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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 中二病です。見てきましたよ。最近はCMを乱発しているおかげで随分気になっていたもので。封切りからちょっと経過してたけど、平日昼間で客入りはそこそこといったところだろうか。流石に「あの花」のムーヴメントとは比べるべくもないが、まぁ、そりゃ仕方ないとこか。

 一言で言ってしまえば、とってもとっても総集編である。最近の劇場アニメは「シュタゲ」やら「いろは」やら完全新作も多いが、「あの花」「まどマギ」「スタドラ」のように総集編で一本の映画にしてしまうものもある。ただ、「あの花」は新規カットも割と豊富だった上に切り出し方が新しかったので新作として楽しめたし、「スタドラ」だったら2クールを2時間に押し込める無茶な展開だったので、いっそ可笑しいくらいの超特急ドラマが形成されていた。逆に「まどマギ」は1クール12話で前後編分割、ほぼ本編と同じくらいの内容をてんこ盛りでがっつり編集してくれていた。

 今作の場合は、これらの先行作品のどれとも違ったもので、一番イメージしやすい「総集編」の趣である。よく言えば無難、悪く言えばありきたりか。冒頭十数分の新作部分はあるが、そこから総集編パートに導入されると完全に「まとめ」に入っており、中身だけで言ったらちょっと手の込んだMADで作れてしまうかもしれない、という内容。京アニ作品の場合、どうしても元々の作品完成度が無闇に高いため、単に切り貼りして再構成しても、ちょっと劇場版としてのお得感が薄いのは残念なところ(まぁ、逆に言えば地上波放送作品のくせに劇場での視聴に耐えうるクオリティということにもなるが)。

 正直なところをいうと、上に挙げたような作品群の中では、一番総集編としてのうまみが薄いのが今作だと思う。ただ、それは作品の質が低いということではなく、作品の持っている面白さの本質が異なっているせいである。「スタドラ」や「まどマギ」はシナリオライン、プロットそのもので見せる作品であり、荒削りになったとしても、ストーリーそのものを再構築し、改めて劇場で一本の作品として見る意味が大きい。対して、この「中二病」はプロット自体にそこまで大きなウェイトを置いておらず、どちらかというとキャラの可愛らしさや馬鹿馬鹿しさなど、ディティールで売る作品だ。1つのポイントに絞って彫り込めば彫り込むほど味わいが出るわけで、それを表面だけなぞって駆け足で繋いでも、あまりうまみが出ないのである。

 もちろん、編集しているスタッフにもそのくらいのことは分かっているわけで、本作はシナリオの説明や筋を追う作業自体をいくらか犠牲にしてでも、「キャラクターの可愛らしさ」を見せる方向にまとめられている。間に挟まった各ヒロインのフラッシュMADみたいなパートなんかが分かりやすく、場面はどうあれ、「その子が可愛かったシーン」さえ映せれば、この作品の目指す方向性は充分に満たされるということ。おかげでシナリオの整合性は二の次になっているため、劇場作品の中ではダントツに「初見の視聴者に向かない」内容になっている。何の説明も無しに展開するので、初見だったらちんぷんかんぷんだろう。あれだけ六花との逃避行を繰り返したり青春していたにも関わらず、六花の悩みの根源が父親との別離であるということが分かるのが、ラストの砂浜のシーンで「さよならパパ」と叫んだところなのだ。そりゃ、話の筋なんて分かるわけがないのである。これは不親切なのではなくて「そうした方が『中二病』らしい」という見せ方の選択の結果である。

 つまり、地上波版を見て「六花可愛いなぁ」とか「凸守たまらんなぁ」と思っていた人間は久しぶりに再会して充分楽しめる。つまり、私は楽しんだってことなんですよ。六花可愛いし、凸守可愛いし、森サマー可愛いし(くみん先輩にだけあんまり興味が無い)。11話からのカットが少なかったのはちょっと残念だったが、メインとなるのが六花の自分語りということもあり、勇太・六花間の恋愛の進展がまとめて観られるのは総集編ならではの視点だったかもしれない。これで不満が出るとすれば、多分一色ファンくらいなものだろう。

 総集編部分は完全に一見さんお断りだし、特に新しさが無いので賛否の出る部分かもしれないが、新規部分については割と嬉しいサービスが多かった。なんと言っても一番力が入っていたのが、冒頭の結婚式パート。京アニがドラゴンなんて幻獣を作品に出す機会はなかなか無く、いかにも劇場版らしい力の入った作画に冒頭から引き込まれる。流石にこれで1時間やれって言われたらきつかろうが、最低限の新規サービスとして作るくらいならば良いバランスである。また、一応本編終了後にはこの冬に始まるであろう2期への繋ぎとして、新キャラの登場シーンも挿入された。とどのつまりは、この作品ってどこまでも「繋ぎのためのファンサービス」なんだよね。

 そんな新規部分の中でも一番のお勧めは、いきなり冒頭に挿入される「Lite」だ。いや、Liteの中身自体は別にどうってことない。テレビシリーズ時のやつと大して変わりゃしない。しかし、エンディングテーマが今回新曲なのだ。そして、新曲ということは、当然踊り狂う六花のアニメーションも変わる。事前に曲だけは聴いていたので「あの邪王真眼音頭が違う祭りの踊りに!」ということは知っていたのだが、まさかあんなに大胆・素敵な衣装の六花が見られるとは……イイヨ、スゴクイイヨ、邪王真眼サンバ。もう、あのアニメだけ延々リピートしたい。そういえば「漆黒に躍る」の時も延々あの映像をリピートしていたっけなぁ。あそこだけを収録した別売りディスクみたいなのが出ないものだろうか。

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 封切り日直後にムービーデイってことで、さっさと見に行きました。しかし……封切り直後+安い日+日曜日のコンボを舐めてましたね。普段は割と落ち着いてから観に行くことが多い上に、そもそも私が観に行くような映画ってそこまで人がなだれ込むもんでもないので油断してたのだが……1時間前に行って既に最前列以外は埋まっているという状態。待つのも癪なので、せっかくだから人生初、劇場の一番前で映画を観てきました。最初は首が痛くなるかと思ってたのだけど、そうでもなかった。問題はどっちかというと、画面が視野に収まりきらないことだね。そこまで動きのある作品じゃなかったのが幸いだったが、これでディティールやアクションで見せる作品だと、多分情報処理がおっつかなかっただろう。実際、この作品でも画面の全部を常に意識に入れるのが無理だったので、ところどころ情報が散漫になってしまった気がする。つまり、また今度空いたあたりで見に行った方がいいってことで……うん、考えておく。

 というわけで劇場版「あの花」である。事前情報では総集編的な立ち位置で再編集された作品とのことであったが、内容をうっすら忘れたくらいの状態で行ったところ、割と新鮮な部分が多かったように思う。実際の尺ではどうだか分からないが、体感的には編集と撮り下ろしで半々くらいのイメージかな。多分これは、物語を再構築して見せた構成の巧さによる新鮮さが大きいのだと思う。今作で最大の(?)焦点となるのは「泣くか、泣かないか」だった。ほら、だってさぁ、人がいっぱい入ってる劇場で、小汚いおっさんがぐずぐず鼻すすってるのもみっともないじゃない。家で地上波版を見てた時は最終回で号泣してたわけなんだけど、出来ることならスッとスマートに観て帰ってきたいな、と思ってたんですが……まぁ無理ですわ。やっぱりクライマックスで同じように泣きますね。いや、別にいいんだ、どうせ会場中でみんな鼻すすってたわけだしね。地上波でちゃんと観てたファンの人なら、今一度あの世界に立ち戻って心のデトックスになること請け合いですわ。

 具体的な内容については、上記のような物理的な理由とメンタル的な理由であまり詳しく思い出して書くことが出来ないのだが、この劇場版で最も評価出来る部分は、「あの夏の出来事から1年後」という絶妙な舞台設定だと思う。めんまの発見・喪失が行われてから、5人がどのような人生を生きて、どのように成長したかを、改めて「めんまへの手紙」の形を借りて描出していく。そこには、本当に明るくて前向きな「成長」の物語だけがある。作中では辛く苦しい思い出もたくさんあり、胸を締め付けられるような事件、傷つけ合う人間関係がたくさんあったわけだが、それら全てが成長の糧となり、この1年の間ですっかり顔つきの変わったお馴染みの5人の表情が丁寧に記録されている。この、「前向きな未来」というテーマが一番の朗報である。めんまが残していったものは、やはりとびきり明るく、とびきり綺麗なものであって欲しかった。そうした未来への願望が、きちんと作品の形で一つにまとまったのである。それだけでも、シリーズのファンには至上の喜びではないだろうか。

 具体的に書いていくと、男の子3人は、それぞれグッとイケメンになった。薄汚れた引きこもりニートとして渦中にあった仁太はすっかり「リーダー」としての力強さを取り戻し、ぽっぽはどこか精悍さを備えて一回り大きくなったように見える。ゆきあつはクッソいけ好かないイケメンぶりが板について、どこをつついても二度とあんなボロなんかでない、完璧なリア充ぶりである。1つ1つの場面でいちいち奴がドヤ顔をするだけで、なんか知らないけどにやけてしまう。僕らのゆきあつは、もうワンピースで着飾って深夜徘徊する不審者ではないのだ。

 そして、そんな男連中との関係性で一喜一憂している女性陣2人の可愛らしいことといったら。まー、ぶっちゃけ、作品の質の6割が彼女たちの成長記録の満足度で支えられていたと言っても過言ではない。すっかり素直になった知利子は、ゆきあつとの関係性をあまり内に隠すこともなくなり、真っ直ぐに自分の好きなものに打ち込めるようになった。そのおかげで鳴子とも気楽に話せるようになり、女友達と普通の女子高生らしい生活も楽しめるようになっている。ゆきあつとセットでいじられるといちいち頬を赤らめるのが本当に甲斐甲斐しい。いや、元々つるこは可愛かったけどね! テレビ版でもずっと可愛かったけどね!

 そして鳴子である。わたしは個人的に最初から知利子派なのであるが、今回の映画ではあまりに真っ直ぐなあなるの魅力に転げてしまいそうであった。知利子のようにしっかりと現状を見据えて成長を続ける可愛らしさではなく、まだまだ成長過程で、自分の気持ちもなかなかまとまらないような、とても拙い可愛らしさ。もう、彼女の1つ1つの情動が何とも一途で愛おしい。どんだけ良い子なのよ! 仁太はまだ彼女をほったらかしにしているようだが(そして鳴子もそれを望んでいる節があるが)、高校2年の夏も終わりましたし、そろそろ2人にも新しい季節が来てもいい頃かもしれませんよ。

 そして、そんな5人の記憶を支え、新しい一歩を踏み出す礎となったのが、めんまであった。今回の劇場版ではあくまでも思い出の中にのみ登場した彼女だったが、回想のみの登場でも、圧倒的存在感で今作の中心として機能している。幼い頃の思い出も新規でいくつか挿入され、本間芽衣子がどのようにして超平和バスターズを結成する原動力となり、更に「ずっとなかよし」であり続けるために力を尽くしたか。彼女の「死後の人生」が、どれだけ思いに満ちたものであったかが、じわりじわりと染みこんでくる。本当に、彼女がいてくれて良かったと、回りにいる人間全てが思える、そんな存在である。一度たりとも新しい時代には姿を見せない彼女が、新たな物語を紐解き、結んでしまったというのは、驚くべきストーリーテリングの妙であった。

 やはり「あの花」というのは凄まじい作品だ。わずか11話の中にぎちぎちに詰め込まれたあの怒濤の物語もさることながら、そこから生まれた全ての可能性が、こうして何とも不思議な形でまた新たな作品として生み出され、そこでもまた、あの時の思い出がフラッシュバックしてくる。今回の劇場版、基本骨子は当然総集編としての立ち位置であるが、それだけでは留まらない、新たな広がりとしての「あの花」の世界も十二分に堪能出来るものだった。これだけストイックな作品作りが実現したのも、やはり長井監督による綿密な世界作りの賜物であるし、このような変則構成ながらも、見事に舵取りをこなしてみせた岡田麿里女史の類い希なる手腕の集大成といえる。是非とも、劇場で「もう1つの夏の日」の思い出をたっぷりと味わってみてほしい。

 私は、多分もう一回地上波版をリレーすることになると思いますのでね。

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 2本目はシュタゲ。改めてアニメ放送版の自分の感想を読み返してみると「序盤キツイ」「設定はファジー」「でも後半凄い」「オカリンマンセー!」といったまとめになっていたらしい。特に重要なのは「序盤キツイ」という項目で、私は「シュタゲ」を楽しんで観ていたが、途中でいい加減な見方をしてしまった不真面目な視聴者であった。もっとも、そうした不真面目な視聴者でも最終的に「面白かった」と言えたわけだし、わざわざ劇場まで足を運ばせたのだから本当に大したものだと思うが、「原作は一切知らず、アニメ版だけを、それも割と適当に観ていた人間が劇場版なんか見て分かるものだろうか」という一抹の不安はあった。結論からいうと、そこは幸いにも大きな問題にはなっていなかったので一安心である。

 

<以下、ネタバレを含む可能性があります>

 


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 観てきました。突発的なカラオケ欲求に襲われて街へ繰り出すも、今日はよりによって行きつけのお店の半額デー(だから行きたかったんだけど)。時間が遅かったせいでなかなか入ることもままならず、カラオケ店をはしごするもどれも噛み合わない。日が暮れた街で途方に暮れているところに、一筋の光明、「そうだレイトショーがあるじゃないか」。というよく分からない理由での視聴です。ついでに「ドラゴンの迷路」の箱とプレリリースの予約も済ませてきたのである。

 

<以下、あんまりネタとか無いのでネタバレではないけど、一応視聴後の感想を含みます、未視聴の方はご注意ください>


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 プリキュア視聴からの勢いではしごした作品。元々予定にはなかったのだが、以前から予告編を見て気になってはいたし、たまたま時間帯が合っていたのでそのまま見ることにした。視聴したのは3D吹き替え版である。ホント、国産以外の映画を見るのなんて、多分干支が一周回るぶりくらいな気がする。最後に観たのって一体なんだったかなぁ……

 

<以下、作品のネタバレなどを含むかもしれないので、未視聴の方はとてもご注意下さい>


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 わぁい! 劇場でプリキュア観るの初めてだよ! なんだか流れがうまいこと行ったので見てきました。ぶっちゃけると「いろは」の2回目に行こうと思ってたけど、入場特典が無くなってしまっていたので躊躇していると、たまたま(?)プリキュアに入ることになっていた知人を捕縛したので、「一人では罪の意識に苛まれて入れないけど、2人ならいける」と思い方向転換した。なお、このときにその隣には直前にプリキュアを観てきた人間もおり、「1人より2人がいいさ、2人より3人がいい」(『若さはプラズマ』)とばかりに休憩無しのダブルヘッダーに無理矢理連れ込んだという。あげく、視聴後に劇場が明るくなったら、後ろの席にもう1人知り合いがおり、結局4人も見とったんか、という驚愕の事態に。せっかくミラクルライトを光らせたい幼気な女の子たちの夢を邪魔しちゃ駄目だよねー。

 

<以下、劇場作品のネタバレを含むかもしれないので未視聴の方は注意が必要です。加えて、本当は満足したのでしっかり感想を書こうと思ったのに、後で視聴した「シュガーラッシュ」の圧力で壮絶に上書きされてしまったので割とあやふやになってる部分もあります>


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 封切り日に観に行きました。別に先着入場特典があるとかいう事実は全然知らず、たまたま日程的に都合が良かったし、「まぁ、ゆーてもそんなメジャーアニメじゃないし、初日でもそこまで混むことはないやろ」という目算もあっての、いつにない素早い行動である。まぁ、ぶっちゃけると、そんだけ大好きなんですよ、「いろは」。ちなみに、5人のヒロインからランダムで配られるらしい特典のイラスト色紙は、なんと巴さんでした。俺的には大当たりだよ! ひゃほう! まぁ、出来たら5枚コンプしたいくらいだけど、流石に無理だからとりあえずはこれで充分満足。

 

<以下、別に大ネタがあるわけじゃないけどネタバレを含みますので未視聴の方はご注意下さい。ついでに、以下の感想はとにかく「花咲くいろは」が大好きな私が書くものですので、面白いかどうかの参考にはあまりならないかもしれないことも付記しておきます>





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 ……何故観に行ったかって? それは、実家にいたから親の持ってるタダ券を使えたからさ。どうせ家に戻ったら見ないんだし……帰省してるうちにただで見られるなら、見といた方が得じゃない。まぁ、そんな理由です。新ドラになってからはアニメもろくすっぽ見てないし、当然劇場作品なんて初めてのこと。どっちかって言うと「新ドラなんてのぶ代に比べれば!」とかいっちゃう系の世代。でもね、もう「新」ドラって言っても放送開始から何年経ってるんだって話だしね。別にそこまで今のドラえもんが嫌いなわけじゃないし。それならせっかく劇場で予告を見て面白そうだと思った作品から入ってみるのもありなんじゃないかな、ってなもんですよ。

 

 

<以下、ネタバレとか入るかもしれませんので、未視聴の方は気をつけた方がいいかも。まぁ、一応体裁上は「推理もの」でもあるのでね>

 

 

 さて、新ドラに対して(ほぼ)初対面ってことだが、実を言うと案外今のデザインも悪くないな、という第一印象だった。これが劇場版で気合いが入った結果としての絵柄なのか、それとも常日頃地上波アニメでもそれなりに再現出来ているのか分からないが、なんだか最近のアニメではなかなか見られないような主線の太いアニメーションは、逆に新鮮な感じがする。当然シンエイ動画を中心とした制作陣は熟練の技が有るわけで、モーションの取り方など、どこか古くさい描き方になっているものの、むしろそっちの方が新鮮で、11枚の動画を見ているだけでも飽きることはなかった。こういうのを懐古趣味というのかどうかは分からないけど、劇場の大きい画面で改めて認識出来たのは大きな収穫かもしれない。まぁ、逆にいえば「劇場で単にでっかい地上波作品を見ているだけ」という気分にもなるのだけれど、メインターゲットのお子さん達はそんなこと気にしないしね。プリキュアや戦隊みたいに、劇場だからって特別大きなことをしてばっかりだと、むしろ飽きられてしまうのかもしれない。

 そんなわけで、シナリオラインについては、私の知っている「劇場版ドラえもん」に比べるとかなり地味。今回は「巨悪」と呼べる存在がおらず、一応対立側も「別な正義」で頑張っている主人公であるため、あまり大きな心の動きはない。むしろメインテーマとなっているのはのび太とドラえもんの友情確認パートなので、どちらかというと「さよならドラえもん」のようなショートムービーに近い印象である。2時間弱の尺でまとめるにはこれで充分だと思うのだが、この歳になって改めて思い返すと、「魔界大冒険」やら「宇宙小戦争」なんかの壮大な物語っていうのは、一体どうやってまとめていたんだろう。改めて今見返すと、当時恐れていたほど大きな物語ではなかったのかなぁ。なんか色々と時間を空けすぎたせいで感覚が分からなくなっているなぁ。

 ただ、繰り返しになるが、「派手でない」ことと「面白くない」ことはイコールではない。今作は事件の規模、動機、結末などはあまりインパクトが無いものだが、それを彩っているのがドラえもん世界の主役といえる「ひみつ道具」というモチーフなので、非常に賑やかな画面で一切飽きが来ないのである。「どんだけマニアックなひみつ道具が出るといっても、どうせ新ドラから入ったお子様向けなんだから、大したもんじゃないだろ」と思っていたのだが、想像以上に大きなお友達向けの小ネタが多く、全てのネタを一度に回収するのは無理なレベル。いくつか見たことはあるのに名前が出てこないものなんかがあるとすごく悔しいのである。「虫の報せアラーム」とか「鬼は外ビーンズ」なんてのは覚えてるもんなのだが……。いや、インパクトでかいもんな、虫の報せアラーム。「魔界大冒険」では世界を救った究極の道具だからな。

 一番悔しかったのは、スネ夫とジャイアンのビックライトシーンあたりで出てきた「海底鬼岩城で大活躍したあの帽子」の名前が思い出せなかったことである。あの帽子、「鬼岩城」では一番緊迫する場面で使われていたおかげで、ものすごく印象に残ってるんだよね。機能も素敵だったし、デザインも秀逸だった。アレに名前がついているなんてこと、今の今まで考えもしなかった事実だったのだが、いざ劇場でスクリーンに映し出されると、子供のころに泣きそうになりながら何度も見た「鬼岩城」の全てが鮮明にフラッシュバックするのだから驚きだ。やっぱり好きだったんだなぁ、劇場版ドラ。ちなみに帽子の名前の正解は「カメレオン帽子」であるらしい。確かに、言われてみればそんな名前だった気もする。

 他にも「鉄人兵団」のキーパーツ「やまびこ山」に「おざしき釣り堀」なんかも劇場版オマージュだろうか。「エスパー帽子」なんてホントにマイナー道具だと思うし、名前も覚えてないけど、あの対象を貯金箱にするヤツなんて、本当にコミックで一回出てきただけだろうに。一回の視聴だけでことごとく「あれがナニで、それが何で」ってな解説が出来る人こそが真のドラマニアだろう。新ドラに抵抗があるおっさんでも、挑戦してみる価値はあると思う。もう、そういう方向性で楽しい作品。ちなみに、おっさんが一番衝撃を受けたのは、野比家の間取りが変わっていることだった。今ののび太の部屋って、ふすま開けて右手にドラえもんの押し入れがあるのね。そこだけがものすごい違和感だったわ。

 さて、そんなこんなで、久しぶりなら久しぶりに楽しめる作品。おかげでリアルタイムでドラえもんを応援しているファンにとってどういう楽しみ方が出来る作品なのかは今ひとつ分からなかったが……まぁ、まっすぐな「少年立志」のお話なので、退屈することは無いだろう。やっぱり旧劇場版ドラに比べるとちょっと雰囲気が緩くて、いかにも「今風」な筋運びな気もするけど、その辺はリアルタイムのファンに合わせたものじゃないかと、勝手に思っている。それにしても、今作を見ていてほとほと困ったのは、メインヒロインのジンジャーが可愛かったことよりも、メインゲストのクルトの方が可愛く見えてしまったことである。別にショタの気は無いのだが……なんか知らんけどクルトきゅんを見てるとすごく和んだ。中の人は永遠の少年、三瓶由布子である。このゲストキャラはかなりきっちり立っていたし、良いデザインだったと思う。もちろん堀江由衣を側に置いておくという鉄壁の布陣、暴れ回る爺さんが千葉繁というだけでもお腹いっぱいなわけだけども。館長役の土師孝也も、こういうおちゃらけた役は久しぶりに聞いたので凄く新鮮だったわ。館長もオチの部分ではかなり可愛かった。ゲストキャラの立ち方は割とお勧め出来る部分だ。

 結論・世代を超えても、キャラが変わっても、やっぱりドラえもんは偉大だよ。


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 見てきました。明日から帰省する上、地元ではやってないから、ほとんど寝てない状態で、しかもやらなきゃいけない仕事を半分以上ぶっちした状態で見てきました。寝てないのは、放り投げる勇気が出ずにもやもやして前の晩寝られなかったせいです。まぁ、別にこの映画の責任ではないけども。くそっ、地元でもやってくれてれば!

 

<以下、一応ネタバレなど含むので、未視聴を気にする方は注意>



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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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