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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 2本目はシュタゲ。改めてアニメ放送版の自分の感想を読み返してみると「序盤キツイ」「設定はファジー」「でも後半凄い」「オカリンマンセー!」といったまとめになっていたらしい。特に重要なのは「序盤キツイ」という項目で、私は「シュタゲ」を楽しんで観ていたが、途中でいい加減な見方をしてしまった不真面目な視聴者であった。もっとも、そうした不真面目な視聴者でも最終的に「面白かった」と言えたわけだし、わざわざ劇場まで足を運ばせたのだから本当に大したものだと思うが、「原作は一切知らず、アニメ版だけを、それも割と適当に観ていた人間が劇場版なんか見て分かるものだろうか」という一抹の不安はあった。結論からいうと、そこは幸いにも大きな問題にはなっていなかったので一安心である。

 

<以下、ネタバレを含む可能性があります>

 




 先に予防線を張っておいた通り、私は熱心なシュタゲファンではないので、原作も含めて、当然この劇場版も十全に内容を理解してるわけではない。加えて「今回のメインネタは説得力どうなんだろう」とか思ってもいる。事件そのものではなく、鈴羽と紅莉栖が選択した「解決策」の方である。なんでアレでめでたしめでたしになったのだろう、という部分については、未だによく分かっていない。劇場で見終わったあとにぞろぞろと出てくる観客の中に「結局どういうことだったんだよ」って言ってるお客さんもいたから、多分そういう人間は私だけじゃないはずだ。そして、残念ながらそうした「わからねぇ」が作品自体に帰因するものなのか、私の理解不足によるものなのかが判断出来ないのである。そこだけがちょっと残念だ。

 一応野暮を承知でまとめて見ると、岡部はリーディングシュタイナーのおかげで、複数の世界線の記憶を同時に持つ、非常に特殊な人間である。そして、そのせいで世界線の揺らぎの影響を受けやすい状態にあり、強く他の世界線を想起してしまうことをきっかけに、SG世界線での存在を維持出来ず、他の世界線に引きずりこまれてしまう。その場合に、SG世界線自体は世界維持のために岡部の存在自体を消してしまう。しかし、人は誰しもがリーディングシュタイナーに類する能力(デジャヴ)を持つため、少なからず岡部の記憶は残り続けている。こういう状態だ。そして、紅莉栖たちが取った岡部救出法は、「SG世界線を他よりも強く印象づけることで、相対的に『他の世界線の記憶を消す』という方向の影響をあたえる」である。その結果が2005年の紅莉栖のあの行動だったと。

 うーん、どうなんだろう。いわば「記憶の焼き付け」みたいなものだと思うのだが、それを2005年の記憶で行う意味が分からない。下世話な話だが、DT臭の強いオカリンだったら、助手が押し倒して既成事実でも作ってしまえばそれで事足りた気もするのだが(同人誌脳の発想)。そもそも、2010年の段階で岡部が経験したタイムリープが揺らぎの原因なのだから、それ以前の記憶に影響をあたえたら、そもそもその時点で紅莉栖が他の世界線に飛んでしまうのではなかろうか? 鈴羽(というか未来の紅莉栖)のタイムマシンはその辺を解決しているということなのか。そのあたりがもやもやっとしていると、最後の秋葉原の雑踏での綺麗な締めのシーンも、ちょっと消化不良になってしまうのでした。

 

 以上が、シナリオラインについての不満というか、疑問である。これだけ書くと、なんだかつまらない映画だったという感想に見えてしまうのだが、今から慌ててそのあたりについての弁明を書いていく。文句を言っているが、私はこの映画が充分面白かった。元々原作(アニメ)だって完全に設定面で納得していたわけではないのだし、この作品に「完全な納得」は必要無いと思っている。描きたいのはあくまで鳳凰院凶真と助手のラブロマンスであり、そこさえ描けてしまえば、あとの要素はそこまで目くじらを立てるものではない。そして、原作で繰り広げられたラブロマンスの延長線上の作品として、今作は非常に良いポイントをついていたと思うのだ。ゲーム原作でかっちりと完結しているはずのアニメが劇場作品になる、という話を聞くと、昨今の劇場作品のお約束ならば総集編じみたもののイメージが強いのだが、今作はきちんとアニメでの「ハッピーエンド」を受けた上で、あの事件を許容し、活用しながら、新たな事件を産みだし、そこに更なるラブロマンスを上乗せしたのである。そして、その主役に抜擢されたのが牧瀬紅莉栖である。完全に岡部倫太郎の物語だった原作からくるりと角度を変え、戦う助手の物語として組み上げたその根本的なデザインが見事だ。

 事件自体は、割と良く見る設定なのは事実だろう。最近もすげぇ似たような作品があった気がするのだが思い出せず(「絶園のテンペスト」は違うもんな)、遡っていったら色々と出てきて、たとえば「スタドラ」のミズノとマリノの話なんかはよく似ているし、「CLANNAD」の風子、そして「まどマギ」のまどかの存在なども、「いるはずだった大切な人の記憶が消えていくことと戦う物語」という部分で共通している。つまり、割とお馴染みなモチーフであり、ちゃんと描ければ鉄板で泣きエピソードになるのである。そしてまぁ、これがまた阿漕で上手いのだ。消えてしまうのが岡部である、というのがポイントで、彼はこれまで一人で世界と戦い続けてきた「戦士」である。そして、その戦いは岡部以外の人間はほとんど知らず、一番理解している紅莉栖だって、作中で独白しているように「ほとんど知らない」のである。それなのに、岡部は紅莉栖に向かって「構わない、忘れろ」と言ってのけた。ホントに男前だ。このオカリンだったら仕方ないな、と強引にねじ伏せられる男前だ。助手が惚れるのも仕方ない。

 もう、あとは基本的に「ツンデレとツンデレがカポーになったイチャイチャばなし」を延々楽しむアニメである。もう、それだけでもいいんじゃないかな。序盤で酒に酔った助手の反則ぶりや、その後の2人の悲壮感漂う恋愛模様は、ベタだろうが不可解だろうが、誰も文句を言わせないだけのものが詰まっている。岡部の覚悟が恰好いいのなら、一度はそれを受け入れて葛藤し、改めて挫折から立ち上がる紅莉栖も恰好いいに決まっている。やはり主人公の見せ方が上手いんだろうなぁ。思えば「ロボノ」のカイも最初は本当にどうしようもない奴だと思ってたけど、いつの間にか恰好良く思えてきたもんである。受け取るこちら側が単純なのかもしれないけども。

 というわけで、この作品は「岡部が助手といちゃいちゃするのを楽しみたい人が観るアニメ」という結論になる。そりゃな、アニメも観てない一見さんは確実にお断りだろうさ。しかし、そのおかげでちゃんとファンになった人間にとっては実に有難いご褒美である。大画面でいちゃいちゃされてもこの2人はあんまり腹が立たないのはオカリンが男前だからなのか、助手が健気だからか、それはよく分かりません。個人的には、間に入ったまゆしぃの立ち位置が絶妙なんじゃないか、という気もする。あれだけの聖人君子として描かれているまゆしぃがオカリンをあれだけ信頼しているのだから、岡部倫太郎は良い奴なのである。普通はこういうハーレム的な配置になったら「最終的にオカリンは助手なの? まゆしぃなの?」というもめ事が起こるはずなのだが、ことこの作品については、そういう疑念は一切起こらない。オカリンの相手はあくまで紅莉栖であり、まゆしぃは単なる可哀想な人質であり、オカリンが生きる上で欠かせない存在、それだけだ。今回だって要所要所で最大限に仕事をして決定的な存在感を発揮しているはずなのに、2人の間に一切入り込んでこないという完璧な仕事ぶり。そりゃジューシーからあげもナンバーワンである。

 以上だ。この作品は、岡部・紅莉栖・まゆしぃの3人で完結出来る。もちろん他のキャラだって大切な役割だが、あくまでこの3人のもり立て役である。ダルですらメインのカテゴリではない。そのくらい思い切った構成が、今作最大の見どころといえるのではなかろうか。個人的には、冒頭でいとうかなこの歌うオープニングが流れた時点で割と満足した、とかいうのは秘密だ。もちろんエンディングの曲も良かったですよ。グッと最後を締めてくれたのでウルッと来てしまった。でも、こうして聞いていると初代OPの「孤独の観測者」っていうフレーズはやっぱり絶大だったんだな、と思います。


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