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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「悪の華」 4→6

 登場時には大きく騒がれた本作だが、いざ終わるとなると、案外しっとりと、静かに幕を閉じるものである。これは序盤で客が離れて声のでかい連中がいなくなったためなのか、それともみんな無事にこの作品のテイストに慣れて、落ち着いて楽しめるようになった結果なのか。どちらが正解なのかは分からないが、少なくとも、その実験的な姿勢には良きにつけ悪しきにつけ、様々な見るべき点があったのは事実であろう。

 ロトスコープ撮影という前代未聞の手法を採用して話題を呼んだ「悪の華」。最初に見た時の感想は新番チェックであげてあるわけだが、正直、拒否反応の方が強く出た。やはり長らく「アニメ」というものに触れてきたために「お約束」は自分の中で完成しているわけで、その枠外に現れたものを評価する軸自体が存在していなかった、というのが正直なところである。しかし、それも無事に13話の放送を終えた現在ならばいくらか冷静に見ることが出来るようになっている。もちろんまだまだ議論の余地はあるだろうが、話題性も含めて、本作は期待された仕事を、なんとかこなす健闘を見せたのではないだろうか。今ならば、最終話でこれまで蓄積した鬱憤を全て叩きつけるような非常に暴力的な構成も含めて、非常にテーマに合致した、理知的な演出方向だったと認識することが出来るだろう。

 改めて振り返るに、「画が違う」というだけで作品を非難するのはおかしな話であった。きちんと「何故その絵にしたのか」ということを考え、理解出来るように見なければならない(もちろん、制作側は理解してもらえるように作らなければならない)。「画がおかしい」ことで評価の俎上から外れるなら、既にシャフトは埒外である。今作の場合、何しろ現実を元にしているわけで、他のどんなアニメよりも「リアル」の度合いは強い。ロボットアニメの戦闘シーンや萌えキャラのライブシーンを見て「ぬるぬる動く!」「すげぇ描き込み!」と賞賛するならば、こちらの「リアル」だって認めてしかるべきだし、今作の「リアル」にはきちんとそれを描くだけの意味があった。

 もちろん、事情はそんなに簡単ではない。「リアル」に求めている要素が違う、ということもあるが、この作品の採用したロトスコープというのは、単にリアルをそのまま転写する道具ではない。新番チェックの時にも触れているが、あくまで画像情報はデジタルに処理されており、普通のアニメよりも更に一段デフォルメされる部分も出てくるし、「描き込まれない」ために不具合を起こす部分も多い。遠景ではリップシンクが再現されずに誰が話しているか分かりにくかったり、奇抜なコンテが使えないためにどうしたってカメラワークが単調になったり、単純な画像処理の面での難点も多い。しかし、やはり「背景に現実があると分からせること」の意味というのは大きい。昨今はやりの「聖地作画」なんかに通じるものもあるが、「アニメの裏に実写が潜んでいる」ことが認識出来るだけで、その映像の近さというものは突然跳ね上がる。今作の場合、求めていたものは正確なコンテでもなければ生々しい動きそのものではなく、あくまでも「そこにリアルがあった」という空気感であろう。単調を超えて動きすら見せなかったカメラワークや、極力音響を廃した音の無い長尺などののっぺりした画面にもそれが伺える。生身の人間があの事件を引き起こし、生身の人間たちが山道を泥だらけになって逃げ回った。その中に隠れる「悪の華」の存在感さえも、「後ろにいる演者」と一緒に現実から切り取ってきたかのような、倒錯した「リアリティ」が実現する。べったりと重たく張り付くようなテーマ性の作品であるだけに、この奇妙な現実感は、表現技法としては非常に面白い効果があったのではなかろうか。

 結局、ロトスコープのおかげで何が得られて、何が失われたのか、ということをきちんと最後まで見定める必要がある。個人的な感想を簡単にまとめておくと、この作品がロトスコープになったことで失ったものは「必要とされるディティール」と「自由度」であり、その対価として受け取ったものは「不可解な現実感」である。立派に作品として成立したことを考えるならば、このトレードはややプラス方向に傾いたと受け取ってもよいのではなかろうか。模範解答だとは思わないが、1つの例解として、充分に議論するだけの価値あるものだと思う。

 その他の要素についても1つ1つ見ていけば面白い要素が多く、話題性の一因ともなっていたオープニング、エンディングテーマの使い方なんかもこだわりが徹底していて見事である。キャストの起用法についても、多少のノイズを伴ったとしても主人公はベタベタの新人を起用して視聴者を不安定にし、そこを安定したヒロイン勢のキャストでねじ伏せる、という配置は実は凄く計算されていたのではないか、とも思う。いや、やさしい雨が案外良かった、とかは計算外だと思うけども。松崎、アニメに出られた上にアフレコで声優陣と一緒とか、死んでもいい状況やないか。そして、今期はコレ→フォトカノ→ハンタと進むと恐ろしい伊瀬茉莉也アワーが体験出来る恐ろしいタイムスケジュールだったりする。いい仕事してましたよ。

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