方向でいきなり2話目から振り回してくるとは思わなかった。なんかもう、オリジナル案件さまさまであるな。

 よくわかってない部分については今後の観察が引き続き必要だが、この世界には大きく分けて2つの「次元」があるということでいいんだろうか。ただ、それがいわゆる異世界転生とかバーチャル設定というわけではなく、実質的には同じ世界ではあるけど、その「上」から管理している「管理者」側の世界と、管理される側、そしてプレイゾーンとして認識される側の世界の2つが存在している。世界がとんでもない化け物に侵食されて人間が住みづらくなっているのは間違いない事実であるが、そこから生き延びるために生み出された巨大移動要塞「デカダンス」は、人類存在(すでにその肉体からは脱却しており、1つの「企業」によって全てが管理されるようになった何か)が地上の夷狄を狩るための兵器として間違いなく存在している。ただ、1話目でイメージしていたような「数少ない人類が必死に生き残るための戦いを繰り広げている」というような世界観ではなく、デカダンスを使いこなし、さらにバーチャルボディである「ギア」を使い、生き残り競争をせっかくだからゲーム感覚で楽しもうとしている「企業のパーツ」たちが存在している。

 現時点で最上位存在として表示されているのが子安だが、彼もまた「自身が企業の所有物である」と認識しており、この世界には神が存在していると言ってもいいのかもしれない。それはおそらく人間の意志が介入するものではなく、高度に発達したAIみたいなものなんじゃなかろうか。エヴァにおけるマギみたいなものを考えると分かりやすいのかしら。とにかくそうした「超越存在」は様々なAI機能を「住人」として管理し、住人側はゲーム感覚でギアをまとって「下」へ降りて、化け物の討伐に勤しんでいる。

 かてて加えて、そんな「上」の存在を全く知らない様子の「人間」という最下層も間違いなく存在している。「人間」全体が「上」の存在を知っているかどうかは微妙なところだが(下手したらイレギュラーであるナツメにだけ伝わってないという可能性もゼロではないからね)、基本的に、ギアと人間は区別されているようなので、おそらく人間はギアについて、「化け物をぶっ殺すのに特化した別種」くらいの認識なのだろう。死をも恐れぬ彼らの攻勢には感謝しつつ、デカダンスの保全という役割を任された働きアリのような存在。こうしてギアと人を区別することで、少なくとも現在のデカダンスは回っているということらしい。

 さて、問題はナツメというイレギュラーの存在である。彼女はおそらく1話冒頭の父親とのあれこれの果てに、システム側には死んだものと認識されているらしい。そのことで就職先が定まらなかったりという仕打ちを受けていたわけだが、わからないのは、そんなとんでもない状態の「バグ」である彼女が、これだけ成長するまで放置された理由である。単に見逃していたというのはちょっと考えにくいのよね。いわば戸籍がない状態で生活してるみたいなもんで、例えば今回のように「学校を卒業するから就職先が探したい」みたいなアプローチが来れば、システム側も変なバグがあることは認識できるはずだ。どれだけデカダンスが巨大だと言っても、そうして亡霊みたいな存在がフラフラしていて看過するほどアホなわけでもないだろう。そうなると、彼女は何故これまで「生かされて」いたのかというのが疑問なわけだが……。まぁ、その辺りに注目しながら観ていけってことなのかしらね。

 とりあえず、2話目にしてすでにグルングルンと視点を揺さぶり、ダイレクトに画面の面白さばかりを叩きつけてくれる展開。ぶっちゃけ1話目で期待していた方向性からはかなり斜め方向にずれた感があるが、これはこれで見守るに値するだろう。ゆるキャラすぎるデザインとのギャップが強烈なのに、ナツメの百面相のおかげでバラバラにならずに接続してるのが面白いな。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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