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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 完全に宗教アニメになってしまったよ、第11話。これまで延々「宗教」「信教」という言葉を使ってきたのだが、ここまでダイレクトに方向性が定まるとは。ある意味必然だったってことかしらねぇ。

 突如現れたレドの元上司、クーゲル中佐。どうやらレドが巻き込まれた謎の時空現象の犠牲者は1人だけではなかったということらしい。一応気になるのは「じゃ、一体何人巻き込まれてたんだろう」ということだが、2人が地球に流れ着いてから、レドの救難信号をクーゲルが受信して到着するまで一切他の仲間達が出てこないことを考えると、おそらく同盟の人間はこの2人だけと考えた方がいいだろう。つまり、このアニメのクライマックスは同じ教育、同じ信教を持っていた2人の同盟戦士のイデオロギーのぶつかりあいということになるはずだ。うむ、急に視界が良くなった。

 ついでに、これまでクーゲルさんが何をしていたのかを勝手に想像してみると、地球に落ちた直後の状況はレドと同じようなもんだろう。何が起きたのか分からず慌てふためき、必死に宇宙に帰る算段を模索したに違いない。しかし当然帰れるあてなどなく、レドはそこでふさぎ込み、ガルガンティア船団という新しい仕事先に慣れていくことに全力を注いだ。しかしクーゲルは違った。地球人類が「戦い方も知らない遅れた人類」であると認識し、習うことを選んだレドに対し、全ての環境を自らの支配下に置くことを選んだ。マシンキャリバーの力があれば船団の1つや2つをあっという間に制圧出来ることはチェインバーを見ても自明であり、クーゲルだってコクピットからろくにでなくてもそれぐらいは余裕である。そうして自分の主義主張を邪魔する人間は全て片付け、地球上で動く当座の人員も確保。統制を取るために、同盟仕込みの限界まで簡略化された「幸福」論でコントロールを得ることになった。いかにも怪しい宗教のスタイルを借用しているのは、地球の文明レベルに合わせた時にいちいち科学的なところを説明するとメンドイというのもあるし、過去の蓄積から、宗教的な道具立てというのが人心をコントロールするのに最適なものであることを理解していたためだろう。おかげで、臣民達の内心はどうあれ、完全な統制を持った1つの船団が一糸乱れずに完成している。

 クーゲルが産みだした船団宗教と、レドが暮らしたガルガンティアには天地の差がある。さて、このような違いは一体どこから生まれたのだろうか。中佐とその配下という役職の違いはあれども、基本的にはレドとクーゲルに与えられた状況はほぼ同じものである。2人は全く同じような方向に進んでもおかしくなかったはずだ。2人の行く先を変えた原因は大きく2つあるように思える。1つは推測でしかないが、「ヒディアーズと出会うタイミング」。レドはすっかりガルガンティア船団に溶け込んだ後にクジライカに遭遇したため、大きな混乱はあったものの、その混乱期が、のちに自分の行動を振り返り、迷いを生じさせる役割を果たした。おそらくクーゲルは、地球に降りてまもなく、あのヒディアーズを目撃したのではなかろうか。「殺さなければいけないもの」を見て、それに対して一切の対策を講じない地球人に焦りと同情を覚えたからこそ、彼は組織を作り出すことを思いついたのだろう。

 ただ、結局そんなことは些事であり、最大の違いは、やはり2人の人間性なのだろう。お互いヒディアーズの真実については地球に降りてきてから知ったはずなのに、レドは迷い、クーゲルは歯牙にもかけなかった。「本能のままに動き理性が無いヒディアーズは既に人類ではない」というのが彼の言い分であり、これまた「そうとも言える」ものである。もちろん、レドだってそのことは知っているだろうし、そう思い込んで吹っ切れようとしたこともあるはずだ。しかし、結局それは彼の1人では処理出来なかった。エイミーたちの主張を聞いてしまったあとでは、どうしても割り切って考える方向には結論づけられまい。しかし、今回クーゲルとの情報交換を行い、あっさりと彼の説得に同意してしまっている。もちろん迷いはあるだろうが、自分よりも強い「信教」を叩きつけられてなお跳ね返せるほど、彼の躊躇いは根強いものではない。心に疑問を抱えつつも、「先輩が言うならそれはそうなのかも」というくらいの気持ちで賛成することになるはずだ。

 暴れん坊のピニオンもクーゲル船団の理念に取り込まれ、「とりあえず非の打ち所がない」クーゲル理論には、レドは逆らうことなどありえない。このまま行けば、地球には2人の手による第2の同盟支部が出来上がる……はずだったのだが、残念ながらそんなに簡単にお話は終わらない。クーゲルの掲げる幸福論に真っ向からぶつかる存在、それがガルガンティア船団である。ガルガンティアの断片ともいえるフランジ船団は為す術もなく飲み込まれたわけだが、レドにとって、ガルガンティアは特別な存在である。それを脅かそうとする存在がある今、彼は再び悩まなければならない。生まれてからずっと浸かってきた同盟の教えに帰依するのか、それとも、地球にたどり着いてから新たに手に入れた不自由な幸福論を守るのか。ほんと、若い子には酷な選択であることよ。

 今回1つ気になった存在に、久しぶりに登場したラケージ海賊団がある。てっきり彼女たちもクーゲル船団に飲み込まれたのかと思ったのだが、ラケージたちの顔には、レドやピニオンが押しつけられた顔面の「刻印」がない。つまり、彼女たちはクーゲル船団にいながら、彼らの「教義」に則っていない。クーゲル教団が彼女たちのような異分子を放っておくはずがないと思うのだが、何か上手いことやって逃げ延びているのだろうか。ラストの筋書きがどう転がるのか、最後まで引っ張ってくれる。

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